2021/03/18(木) - 17:39
新型コロナの影響によって延期になっていた第32回ツール・ド・おきなわがサイクリング部門を3月6・7日に開催した。レースの舞台でもある北部やんばる地域一帯を走るやんばるセンチュリーライドなど2日間をレポート。
やんばるセンチュリーライド175㎞のスタート。39人が名護市民会館のスタートラインに並んだ
本来なら昨年11月7日(土)・8 日(日)に開催予定だったツール・ド・おきなわ2020。新型コロナウィルスの感染拡大状況によって国際レースおよび市民レース各部門は開催が見送られ、中止となってしまったが、4ヶ月の延期としながらもサイクリングの部の開催に漕ぎ受けた。今回の大会名が「2020」になっているのはそのためで、あくまで「昨年に予定していた大会の延期開催」という意味が込められている。
出走前の検温チェック。コロナ対策は万全だ
走り出すまではマスクを着用する参加者
ツール・ド・おきなわ協会ではレースの中止を決めた後もオンライン上で行うバーチャルイベント、Tour de Okinawa Challengeを開催してきたが、実走イベントとしてのサイクリング部門を2日間、規模を縮小しながらも開催することに。
名護市民会館をスタートしていく
大会初日の3月6日はやんばるセンチュリーライド175㎞が実施された。検温を経ての会場入りや密集しない集合形態など、万全の感染拡大防止策がとられた。首都圏など緊急事態宣言が延長された地域からの参加者については事務局側から参加自粛願いが出されたため、参加者のほとんどは沖縄県在住者が占めた。
本部半島は海沿いの道が気持ちいい
午前7時に39人が名護市民会館のスタートラインに並んだ。出発前に渡具知武豊大会会長が「やんばるは風光明媚なコースがいっぱい。安全走行で日頃培った実力を存分に発揮してください」と選手を激励。約15人ずつのグループに分かれてスタートする。
本部大橋を越える。すぐ脇に新しい橋が建築中だ
やんばるセンチュリーライドが走る距離は175kmと長く、しかもアップダウンが厳しいことで名高いレース部門とほぼ同様の道を行く。ライドの舞台となるやんばる地方は、国頭村、大宜味村および東村ならびにこれら3村の周辺海域を区域とする国立公園に指定された一帯。「やんばる(山原)」とは「山々が連なり森の広がる地域」を意味する。その豊かな生態系と生物多様性で、「奄美・琉球」の推薦区域としてユネスコ世界自然遺産への登録を目指している。
本部半島・今帰仁のスイカ収穫場にはユニークな壁画イラストが
まずは市民50kmレースの舞台にもなる本部半島の外周へと走り出す参加者たち。海に向けて眺望の開けたワルミ大橋に出ると、橋の上から遠くに見えるは美ら島センチュリーランでお馴染みの古宇利大橋だ。
辺戸岬へ向けてずっと海を感じて走る
15人づつのグループにはそれぞれリーダーがつき、先頭を牽いてくれる。各グループの前後にはメカニックなどを乗せたサポートカーやオートバイが帯同し、トラブルに備える。
新しい大宜味の道の駅が第1エイドだ
エイドには銘菓ちんすこうやシークワーサージュースが用意された
本部半島を抜けて、第1エイドステーションは大宜味村に新しくできた道の駅「おおぎみ やんばるの森ビジターセンター」だ。シークワーサーの栽培で知られる村だけにドリンクや、銘菓ちんすこうも用意されていた。
長い海岸線が続く。無風で走りやすかった
辺戸岬へ向けて隊列を組んで走り続ける
海岸沿いの道は長いが、この日は3月としては暑くもなく、風も無く走りやすかった。しかし天気予報によれば午後から降水確率が上がり、雨が降る可能性がある。そのためなるべく急ぐ参加者たち。ルートはレース部門の難所である与那の坂=普久川ダムへの登りは登らず、辺戸岬へと進路を取る。辺戸を越えると内陸の山間部へ入り、ここからは坂の厳しいやんばる路が待っている。
