皆さんこんにちは。大河原正晴の欲張りホノルル紀行・完結編です。ホノルルセンチュリーライドの折り返し地点のスワンジービーチパークに無事にたどり着いた後は、しばらくの間自然を満喫。しっかりと休憩した後、後半戦に挑みます。

しばらくは海岸線を気持ちよく走り、行きと同じ休憩ポイントに寄りつつ、それぞれがマイペースで進みます。
ガムシャラに折り返しポイントを目指した前半に比べると、後半戦はもう戻るだけ。比較的楽な気持ちで走れるのですが、実は身体は予想以上に疲れていたりすることがあるので要注意です。

海岸線を快調に走ります海岸線を快調に走ります 休憩ポイントで可愛いボランティアの女の子が水分補給のお手伝い休憩ポイントで可愛いボランティアの女の子が水分補給のお手伝い もちろんストレッチは欠かせませんもちろんストレッチは欠かせません


トレーナーという仕事柄、体力には絶対の自信を持つ私ですが、今回の愛車に48-16Tのシングルスピードを選択したため、所々で疲労の蓄積を実感する場面がありました。こんな時に助けてくれるのが"ストレッチ"です。

休憩ポイントでは補給以外にも「ちゃんと身体の声に耳を傾けるストレッチ」をすることが疲労回復の秘訣なんです。そうすることで、急なペースダウンを避けることができたり、残りの距離と時間に対する体力配分が間違えずにできるようになるのです。

ロングライドでは集団で走ることも体力を温存する良い方法のひとつ。ただ後半になってきて、スピード、体力、回復力の差が出てきた場合、無理にまわりのペースに合わせずに、マイペースのスピードを保つことと、身体が必要なタイミングで休憩を取れるようにすることも、完走するためのテクニックと言えるでしょう。こんなホノルルセンチュリーライドの帰路には、是が非でも寄り道したくなってしまうような素敵な景色のポイントがいくつもあります。

マカプー岬の坂を登りきった後の景色は絶景ですマカプー岬の坂を登りきった後の景色は絶景です
絶景のマカプー岬を越えて、一面に広がる眩しい海に向かってひたすら下ると、だんだんとゴールが近づいてきます。最後の休憩ポイントを過ぎて、広大なハイウェイを越えて、高級住宅街のカハラ地区でセレブな感覚に浸りながら、誰もが知るダイアモンドヘッド脇を通過します。

参加者の誰もが疲労困憊でフラフラのはずですが、不思議と脚は止まりません。これがリゾートの王様ハワイのくれるパワーなのかもしれません。ランナーズハイなのかバイカーズハイなのか、参加者の顔は皆笑顔で溢れています。こうしていよいよゴールのカピオラニ公園が見えてきます。やっと辿り着いた感動のゴールシーン。誰もが充実感に包まれます。

最高だった、マカプーからの景色最高だった、マカプーからの景色 6年連続の100マイル完走、御年74歳!!6年連続の100マイル完走、御年74歳!! 感動のゴール感動のゴール


折り返し地点でたくさんの人たちと出会えるのと同様に、このゴール地点でもたくさんの人と再会し、完走を讃え合うことができます。そして、仲間たちや、ご夫婦、カップル、家族で感動を分かち合う瞬間でもあります。

今回、僕が一緒に走らせていただいたメンバーは、ロングライドほぼ初心者の女性が3名、しかもそのうち1名はシングルギア、もう1名はマウンテンバイク。そして、ロードバイク歴が半年の聾唖のトライアスリートの女性と、6年連続完走を目指す74歳の男性。

思い思いのポーズで記念撮影思い思いのポーズで記念撮影 ゴール後、祝福の握手ゴール後、祝福の握手


参戦前は、誰もが全員完走は難しいと思うようなメンバーで、いろいろなトラブルが予想されました。しかし、いざ走り出してみると、快調なペースと身体を維持して、大きなマシントラブルもなく全員無事に時間内に完走できました。

