2021/12/03(金) - 18:48
初めて訪ねたサイクルジャンボリーは、「勝てる」人たちだけじゃなく、出場者全員が主役になれるビギナーフレンドリーなレースイベントだ。400名以上が秋晴れのサーキットを駆けた「ディスタンスチャレンジ袖ヶ浦」の模様を紹介したい。
今年スタートを切ったばかりなのにも関わらず、誰もが主役になれる細やかなカテゴリー設定で注目を集めるようになったロードレースイベントが「サイクルジャンボリー」。ステージレース形式の3ヒートレースをなど初心者から上級者まで楽しめるカテゴリーが用意された今年6月の初回大会や、初心者向けの「ビギニングエンデューロ(台風で中止に...残念!)」を挟み、11月20日(土)に同シリーズ第3回目のイベント「サイクルジャンボリー ディスタンスチャレンジ袖ヶ浦」が開催された。
舞台はおなじみの袖ヶ浦フォレストレースウェイ。東京湾アクアラインを使えば都内からも1時間ちょっとでアクセスできる場所であり、まだまだ新しいサーキットだけに舗装状態がとても良くて走りやすい。それでいて1周2.4kmのコースには適度なアップダウンが続くので、上級ホビーレーサーなら戦略次第でレースを組み立てられるという走りごたえのあるサーキットだ。
サイクルジャンボリーはスポーツジャーナリストのハシケンさん、サイクリストモデルの日向涼子さん、インフルエンサーの篠さんとtomʼs cyclingのYOPIさん&TOMさん、そして稲城の自転車店「TRYCLE」のタブチンさんという名の知れたメンバーが企画して形になったもの。
今回の趣旨は「ディスタンスチャレンジ」とのいう大会名の通り、50km、100km、160km、そして最長となる200kmを走破して(50kmの制限時間のみ3.5時間、100km以上のカテゴリーは6.5時間)、その完走タイムを競うというもの。それぞれのカテゴリーのトップ集団ではアツいレースが繰り広げられるけれど、それとは別にマイペースで距離到達を狙うという走り方もできる。「一番だった人が一番偉い」というわけではなくて、誰もがそれぞれの目標にチャレンジできるのが嬉しいイベントなのだ。
絶好の秋晴れの下開催された大会には400人以上ものロード乗りが集まった。ロードシーズン終了後の日程で行われたため、Roppongi Expressや湾岸サイクリング・ユナイテッド、内房レーシングクラブなど東京や千葉を代表するホビーチームも多数集結。各カテゴリーの先頭集団では激しい勝負が繰り広げられたほか、サポートライダーとしてビギナーの先導役も担ってくれた。
初心者フレンドリーを掲げるサイクルジャンボリーだけに、集団走行にまだ慣れていない方が安全に、かつ楽しく走ってもらえるために「初心者講習会」をスタート前に行うのが良いところ。速い集団にどうやって追い抜かれるか、集団内の距離の取り方など基本的な走り方や、このサーキットをどう攻略したら良いかといったハウツーを、実際にサポートライダーからコースを走りながら教えてもらえたり。
エンデューロのサポートライダーというと 「速すぎてついていけないよ!」的なこともままあるけれど、ジャンボリーのサポート部隊はとてもビギナー目線でフォローしてくれるし、実際のレース中も他カテゴリーと混ざらないように声がけしたり、参加者の声を聞いても「走りやすかった!」と好評だった模様。名の知れた企画メンバーと一緒に走れて嬉しい!とい声も多く聞こえてきた。
さて、レースの方はというと、スプリント勝負になりがちなサーキットエンデューロにも関わらず、各カテゴリーで逃げ切りが多く決まったことが印象的だった。例えば一番先にフィニッシュを迎えた100kmでは、普段トライアスロンに取り組んでいるという中川恵太さんが後半30km弱をたった一人で逃げ切ったし、実業団レーサーが揃い踏みした160kmでは湾岸サイクリング・ユナイテッド勢が代わる代わるアタックを仕掛けた末に雑賀大輔さん(湾岸カレーユナイテッド)が集団を5秒抑えて勝利した。
