2011/04/08(金) - 15:54
ロングライドをこよなく愛する者たちのコミュニティーポータルサイト longridefan.com 。長距離イベントばかりに出場している彼らが選んだのは、2月にタイで行われた「チェンライ国際MTBチャレンジレース」。日本とはスケールも環境も違うアジアの地を走り回った2日間。さて、どんな過酷な運命が待ち受けているのか?MTB大好きメンバーtattsさんのレポートでお届けしよう。
tatts / ロングライドファン
ロングライド好きのコミュニティサイト longridefan.com の中心メンバーの一人。
今でこそロングライドにハマっているものの、かつてはMTBのダウンヒルを愛し、ピーク時には年間20回ほど富士見や岩岳DHに行っていたという、スピード狂の元DH系オヤジ。
現在はロードバイクにも食指を伸ばし、広くロングライドを楽しんでいる。
愛車はロードがサーヴェロ RS、MTBがサンタクルズ Blurに乗る。
理論派かつ武闘派。ダウンヒルバイクの頃を含めると、キャリアはメンバーの中で随一。
ミャンマー、ラオス、タイの3国の国境近くのチェンライ。山奥の未知の土地で行われる タイのチェンライでこの時期毎年行われている“チェンライ国際MTBチャレンジ”も迎えること12回。一時は無くなるとのウワサもあったらしいが、今年も2月12日(土)~13日(日)の期間に開催された。
実際に参加してみるとリピーターの多さと皆さんそれぞれのこの大会への熱い思いとで、到底無くなるはずもないことを感じざるを得なかった。
自分自身、初めてのタイ。それもミャンマー・ラオスの3国の国境近くのチェンライなる山奥かつ未知の土地でのレース参戦。加えて、舗装されたロードイベントならいざ知れず押し・担ぎや富士見パノラマAコースも真っ青なダウンヒル交じりのMTBレース。聞いただけでも、MTB好きの自分ではあるが期待と不安で“一体、どうなることやら…。”である。
2月10日(木)レース2日前に現地入りした。タダでさえ食べ物も気候も全く違う土地。折りしも日本は東京に大雪が降る典型的な真冬。対するチェンライは夜こそ長袖を羽織りはしたが日中は34℃を越える言わば真夏。更に慣れない土地に夜到着し翌朝MTBのハードなレースに平気で出られる程、自分は若くも無謀でもないからだ。(つまり精神的に少しは慣れておきたいということ。)
滞在したホテルはこのイベントの時いつも利用しているらしく、ホテルサイドもかなり慣れた感じ。この日は全参加者の半分(50名位)の到着にもスムーズな対応。しかもこの日到着した殆どの人がリピーターらしく、部屋のキーをもらうや否や皆さん早速食事やマッサージへと町に繰出して行った。
ホテルではバイクは通路に置くのが普通らしい
さっそく足マッサージを受けてレースに備える
過激なパフォーマンスで熱烈歓迎!
旅行の顛末はまたの機会として、明けて2日後、レース1日目。
朝7時半あたりになると、参加者がホテル前の広場に集まり始める。
エントリーシートにサインをし、スタートを待つ間に、ホテル前のスタート・ゴールゲート付近で何やら派手なセレモニー。来賓などの挨拶が終わると、地元の歓迎の舞なのかアクロバティックな見世物や口から火を吹くパフォーマンスが繰り広げられた。
エントリーシートにサインをして準備万端
なかなかスゴい…けど。多分、歓迎なのだろう
8時にホテルの広場を出発し、いざスタート地点(ホテル前はツアースタートで、1日目のレースの本当のスタートはこの地点なのだ。)へ15kmほど移動。距離もそこそこあるのでアップ(準備運動)になった。
この日の第一ステージ( SS1/区間27.1km)のスタート地点に到着。
そこは子供たちや地元の人達でにぎわっていた。クラス別のインターバルスタート。
チェンライ国際MTBチャレンジは12回目を迎える
スタート地点までは市街地をゆっくりサイクリング
スタート地点には子供がたくさん。さっそくコミュニケーション
スタートはクラス別のインターバルスタート
スタート直後の激坂で心拍いきなりマックス!
