2019/10/27(日) - 12:19
絶景が続いたホノルルセンチュリーライドの前半戦。後半は折り返し地点スワンジービーチパークの直前で現れる筆舌に尽くし難い絶景を求めひた走る。フィニッシュ後の後夜祭も含めてレポートをしよう。
マカプウに別れを告げた我々は、ワイマナロ地区で海から離れ、鬱蒼とした森の中をひた走る。サンディビーチから続くカラニアナオレ・ハイウェイはオアフ島の主要道路の1つのため交通量は少なくない。しかし、この森の中は自動車の数は非常に少なく走りやすいエリアだ。
快調に飛ばしているとポツリポツリと雨粒が空から落ち、次第に本降りに変わってしまった。慌てて撮影機材をバックパックに入れ、しっかりとビニールで保護。再出発したところで雨は上がり、再びハワイの蒸した晴れに。どうやら東武トップツアーズのメンバーでこのワイマナロで雨に降られたのは私だけらしい。ついてない。
森林地帯を抜け、カイルア市街に入ると程なく第2エイドステーションが登場。この頃には非常に蒸し暑くなり、立っているだけでも汗が噴出してくるほど。気がついたら空になっていたボトルが暑さを物語っているようだ。この第2エイドで振る舞われたシェイブアイスは数多くのサイクリストの体力と気力を癒やしてくれる。手作りのゲームで遊べたり、スモウレスラーがいたりして面白いのもこのエイドの特徴。時間に余裕があれば遊んでいきたいが、私には残念ながら余裕がない。先を急ぐ。
いくつかのアップダウンをこなすと第3エイドが現れる。道端の小さな広場にサイクリストが集まっているから人口密度は高め。スタートから数時間経過しているため、お腹が空いてくるのもこのタイミング。振る舞われる食べ物はここまでのものと変わらないため、テイストを変えたければ近くのセブンイレブンに寄って補給食を調達するのもあり。
この75マイル折返しの第3エイドは、100マイル完走の最終関門となる。10:30を過ぎると完走が危ぶまれるため、折り返さないといけなくなるそうだ。この時間に間に合えばスワンジービーチパークは目の前。だからこそ序盤からのタイムキープは重要。早め早めの行動が景色を楽しめるようになるコツだ。
無事に第3エイドを通過すると、HCRのハイライトであるカメハメハ・ハイウェイの海岸線が我々を待っている。小刻みにアップダウンを繰り返し足を削ってくる大地。鬱蒼とした樹木に覆われたハイウェイ。ここは耐えどころ。ジュラシックパークの撮影地となったクアロアランチでレジャーを楽しむ方から応援を受けているといきなり視界が開ける。
上を見れば青い空、目の前には青い海、左手にはクアロアランチの断崖絶壁。ここがHCR随一の絶景スポットであり、これまでの行程での疲労を吹き飛ばしてくれるロケーションだ。開放感に後押しされ、ペダリングも軽やかになった気がする。気がつけば海岸線が車道の2~3m先まで迫っている。これを最高と言わずして何を最高と言おうか。
景色に気を取られていたら第4エイド、100マイルの折り返し地点スワンジービーチパークに到着。100マイル完走を狙う方にとっては、まだまだ半分の行程だが達成感を味わえる。スパムおにぎりが振る舞われており、しっかりとした補給と休憩をここで行える。金田さんのストレッチ講座を受けて、リラックスできたら、再出発。
例年ならここにたどり着いたサイクリストは自力で戻るのが常だったのだが、今年はスワンジービーチパークからバスでワイキキまで戻るワンウェイコースが用意されていたよう。そこに参加した方はここがほぼゴールだ。カメハメハ・ハイウェイの絶景を堪能し、のんびり帰ることができる、これ良すぎでは?東武トップツアーズの参加者の中にもこのコースを選んでいた方もいたようで、サポートをしてくれた金田さん、ゲストの今中さんと握手を交わし、一足早いフィニッシュを喜んだ。
そんな夢みたいなコースがあるとは知らなかった私は復路も自走だ。今中さんが率いる快速巡航トレインに乗車し、第5エイドまで気持ちよく移動。このエイドではスターフルーツという日本では余り馴染みのない果物が振る舞われている。梨のような食感で、味は酸味のあるような無いような…。疲れた体は濃い味のものを求めていたのか、かなり甘いドーナツに吸い寄せられた。
湿度が高く暖かい空気がまとわりつくようなこの日は、時間が経過するとサイクリストの暑さで疲弊した顔色が見えてくるように。水をかぶってのクールダウンは必須だ。撮影機材をサイクルジャージのポケットに入れて持ち運ぶ私は全身に水をかぶることはできないが、ヘルメットをたっぷりと濡らし、再びコースへと戻る。
