2019/11/15(金) - 15:17
幕張メッセにて開かれたスポーツバイクの祭典、サイクルモードインターナショナル2019。多くの自転車関連ブランドが勢ぞろいした中でも、ひときわ勢いを増していたのがオフロード系ブランド、そしてE-BIKEと旅系ブースだ。
シクロクロスブームから繋がるグラベルロードの隆盛もあり、オフロードバイクへの注目が集まったここ数年。そのトレンドを反映して、今年は大幅にオフロード系ブランドの展示が増えたのは既報の通り。
だが、ここ数年のトレンドという意味で外せないのは電動アシストスポーツバイク、通称E-BIKEの勃興ではないだろうか。その火付け役として、大きな役割を担ってきたサイクルモードインターナショナルだが、今年もE-BIKEの勢いは衰えることなく。むしろ更にその勢力を拡大していた。
サイクルモード自体へのスポンサー枠に名を連ねたブランドのうち、シマノとバーファンが顔を出しているのは、その流れを反映したものだ。もちろんシマノは世界に冠たるバイクコンポーネントブランドであるが、ここ数年は電動アシストユニット”STEPS”を前面に押し出した展示を行っているし、もう一つのバーファンに至っては、アシストユニット専業ブランドである。
他にも多くのブランドがE-BIKEエリアには並び、まさに百花繚乱。全体的な傾向として総括するならば、これまで中価格帯のクロスバイクモデルがメインであった各社のラインアップが、上下方向へと広がっている印象を受けた。つまり、エンスー向けの高価格帯の本格的なE-MTBとE-BIKE入門にふさわしいエントリーモデルが各社の2020モデルE-BIKEラインアップの目玉となる。それでは各ブランドのレポートに移ろう。
ここ数年、E-BIKEを前面に押し出してきたシマノ。今年は一転、シティコミューティングやキャンプツーリングなど、様々なシーンをイメージしたテーマ別展示に。E-BIKEとノーマルバイクの垣根を取りはらい、ユーザーエクスペリエンスを重視した展示方法は、それだけE-BIKEという存在が受容されてきた証明でもある。
今年、E6180とE5080という二つのミドル/エントリーグレードユニットを新たに日本国内へと導入することで、更にE-BIKEの存在を身近にすることに成功している。手の届きやすい価格のユニットの登場により、各バイクメーカーもリーズナブルなモデルをデビューさせている。
例えば、ミヤタのCRUISEはE8080搭載車に対し、E6180とE5080を搭載した新モデルを新たに追加。E6180モデルは10速化しつつ価格据え置き、E5080モデルは7万円ほどのプライスダウンを果たしている。もちろん、ハイエンドなE8080搭載バイクも拡充。コナのブースではフルサスE-MTBが展示され注目を集めていた。
対するボッシュは今年モデルチェンジを果たしたハイエンドユニット”パフォーマンスラインCX”を日本へ初導入。これまでのアクティブラインに対して、コンパクトかつ軽量、そしてパワフルでスムーズなアシストを実現するスポーツユニットを搭載したハイエンドなE-MTBを登場させた。
新たにパフォーマンスラインCXを搭載するのは、コラテックのE-POWER X VERT CX-PやトレックのRail 9.7やPowerfly 5といったモデル。ダウンチューブ内蔵バッテリーを採用することで、ノーマルバイクと見紛うシルエットを実現しているのが大きな特徴だ。
中国のアシストユニットブランド、バーファンはE-MTBだけでなく、E-ROADにも積極的なブースを展開。今年ブランドロゴを一新したデローザ初となるE-ROADを参考出品し、大きな注目を集めていた。軽量かつ小型なロード系のフラッグシップユニットM800を搭載し、ロードバイクらしいシルエットを崩さない1台となっていた。
一方、日本ブランドも気を吐いていた。日本のE-MTB市場を真っ先に開拓したのパナソニックは、昨年話題を呼んだフルサスE-MTB、XM-D2を中心にした展示。パナソニックの特徴は内装変速を内蔵したマルチスピードドライブユニット。シマノがギアボックスの特許を取得したことが報じられるなど、世界的な潮流として変速機構の内装化が取り沙汰されるなか、他のアシストユニットブランドに対して一歩先んじるメリットを打ち出している。
