趣向を凝らしたサイクルイベントを開催している兵庫・龍野マウンテンバイク協会が、サファリパーク併設の遊園地、姫路セントラルパークを舞台にエンデューロとデュアルスラロームを開催した。今までにない場所で開催されたイベントの模様を紹介しよう。

姫路セントラルパーク園内で行われたパークエンデューロ姫路セントラルパーク園内で行われたパークエンデューロ

会場となった兵庫県姫路市にある姫路セントラルパーク、通称「姫セン」は、動物達を間近で見られるサファリパークを併設した、関西地域ではなじみの深い総合遊園地。「姫セン パークエンデューロ&スーパースラローム」は、普段は子供達の遊び場として賑わう姫センの施設内にコーステープを張り巡らせてMTBレースを楽しもう!という前代未聞のイベントとして3月4日に行われた。

自転車で夢の国を走る

イベントは まず、開園時間前の早朝にスタートする90分間のサイクルエンデューロから始まった。

一斉にスタートしていくパークエンデューロ参加者たち一斉にスタートしていくパークエンデューロ参加者たち 遊具を横目に見つつ、開演前の園内を思いっきり走った遊具を横目に見つつ、開演前の園内を思いっきり走った


コースは園内と外周路を組み合わせた1周約2km。パーク内といってもコースは平坦ではなく、途中にある二つの坂がきつくて走り応えは十分だ。参加者の皆さんはソロとチームに分かれてコースを走り回る。いつもは動いているはずのジェットコースターや観覧車、メリーゴーランドなどは全て停まっていて、静か。とても不思議な雰囲気を味わうことができた。

「あひる艦隊」前をMTBで爆走!?「あひる艦隊」前をMTBで爆走!? 大観覧車へと向かう登り坂区間大観覧車へと向かう登り坂区間


キッズ表彰 入賞した菖蒲谷キッズの選手たちキッズ表彰 入賞した菖蒲谷キッズの選手たち レポーターの私も実際にレースを走ったけれど、コーヒーカップなどのアトラクションを横目に見つつ大観覧車を目指して坂を登るといった、普段なら自転車に乗って見ることのできないシチュエーション、なおかつ石畳区間などもあるためテクニックも必要で、苦しくって楽しい!。

エンデューロにはチーム菖蒲谷キッズの女の子達も参加した。90分という長丁場だったが、皆懸命に走りきってゴールを迎えた。ちなみに彼女達は開演後の遊園地で遊んでから帰ったそうだ(笑)。

普段決して走る事のできない場所で、制限時間いっぱいに楽しんだ皆さんからは、「ぜひまたこの不思議な空間を走ってみたい」との声を多く聞くことができた。


白熱する戦いが繰り広げられたデュアルスラローム

遊園地開園後は場所を移して、元プロダウンヒルライダー内嶋亮選手プロデュースによる「スーパースラローム 9」が開催された。

白熱する戦いが繰り広げられたデュアルスラローム白熱する戦いが繰り広げられたデュアルスラローム

レース形式はオープン・ミドル・LO・キッズ&ガールズとクラスを分けて、芝生に作られたダブルレーンのコースを二人で争う。各レーンを交代して二本走った合計のタイムで勝ち抜けていくトーナメント戦だ。まずは各クラス予選から始まり、予選順位を元にトーナメント表が発表されてレースはスタートした。

天候は早朝こそ晴れていたものの、スラロームが始まった正午前からは雨が降り始め、濡れた路面に転倒が相次ぐ荒れたレースとなった。参加選手には関西圏のJシリーズダウンヒル・エリートライダーも多数集まり、末政実緒(FUNFANCY/INTENSE)も参加して、昨年全日本DHで4位になった実力者、和田良平と争うといった組み合わせも行われた。

滑りやすいコースに転倒が続出した滑りやすいコースに転倒が続出した 4Xスペシャリスト、高松健二の走り4Xスペシャリスト、高松健二の走り


単純なコーナーが連続するスラローム競技だが、雨で濡れた草地をギリギリのテクニックで攻めていく白熱したレースが見受けられた。難しいコンディションに実力者も転倒し、敗退する波乱が続いた。

末政実緒(手前・FUNFANCY/INTENSE)も参加した末政実緒(手前・FUNFANCY/INTENSE)も参加した オープンクラス表彰オープンクラス表彰


決勝は4Xスペシャリストの高松健二と渡辺靖之の対決となり、レースは高松の派手なライドは濡れたコースによって安定せず、二本ともコーナーを丁寧にクリアーした渡辺が先行して、見事優勝を飾った。渡辺は「ビッグネームに囲まれて表彰台に立つ事ができた」と歓喜のコメントをしてくれた。

天気は生憎の雨とあって人数こそ多くなかったが、スラロームレースに観戦に訪れる来園者もちらほら見受けられた。 イベントは来年も開催が予定されている。ぜひこの姫路セントラルパーク内特設コースを走ってみてはいかがだろうか。



text&photo:Akihiro.NAKAO
edit:So.Isobe

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