HCRはピストンコースに設定されているため、第6エイドは往路の第2エイドが設けられたカイルア・インタミディエートスクールとなる。ハイウェイを走りエイドまで向かうため、ビューポイントは多くない。フィニッシュタイムのことを考えるとしっかりと走る時間帯となる。
私は撮影ポイントで今中さんトレインがやってくるのを待ち、撮影完了と同時に乗車する作戦を選択。追いつくために足を使ってしまったが、スピードを落とさずに登りきれる坂道が次々と現れる区間は集団でいたほうが良いという判断だ。しかし、合流できた後に現れた丘で付き切れ。私の快速巡航は終わりを告げた。ここは撮影スポットで、どうせ後続を待つ必要があるのだから結果オーライ。これでいいのだ。
海と山をバックに収められるヒルクライムの写真を数枚撮影し、再び出発。既に私は抜け殻。なんとかかんとか第6エイドに転がり込み、シェイブアイスを頂く。補給というよりもクールダウンが目的だ。立っているだけでも汗が吹き出てくるため、足早にボトルに水を補給しエイドを後にした。
往路では下ってきたジャングルの下り坂は上り坂となり、サイクリストの足を試してくる。私は抗うことなく、ギアをロー側に落とす。マカプウ展望台への登りも牙を剥き容赦なく足を削る。そして、フロントのギアもインナーに落ちる。苦しんだはずのハートブレイクヒルは下ればあっという間。意識を無の境地に落とし淡々と踏んでいたら最終エイドが現れた。
このエイドは全体が日陰で、涼しい風が吹き付けている。振る舞われているコナコーヒーは絶品だし、マラサダも美味。私はエイドステーションでお代わりすることは少ないのだが、この2品だけはしてしまった。それほど美味しいのだ。最後のもうひと頑張りを前にコーヒーブレイクのも嬉しいし、精神的な疲れも少しだけ癒えた気がする。コナコーヒーに力を貰った私はハイウェイをできるパワーで踏み切り、カピオラニ公園のフィニッシュへとたどり着いた。
続々とカピオラニ公園に姿を表すサイクリスト達の顔には疲労が見えるが、達成感にも満ち溢れており、見ている私も幸せな気分になる。夕方になり暑さが落ち着いたからか、ツアーテントではのんびりと過ごす方も。距離関係なく走りきった方は達成感、絶景を堪能した充実感があったはずだ。常連の方も、はじめての方も2019年のホノルルセンチュリーライドは、サイクリスト人生の1ページとなったはずだ。
……。
HCRの本番は幕を下ろしたが、東武トップツアーズのツアーはまだまだ終わっていない。イベント直後には中華料理屋を借り切ったアフターパーティーが開催されるのだ。個人的に美味しい料理を探しに行くのも良いが、記憶が新しいうちに同じツアーの仲間と経験を共有できれば、思い出はもっともっと深いものになるはず。総勢43名が5つ用意された中華の円卓を囲んだ。
同じ自転車という趣味を持つ仲間が集まれば話題は尽きないもの。歓談タイムには我々が撮影した写真のスライドショーを流し続けるため、それを話の種にしてくれただろうか。もしそうであれば嬉しいことこの上ない。途中、参加者にエピソードを披露してもらい、同じツアーの仲間たちがどの様な思いでHCRに参加していたのかを聞き盛り上がる。
新婚さんや大会当日が29回目の結婚記念日という夫婦、昨年完走できなかったリベンジのために再びHCRに訪れた方、初めて100マイルを走りきったという方などなど…。我々は満遍なく参加者を撮影できるように動いており、各参加者とお話させていただいているせいか、どのエピソードも私の心に刺さる。幸せな方には幸福を分けてもらい、リタイアしてしまった方の話は残念で仕方がない。
パーティーの終盤は絹代さん、今中さん、金田さん、CW編集部によるプレゼント抽選会となる。ユニークなものから、豪華なものまで様々な景品が用意されており、正直あたった方が羨ましい。そして、最後には「来年も参加するぞー」のシュプレヒコールでアフターパーティーは閉会した。
東武トップツアーズ ホノルルセンチュリーライドツアーFacebookフォトアルバム
大会前日 走り方直前講座
大会前日 プラクティスライドA~ハナウマ湾~
大会前日 プラクティスライドB~マカプー/ライトハウストレイル~
大会本番 ホノルルセンチュリーライド
大会当日 アフターパーティー
大会翌日 タンタラスの丘モーニングライド&ノースショアサイクリング
text&photo:Gakuto Fujiwara