ヤンバルクイナの里、国頭村へ
ヤンバルクイナの横断に注意
第2エイドは昼食ポイントとしてお馴染みの国頭村・奥やんばるの里。例年ならカレーと豚汁が振る舞われるが、この日はコロナ対策で弁当を受け渡す方式に。ここから先が長いやんばる路。ボリュームのある弁当は数種用意され、選べたのは嬉しい。
奥のエイドは広々した芝生広場で休める
昼食タイムもソーシャルディスタンスで着席
奥エイドで用意されたお弁当はボリュームたっぷり
コロナ対策でテーブルには参加者同士が向き合わないように離して席が設けられ、ソーシャルディスタンスを取りながらの食事に。
のんびりと芝生でお弁当をいただきます
お二人は新城幸也選手の「いとこ」と「はとこ」だそうです
参加者の中に新城幸也選手のいとこにあたる新城銀次さん(元那須ブラーゼン選手で、現在沖縄輪業勤務)と、「はとこ」の新城清貴さんが居た。パリ〜ニースの開幕を翌日に控え、その場にいる参加者たちで新城選手への応援の気持ちを話し合った。
ヒカゲヘゴなど亜熱帯のジャングルが続くヤンバル路
ここまでは海岸沿いの平坦が続いたが、ここからは本格的なやんばるの山岳地帯へと入っていく。繰り返すアップダウンに、道の左右は鬱蒼としたジャングル。クルマもほとんど通らず、静寂の中を走る。やんばるはヤンバルクイナの棲息地であり、道路沿いにはヤンバルクイナや野生動物に注意を促す標識が続く。
厳しいアップダウンが続くやんばる路
第3エイドはアダガーデンホテル。毎年、ボランティアとして参加者を応援してくれるホテルだ。ホテル従業員とその家族が応援してくれ、バナナなども用意されるのが嬉しい。周囲に何もないジャングルのオアシスだ。
アダガーデンホテルは辺境にある豪華ホテル。いつか泊まってみたい
いつも参加者を応援してくれるアダガーデンホテルのエイド。バナナが嬉しい
果てしなく繰り返すアップダウンにバイクを押して歩き出す人も。後方には回収車が控えている。この回収車に乗ることは「ワープ」と言われ、次のエイドステーションまでスキップさせてくれる。少人数開催となった今回も十分なキャパの回収車が用意され、天候の悪化の懸念もあり、遅れがちな人は積極的に回収車に乗せる処置が取られた。コースは確かに厳しいが、こうした救済策があるので安心してチャレンジできる。
回収車に乗ってショートカット。「後半は走ります」
快調に飛ばす新城幸也さんのいとこ・はとこコンビ。さすが血を引いてます
第5エイドの福地川海浜公園がある東村はパイナップルの産地として有名で、ここではカットパインとパインゼリーが提供された。後半のエイドほど重点が置かれるのは嬉しい。このチェックポイントを16時に通過することが完走の条件だ。
東村のエイドではカットパインとパインゼリーが提供された
酸っぱくて甘いパインゼリーで補給
やんばるの柑橘類は野性味たっぷりで甘い!
最後のエイドは大浦わんさかパーク。レース部門ではここから羽地ダムへの上りが始まる大浦湾の海岸沿いの道の駅だ。オリジナルの手作りクッキーやプリンが用意された。
繰り返すアップダウンに負けない健脚が欲しくなる
大浦エイドの手作りプリンとクッキーが嬉しい
回収車から自転車を受け取り、再び走り出す参加者
最後の難関は羽地ダムへと向かう坂。番越トンネルからは右折せずに直進し、そのまま峠を越えて名護市街へと下り、オリオンビール工場の脇へと出る。市街地を走って市民会館へ戻ってフィニッシュだ。
レースでも走る羽地ダムへ向かう上りが最後の難関だ
急坂ダウンヒルの先に名護市街が見えてきた
半数の参加者がフィニッシュする頃にちょうど雨が降り出し、多くの参加者が濡れたものの、それほど寒い思いをせずに初日を終えたのは幸運だった。31人が無事完走した。
やんばる路を走りきり、雨のなかを名護にフィニッシュする参加者たち
名護市民会館にフィニッシュ!
