2012/07/28(土) - 03:58
八ヶ岳といえばグランフォンド八ヶ岳や、ツールド八ヶ岳のような規模の大きなライドイベントが有名であるが、知る人ぞ知る面白いイベントがあると知り合いから誘われ、「八ヶ岳高原サイクリング」に参加してきた。
ロングライドファンの4126(ヨイフロ)こと伊東俊喜が実走レポートします。
■意外と歴史がある掘り出しイベント
第7回の開催ということで、歴史がある大会だが規模はそんなに大きくない。エントリーはメインの70kmコースと、ちょっと短めに途中のコースをショートカットした45kmコースの2コースがああるので、70kmコースにエントリー。
開催は6月3日の日曜日であるが、前日の土曜日にオプションで「野辺山ポタリング」という前日イベントも開催している。どうせ前泊で八ヶ岳に来るんだろうから、それなら前日も軽いライドを楽しんではいかが、という感じだろう。
今回は都合により参加できなかったが、一緒に参加したメンバーにはこの前日ポタリングに参加したメンバーも入れば、自主企画でMTBでのオフロードトレイルランを楽しんだりしたメンバーもいた。日曜のメインイベントが70kmとあまり距離がないので、思い思いに前日も含めた楽しみをプラスするのはいい手だ。
さて、開催前夜は清泉寮ユースキャンプ場という20人くらいは楽に泊まれるコテージを借りて前泊。夕食は清里のROCKという地ビールレストランでの食事を楽しんで当日の朝会場入り。
■出発前ものんびりモード
スタート会場はコテージから数分の清泉寮。清里では知名度ナンバーワンの観光スポットで、ここがスタート地点になっている。距離が短いので、受付開始は7時。開会式は7時40分でスタートは8時からと一般的なロングライドイベントに比べるとかなり遅め。
日が昇ってからゆっくり宿で朝食をとって受付に。さすが人気観光スポットだけに駐車スペースもたっぷり。イベントの開催には清泉寮も協力してくれているので、まだ一般営業時間前なのにトイレも使える。
受付ではひとりづつ記念写真を撮影してくれて、その写真を使った完走証をゴール後にくれるらしい。前日の予報ではほぼ間違いなく朝から雨、という状況だったにもかかわらず、起きてみたら嘘のようにいい天気。
7時40分に開会式がはじまり、主催者挨拶のあと、ライドについてのブリーフィングがあり、そのあと指導員のインストラクションによる入念な準備体操。こういう点も新鮮だ。
走行は10人くらいづつのグループとなり、各グループにサイクルリーダーとサブリーダーの2名がついて、前後を走ってくれて、グループごとにまとまって走って行く走行スタイル。8時のスタート時間になると各グループごとに出陣写真を撮影し、清泉寮をあとに出発していく。
こういうグループ走行式のライドイベントだと、ひとりで参加していても同じグループの参加者やサイクルリーダー達とコミュニケーションを取りながら走って仲良くなれるのでいい。
サイクルリーダーを先頭に走るグループライドなのでミスコースの心配はあまりないのだが、やはり登りなどでバラけることもあるので、コースの曲がるポイントでは案内スタッフによる誘導もあるのでその点も万全。
■好天の中をいざ出発!
出発するといきなりの登りがちょっとだけあって、そこからは下り基調で八ヶ岳高原ラインの爽やかな道路を飛ばしていく。15km走って最初の休憩所に到着。休憩所では水とバナナやクッキー類、ゼリーなどの補給食が用意されている。グループごとに休憩所に入ってきては、グループ単位で出て行く。
ここから第2休憩所までの15kmは比較的登りが多いが、斜度のきついところはなく、ダラダラ登りが続く感じである。登り基調になるとやはりある程度は走行ペースの違いでバラけてしまうが、それでも休憩所で合体する感じだ。距離が短いせいか、休憩所を飛ばしたり、せわしなくすぐに出て行く参加者もいない。みんなのんびりモードなのも新鮮。
さらに20km下り基調の道を走って50km地点の第3休憩所へ。ここはランチポイントになっていて、ひとりづつサンドイッチとジュースをもらって食事にありつく。丁寧につくってあるサンドイッチは美味。高原の気持ちいい空気の中でのんびり食事休憩。あと20kmで終わってしまうので、食事後昼寝している参加者も・・・。
■ランチの後は登りも頑張る!