photo:Makoto.AYANO
マカプウに別れを告げた我々は、ワイマナロ地区で海から離れ、鬱蒼とした森の中をひた走る。サンディビーチから続くカラニアナオレ・ハイウェイはオアフ島の主要道路の1つのため交通量は少なくない。しかし、この森の中は自動車の数は非常に少なく走りやすいエリアだ。
快調に飛ばしているとポツリポツリと雨粒が空から落ち、次第に本降りに変わってしまった。慌てて撮影機材をバックパックに入れ、しっかりとビニールで保護。再出発したところで雨は上がり、再びハワイの蒸した晴れに。どうやら東武トップツアーズのメンバーでこのワイマナロで雨に降られたのは私だけらしい。ついてない。
森林地帯を抜け、カイルア市街に入ると程なく第2エイドステーションが登場。この頃には非常に蒸し暑くなり、立っているだけでも汗が噴出してくるほど。気がついたら空になっていたボトルが暑さを物語っているようだ。この第2エイドで振る舞われたシェイブアイスは数多くのサイクリストの体力と気力を癒やしてくれる。手作りのゲームで遊べたり、スモウレスラーがいたりして面白いのもこのエイドの特徴。時間に余裕があれば遊んでいきたいが、私には残念ながら余裕がない。先を急ぐ。
いくつかのアップダウンをこなすと第3エイドが現れる。道端の小さな広場にサイクリストが集まっているから人口密度は高め。スタートから数時間経過しているため、お腹が空いてくるのもこのタイミング。振る舞われる食べ物はここまでのものと変わらないため、テイストを変えたければ近くのセブンイレブンに寄って補給食を調達するのもあり。
この75マイル折返しの第3エイドは、100マイル完走の最終関門となる。10:30を過ぎると完走が危ぶまれるため、折り返さないといけなくなるそうだ。この時間に間に合えばスワンジービーチパークは目の前。だからこそ序盤からのタイムキープは重要。早め早めの行動が景色を楽しめるようになるコツだ。
無事に第3エイドを通過すると、HCRのハイライトであるカメハメハ・ハイウェイの海岸線が我々を待っている。小刻みにアップダウンを繰り返し足を削ってくる大地。鬱蒼とした樹木に覆われたハイウェイ。ここは耐えどころ。ジュラシックパークの撮影地となったクアロアランチでレジャーを楽しむ方から応援を受けているといきなり視界が開ける。
上を見れば青い空、目の前には青い海、左手にはクアロアランチの断崖絶壁。ここがHCR随一の絶景スポットであり、これまでの行程での疲労を吹き飛ばしてくれるロケーションだ。開放感に後押しされ、ペダリングも軽やかになった気がする。気がつけば海岸線が車道の2~3m先まで迫っている。これを最高と言わずして何を最高と言おうか。
景色に気を取られていたら第4エイド、100マイルの折り返し地点スワンジービーチパークに到着。100マイル完走を狙う方にとっては、まだまだ半分の行程だが達成感を味わえる。スパムおにぎりが振る舞われており、しっかりとした補給と休憩をここで行える。金田さんのストレッチ講座を受けて、リラックスできたら、再出発。
例年ならここにたどり着いたサイクリストは自力で戻るのが常だったのだが、今年はスワンジービーチパークからバスでワイキキまで戻るワンウェイコースが用意されていたよう。そこに参加した方はここがほぼゴールだ。カメハメハ・ハイウェイの絶景を堪能し、のんびり帰ることができる、これ良すぎでは?東武トップツアーズの参加者の中にもこのコースを選んでいた方もいたようで、サポートをしてくれた金田さん、ゲストの今中さんと握手を交わし、一足早いフィニッシュを喜んだ。
そんな夢みたいなコースがあるとは知らなかった私は復路も自走だ。今中さんが率いる快速巡航トレインに乗車し、第5エイドまで気持ちよく移動。このエイドではスターフルーツという日本では余り馴染みのない果物が振る舞われている。梨のような食感で、味は酸味のあるような無いような…。疲れた体は濃い味のものを求めていたのか、かなり甘いドーナツに吸い寄せられた。
湿度が高く暖かい空気がまとわりつくようなこの日は、時間が経過するとサイクリストの暑さで疲弊した顔色が見えてくるように。水をかぶってのクールダウンは必須だ。撮影機材をサイクルジャージのポケットに入れて持ち運ぶ私は全身に水をかぶることはできないが、ヘルメットをたっぷりと濡らし、再びコースへと戻る。