雨の中フィニッシュを喜ぶ参加者たち
参加者のコメント
田辺裕貴さん(那覇市) 「途中からずっと1人で孤独との戦いだった。休憩所では、いろんな人とコミュニケーションできコロナ禍での人との触れ合いの大切さを感じました」
中瀬文生さん(糸満市) 「90㎞を越えて山道が続き、地獄だったが、海を見ながら走るのは最高。すごい達成感を味わえました」
チャレンジサイクリングの参加者たち
大会2日目の3月7日(日)はチャレンジサイクリング90㎞と本部半島ファミリーサイクリング50㎞の2つの開催が予定されていた。しかし早朝から天気が悪く、雨が降っていた。降水確率は終日に渡って高く、天気の回復の見込みが低いため急遽コースを短縮し、チャレンジサイクリングを本部半島一周サイクリング(50㎞)にコース変更、本部半島ファミリーサイクリングを本部港往復コース(28㎞)に変更し、開催を進めた。
ファミリーサイクリングのスタートを待つ
家族連れでファミリーサイクリングの部に参加します
午前8時にチャレンジサイクリングの参加者たち74人がスタートを切り、走り出す。午前9時にスタート予定の本部半島ファミリーサイクリングは、本部半島が大雨で雷が鳴っているとの現地連絡を受け、スタート直前に中止が告げられた。
せっかくの海岸線もあいにくの雨模様だ
雨の中楽しそうに走る女性ライダーたち
すでに20km以上を進んだチャレンジサイクリングの参加者は、22㎞地点でストップ。大会が用意したバスに乗車してスタート地点である名護市民会館へ戻ることになった。
中止のアナウンスにがっかりする3人組。「走りたかった...」
ゼッケンを外してうなだれる参加者たち
バスに分譲してスタート地点まで戻る参加者たち
イベントが中止になった記念の完走証を受け取り、笑顔
名護に戻ってきた参加者たちには、各エイドステーションのために用意されたサーターアンダギーやナントゥーもちやシークァーサーがふるまわれた。また、昼食会場となっていた名護のホテルでは、ライド用ウェアから普段着に着替えて集まった参加者たちが円卓を囲み、昼食を楽しんだ。
名護に戻って仲間で記念撮影。「次回は走りたい!」
昼食会場のホテルゆがふいんでランチを頂く家族連れ
参加者のコメント
チャレンジサイクリングの参加の城間勲さん(浦添市) 「自転車歴22年だが、バスで戻ったのは初めて。次回大会が開催されたら完走目指して頑張りたいです」
本部半島ファミリーサイクリングに参加の宮里明莉さん(宜野湾市) 「次こそ通常通り開催してほしい。また2人で出場し、安全に完走したいです」
ツール・ド・おきなわ新実行委員長になった知念正和さん 森兵次さんからバトンを引き継ぎ、新実行委員長になった知念正和さん(沖縄県自転車競技連盟会長)は次のように話す。
「昨年はレース部門も開催に向けて準備を進めていたところで沖縄県のコロナ感染状況が悪化し、レースを断念せざるを得ませんでした。今回はサイクリング部門だけの開催となってしまいましたが、それでもすべてを中止とせず、可能性のある部門だけでも開催したいとの想いで開催にこぎつけました。今回、追い打ちをかけるように2日目が雨によって中止になってしまったのは残念ですが、何よりも参加者の皆さんの安全を第一に考えての判断で、ご理解いただきたいと思います。
今年に入ってからはオンラインイベントとしてのTour de Okinawa Challengeを行い、ネット上で海外を含めた約4,000人もの参加者がありました。これはそのままツール・ド・おきなわに対する注目度や期待度を表していると思います。しかし、やはり実際のリアルレースを開催したいという思いがあり、関係者一同、今年の11月にはなんとしても開催にこぎつけたいという強く願っています。コロナの状況的にレース形態を状況に即したものに見直す必要があるかもしれません。しかし必ず大会を開催したいと思っていますので、期待していてください」。
ツール・ド・おきなわ協会では、オンラインのトレッキングアプリを活用して走行時間を計測し、大会開催地のやんばるを巡って楽しむライドイベント「やんばるRIDE」を2021年3月31日まで実施中だ。また、インドアサイクリングイベント「Tour de Okinawa Challenge」も3月21日まで実施中だ。詳細は大会公式サイトで確認を。
photo&text:Makoto.AYANO
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本来なら昨年11月7日(土)・8 日(日)に開催予定だったツール・ド・おきなわ2020。新型コロナウィルスの感染拡大状況によって国際レースおよび市民レース各部門は開催が見送られ、中止となってしまったが、4ヶ月の延期としながらもサイクリングの部の開催に漕ぎ受けた。今回の大会名が「2020」になっているのはそのためで、あくまで「昨年に予定していた大会の延期開催」という意味が込められている。
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ツール・ド・おきなわ協会ではレースの中止を決めた後もオンライン上で行うバーチャルイベント、Tour de Okinawa Challengeを開催してきたが、実走イベントとしてのサイクリング部門を2日間、規模を縮小しながらも開催することに。