たっぷりランチ休憩したあとはやや登り基調の道を12km先の甲斐大泉駅前の最後の休憩所に向けて出発。斜度はそんなにきつくないので、腹ごなしにはいい感じだ。甲斐大泉駅前の第4休憩所ではちょうどやってきた小海線にカメラを向ける参加者多数。
いよいよここからゴールまでの最後の区間に3kmほど登りのきつい区間があるのだ。川俣側を渡る絶景の陸橋を超えるといよいよ最後の登りがはじまる。
この登り区間は、車道とは別のサイクリングロードが設けてあえところを頑張ってみんな登って行く。斜度10%オーバーの激坂はないものの、平均斜度8%ほどの登りが2km弱続いているので、坂が苦手な方はここが頑張りどころだろう。ここを登りおえればあとはゴールまで下っておしまいだ。
バイクを降りて押している参加者もいる中を、無事に登りきって、最後は爽快なダウンヒルで無事にゴール。
ゴールは出発地点とは違い、小海線清里駅を挟んで清泉寮とは逆側にある丘の公園キャンプ場になる。ここはスタート地点の清泉寮よりも標高が200mくらい低いので、それもあってかコース全体を通すと、下りのほうが多かった印象のコースになっていた。
天気ももってくれたので、高原の爽やかなコースでのライドを楽しむことができた。ロングライドとは言えない70kmという短めの距離だったが、そのためにのんびりと走ることができてよかった。
ちなみにサイクルコンピューター読みでは走行距離69.05km、獲得標高1028mであった。あまり登った気がしないのにそこそこ獲得標高があるので、日頃あまりアップダウンのない河川敷サイクリングロードばかりのライダーには多少は刺激になっていいと思う。(ただ坂大好き派には物足りないとは思うが。)
■ゴール後のお楽しみがスゴい!
ゴール後は、出発前にゴール行きトラックに預けておいた自分の荷物を受け取って、ゴール隣にある温泉施設の入浴券をもらい、一汗流しにいく。
ゴールしたあとすぐに温泉に入ってくつろげる、というのはすごくいい。露天風呂でゆっくりしてからゴール地点に戻ると、スタッフがバーベキューの用意をすでにはじめてくれている。
出発前に撮影した自分の写真入りの完走証と完走証を入れる木製のフレームがプレゼントされる。一緒に参加した仲間とノンアルコールビールで乾杯して、15時からはいよいよバーベキュー&懇親会・閉会式がスタート。
バーベキューは各グループごとにひとつのストーブで肉や野菜を焼いて行くスタイルで、食材がかなり豊富!飲み物もビールやソフトドリンクもたっぷりあって、こんなに食べさせてもらっちゃっていいの?というくらいである。
バーベキューをみんなで楽しみながらプレゼント抽選会もスタート。自転車用品から地元も名産品やいろいろな賞品が用意されていて、次々に当然者の番号(参加者のゼッケン番号)と名前が呼ばれて行く。みんなはバーベキューを楽しみながら当選結果に一喜一憂!
■事務局スタッフの皆さんの進行もうまくてとにかく楽しい!
ライド後にこんなに楽しめる企画があるイベントははじめてである。プレゼントは参加者全員に何かしら当たるようにしてくれていて、このへんの心配りもさすがである。バーベキューは肉&野菜からはじまり焼きおにぎりや最後は焼きそばのしめまで、とにかく豊富。2時間の懇親会を参加者はみんな満喫できたことと思う。終了後はスタート地点までバスで参加者を運んでくれるようになっているのもいい。我々は先に車をゴール地点まで持ってきておいたので、一足お先に会場をあとにして帰路についた。
■八ヶ岳高原サイクリングに参加して
参加する前は正直このイベントをなめていた。距離も短いし大したことがないイベントかな、と。(ごめんなさい)しかし終わってみたら全然違った。ホントに久々に「また参加したい!」と思えるいいイベントだった。
ライドイベントというと、参加者の多いビッグイベントにばかり目がいきがちだ。もちろん大きなイベントには大きなイベントならではの魅力もあるのは確かだが、規模が大きくなると、どうしても主催者側がイベント全体の進行のことに目がいってしまい、個々の参加者が抱える不安や不満などにまで目が行き届かなくなったりして、その結果として参加して完走した自分に対する満足度はあっても、イベント自体にはいろいろと不満が出てきてしまうケースも多い。
それに対して八ヶ岳高原サイクリングは、参加者人数を限定することで、小規模イベントでしかできないライドイベントのあり方を追求し、個々の参加者ひとりひとりの顔を見ての運営というか、主催者と参加者が非常に近いところで、「参加者皆んなに満足してもらいたいし、一緒に楽しみましょう!」という姿勢でイベントが考えられていて、実に気持ちのいいイベントだった。全体を通した細かな気配りと、参加者へのホスピタリティはハンパなく素晴らしかった。