程なくスタートするも、今回は撮影の使命があるので何も考えずに突っ走るわけにもいかず(というよりかなりハードなのでヘロヘロ)、かといってレースではあるのでそこそこの緊張感で走り始める。しばらくすると赤土のオフロードが出現。そのあたりからはMTBお約束の心拍いきなりマックス激坂登場だ。
わかってはいるものの写真を撮るために一度サドルから降りようものなら、そこから再びビンディングに足をセットするのはほぼ不可能な坂・さか・サカ。この国かこの土地の特徴なのか、日本だと坂といえばクネクネとツヅラ折りを想像するのが普通だがとにかく一直線なのだ。いきなり坂が現れたと思うとそのままとんでもない角度の登り。先頭集団の人達は本当にこの直線の激坂を乗車したまま登りきったのだろうか?!?!だとしたら人間業ではない。
赤土のオフロードにとんでもない角度の登り
真っ直ぐ上る坂がどこまでも続く
勇ましく走っているように見える私だが…フルサスで来たことを今さら後悔 自分にはそんな技量もパワーもないのでエッチラオッチラ押して登る。…だんだん道が狭くなって更に急角度。そのうち押して登るのも難しいくらいのシングルトラックに。実際何箇所かは担いで(自分は引きづり上げた)やり過ごすしか方法が無い箇所もあった。後になって気がついたのだが、リピーターの多くはハードテイルMTB。そう、ダイヤモンドフレームの担ぎ易いタイプで参戦しているのだ。ちなみに自分は全く担げないフルサスで来てしまった。不覚!
本日、前半(SS1)の山頂からはダウンヒル。これがまた先ほど登ってきたような角度・路面を急降下。登りにはめっぽう弱い自分ではあるが、ダウンヒルはそこそこ出来る。(ピークには年間20回ほど富士見や岩岳DHに行っていた)しかし、日本のそれのようなダウンヒル専用コースとは違い、どちらかというとケモノミチを下っている感だ。コーナーにバンクも無ければ、ひとつ間違うと数メートルの崖下へズルズルと。実際自分も突然現れたロックセクション(石がゴロゴロ)で転倒し、崖にズルズルのところを後ろから来たライダーに引き上げてもらったくらいだ。
上から見下ろすとこんな感じ。どこがコースかって?赤い矢印が親切に貼られたそこです
途中の部落にて撮影
しかし、何だってこんな激坂の途中に部落が存在するのだろうか?いくらでも平らな土地があるのに… 前半ゴールが遅くなった言い訳ではあるが、最後の給水ポイントでパンクのライダーと遭遇。聞けばチューブもレバーもインフレータも持っていない。この過激なコースに何と無謀と思ったが、そのまま置いていくわけにもいかず、修理を待っての再スタートとなってしまったのだ。
ようやく、午前中(SS1)のゴール地点へ到着。後でリザルトを確認したら自分は何とインターナショナルクラスの最後から5番目くらいだったか。今度、参加するときは撮影抜きで走ってみたいものだ。
チェンライ名物の象ライドで締めくくり
午後のレース(SS 2:区間11.6km)は比較的舗装路中心。先ほどのような過激なアップダウンも無く平和にゴール。
ゴール地点にはこのレースの呼び物でもある自分&MTBの象ライド。そう、ゾウさんに乗って川を渡るのだ。学生時代に一度だけ馬に乗った自分ではあるが、まさかタイに来てゾウに乗ろうとは。いや、この国だから実現できたことなのだろう。
象には自転車とライダーひとり。結構揺れる
川を渡りゾウを降りるとそこからボートにてホテルまで。およそ30分くらい乗っただろうか?!これもまたこのレースのアトラクションなのだ。疲れた体に心地いい風と揺れで眠くなってくる。15時半ころボートが接岸するとそこはホテル専用の桟橋。第一日目の終了だ。
所々、板が無い木の橋。結構怖い
一艘の船に自転車と人各4台乗船。思ったより、スピードが出る船だった
タイ・マッサージを求め街に繰り出す 一日目の行程はこれにて終了、おつかれさまでした。ということで残りはレポート後編に続きます。
もちろんホテル到着後、早速、タイ・マッサージに繰り出したのは言うまでもない。
