2011/09/15(木) - 10:48
何千ものブランド、何万もの製品が並ぶユーロバイクの会場。そんな展示群の中から、今どきのサイクルトレンドを代弁する製品たちをご紹介。超軽量チューンパーツ、小粋なサイクルバッグなど、サイクルライフを楽しくしてくれそう!
広い広いユーロバイクの会場。メイン会場だけで、大きめのホールが12もあるのである。全部くまなく見てやろう、なんて考えてると、あっという間にレッグはバー、もとい脚は棒。1日はあっと言う間に過ぎてゆく。
ので、シパシパさっさと早足で歩いていても、おいでおいでと手招いているように感じる製品があるものだ。なんとなく感じるきらめきとでも言おうか。それがいわゆるトレンドというものなのか。ここでは、そんな手招きされた製品群を、ご紹介していこう。
デローザ初のシティバイクブランド ミラニーノ
まずデローザのきらびやかなレーシングバイクたちのブースの真裏に、それでも大きな存在感と共に展示されていたのが、デローザからのシティバイク系新ブランド、「ミラニーノ」である。スピーディ、ベルトドライブ、クラシック、ポップといった4つのコンセプトで、4つのモデルをリリース。どれもこれも、よくできていて、なにせカワイイ。
生粋のレーシングブランドであるデローザの冒険的モデルは、どう評価されるのだろう。でも理屈抜きにカワイイモンはカワイイ。
最高速45km/h! ドイツの「やり過ぎ」Eバイク
さあ、街乗り自転車だけじゃなく、電動アシストもヨーロッパじゃブリブリで全開だ。会場には、それこそ何百台ものの電動アシスト自転車、通称Eバイクが試乗車として走り回っている。て言ったって、日本の電動アシストに慣れたカラダで、正直に言わせてもらおう。このEバイクは「アシスト」なんかじゃないやい!
あのね、もうペダルは電動オンオフのスイッチみたいなもの。ペダルを回すと、ぐぐぐいっと電動パワーに後ろから押される感じ。その力は、正直大きくておっかない。確かに上りではペダルを回す力をアシストしてくれるけれど、平地では、もうアシストならぬ、言葉通りの電動自転車、って感じ。電動アシストシステムを作る会社ボッシュでは、ついに最高時速45km/hまででるシステムも発表されていた。やり過ぎだよヨーロッパ、特にドイツのみんな!
軽量パーツの代名詞Tuneが提案する過激に超軽量なバイクたち
電動アシストにはやりすぎドイツであったとしても、そのドイツがまじめに作ったカリカリな軽量パーツなら、おっきなドイツの人でも安全の強度で作ってることでしょう。ぜひ使ってみたいですよ。というあなたのためのドイツの軽量パーツブランド、その名も『tune』(チューン)。写真のように、軽量ハブや軽量ホイール、カーボンピラーからカーボンサドルまで、とにかく軽量チューンのための軽量パーツを作っているのだけれど。
チューン・ブースに展示されていた、曰く「世界最軽量のロードバイク」がこれ。重量4.84kg。キャノンデールのスーバーシックスEVOに、カンパニョーロ・レコードを駆動系に、その他はチューン・パーツをふんだんにおごっておりまっすというスペックだ。実際に持ってみると、小指で持てるぞ、笑っちゃうぐらい軽い。
そしてマウンテンバイクだってぬかりないぜ。こちらもキャノンデールの軽量マウンテン、フラッシュをベースに使い、左側のみでカッコいいフロントサス レフティ仕様で、6.982kg。クランクはキャノンデールのオリジナルを、シフト系はスラムのXXを使い、後はだいたいチューンのパーツ。重量をコンマ3桁までだしてくるあたりが、ドイツのきまじめさを物語る。
キャノンデールから「悪い女の子」バッドガール登場
さて、そんな男のロマン追求のベース車として選ばれていたキャノンデールだが、本体のブースの方では、女の子用のモデルがイカしてた。シティバイクとしておなじみのバッドボーイの女性版、バッドガールの登場である。
スタイリッシュさを失わないようトップチューブを低くし、身長の低い女性でも乗り降りしやすいバッドガール。鮮やかな花のグラフィックスが女性らしさをアピールするものの、パッと見はトライバル・タトゥ(洋風入墨)柄にしか見えない。ワルいぜネーさん。
そしてもし乗るなら、やっぱりレフティのフォーク仕様にして、街中をぶいぶいとぶっ飛ばしたいものですな。
イケてる!サンフランシスコ発のシューズ DZR