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大会初日の3月6日はやんばるセンチュリーライド175㎞が実施された。検温を経ての会場入りや密集しない集合形態など、万全の感染拡大防止策がとられた。首都圏など緊急事態宣言が延長された地域からの参加者については事務局側から参加自粛願いが出されたため、参加者のほとんどは沖縄県在住者が占めた。
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午前7時に39人が名護市民会館のスタートラインに並んだ。出発前に渡具知武豊大会会長が「やんばるは風光明媚なコースがいっぱい。安全走行で日頃培った実力を存分に発揮してください」と選手を激励。約15人ずつのグループに分かれてスタートする。
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やんばるセンチュリーライドが走る距離は175kmと長く、しかもアップダウンが厳しいことで名高いレース部門とほぼ同様の道を行く。ライドの舞台となるやんばる地方は、国頭村、大宜味村および東村ならびにこれら3村の周辺海域を区域とする国立公園に指定された一帯。「やんばる(山原)」とは「山々が連なり森の広がる地域」を意味する。その豊かな生態系と生物多様性で、「奄美・琉球」の推薦区域としてユネスコ世界自然遺産への登録を目指している。
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まずは市民50kmレースの舞台にもなる本部半島の外周へと走り出す参加者たち。海に向けて眺望の開けたワルミ大橋に出ると、橋の上から遠くに見えるは美ら島センチュリーランでお馴染みの古宇利大橋だ。
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15人づつのグループにはそれぞれリーダーがつき、先頭を牽いてくれる。各グループの前後にはメカニックなどを乗せたサポートカーやオートバイが帯同し、トラブルに備える。
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本部半島を抜けて、第1エイドステーションは大宜味村に新しくできた道の駅「おおぎみ やんばるの森ビジターセンター」だ。シークワーサーの栽培で知られる村だけにドリンクや、銘菓ちんすこうも用意されていた。
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第2エイドは昼食ポイントとしてお馴染みの国頭村・奥やんばるの里。例年ならカレーと豚汁が振る舞われるが、この日はコロナ対策で弁当を受け渡す方式に。ここから先が長いやんばる路。ボリュームのある弁当は数種用意され、選べたのは嬉しい。
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コロナ対策でテーブルには参加者同士が向き合わないように離して席が設けられ、ソーシャルディスタンスを取りながらの食事に。
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参加者の中に新城幸也選手のいとこにあたる新城銀次さん(元那須ブラーゼン選手で、現在沖縄輪業勤務)と、「はとこ」の新城清貴さんが居た。パリ〜ニースの開幕を翌日に控え、その場にいる参加者たちで新城選手への応援の気持ちを話し合った。
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ここまでは海岸沿いの平坦が続いたが、ここからは本格的なやんばるの山岳地帯へと入っていく。繰り返すアップダウンに、道の左右は鬱蒼としたジャングル。クルマもほとんど通らず、静寂の中を走る。やんばるはヤンバルクイナの棲息地であり、道路沿いにはヤンバルクイナや野生動物に注意を促す標識が続く。
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第3エイドはアダガーデンホテル。毎年、ボランティアとして参加者を応援してくれるホテルだ。ホテル従業員とその家族が応援してくれ、バナナなども用意されるのが嬉しい。周囲に何もないジャングルのオアシスだ。
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果てしなく繰り返すアップダウンにバイクを押して歩き出す人も。後方には回収車が控えている。この回収車に乗ることは「ワープ」と言われ、次のエイドステーションまでスキップさせてくれる。少人数開催となった今回も十分なキャパの回収車が用意され、天候の悪化の懸念もあり、遅れがちな人は積極的に回収車に乗せる処置が取られた。コースは確かに厳しいが、こうした救済策があるので安心してチャレンジできる。
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第5エイドの福地川海浜公園がある東村はパイナップルの産地として有名で、ここではカットパインとパインゼリーが提供された。後半のエイドほど重点が置かれるのは嬉しい。このチェックポイントを16時に通過することが完走の条件だ。
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最後のエイドは大浦わんさかパーク。レース部門ではここから羽地ダムへの上りが始まる大浦湾の海岸沿いの道の駅だ。オリジナルの手作りクッキーやプリンが用意された。