そして、もう一方のドメスティックブランドの雄がヤマハ。なんといっても注目作は東京モーターショーにおいて展示されたフルサスE-MTBのYPJ-YZ。双胴式のトップ&ダウンチューブを採用することで、マスの集中化を図った独創的なデザインは、ヤマハのモトクロスレーサーYZシリーズからのノウハウを受け継いだもの。
ストロークの大小によって、オールマウンテンモデルとトレイルモデルの2種が用意されており、搭載されるユニットもYPJ-XCから更に進化したものを搭載するという。発売時期は未定だが、「MTBの進化に取り残されないタイミングでリリースしたい」と早期のローンチに期待が持てるコメントも出た。
今年のサイクルモードにおいてもっとも人口密度が高かったのがジテンシャ×旅フェアと名付けられた一角。多くの自治体がブースを出展し、それぞれの地域の魅力をアピールするのに余念がなかったようだ。
中でも大きな注目を浴びていたのが、JR東日本のブースだろう。専用のサイクルトレインB.B.BASEをテーマにしたブースでは、先般の台風によって大きな被害を被った千葉を支援するチャリティーTシャツの販売も行われていた。ラファとのコラボしたTシャツは千葉県内のB.B.BASE路線図をモチーフとして組み合わせた特別なデザイン。「千葉へ自転車で訪れて復興を応援してほしい」とその思いを語ってくれた。
他にも魅力的なサイクリングデスティネーションが多くのブースを連ねていた。国内外からの人気も高く、多くのサイクリストたちが集まるしまなみ海道をはじめ、つくばりんりんロードや多くのサイクリングイベントを開催する山梨や沖縄、グラインデューロを開催し注目集めた信越自然郷など、各地域がそれぞれの魅力をアピールする場になっていた。
もちろんプロダクト系のブースも多くの人が集まっていたが、混雑ぶりで言えば旅系ブースの賑わいが上回っていたように感じる。手に入れた憧れの自転車をどうやって楽しむか、その方法と目的地を探す段階へとサイクリストたちの興味が移っているのだろう。
text&photo:Naoki.Yasuoka
シクロクロスブームから繋がるグラベルロードの隆盛もあり、オフロードバイクへの注目が集まったここ数年。そのトレンドを反映して、今年は大幅にオフロード系ブランドの展示が増えたのは既報の通り。
だが、ここ数年のトレンドという意味で外せないのは電動アシストスポーツバイク、通称E-BIKEの勃興ではないだろうか。その火付け役として、大きな役割を担ってきたサイクルモードインターナショナルだが、今年もE-BIKEの勢いは衰えることなく。むしろ更にその勢力を拡大していた。
サイクルモード自体へのスポンサー枠に名を連ねたブランドのうち、シマノとバーファンが顔を出しているのは、その流れを反映したものだ。もちろんシマノは世界に冠たるバイクコンポーネントブランドであるが、ここ数年は電動アシストユニット”STEPS”を前面に押し出した展示を行っているし、もう一つのバーファンに至っては、アシストユニット専業ブランドである。
他にも多くのブランドがE-BIKEエリアには並び、まさに百花繚乱。全体的な傾向として総括するならば、これまで中価格帯のクロスバイクモデルがメインであった各社のラインアップが、上下方向へと広がっている印象を受けた。つまり、エンスー向けの高価格帯の本格的なE-MTBとE-BIKE入門にふさわしいエントリーモデルが各社の2020モデルE-BIKEラインアップの目玉となる。それでは各ブランドのレポートに移ろう。
ここ数年、E-BIKEを前面に押し出してきたシマノ。今年は一転、シティコミューティングやキャンプツーリングなど、様々なシーンをイメージしたテーマ別展示に。E-BIKEとノーマルバイクの垣根を取りはらい、ユーザーエクスペリエンスを重視した展示方法は、それだけE-BIKEという存在が受容されてきた証明でもある。
今年、E6180とE5080という二つのミドル/エントリーグレードユニットを新たに日本国内へと導入することで、更にE-BIKEの存在を身近にすることに成功している。手の届きやすい価格のユニットの登場により、各バイクメーカーもリーズナブルなモデルをデビューさせている。