ゴールしたら温泉で汗を流して、それからみんなでバーベキューしながら懇親会という流れのイベントなど他にはそうはないだろう。プレゼント抽選会での和気あいあいとして全員一体となっての楽しいひとときなど、このくらいの規模じゃなければ無理だろうし、主催者側もそれをわかった上で、いたずらに規模を大きくすることではなく、ハンドリングできる規模での開催につとめていることは正解だとおもう。(収益的には大規模にしてしまったほうがいいのだろうが)
ハードなコースを完走する歓びを味わうイベントもいいが、ただ走るだけではなくプラスした楽しみがいろいろとあるこういうイベントも自転車の楽しみを参加者に味わわせてくれる貴重なイベントなので、こういういいイベントはぜひ、このまま継続していってもらいたいと思う。
そしてビッグイベントしか経験のない方は、ぜひこの八ヶ岳高原サイクリングに参加してみることをおすすめしたい。こんなにのんびりと楽しめるライドイベントはそうはないのだから。
Reported by 4126/longridefan.com
4126(ヨイフロ) プロフィール
中学時代にフレームを購入し、パーツ組みでランドナーを作り、ユースホステルを利用して関東から信州にかけて休みを使ってのツーリングにのめり込む。ロングライドイベントには月1回のペースで参加しながら、毎月600kmの走行をなんとかこなしている。90kgオーバーというヘビー級重量のために上り坂がなによりも苦手な50才。愛車は激安中古フレーム&パーツを買い集めて組んだBMC SL-01とTREK5200。
longridefan.com について
ロングライドが大好きな方のための情報交換の場とすべく2010年にスタートした非営利のロングライドコミュニティサイト。tattsと4126の2人が国内外の様々なロングライドイベントに参戦し、各イベントをレビューしている。さらにハワイではオアフ島一周のライドイベント「ラウンドライド・オアフ」を主催したり、「マイキャラ」という一人づつのサイクリストのキャラクターイラストとニックネーム入りのオーダーサイクルウェアの製作販売を開始するなど活動のフィールドを広げている。
ロングライドファンの4126(ヨイフロ)こと伊東俊喜が実走レポートします。
■意外と歴史がある掘り出しイベント
第7回の開催ということで、歴史がある大会だが規模はそんなに大きくない。エントリーはメインの70kmコースと、ちょっと短めに途中のコースをショートカットした45kmコースの2コースがああるので、70kmコースにエントリー。
開催は6月3日の日曜日であるが、前日の土曜日にオプションで「野辺山ポタリング」という前日イベントも開催している。どうせ前泊で八ヶ岳に来るんだろうから、それなら前日も軽いライドを楽しんではいかが、という感じだろう。
今回は都合により参加できなかったが、一緒に参加したメンバーにはこの前日ポタリングに参加したメンバーも入れば、自主企画でMTBでのオフロードトレイルランを楽しんだりしたメンバーもいた。日曜のメインイベントが70kmとあまり距離がないので、思い思いに前日も含めた楽しみをプラスするのはいい手だ。
さて、開催前夜は清泉寮ユースキャンプ場という20人くらいは楽に泊まれるコテージを借りて前泊。夕食は清里のROCKという地ビールレストランでの食事を楽しんで当日の朝会場入り。
■出発前ものんびりモード
スタート会場はコテージから数分の清泉寮。清里では知名度ナンバーワンの観光スポットで、ここがスタート地点になっている。距離が短いので、受付開始は7時。開会式は7時40分でスタートは8時からと一般的なロングライドイベントに比べるとかなり遅め。
日が昇ってからゆっくり宿で朝食をとって受付に。さすが人気観光スポットだけに駐車スペースもたっぷり。イベントの開催には清泉寮も協力してくれているので、まだ一般営業時間前なのにトイレも使える。
受付ではひとりづつ記念写真を撮影してくれて、その写真を使った完走証をゴール後にくれるらしい。前日の予報ではほぼ間違いなく朝から雨、という状況だったにもかかわらず、起きてみたら嘘のようにいい天気。
7時40分に開会式がはじまり、主催者挨拶のあと、ライドについてのブリーフィングがあり、そのあと指導員のインストラクションによる入念な準備体操。こういう点も新鮮だ。
走行は10人くらいづつのグループとなり、各グループにサイクルリーダーとサブリーダーの2名がついて、前後を走ってくれて、グループごとにまとまって走って行く走行スタイル。8時のスタート時間になると各グループごとに出陣写真を撮影し、清泉寮をあとに出発していく。
こういうグループ走行式のライドイベントだと、ひとりで参加していても同じグループの参加者やサイクルリーダー達とコミュニケーションを取りながら走って仲良くなれるのでいい。
サイクルリーダーを先頭に走るグループライドなのでミスコースの心配はあまりないのだが、やはり登りなどでバラけることもあるので、コースの曲がるポイントでは案内スタッフによる誘導もあるのでその点も万全。
■好天の中をいざ出発!
