2011/09/18(日) - 03:31
今年のユーロバイクで目立ったのは、エアロダイナミクスをテーマにしたバイクたち。その永遠のテーマに挑むバイクたちは、男ごころをくすぐるカッコイイフォルムが満載。そんな男前度全開のバイクたちにスポットを当てて紹介していこう。
カーボン技術が進化してすでに重量やフィーリングなどをかなり自由にコントロールできる今、重量や剛性で優れているのは当然のこと。次のテーマは空気抵抗をどう減らすのか?古くて新しいテーマがいま、加速しはじめている。
最新の空力理論で構成されたコンサバスタイルのスコット FOIL
巨大なユーロバイク会場の中でも大きなブース面積を確保して、広がりのある展示を行っていたのはスコット。真っ白な壁面に並べられたバイクたちが、なんともインテリな雰囲気とカッコ良さを演出していた。ドイツということで、人気のMTBがメインの展示内容とはなっていたけれど、ロードバイクの話題は、今年発表されたばかりのエアロロード「FOIL」。
なにせメルセデスベンツF1チームの空力スペシャリストが開発に協力したという、最先端のエアロダイナミクス技術を搭載したロードバイク。各社が申し合わせたかのように空力性能を全面に押し出す中、F1チームとタッグを組んだスコットは、メカ好き男子の心を奪うツボをしっかりと押さえているところはさすが。
しかもスコットは、オーストラリア初のプロチームとして話題のグリーンエッジにバイクを供給。ますます目の離せない存在となりそうな気配の2012年のスコットだ。
なんだかワクワクするエアロロード、サーヴェロ S5
アルカンシェルが誇らしげなエアロロードはサーヴェロS5。ガーミン・サーヴェロのトル・フースホフトのツール・ド・フランスのふたつのステージ優勝にも貢献したエアロロード。見るからにエアロフォルムの平べったいフレームは、見た目のボリュームとは裏腹に、フレーム重量約990g(54サイズ)という軽さも備える。というスペック的なことは、すでに紹介済みなのでご存知の通り。超級山岳オービスク峠を逃げ、勝ってしまったのだから全方位の性能は実証済みだ。
こいつを実際にDEMO DAYで借り出した印象は、スピードが上がれば上がるほどビシッと安定、涼しい顔していつの間にやらアウター×トップというバイク。速度を上げた分だけ、スピードに対する不安がドンドン減っていくという感覚には恐れ入った。それでも進化した最新バイクなら、ある程度は想像の範囲内。
このバイクがスゴいと思ったのは、ある種の高揚感。挙動は安定しきっているけれど、何か特別なバイクに乗っているというオーラのようなものを感じる。いかにもエアロフォルムといったフォルムも、見ているだけで高揚してくるから不思議。ただ、あくまでこれは私個人の感想なので、悪しからず。
TTバイクはこういうモデルがあるからたまらない
そしてさらに判りやすいエアロフォルムで、メカ好き男子の視線を釘付けにしていたのが、このウィリエールのTTバイク。ひと際目立つフロントフォークは、2本のフォークブレードがそのまま上に伸びハンドルまで達し、ハンドルのクランプも2カ所設けられる。まるでモーターサイクルのようなフロント周り。
「Twin Foil(ツインフォイル)」というネーミングのこのTTバイク、前からの風を左右に分割し、フレームに沿わせるような考えは、なかなか新鮮なアイデア。フロントブレーキは最近のエアロ形状のバイクで使われることの多い、Vブレーキタイプのものをフォークの後ろ側に装着。リアブレーキはチェーンステーの下側に隠れるようにマウントされる。
またダウンチューブやシートチューブは、翼断面の後ろ側を切り落とした形状として、空気抵抗の減少を狙うもの。このチューブ形状は自転車の速度域で、正面だけではない風向きに対しても有効なものとして、昨今のエアロロードに採用されることが多くなっている。
最新トレンドを盛り込んだウィリエール Twin Foilだけど、一番キュートなのはわざわざこんなフォークに仕立てたあげたその独創性。デザインもカラーリングも、モノとしての魅力に溢れた1台だ。
まだまだ見つけた、空力スペシャルなバイクたち
このスペシャルなカラーが施されたTTバイクは、トライアスロン界の有名選手ファリス・アルスルタン選手の駆るバイク。ドイツ人の彼はストークのTTバイクに乗る。スペシャルなカラーリングもさることながら、このTTハンドルがかなりカッコイイ!