同時に走る人数を絞りリスクを下げるため、100kmがフィニッシュした後にスタートした50kmは集団フィニッシュになるかと思いきや、遠藤優(Roppongi Express)&小仁田充両選手が中盤から2人逃げを決め、ペースの上がらない集団をなんと4分も引き離して遠藤さんがゴール勝負で先着。大注目の200kmクラスにおいてもRoppongi Expressのリーダーである高岡亮寛さんがやはり逃げ切り勝利。1分15秒遅れの「一般人の部(2位談)」では高橋誠さんが古谷朋一さん(内房レーシングクラブ)をスプリントで抑えてRXメンバーによるワンツーフィニッシュが決まったのだった。
華やかな女子カテゴリーでも上位クラスではアツい戦いが繰り広げられた。50kmクラスでは男子200km2位誠さんの奥様である高橋瑞恵さんが「ズイフトしかやってないのに(旦那様談)」勝ち逃げに乗り、100kmクラスでは今村桜子さん(内房レーシングクラブ)がたった一人最後まで男子の先頭集団に残り2位に14分以上の差をつけて勝った。160kmでは安藤雅子さんが「こんな距離をレースで走ったのは初めて」なのに、2位に14分差で内房女子チームは2勝目。200kmでは平均36.10km/hで走りきった山田菜月さん(Team 一匹狼)が勝ちきった。(上位入賞者の「愛車自慢」は追ってレポート!)
それぞれのカテゴリーの規定距離を走り終えてもなお、100km以外のカテゴリーは16時の制限時間いっぱいまで走り続けることができた(それもサポートライダー付き)。「個々の目標を設定し、それを達成するマラソンのようなイベントがあったら良いなと思った」という運営陣の思いは、ノーフィルターで全参加者に伝わっていたように思う。
優勝争いをする選手だけじゃなくて、参加者全員が主役になれるレースイベントが「サイクルジャンボリー」だ。ビギナーフレンドリーで、誰もが安全に、楽しくスポットライトを浴びてサーキットを思う存分走ることができる。レースイベント初挑戦の方にもオススメしたい大会は、12月26日(日)に関東圏を飛び出し、クリテリウムでもおなじみの山口きらら博記念公園で「山口エンデューロ」を行うという。レースイベントが少なくなる冬時期に行われるだけに、中国や九州、四国方面のホビーサイクリストは是非スケジュールのチェックをしてほしい。
text&photo:So Isobe
今年スタートを切ったばかりなのにも関わらず、誰もが主役になれる細やかなカテゴリー設定で注目を集めるようになったロードレースイベントが「サイクルジャンボリー」。ステージレース形式の3ヒートレースをなど初心者から上級者まで楽しめるカテゴリーが用意された今年6月の初回大会や、初心者向けの「ビギニングエンデューロ(台風で中止に...残念!)」を挟み、11月20日(土)に同シリーズ第3回目のイベント「サイクルジャンボリー ディスタンスチャレンジ袖ヶ浦」が開催された。
舞台はおなじみの袖ヶ浦フォレストレースウェイ。東京湾アクアラインを使えば都内からも1時間ちょっとでアクセスできる場所であり、まだまだ新しいサーキットだけに舗装状態がとても良くて走りやすい。それでいて1周2.4kmのコースには適度なアップダウンが続くので、上級ホビーレーサーなら戦略次第でレースを組み立てられるという走りごたえのあるサーキットだ。
サイクルジャンボリーはスポーツジャーナリストのハシケンさん、サイクリストモデルの日向涼子さん、インフルエンサーの篠さんとtomʼs cyclingのYOPIさん&TOMさん、そして稲城の自転車店「TRYCLE」のタブチンさんという名の知れたメンバーが企画して形になったもの。
今回の趣旨は「ディスタンスチャレンジ」とのいう大会名の通り、50km、100km、160km、そして最長となる200kmを走破して(50kmの制限時間のみ3.5時間、100km以上のカテゴリーは6.5時間)、その完走タイムを競うというもの。それぞれのカテゴリーのトップ集団ではアツいレースが繰り広げられるけれど、それとは別にマイペースで距離到達を狙うという走り方もできる。「一番だった人が一番偉い」というわけではなくて、誰もがそれぞれの目標にチャレンジできるのが嬉しいイベントなのだ。