そんなバッドなガールと一緒の街乗りで履きたいのが、このサンフランシスコ発のSPD対応ファッショナブルなシューズ。ちまたには、どこからどうみても、モッサいサイクリングシューズなのに「街乗り用シューズです」と銘打たれているシューズがある。困っちゃうよ、やるせない。ぜひともこれから、こいつを見習ってもらいたいのだ。DZRのサイクリングシューズ群である。
DZRはもともとスイスのスコット・ヨーロッパで働いていた女性デザイナー、シェーンとそのパートナーが、サンフランシスコに戻ってきて始めたシューズブランド。
自転車の実際を、そしてデザインを知り尽くした彼女が作るシューズは、イカしてるぜのひとこと。実は去年の中頃に始まったシューズブランドなのだが、その評判はグイグイ向上、商品も売れ売れ。ということで、今回は水はけよくフラットペダルにも食いつきのよい新ソールで、クリート回りのシャンクをスチールにして強度を高めた新モデルが新登場。
日本にはまだ正規代理店とかそういうことでは入荷していないが、名古屋のショップ『サークルズ』と東京のショップ『ブルーラグ』でなんとか手に入る。これからじわじわと、日本での扱いショップが増えていきそうな雰囲気。早く普通に買えるようにならないかな。
「3.11を忘れない」 ポール・コンポーネントのメモリアル・ハブ
さて、その東京のショップ『ブルーラグ』ですが、最近は東京という枠を外れて世界に暗躍しております。そこら中で『ブルーラグ、知ってるよな? ワカコ、知ってるだろ?』とのお声がけが。ワカコさんとは、ブルーラグが誇るデザイナーさん。ワカコさん、こんにちわー。あなたは今、世界の自転車シーンに求められてますよー。
と、一方的なご挨拶を差し上げたところで、ここでご紹介したいのが、そのワカコさんが桜をモチーフに、先の日本の3.11の被災を忘れないためにデザインした、アメリカの真摯なハブメーカー、ポール・コンポーネントの、メモリアル・ハブ。桜が、美しく、刻まれた、大変に、きれいな、ハブである。20年前に、チェルノブイリから飛んだ灰まじりの雨が降ったヨーロッパの方々は、今の日本の状況を、どう見ているのだろうか。
海外進出した日本のブランド PEDAL E.D.
(写真上・右)さらに、日本ブランドの海外進出が、自転車パーツの枠を越える時がやってきた。自転車カジュアルファッションでおなじみの『PEDAL E.D.』が、今年からなんとあの、革サドルで同じみブルックスの一員として再スタート。ブルックスが海外での販売を全面的にバックアップし、世界への進出を果たした! おめでとう!
最先端バッグを見た後は、トラディショナルなサイクルバッグをご覧頂き、お口直し。
「お洒落に荷を運べ」 ブルックスのトラベルパニア
一方の本家ブルックスは、最近は革サドル以外の動きが活発。注目は新作のトラベルパニア。軽量で防水の生地を使ったパニアバッグだ。持ってみると、アラ、すてきに軽い。トラディショナルなルックスはそのままに、使い勝手は今どきに。そんなブルックスの新たな動きに注目です。
そして、会場の隅っこで見つけたキュートなパニア、『メリターレ』。タイの実直なサイクルバッグの工場と組んで、その技術とパーツを使って、女性がデザインしたというもの。まだ日本に入る気配はなさそうだけど、そろそろ、こういうバッグが普通に使える自転車世界になってもいいんじゃないかと思うんだよねー。それとも夢物語なのかしら。
「日本でも手に入らないかな~?」 クラーノの小粋なバッグたち
さてそれでは、上のバッドガールに付いてたバッグの紹介をする時が来ましたよ。ハードで硬質、しかも撥水性抜群のフェルト素材で作られたこのバッグは、ベルギーの自転車アクセサリーブランド、クラーノがデザイン、製作したもの。
クラーノは、自転車全体をデザイン&カスタマイズし、自転車をトータルにドレスアップしていくというスタンスの自転車アクセサリー会社。今はフェンダーのみが市場に出回っているけど、ヨーロッパでは、こんなにカッコいいバッグ類が、その登場をいまかいまかと待っている。
上の写真にあった、バッドガールををよくみてご覧、レフティ用にデザインされたフェンダーもすてきなのだけれど、リアバッグのスカル(どくろ)のデザインが、さらにすてき。そういうデザイニングも得意なんだとか。取り付けは、マグネットとラッチを使ったワンタッチ装着。パニアバッグは軽くて小粋でマジカッコいい。早くこいつを使いたい。そんな気持ちになる、クラーノです。
最近イイネ!の"バジル" 使いやすそうな"アンダーソン"