スキルシマノが使用するのはオランダのコガ。そのTTバイクのフォルムは、かなり前衛的。全てを定規で引いたような直線ラインに、リアに向けて鋭角に突き出るトップが組み合わされる1台。やっぱりこういう見た目に速そうなフォルムってステキです。
スコットのTTバイクもなかなかの迫力スタイル。さらにその形状を強調するようなカラーリングが施され、迫力スタイルに拍車がかかる!対照的な真っ白バイクは3T、とつい言いたくなるけどイヤ違う。この場合の主役は3Tのハンドルやホイールなのですが、真っ白のバイクが新鮮でつい気になってしまう。しかし、3Tの発表したエアロ系パーツとホイールは注目だ。
シマノのブースでは、PROシリーズのTTハンドルを展示。各セットを試すことができるよう展示されていた。こうして単独で見ると、なんだかTTハンドルって空でも飛びそうなデザイン。TTハンドルが宙に浮いてディスプレイされていたところを見ると、担当者もそう思ったのかもしれない。
スペシャライズドで見つけたTT用ヘルメット。TTバイクの必需品。となりはエアロホイールの代名詞ZIPP。空力デザインバイクとともに、最近注目のホイールだ。
photo&text:Takashi.Kayaba
カーボン技術が進化してすでに重量やフィーリングなどをかなり自由にコントロールできる今、重量や剛性で優れているのは当然のこと。次のテーマは空気抵抗をどう減らすのか?古くて新しいテーマがいま、加速しはじめている。
最新の空力理論で構成されたコンサバスタイルのスコット FOIL
巨大なユーロバイク会場の中でも大きなブース面積を確保して、広がりのある展示を行っていたのはスコット。真っ白な壁面に並べられたバイクたちが、なんともインテリな雰囲気とカッコ良さを演出していた。ドイツということで、人気のMTBがメインの展示内容とはなっていたけれど、ロードバイクの話題は、今年発表されたばかりのエアロロード「FOIL」。
なにせメルセデスベンツF1チームの空力スペシャリストが開発に協力したという、最先端のエアロダイナミクス技術を搭載したロードバイク。各社が申し合わせたかのように空力性能を全面に押し出す中、F1チームとタッグを組んだスコットは、メカ好き男子の心を奪うツボをしっかりと押さえているところはさすが。
しかもスコットは、オーストラリア初のプロチームとして話題のグリーンエッジにバイクを供給。ますます目の離せない存在となりそうな気配の2012年のスコットだ。
なんだかワクワクするエアロロード、サーヴェロ S5
アルカンシェルが誇らしげなエアロロードはサーヴェロS5。ガーミン・サーヴェロのトル・フースホフトのツール・ド・フランスのふたつのステージ優勝にも貢献したエアロロード。見るからにエアロフォルムの平べったいフレームは、見た目のボリュームとは裏腹に、フレーム重量約990g(54サイズ)という軽さも備える。というスペック的なことは、すでに紹介済みなのでご存知の通り。超級山岳オービスク峠を逃げ、勝ってしまったのだから全方位の性能は実証済みだ。
こいつを実際にDEMO DAYで借り出した印象は、スピードが上がれば上がるほどビシッと安定、涼しい顔していつの間にやらアウター×トップというバイク。速度を上げた分だけ、スピードに対する不安がドンドン減っていくという感覚には恐れ入った。それでも進化した最新バイクなら、ある程度は想像の範囲内。
このバイクがスゴいと思ったのは、ある種の高揚感。挙動は安定しきっているけれど、何か特別なバイクに乗っているというオーラのようなものを感じる。いかにもエアロフォルムといったフォルムも、見ているだけで高揚してくるから不思議。ただ、あくまでこれは私個人の感想なので、悪しからず。
TTバイクはこういうモデルがあるからたまらない
そしてさらに判りやすいエアロフォルムで、メカ好き男子の視線を釘付けにしていたのが、このウィリエールのTTバイク。ひと際目立つフロントフォークは、2本のフォークブレードがそのまま上に伸びハンドルまで達し、ハンドルのクランプも2カ所設けられる。まるでモーターサイクルのようなフロント周り。
「Twin Foil(ツインフォイル)」というネーミングのこのTTバイク、前からの風を左右に分割し、フレームに沿わせるような考えは、なかなか新鮮なアイデア。フロントブレーキは最近のエアロ形状のバイクで使われることの多い、Vブレーキタイプのものをフォークの後ろ側に装着。リアブレーキはチェーンステーの下側に隠れるようにマウントされる。
またダウンチューブやシートチューブは、翼断面の後ろ側を切り落とした形状として、空気抵抗の減少を狙うもの。このチューブ形状は自転車の速度域で、正面だけではない風向きに対しても有効なものとして、昨今のエアロロードに採用されることが多くなっている。
最新トレンドを盛り込んだウィリエール Twin Foilだけど、一番キュートなのはわざわざこんなフォークに仕立てたあげたその独創性。デザインもカラーリングも、モノとしての魅力に溢れた1台だ。
まだまだ見つけた、空力スペシャルなバイクたち
このスペシャルなカラーが施されたTTバイクは、トライアスロン界の有名選手ファリス・アルスルタン選手の駆るバイク。ドイツ人の彼はストークのTTバイクに乗る。スペシャルなカラーリングもさることながら、このTTハンドルがかなりカッコイイ!
スキルシマノが使用するのはオランダのコガ。そのTTバイクのフォルムは、かなり前衛的。全てを定規で引いたような直線ラインに、リアに向けて鋭角に突き出るトップが組み合わされる1台。やっぱりこういう見た目に速そうなフォルムってステキです。
スコットのTTバイクもなかなかの迫力スタイル。さらにその形状を強調するようなカラーリングが施され、迫力スタイルに拍車がかかる!対照的な真っ白バイクは3T、とつい言いたくなるけどイヤ違う。この場合の主役は3Tのハンドルやホイールなのですが、真っ白のバイクが新鮮でつい気になってしまう。しかし、3Tの発表したエアロ系パーツとホイールは注目だ。
シマノのブースでは、PROシリーズのTTハンドルを展示。各セットを試すことができるよう展示されていた。こうして単独で見ると、なんだかTTハンドルって空でも飛びそうなデザイン。TTハンドルが宙に浮いてディスプレイされていたところを見ると、担当者もそう思ったのかもしれない。
スペシャライズドで見つけたTT用ヘルメット。TTバイクの必需品。となりはエアロホイールの代名詞ZIPP。空力デザインバイクとともに、最近注目のホイールだ。
photo&text:Takashi.Kayaba
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