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最後の難関は羽地ダムへと向かう坂。番越トンネルからは右折せずに直進し、そのまま峠を越えて名護市街へと下り、オリオンビール工場の脇へと出る。市街地を走って市民会館へ戻ってフィニッシュだ。
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半数の参加者がフィニッシュする頃にちょうど雨が降り出し、多くの参加者が濡れたものの、それほど寒い思いをせずに初日を終えたのは幸運だった。31人が無事完走した。
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参加者のコメント
田辺裕貴さん(那覇市) 「途中からずっと1人で孤独との戦いだった。休憩所では、いろんな人とコミュニケーションできコロナ禍での人との触れ合いの大切さを感じました」
中瀬文生さん(糸満市) 「90㎞を越えて山道が続き、地獄だったが、海を見ながら走るのは最高。すごい達成感を味わえました」
2日目 チャレンジサイクリング100km、ファミリーサイクリング
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大会2日目の3月7日(日)はチャレンジサイクリング90㎞と本部半島ファミリーサイクリング50㎞の2つの開催が予定されていた。しかし早朝から天気が悪く、雨が降っていた。降水確率は終日に渡って高く、天気の回復の見込みが低いため急遽コースを短縮し、チャレンジサイクリングを本部半島一周サイクリング(50㎞)にコース変更、本部半島ファミリーサイクリングを本部港往復コース(28㎞)に変更し、開催を進めた。
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午前8時にチャレンジサイクリングの参加者たち74人がスタートを切り、走り出す。午前9時にスタート予定の本部半島ファミリーサイクリングは、本部半島が大雨で雷が鳴っているとの現地連絡を受け、スタート直前に中止が告げられた。
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
すでに20km以上を進んだチャレンジサイクリングの参加者は、22㎞地点でストップ。大会が用意したバスに乗車してスタート地点である名護市民会館へ戻ることになった。




名護に戻ってきた参加者たちには、各エイドステーションのために用意されたサーターアンダギーやナントゥーもちやシークァーサーがふるまわれた。また、昼食会場となっていた名護のホテルでは、ライド用ウェアから普段着に着替えて集まった参加者たちが円卓を囲み、昼食を楽しんだ。


参加者のコメント
チャレンジサイクリングの参加の城間勲さん(浦添市) 「自転車歴22年だが、バスで戻ったのは初めて。次回大会が開催されたら完走目指して頑張りたいです」
本部半島ファミリーサイクリングに参加の宮里明莉さん(宜野湾市) 「次こそ通常通り開催してほしい。また2人で出場し、安全に完走したいです」
2021年大会は11月13・14日に開催予定
今大会のパンフレットの裏表紙にはすでに今年の11月13・14日に開催予定のツール・ド・おきなわ2021大会の告知広告が掲載されていた。新型コロナウィルスの収束状況がまだ見えない状況だが、ツール・ド・おきなわ協会ではコロナの状況に応じた運営形態を探りながらも、レース部門を含めた大会の開催へ向けて準備を進めているという。
「昨年はレース部門も開催に向けて準備を進めていたところで沖縄県のコロナ感染状況が悪化し、レースを断念せざるを得ませんでした。今回はサイクリング部門だけの開催となってしまいましたが、それでもすべてを中止とせず、可能性のある部門だけでも開催したいとの想いで開催にこぎつけました。今回、追い打ちをかけるように2日目が雨によって中止になってしまったのは残念ですが、何よりも参加者の皆さんの安全を第一に考えての判断で、ご理解いただきたいと思います。
今年に入ってからはオンラインイベントとしてのTour de Okinawa Challengeを行い、ネット上で海外を含めた約4,000人もの参加者がありました。これはそのままツール・ド・おきなわに対する注目度や期待度を表していると思います。しかし、やはり実際のリアルレースを開催したいという思いがあり、関係者一同、今年の11月にはなんとしても開催にこぎつけたいという強く願っています。コロナの状況的にレース形態を状況に即したものに見直す必要があるかもしれません。しかし必ず大会を開催したいと思っていますので、期待していてください」。
ツール・ド・おきなわ協会では、オンラインのトレッキングアプリを活用して走行時間を計測し、大会開催地のやんばるを巡って楽しむライドイベント「やんばるRIDE」を2021年3月31日まで実施中だ。また、インドアサイクリングイベント「Tour de Okinawa Challenge」も3月21日まで実施中だ。詳細は大会公式サイトで確認を。
photo&text:Makoto.AYANO
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