絶好の秋晴れの下開催された大会には400人以上ものロード乗りが集まった。ロードシーズン終了後の日程で行われたため、Roppongi Expressや湾岸サイクリング・ユナイテッド、内房レーシングクラブなど東京や千葉を代表するホビーチームも多数集結。各カテゴリーの先頭集団では激しい勝負が繰り広げられたほか、サポートライダーとしてビギナーの先導役も担ってくれた。
初心者フレンドリーを掲げるサイクルジャンボリーだけに、集団走行にまだ慣れていない方が安全に、かつ楽しく走ってもらえるために「初心者講習会」をスタート前に行うのが良いところ。速い集団にどうやって追い抜かれるか、集団内の距離の取り方など基本的な走り方や、このサーキットをどう攻略したら良いかといったハウツーを、実際にサポートライダーからコースを走りながら教えてもらえたり。
エンデューロのサポートライダーというと 「速すぎてついていけないよ!」的なこともままあるけれど、ジャンボリーのサポート部隊はとてもビギナー目線でフォローしてくれるし、実際のレース中も他カテゴリーと混ざらないように声がけしたり、参加者の声を聞いても「走りやすかった!」と好評だった模様。名の知れた企画メンバーと一緒に走れて嬉しい!とい声も多く聞こえてきた。
さて、レースの方はというと、スプリント勝負になりがちなサーキットエンデューロにも関わらず、各カテゴリーで逃げ切りが多く決まったことが印象的だった。例えば一番先にフィニッシュを迎えた100kmでは、普段トライアスロンに取り組んでいるという中川恵太さんが後半30km弱をたった一人で逃げ切ったし、実業団レーサーが揃い踏みした160kmでは湾岸サイクリング・ユナイテッド勢が代わる代わるアタックを仕掛けた末に雑賀大輔さん(湾岸カレーユナイテッド)が集団を5秒抑えて勝利した。
同時に走る人数を絞りリスクを下げるため、100kmがフィニッシュした後にスタートした50kmは集団フィニッシュになるかと思いきや、遠藤優(Roppongi Express)&小仁田充両選手が中盤から2人逃げを決め、ペースの上がらない集団をなんと4分も引き離して遠藤さんがゴール勝負で先着。大注目の200kmクラスにおいてもRoppongi Expressのリーダーである高岡亮寛さんがやはり逃げ切り勝利。1分15秒遅れの「一般人の部(2位談)」では高橋誠さんが古谷朋一さん(内房レーシングクラブ)をスプリントで抑えてRXメンバーによるワンツーフィニッシュが決まったのだった。
華やかな女子カテゴリーでも上位クラスではアツい戦いが繰り広げられた。50kmクラスでは男子200km2位誠さんの奥様である高橋瑞恵さんが「ズイフトしかやってないのに(旦那様談)」勝ち逃げに乗り、100kmクラスでは今村桜子さん(内房レーシングクラブ)がたった一人最後まで男子の先頭集団に残り2位に14分以上の差をつけて勝った。160kmでは安藤雅子さんが「こんな距離をレースで走ったのは初めて」なのに、2位に14分差で内房女子チームは2勝目。200kmでは平均36.10km/hで走りきった山田菜月さん(Team 一匹狼)が勝ちきった。(上位入賞者の「愛車自慢」は追ってレポート!)
それぞれのカテゴリーの規定距離を走り終えてもなお、100km以外のカテゴリーは16時の制限時間いっぱいまで走り続けることができた(それもサポートライダー付き)。「個々の目標を設定し、それを達成するマラソンのようなイベントがあったら良いなと思った」という運営陣の思いは、ノーフィルターで全参加者に伝わっていたように思う。
優勝争いをする選手だけじゃなくて、参加者全員が主役になれるレースイベントが「サイクルジャンボリー」だ。ビギナーフレンドリーで、誰もが安全に、楽しくスポットライトを浴びてサーキットを思う存分走ることができる。レースイベント初挑戦の方にもオススメしたい大会は、12月26日(日)に関東圏を飛び出し、クリテリウムでもおなじみの山口きらら博記念公園で「山口エンデューロ」を行うという。レースイベントが少なくなる冬時期に行われるだけに、中国や九州、四国方面のホビーサイクリストは是非スケジュールのチェックをしてほしい。
text&photo:So Isobe
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