なお、今回のチェンライ国際MTBチャレンジ2011の全ツアーレポート(完全版)~これを見ればあなたも行った気になれる~ は2011年4月中旬にlongridefan.comサイトに掲載予定です。こちらもお楽しみに
text & photo: tatts / longridefan.com
チェンライ国際MTBチャレンジ2011コースデータ
1日目のコース図
《1日目/SS1 & SS2》
①宿泊ホテル(Rimkok Resort)でセレモニー終了後、スタート地点に15.2km移動。
②SS1スタート地点(Akaha Outreach Foundation)からSS1ゴール(Huay Mak Lium)まで27.1kmのレース。
③SS2スタート地点(Huay Mak Lium)からSS2ゴール(Ban ruam mit)まで11.6kmのレース。
④SS2ゴール地点(Ban ruam mit)が象の乗り場。ここから象に自分&バイク乗車にて河を渡り船着場へ。
⑤船着場から乗船、宿泊のホテルまでボートにて移動。
レース1日目の総走行距離は54.2km。
1日目SS1のエレベーションマップ。A区間は登り激坂、B区間は下り激坂区間。
longridefan.com について クリックするとサイトにジャンプします(外部リンク)
ロングライドが大好きな方のための情報交換の場とすべく2010年にスタートした非営利のロングライドコミュニティサイト。
tattsと4126の2人が毎月のように国内外の様々なロングライドイベントに参戦し、各イベントをレビューしています。(2011年からは活動の場をMTBにも広げてライドイベントに参戦を開始!)
またメンバー登録してマイページで自分の走行記録をつけていく機能もあります。
もっと皆さんに自由に使ってもらえるコミュニティサイトを目指して、現在は水面下で完全リニューアルに向けた改築を進行中。
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ロングライド好きのコミュニティサイト longridefan.com の中心メンバーの一人。
今でこそロングライドにハマっているものの、かつてはMTBのダウンヒルを愛し、ピーク時には年間20回ほど富士見や岩岳DHに行っていたという、スピード狂の元DH系オヤジ。
現在はロードバイクにも食指を伸ばし、広くロングライドを楽しんでいる。
愛車はロードがサーヴェロ RS、MTBがサンタクルズ Blurに乗る。
理論派かつ武闘派。ダウンヒルバイクの頃を含めると、キャリアはメンバーの中で随一。
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実際に参加してみるとリピーターの多さと皆さんそれぞれのこの大会への熱い思いとで、到底無くなるはずもないことを感じざるを得なかった。
自分自身、初めてのタイ。それもミャンマー・ラオスの3国の国境近くのチェンライなる山奥かつ未知の土地でのレース参戦。加えて、舗装されたロードイベントならいざ知れず押し・担ぎや富士見パノラマAコースも真っ青なダウンヒル交じりのMTBレース。聞いただけでも、MTB好きの自分ではあるが期待と不安で“一体、どうなることやら…。”である。
2月10日(木)レース2日前に現地入りした。タダでさえ食べ物も気候も全く違う土地。折りしも日本は東京に大雪が降る典型的な真冬。対するチェンライは夜こそ長袖を羽織りはしたが日中は34℃を越える言わば真夏。更に慣れない土地に夜到着し翌朝MTBのハードなレースに平気で出られる程、自分は若くも無謀でもないからだ。(つまり精神的に少しは慣れておきたいということ。)
滞在したホテルはこのイベントの時いつも利用しているらしく、ホテルサイドもかなり慣れた感じ。この日は全参加者の半分(50名位)の到着にもスムーズな対応。しかもこの日到着した殆どの人がリピーターらしく、部屋のキーをもらうや否や皆さん早速食事やマッサージへと町に繰出して行った。
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過激なパフォーマンスで熱烈歓迎!