HCRはピストンコースに設定されているため、第6エイドは往路の第2エイドが設けられたカイルア・インタミディエートスクールとなる。ハイウェイを走りエイドまで向かうため、ビューポイントは多くない。フィニッシュタイムのことを考えるとしっかりと走る時間帯となる。
私は撮影ポイントで今中さんトレインがやってくるのを待ち、撮影完了と同時に乗車する作戦を選択。追いつくために足を使ってしまったが、スピードを落とさずに登りきれる坂道が次々と現れる区間は集団でいたほうが良いという判断だ。しかし、合流できた後に現れた丘で付き切れ。私の快速巡航は終わりを告げた。ここは撮影スポットで、どうせ後続を待つ必要があるのだから結果オーライ。これでいいのだ。
海と山をバックに収められるヒルクライムの写真を数枚撮影し、再び出発。既に私は抜け殻。なんとかかんとか第6エイドに転がり込み、シェイブアイスを頂く。補給というよりもクールダウンが目的だ。立っているだけでも汗が吹き出てくるため、足早にボトルに水を補給しエイドを後にした。
往路では下ってきたジャングルの下り坂は上り坂となり、サイクリストの足を試してくる。私は抗うことなく、ギアをロー側に落とす。マカプウ展望台への登りも牙を剥き容赦なく足を削る。そして、フロントのギアもインナーに落ちる。苦しんだはずのハートブレイクヒルは下ればあっという間。意識を無の境地に落とし淡々と踏んでいたら最終エイドが現れた。
このエイドは全体が日陰で、涼しい風が吹き付けている。振る舞われているコナコーヒーは絶品だし、マラサダも美味。私はエイドステーションでお代わりすることは少ないのだが、この2品だけはしてしまった。それほど美味しいのだ。最後のもうひと頑張りを前にコーヒーブレイクのも嬉しいし、精神的な疲れも少しだけ癒えた気がする。コナコーヒーに力を貰った私はハイウェイをできるパワーで踏み切り、カピオラニ公園のフィニッシュへとたどり着いた。
続々とカピオラニ公園に姿を表すサイクリスト達の顔には疲労が見えるが、達成感にも満ち溢れており、見ている私も幸せな気分になる。夕方になり暑さが落ち着いたからか、ツアーテントではのんびりと過ごす方も。距離関係なく走りきった方は達成感、絶景を堪能した充実感があったはずだ。常連の方も、はじめての方も2019年のホノルルセンチュリーライドは、サイクリスト人生の1ページとなったはずだ。
……。
HCRの本番は幕を下ろしたが、東武トップツアーズのツアーはまだまだ終わっていない。イベント直後には中華料理屋を借り切ったアフターパーティーが開催されるのだ。個人的に美味しい料理を探しに行くのも良いが、記憶が新しいうちに同じツアーの仲間と経験を共有できれば、思い出はもっともっと深いものになるはず。総勢43名が5つ用意された中華の円卓を囲んだ。
同じ自転車という趣味を持つ仲間が集まれば話題は尽きないもの。歓談タイムには我々が撮影した写真のスライドショーを流し続けるため、それを話の種にしてくれただろうか。もしそうであれば嬉しいことこの上ない。途中、参加者にエピソードを披露してもらい、同じツアーの仲間たちがどの様な思いでHCRに参加していたのかを聞き盛り上がる。
新婚さんや大会当日が29回目の結婚記念日という夫婦、昨年完走できなかったリベンジのために再びHCRに訪れた方、初めて100マイルを走りきったという方などなど…。我々は満遍なく参加者を撮影できるように動いており、各参加者とお話させていただいているせいか、どのエピソードも私の心に刺さる。幸せな方には幸福を分けてもらい、リタイアしてしまった方の話は残念で仕方がない。
パーティーの終盤は絹代さん、今中さん、金田さん、CW編集部によるプレゼント抽選会となる。ユニークなものから、豪華なものまで様々な景品が用意されており、正直あたった方が羨ましい。そして、最後には「来年も参加するぞー」のシュプレヒコールでアフターパーティーは閉会した。
東武トップツアーズ ホノルルセンチュリーライドツアーFacebookフォトアルバム
大会前日 走り方直前講座
大会前日 プラクティスライドA~ハナウマ湾~
大会前日 プラクティスライドB~マカプー/ライトハウストレイル~
大会本番 ホノルルセンチュリーライド
大会当日 アフターパーティー
大会翌日 タンタラスの丘モーニングライド&ノースショアサイクリング
text&photo:Gakuto Fujiwara
photo:Makoto.AYANO
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