例えば、ミヤタのCRUISEはE8080搭載車に対し、E6180とE5080を搭載した新モデルを新たに追加。E6180モデルは10速化しつつ価格据え置き、E5080モデルは7万円ほどのプライスダウンを果たしている。もちろん、ハイエンドなE8080搭載バイクも拡充。コナのブースではフルサスE-MTBが展示され注目を集めていた。
対するボッシュは今年モデルチェンジを果たしたハイエンドユニット”パフォーマンスラインCX”を日本へ初導入。これまでのアクティブラインに対して、コンパクトかつ軽量、そしてパワフルでスムーズなアシストを実現するスポーツユニットを搭載したハイエンドなE-MTBを登場させた。
新たにパフォーマンスラインCXを搭載するのは、コラテックのE-POWER X VERT CX-PやトレックのRail 9.7やPowerfly 5といったモデル。ダウンチューブ内蔵バッテリーを採用することで、ノーマルバイクと見紛うシルエットを実現しているのが大きな特徴だ。
中国のアシストユニットブランド、バーファンはE-MTBだけでなく、E-ROADにも積極的なブースを展開。今年ブランドロゴを一新したデローザ初となるE-ROADを参考出品し、大きな注目を集めていた。軽量かつ小型なロード系のフラッグシップユニットM800を搭載し、ロードバイクらしいシルエットを崩さない1台となっていた。
一方、日本ブランドも気を吐いていた。日本のE-MTB市場を真っ先に開拓したのパナソニックは、昨年話題を呼んだフルサスE-MTB、XM-D2を中心にした展示。パナソニックの特徴は内装変速を内蔵したマルチスピードドライブユニット。シマノがギアボックスの特許を取得したことが報じられるなど、世界的な潮流として変速機構の内装化が取り沙汰されるなか、他のアシストユニットブランドに対して一歩先んじるメリットを打ち出している。
そして、もう一方のドメスティックブランドの雄がヤマハ。なんといっても注目作は東京モーターショーにおいて展示されたフルサスE-MTBのYPJ-YZ。双胴式のトップ&ダウンチューブを採用することで、マスの集中化を図った独創的なデザインは、ヤマハのモトクロスレーサーYZシリーズからのノウハウを受け継いだもの。
ストロークの大小によって、オールマウンテンモデルとトレイルモデルの2種が用意されており、搭載されるユニットもYPJ-XCから更に進化したものを搭載するという。発売時期は未定だが、「MTBの進化に取り残されないタイミングでリリースしたい」と早期のローンチに期待が持てるコメントも出た。
今年のサイクルモードにおいてもっとも人口密度が高かったのがジテンシャ×旅フェアと名付けられた一角。多くの自治体がブースを出展し、それぞれの地域の魅力をアピールするのに余念がなかったようだ。
中でも大きな注目を浴びていたのが、JR東日本のブースだろう。専用のサイクルトレインB.B.BASEをテーマにしたブースでは、先般の台風によって大きな被害を被った千葉を支援するチャリティーTシャツの販売も行われていた。ラファとのコラボしたTシャツは千葉県内のB.B.BASE路線図をモチーフとして組み合わせた特別なデザイン。「千葉へ自転車で訪れて復興を応援してほしい」とその思いを語ってくれた。
他にも魅力的なサイクリングデスティネーションが多くのブースを連ねていた。国内外からの人気も高く、多くのサイクリストたちが集まるしまなみ海道をはじめ、つくばりんりんロードや多くのサイクリングイベントを開催する山梨や沖縄、グラインデューロを開催し注目集めた信越自然郷など、各地域がそれぞれの魅力をアピールする場になっていた。
もちろんプロダクト系のブースも多くの人が集まっていたが、混雑ぶりで言えば旅系ブースの賑わいが上回っていたように感じる。手に入れた憧れの自転車をどうやって楽しむか、その方法と目的地を探す段階へとサイクリストたちの興味が移っているのだろう。
text&photo:Naoki.Yasuoka
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