Photo&Text:Pandasonic Nakamura
広い広いユーロバイクの会場。メイン会場だけで、大きめのホールが12もあるのである。全部くまなく見てやろう、なんて考えてると、あっという間にレッグはバー、もとい脚は棒。1日はあっと言う間に過ぎてゆく。
ので、シパシパさっさと早足で歩いていても、おいでおいでと手招いているように感じる製品があるものだ。なんとなく感じるきらめきとでも言おうか。それがいわゆるトレンドというものなのか。ここでは、そんな手招きされた製品群を、ご紹介していこう。
デローザ初のシティバイクブランド ミラニーノ
まずデローザのきらびやかなレーシングバイクたちのブースの真裏に、それでも大きな存在感と共に展示されていたのが、デローザからのシティバイク系新ブランド、「ミラニーノ」である。スピーディ、ベルトドライブ、クラシック、ポップといった4つのコンセプトで、4つのモデルをリリース。どれもこれも、よくできていて、なにせカワイイ。
生粋のレーシングブランドであるデローザの冒険的モデルは、どう評価されるのだろう。でも理屈抜きにカワイイモンはカワイイ。
最高速45km/h! ドイツの「やり過ぎ」Eバイク
さあ、街乗り自転車だけじゃなく、電動アシストもヨーロッパじゃブリブリで全開だ。会場には、それこそ何百台ものの電動アシスト自転車、通称Eバイクが試乗車として走り回っている。て言ったって、日本の電動アシストに慣れたカラダで、正直に言わせてもらおう。このEバイクは「アシスト」なんかじゃないやい!
あのね、もうペダルは電動オンオフのスイッチみたいなもの。ペダルを回すと、ぐぐぐいっと電動パワーに後ろから押される感じ。その力は、正直大きくておっかない。確かに上りではペダルを回す力をアシストしてくれるけれど、平地では、もうアシストならぬ、言葉通りの電動自転車、って感じ。電動アシストシステムを作る会社ボッシュでは、ついに最高時速45km/hまででるシステムも発表されていた。やり過ぎだよヨーロッパ、特にドイツのみんな!
軽量パーツの代名詞Tuneが提案する過激に超軽量なバイクたち
電動アシストにはやりすぎドイツであったとしても、そのドイツがまじめに作ったカリカリな軽量パーツなら、おっきなドイツの人でも安全の強度で作ってることでしょう。ぜひ使ってみたいですよ。というあなたのためのドイツの軽量パーツブランド、その名も『tune』(チューン)。写真のように、軽量ハブや軽量ホイール、カーボンピラーからカーボンサドルまで、とにかく軽量チューンのための軽量パーツを作っているのだけれど。
チューン・ブースに展示されていた、曰く「世界最軽量のロードバイク」がこれ。重量4.84kg。キャノンデールのスーバーシックスEVOに、カンパニョーロ・レコードを駆動系に、その他はチューン・パーツをふんだんにおごっておりまっすというスペックだ。実際に持ってみると、小指で持てるぞ、笑っちゃうぐらい軽い。
そしてマウンテンバイクだってぬかりないぜ。こちらもキャノンデールの軽量マウンテン、フラッシュをベースに使い、左側のみでカッコいいフロントサス レフティ仕様で、6.982kg。クランクはキャノンデールのオリジナルを、シフト系はスラムのXXを使い、後はだいたいチューンのパーツ。重量をコンマ3桁までだしてくるあたりが、ドイツのきまじめさを物語る。
キャノンデールから「悪い女の子」バッドガール登場
さて、そんな男のロマン追求のベース車として選ばれていたキャノンデールだが、本体のブースの方では、女の子用のモデルがイカしてた。シティバイクとしておなじみのバッドボーイの女性版、バッドガールの登場である。
スタイリッシュさを失わないようトップチューブを低くし、身長の低い女性でも乗り降りしやすいバッドガール。鮮やかな花のグラフィックスが女性らしさをアピールするものの、パッと見はトライバル・タトゥ(洋風入墨)柄にしか見えない。ワルいぜネーさん。
そしてもし乗るなら、やっぱりレフティのフォーク仕様にして、街中をぶいぶいとぶっ飛ばしたいものですな。
イケてる!サンフランシスコ発のシューズ DZR
そんなバッドなガールと一緒の街乗りで履きたいのが、このサンフランシスコ発のSPD対応ファッショナブルなシューズ。ちまたには、どこからどうみても、モッサいサイクリングシューズなのに「街乗り用シューズです」と銘打たれているシューズがある。困っちゃうよ、やるせない。ぜひともこれから、こいつを見習ってもらいたいのだ。DZRのサイクリングシューズ群である。