一緒にサポート走行した大阪のインストラクターの毛利氏と、念のため車でサポート準備をしながら撮影してくれたカメラマンと、全員完走の驚きと喜びを分かち合いました。

メンバーの戻りを待つチームレゴンの皆さんメンバーの戻りを待つチームレゴンの皆さん ラウンドライドオアフ主催者のlongridefan.comの4126さんラウンドライドオアフ主催者のlongridefan.comの4126さん


最高のお天気と自然の中を、ロングライドに挑戦して、無事完走。この経験で得られる充実感と仲間達との連帯感。これはなかなか日常では得難い経験です。そんな参加者の皆さんの心からの笑顔が素敵で眩しすぎて、それを見たいがために、僕も毎年ホノルルに来てしまうんだなぁ、って改めて思いました。

完走証をいただいた後に記念撮影完走証をいただいた後に記念撮影
私達を支えてくれる主催者の方々や、地元のボランティアの方々、そしてメカニックやサポートを準備して万全の体制で送り出してくれる旅行会社の皆様への感謝の気持ちを忘れずに、また来年もホノルルセンチュリーライドに参加する作戦を今から考えたいと思います。
もちろん、シングルバイクで、ラウンドライドオアフも、バドミントン交流も欲張りに!(笑)


モーニングライドツアーを食べ尽くせ!

ホノルルセンチュリーライド2011は無事に完走しましたが、大河原正晴の欲張りホノルル紀行ではまだもう一つのイベントを残していたのです。

各地で完走パーティーがおこなわれ、完全にバカンスモードになったはずのセンチュリーライド翌朝。前日に160kmも走ったのにも関わらず、まだ走り足りない猛者たちが、なんとヒルクライムへ出かけるのです。なんとも、ストイックというか、超人的というか、そう、欲張りなんですね。

運河沿いで記念撮影。いざ出発!!運河沿いで記念撮影。いざ出発!! 期待と不安が入り交じるヒルクライム直前期待と不安が入り交じるヒルクライム直前


朝早くからトップツアーデスクに集合し、シクロワイアード編集長の引率のもと、10数名の猛者たちがタンタラスの丘を目指して走り出します。かく言う僕も、ちゃっかり一緒にお邪魔して、皆さんの走りっぷりをちゃんと見届けさせていただく作戦。

ただ、問題はこのシングルギアのバイクで果たしてそんな猛者たちについていけるのかどうか。一抹の不安を胸に抱きつつ、ワイキキから運河沿いを走り、タンタラスの丘を目指してひた走ります。丘の麓にたどり着き、出発前の記念撮影後、いざヒルクライムスタート。

登るごとに景色が良くなります登るごとに景色が良くなります つづら折りの坂が続きますつづら折りの坂が続きます


参加されている方々は恐らく皆さん健脚の持ち主、笑顔で登っていきます。僕も以前ロードバイクで登ったことのある丘ですが、ゴール地点が分からず、闇雲に長い間登り続けた苦い記憶が蘇り、果たしてどこまで続くのか不安でいっぱいです。

しかも、私の愛車シングルスピードに組まれているギアは48-16T。このバイクでシッティングで登るには足にかかる負担が大き過ぎるので、最初からひたすらダンシング。所々でなんとか写真を取りながら、自分勝手な単独マイペースで進ませてもらいます。

同行の皆さんが39-25T辺りのギアを駆使し、笑顔で談笑しながら登る横で、私は黙々と重いペダルを踏み続けるしか策はありません。ゴールの展望台のある公園を目指して車体を左右に振りつつ、エンヤコラです。

背景には遠くに見えるワイキキ、だいぶ高いところまで登ってきました背景には遠くに見えるワイキキ、だいぶ高いところまで登ってきました
時々、現れる素敵な景色に見とれつつも、足は止められずに進んでいくと。まもなくゴールの気配が・・・。展望台のある公園『PUU UALAKAA STATE PARK』の入口は180度曲がるカーブが目印です。

