走行距離1キロで1円が寄付される「ペダリング東北プロジェクト」のエンデューロにみんな満足。岡山国際サーキットでの第1回大会はチャリティエンデューロに。

1時間30分経過、大集団でも走りやすいコースだ1時間30分経過、大集団でも走りやすいコースだ photo:Hideaki.TAKAGI
5月3日、岡山県美作市の岡山国際サーキットで行われた第1回晴れの国おかやま7時間エンデューロ。ゴールデンウィーク真っ只中のサーキット、朝7時には家族連れやチームメイトを乗せた車でいっぱい。天気は暑くも寒くもなく、日差しもきつくなくまさにエンデューロ日和。

マリウスとガロッファロが新加入のマトリックスパワータグマリウスとガロッファロが新加入のマトリックスパワータグ photo:Hideaki.TAKAGIマトリックスが企画・運営
企画・運営はマトリックス。鈴鹿エンデューロなどを手がけ、この大会も随所に手際のよさが見られ、スムーズにスケジュールが進む。会場の岡山国際サーキットは、毎年エンデューロ系のレースが行われているのでサイクリストにはなじみの場所だ。コースは1周3.703kmで緩いアップダウンがあるがきつくはない。1周での標高差は35mほど。鈴鹿やもてぎよりは緩い。

マトリックスパワータグの選手が当日はエスコート役。マリウス・ヴィズィアックとヴィンチェンツォ・ガロッファロの新加入2人も来場。ヨーロッパ通?の山下貴宏が2人の通訳で場を和ませる。そして安原昌弘監督自ら、朝からレーサージャージで自転車にまたがる。もちろん、走り通す気満々。
7時間エンデューロがスタート7時間エンデューロがスタート photo:Hideaki.TAKAGIレース中はマトリックスメンバーや三船雅彦氏、伊藤翔吾(チームマッサ)ら招待選手などが集団をコントロール。安全な大きさの集団を作り、一定ペースで安全な場所を選んで走る。結果として救急車を呼ぶような大きな怪我もなく終えたことは驚きだ。

平均時速40キロオーバーの世界
レースは7時間と4時間のクラスが3分差のスタートで、それぞれソロとチームのクラスがある。4時間の上位は平均時速40キロオーバー、チーム参加者よりもソロの参加者のほうが上位に名を連ねた。
7時間ソロ優勝の岡昌太朗(ユニヴェール)さん7時間ソロ優勝の岡昌太朗(ユニヴェール)さん photo:Hideaki.TAKAGI7時間クラスも上位はハイペースでこちらも平均時速40キロオーバー。ソロ参加の岡昌太朗さん(ユニヴェール)が全体でも2位という成績だった。

その岡さんは「マトリックスの皆さんがペースを作っていただいたのでうまく走れました。かなり速いとは思いましたが。チームメイトの登坂さんが水や羊羹、パン、梅丹サイクルチャージなど補給をすべてやってもらえた。応援してくれた人もいたので頑張れました。」と語る。


みんなライバルだけど仲間。大活躍のユーロワークスみんなライバルだけど仲間。大活躍のユーロワークス photo:Hideaki.TAKAGI

表彰台をにぎわしたユーロワークス
4時間ロードにチームで参加のEURO-WORKS Racingは、なんと5チーム中3チームが表彰台に。奈良・法隆寺にあるコルナゴを中心としたショップのチームだ。森店長は「チームは年代別と最近始めた人とに分けました。若い組は優勝狙いでしたね。あとはボクを含めた年配組で(笑)。結果は予想以上にうまくいきました。チーム間では駆け引きせずにガチンコ勝負しました。いつもレースではチームプレーせず、個人が頑張るようにしています」と語る。仲の良い仲間だからこその結果だ。


大会を盛り上げた広島のサイクルプラスと広島の選手たち大会を盛り上げた広島のサイクルプラスと広島の選手たち photo:Hideaki.TAKAGI

マスターズ世界チャンピオンが走った
2010年マスターズトラック世界選手権スクラッチの優勝者である山口忠行さんは、今回4人すべてが7時間ソロで出場のチームサイクルプラス所属だ。その4人は2位から5位までの結果に。
その山口さんは「1位だけ今回無かったんです。みんなでガチ勝負しようと話していました。チームプレーをする余裕まで無かったですね。今日の負けを反省して、翌日から岡山のチームの人たちと合宿です。この大会が合宿初日です」
「サイクルプラスは、元シマノの岸原薫さんが立ち上げたチームで、ショップは福岡ですが、メンバーは広島が多く、レース中心で活動しています。ボクの次の目標は5月下旬の全アマトラックです」と語る。強くてそして和気あいあいとした元気なチームだ。

1分1秒を争うピットエリア。でもなぜだか笑顔が絶えません1分1秒を争うピットエリア。でもなぜだか笑顔が絶えません photo:Hideaki.TAKAGI全参加者の走り1キロ1円を募金へ
「ペダリング東北プロジェクト」は株式会社マトリックスが、参加者全員の走行距離1キロあたり1円を震災復興の義援金として寄付するもの。義援金そのものはマトリックスが支払うものだが、その額は参加者自身の走行距離によって決まる。参加者一人ひとりが、頑張るほどに義援金額が多くなるので、走りにも力が入ろうというものだ。7時間クラスのトップ選手たちは285キロ走ったので285円が、参加者約1000人の合計走行距離は6万3899キロメートルだったので、6万3899円が義援金となった。
直接払いたい人は会場にある募金箱に入れればよいし、会場にいた誰からも良い方法との声が上がった。
辻マトリックス社長は「西日本から元気を出さねば。これからもイベントはやっていきます。そして今年の7つのイベントすべてでこのプロジェクトを行います」と答える。なんとも頼もしい限りだ。

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photo&text:高木秀彰

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