DZRはもともとスイスのスコット・ヨーロッパで働いていた女性デザイナー、シェーンとそのパートナーが、サンフランシスコに戻ってきて始めたシューズブランド。
自転車の実際を、そしてデザインを知り尽くした彼女が作るシューズは、イカしてるぜのひとこと。実は去年の中頃に始まったシューズブランドなのだが、その評判はグイグイ向上、商品も売れ売れ。ということで、今回は水はけよくフラットペダルにも食いつきのよい新ソールで、クリート回りのシャンクをスチールにして強度を高めた新モデルが新登場。
日本にはまだ正規代理店とかそういうことでは入荷していないが、名古屋のショップ『サークルズ』と東京のショップ『ブルーラグ』でなんとか手に入る。これからじわじわと、日本での扱いショップが増えていきそうな雰囲気。早く普通に買えるようにならないかな。
「3.11を忘れない」 ポール・コンポーネントのメモリアル・ハブ
さて、その東京のショップ『ブルーラグ』ですが、最近は東京という枠を外れて世界に暗躍しております。そこら中で『ブルーラグ、知ってるよな? ワカコ、知ってるだろ?』とのお声がけが。ワカコさんとは、ブルーラグが誇るデザイナーさん。ワカコさん、こんにちわー。あなたは今、世界の自転車シーンに求められてますよー。
と、一方的なご挨拶を差し上げたところで、ここでご紹介したいのが、そのワカコさんが桜をモチーフに、先の日本の3.11の被災を忘れないためにデザインした、アメリカの真摯なハブメーカー、ポール・コンポーネントの、メモリアル・ハブ。桜が、美しく、刻まれた、大変に、きれいな、ハブである。20年前に、チェルノブイリから飛んだ灰まじりの雨が降ったヨーロッパの方々は、今の日本の状況を、どう見ているのだろうか。
海外進出した日本のブランド PEDAL E.D.
(写真上・右)さらに、日本ブランドの海外進出が、自転車パーツの枠を越える時がやってきた。自転車カジュアルファッションでおなじみの『PEDAL E.D.』が、今年からなんとあの、革サドルで同じみブルックスの一員として再スタート。ブルックスが海外での販売を全面的にバックアップし、世界への進出を果たした! おめでとう!
最先端バッグを見た後は、トラディショナルなサイクルバッグをご覧頂き、お口直し。
「お洒落に荷を運べ」 ブルックスのトラベルパニア
一方の本家ブルックスは、最近は革サドル以外の動きが活発。注目は新作のトラベルパニア。軽量で防水の生地を使ったパニアバッグだ。持ってみると、アラ、すてきに軽い。トラディショナルなルックスはそのままに、使い勝手は今どきに。そんなブルックスの新たな動きに注目です。
そして、会場の隅っこで見つけたキュートなパニア、『メリターレ』。タイの実直なサイクルバッグの工場と組んで、その技術とパーツを使って、女性がデザインしたというもの。まだ日本に入る気配はなさそうだけど、そろそろ、こういうバッグが普通に使える自転車世界になってもいいんじゃないかと思うんだよねー。それとも夢物語なのかしら。
「日本でも手に入らないかな~?」 クラーノの小粋なバッグたち
さてそれでは、上のバッドガールに付いてたバッグの紹介をする時が来ましたよ。ハードで硬質、しかも撥水性抜群のフェルト素材で作られたこのバッグは、ベルギーの自転車アクセサリーブランド、クラーノがデザイン、製作したもの。
クラーノは、自転車全体をデザイン&カスタマイズし、自転車をトータルにドレスアップしていくというスタンスの自転車アクセサリー会社。今はフェンダーのみが市場に出回っているけど、ヨーロッパでは、こんなにカッコいいバッグ類が、その登場をいまかいまかと待っている。
上の写真にあった、バッドガールををよくみてご覧、レフティ用にデザインされたフェンダーもすてきなのだけれど、リアバッグのスカル(どくろ)のデザインが、さらにすてき。そういうデザイニングも得意なんだとか。取り付けは、マグネットとラッチを使ったワンタッチ装着。パニアバッグは軽くて小粋でマジカッコいい。早くこいつを使いたい。そんな気持ちになる、クラーノです。
最近イイネ!の"バジル" 使いやすそうな"アンダーソン"
Photo&Text:Pandasonic Nakamura
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