旅行の顛末はまたの機会として、明けて2日後、レース1日目。
朝7時半あたりになると、参加者がホテル前の広場に集まり始める。
エントリーシートにサインをし、スタートを待つ間に、ホテル前のスタート・ゴールゲート付近で何やら派手なセレモニー。来賓などの挨拶が終わると、地元の歓迎の舞なのかアクロバティックな見世物や口から火を吹くパフォーマンスが繰り広げられた。
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この日の第一ステージ( SS1/区間27.1km)のスタート地点に到着。
そこは子供たちや地元の人達でにぎわっていた。クラス別のインターバルスタート。
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程なくスタートするも、今回は撮影の使命があるので何も考えずに突っ走るわけにもいかず(というよりかなりハードなのでヘロヘロ)、かといってレースではあるのでそこそこの緊張感で走り始める。しばらくすると赤土のオフロードが出現。そのあたりからはMTBお約束の心拍いきなりマックス激坂登場だ。
わかってはいるものの写真を撮るために一度サドルから降りようものなら、そこから再びビンディングに足をセットするのはほぼ不可能な坂・さか・サカ。この国かこの土地の特徴なのか、日本だと坂といえばクネクネとツヅラ折りを想像するのが普通だがとにかく一直線なのだ。いきなり坂が現れたと思うとそのままとんでもない角度の登り。先頭集団の人達は本当にこの直線の激坂を乗車したまま登りきったのだろうか?!?!だとしたら人間業ではない。
本日、前半(SS1)の山頂からはダウンヒル。これがまた先ほど登ってきたような角度・路面を急降下。登りにはめっぽう弱い自分ではあるが、ダウンヒルはそこそこ出来る。(ピークには年間20回ほど富士見や岩岳DHに行っていた)しかし、日本のそれのようなダウンヒル専用コースとは違い、どちらかというとケモノミチを下っている感だ。コーナーにバンクも無ければ、ひとつ間違うと数メートルの崖下へズルズルと。実際自分も突然現れたロックセクション(石がゴロゴロ)で転倒し、崖にズルズルのところを後ろから来たライダーに引き上げてもらったくらいだ。
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ようやく、午前中(SS1)のゴール地点へ到着。後でリザルトを確認したら自分は何とインターナショナルクラスの最後から5番目くらいだったか。今度、参加するときは撮影抜きで走ってみたいものだ。
チェンライ名物の象ライドで締めくくり
午後のレース(SS 2:区間11.6km)は比較的舗装路中心。先ほどのような過激なアップダウンも無く平和にゴール。
ゴール地点にはこのレースの呼び物でもある自分&MTBの象ライド。そう、ゾウさんに乗って川を渡るのだ。学生時代に一度だけ馬に乗った自分ではあるが、まさかタイに来てゾウに乗ろうとは。いや、この国だから実現できたことなのだろう。
川を渡りゾウを降りるとそこからボートにてホテルまで。およそ30分くらい乗っただろうか?!これもまたこのレースのアトラクションなのだ。疲れた体に心地いい風と揺れで眠くなってくる。15時半ころボートが接岸するとそこはホテル専用の桟橋。第一日目の終了だ。
もちろんホテル到着後、早速、タイ・マッサージに繰り出したのは言うまでもない。
なお、今回のチェンライ国際MTBチャレンジ2011の全ツアーレポート(完全版)~これを見ればあなたも行った気になれる~ は2011年4月中旬にlongridefan.comサイトに掲載予定です。こちらもお楽しみに
text & photo: tatts / longridefan.com
チェンライ国際MTBチャレンジ2011コースデータ
《1日目/SS1 & SS2》
①宿泊ホテル(Rimkok Resort)でセレモニー終了後、スタート地点に15.2km移動。
②SS1スタート地点(Akaha Outreach Foundation)からSS1ゴール(Huay Mak Lium)まで27.1kmのレース。
③SS2スタート地点(Huay Mak Lium)からSS2ゴール(Ban ruam mit)まで11.6kmのレース。
④SS2ゴール地点(Ban ruam mit)が象の乗り場。ここから象に自分&バイク乗車にて河を渡り船着場へ。
⑤船着場から乗船、宿泊のホテルまでボートにて移動。
レース1日目の総走行距離は54.2km。
1日目SS1のエレベーションマップ。A区間は登り激坂、B区間は下り激坂区間。
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longridefan.com について クリックするとサイトにジャンプします(外部リンク)
tattsと4126の2人が毎月のように国内外の様々なロングライドイベントに参戦し、各イベントをレビューしています。(2011年からは活動の場をMTBにも広げてライドイベントに参戦を開始!)
またメンバー登録してマイページで自分の走行記録をつけていく機能もあります。
もっと皆さんに自由に使ってもらえるコミュニティサイトを目指して、現在は水面下で完全リニューアルに向けた改築を進行中。
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