出発するといきなりの登りがちょっとだけあって、そこからは下り基調で八ヶ岳高原ラインの爽やかな道路を飛ばしていく。15km走って最初の休憩所に到着。休憩所では水とバナナやクッキー類、ゼリーなどの補給食が用意されている。グループごとに休憩所に入ってきては、グループ単位で出て行く。
ここから第2休憩所までの15kmは比較的登りが多いが、斜度のきついところはなく、ダラダラ登りが続く感じである。登り基調になるとやはりある程度は走行ペースの違いでバラけてしまうが、それでも休憩所で合体する感じだ。距離が短いせいか、休憩所を飛ばしたり、せわしなくすぐに出て行く参加者もいない。みんなのんびりモードなのも新鮮。
さらに20km下り基調の道を走って50km地点の第3休憩所へ。ここはランチポイントになっていて、ひとりづつサンドイッチとジュースをもらって食事にありつく。丁寧につくってあるサンドイッチは美味。高原の気持ちいい空気の中でのんびり食事休憩。あと20kmで終わってしまうので、食事後昼寝している参加者も・・・。
■ランチの後は登りも頑張る!
たっぷりランチ休憩したあとはやや登り基調の道を12km先の甲斐大泉駅前の最後の休憩所に向けて出発。斜度はそんなにきつくないので、腹ごなしにはいい感じだ。甲斐大泉駅前の第4休憩所ではちょうどやってきた小海線にカメラを向ける参加者多数。
いよいよここからゴールまでの最後の区間に3kmほど登りのきつい区間があるのだ。川俣側を渡る絶景の陸橋を超えるといよいよ最後の登りがはじまる。
この登り区間は、車道とは別のサイクリングロードが設けてあえところを頑張ってみんな登って行く。斜度10%オーバーの激坂はないものの、平均斜度8%ほどの登りが2km弱続いているので、坂が苦手な方はここが頑張りどころだろう。ここを登りおえればあとはゴールまで下っておしまいだ。
バイクを降りて押している参加者もいる中を、無事に登りきって、最後は爽快なダウンヒルで無事にゴール。
ゴールは出発地点とは違い、小海線清里駅を挟んで清泉寮とは逆側にある丘の公園キャンプ場になる。ここはスタート地点の清泉寮よりも標高が200mくらい低いので、それもあってかコース全体を通すと、下りのほうが多かった印象のコースになっていた。
天気ももってくれたので、高原の爽やかなコースでのライドを楽しむことができた。ロングライドとは言えない70kmという短めの距離だったが、そのためにのんびりと走ることができてよかった。
ちなみにサイクルコンピューター読みでは走行距離69.05km、獲得標高1028mであった。あまり登った気がしないのにそこそこ獲得標高があるので、日頃あまりアップダウンのない河川敷サイクリングロードばかりのライダーには多少は刺激になっていいと思う。(ただ坂大好き派には物足りないとは思うが。)
■ゴール後のお楽しみがスゴい!
ゴール後は、出発前にゴール行きトラックに預けておいた自分の荷物を受け取って、ゴール隣にある温泉施設の入浴券をもらい、一汗流しにいく。
ゴールしたあとすぐに温泉に入ってくつろげる、というのはすごくいい。露天風呂でゆっくりしてからゴール地点に戻ると、スタッフがバーベキューの用意をすでにはじめてくれている。
出発前に撮影した自分の写真入りの完走証と完走証を入れる木製のフレームがプレゼントされる。一緒に参加した仲間とノンアルコールビールで乾杯して、15時からはいよいよバーベキュー&懇親会・閉会式がスタート。
バーベキューは各グループごとにひとつのストーブで肉や野菜を焼いて行くスタイルで、食材がかなり豊富!飲み物もビールやソフトドリンクもたっぷりあって、こんなに食べさせてもらっちゃっていいの?というくらいである。
バーベキューをみんなで楽しみながらプレゼント抽選会もスタート。自転車用品から地元も名産品やいろいろな賞品が用意されていて、次々に当然者の番号(参加者のゼッケン番号)と名前が呼ばれて行く。みんなはバーベキューを楽しみながら当選結果に一喜一憂!