ゴールがまもなくとわかった瞬間、後ろをゆっくり走っていた皆さんの貯めていた足が爆発。すごい勢いで、エンジン全開。なんとかついて行って無事にゴール。
ですが、実はこの公園の中に入ると、今まで登ってきたよりもきつい坂が控えているのです。やっとの思いでその坂をクリアすると、目の前には絶景が広がります。


結局、坂の最初から最後までオールダンシングでした結局、坂の最初から最後までオールダンシングでした 嬉しさと達成感を身体で表現してみました嬉しさと達成感を身体で表現してみました 最後方から撮影しつつ登ってきてくれたシクロワイアード編集部のスタッフ最後方から撮影しつつ登ってきてくれたシクロワイアード編集部のスタッフ


頑張って登ったご褒美に最高の景色。ワイキキ市街と海、そしてダイアモンドヘッドも望める大パノラマが広がります。健闘をたたえ合い、しばし景色にみとれます。一人づつ、愛車と一緒に撮影。
センチュリーライドを走って、さらに翌日にヒルクライムにも挑戦してします方々。非常にいい顔しています。まさにホノルルをエンジョイした様子。

最後に参加者の皆で記念撮影最後に参加者の皆で記念撮影
自転車に乗り始めた方の最初の目標ライドに設定されることの多いホノルルセンチュリーライドですが、走り慣れた方にとっても、ホノルルを非常に満喫できるイベントが盛り沢山。

一度、完走したことがある方も、是非また参加して、新しいイベントに欲張りに参加してみてはいかがでしょうか?大自然と最高の景色の中を走ることのできる自転車の楽しさを改めて実感することができるのではないでしょうか。


<レポート後記>

今回のホノルル欲張り紀行を終え、私から皆さんにお伝えしたい事が有ります。
1つは「適切な機材の選択」です。私の場合、仕事柄から十分な体力を維持できている為、あえてシングルスピードを選択し今回のイベントに臨みましたが、変速付ロードバイクの優位性は明らかです。一部の上級者を除く読者の皆様は、是非ベストな機材で挑戦して下さい。

もう1つはタイヤです。今回の挑戦に当りシクロワイアード編集長から「私たちは実走取材時にはパナレーサー RACE type-Dを履いてます。取材中のパンクは致命傷になりますから、今までの経験上、最もパンクに強いタイヤとして選択してるんですよ。」と助言を受け、私も試してみましたが、実際この5日間でのパンクはゼロ。もちろん偶然かもしれませんが、現実に日本より路面状態が悪い7回目のハワイにしてパンクゼロは初めてでした。プロの方の選択眼に驚くと共に、目的に見合った機材の選択が皆さんのバイクライフをより充実させてくれるのでは?と感じたので報告させて頂きました。

読者の皆様も、色々な工夫で、より素敵なバイクライフをお過ごしください。    大河原正晴



text&photo:Masaharu Okawara
edit:Kenji Degawa



大河原 正晴大河原 正晴 大河原 正晴 プロフィール

BICYCLE TRAINERS JAPAN 代表。
JCAサイクリングインストラクターを始め、上級救命技能、高齢者体力づくり支援士などの資格を有し、バドミントンと自転車を武器に日本各地、世界各国を駆け巡り、ウェルネスライフを実践するPERSONAL TRAINER。
都内フィットネスクラブ・自宅・出張にてパーソナルトレーニング指導したり、都内を拠点にパーソナルライド、パーソナルランニングセッションも実施する。
クライアントは運動未経験の女性からトップアスリートまで、年齢も子供から高齢者に至るまで、多岐に渡る。自身の身体能力を引き出すためのトレーニング、コンディショニングアドバイスを中心に、将来長く健康を維持するための生活習慣の見直しや提案、生涯スポーツへの挑戦もサポートもしてくれる。

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