■事務局スタッフの皆さんの進行もうまくてとにかく楽しい!
ライド後にこんなに楽しめる企画があるイベントははじめてである。プレゼントは参加者全員に何かしら当たるようにしてくれていて、このへんの心配りもさすがである。バーベキューは肉&野菜からはじまり焼きおにぎりや最後は焼きそばのしめまで、とにかく豊富。2時間の懇親会を参加者はみんな満喫できたことと思う。終了後はスタート地点までバスで参加者を運んでくれるようになっているのもいい。我々は先に車をゴール地点まで持ってきておいたので、一足お先に会場をあとにして帰路についた。
■八ヶ岳高原サイクリングに参加して
参加する前は正直このイベントをなめていた。距離も短いし大したことがないイベントかな、と。(ごめんなさい)しかし終わってみたら全然違った。ホントに久々に「また参加したい!」と思えるいいイベントだった。
ライドイベントというと、参加者の多いビッグイベントにばかり目がいきがちだ。もちろん大きなイベントには大きなイベントならではの魅力もあるのは確かだが、規模が大きくなると、どうしても主催者側がイベント全体の進行のことに目がいってしまい、個々の参加者が抱える不安や不満などにまで目が行き届かなくなったりして、その結果として参加して完走した自分に対する満足度はあっても、イベント自体にはいろいろと不満が出てきてしまうケースも多い。
それに対して八ヶ岳高原サイクリングは、参加者人数を限定することで、小規模イベントでしかできないライドイベントのあり方を追求し、個々の参加者ひとりひとりの顔を見ての運営というか、主催者と参加者が非常に近いところで、「参加者皆んなに満足してもらいたいし、一緒に楽しみましょう!」という姿勢でイベントが考えられていて、実に気持ちのいいイベントだった。全体を通した細かな気配りと、参加者へのホスピタリティはハンパなく素晴らしかった。
ゴールしたら温泉で汗を流して、それからみんなでバーベキューしながら懇親会という流れのイベントなど他にはそうはないだろう。プレゼント抽選会での和気あいあいとして全員一体となっての楽しいひとときなど、このくらいの規模じゃなければ無理だろうし、主催者側もそれをわかった上で、いたずらに規模を大きくすることではなく、ハンドリングできる規模での開催につとめていることは正解だとおもう。(収益的には大規模にしてしまったほうがいいのだろうが)
ハードなコースを完走する歓びを味わうイベントもいいが、ただ走るだけではなくプラスした楽しみがいろいろとあるこういうイベントも自転車の楽しみを参加者に味わわせてくれる貴重なイベントなので、こういういいイベントはぜひ、このまま継続していってもらいたいと思う。
そしてビッグイベントしか経験のない方は、ぜひこの八ヶ岳高原サイクリングに参加してみることをおすすめしたい。こんなにのんびりと楽しめるライドイベントはそうはないのだから。
Reported by 4126/longridefan.com
4126(ヨイフロ) プロフィール
中学時代にフレームを購入し、パーツ組みでランドナーを作り、ユースホステルを利用して関東から信州にかけて休みを使ってのツーリングにのめり込む。ロングライドイベントには月1回のペースで参加しながら、毎月600kmの走行をなんとかこなしている。90kgオーバーというヘビー級重量のために上り坂がなによりも苦手な50才。愛車は激安中古フレーム&パーツを買い集めて組んだBMC SL-01とTREK5200。
longridefan.com について
ロングライドが大好きな方のための情報交換の場とすべく2010年にスタートした非営利のロングライドコミュニティサイト。tattsと4126の2人が国内外の様々なロングライドイベントに参戦し、各イベントをレビューしている。さらにハワイではオアフ島一周のライドイベント「ラウンドライド・オアフ」を主催したり、「マイキャラ」という一人づつのサイクリストのキャラクターイラストとニックネーム入りのオーダーサイクルウェアの製作販売を開始するなど活動のフィールドを広げている。
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