2019/09/25(水) - 12:55
8月の最終週に行われたシマノ鈴鹿ロードレース。最高峰のシマノ鈴鹿ロードレースクラシックやアマチュア向けステージレースの5ステージスズカの他にも、2日間に渡って多数の種目が開催された。
快晴に恵まれた2日間となったシマノ鈴鹿ロードレース
日本でも最も格式と伝統のあるサーキットとして知られる三重県鈴鹿市の鈴鹿サーキット。F1日本GPをはじめ、多くのレースが開催されてきたモータースポーツファンにとっての聖地ともいえるロケーションで、毎年開催されている自転車イベントがシマノ鈴鹿ロードレースだ。
その名の通り、日本が誇る総合コンポーネントメーカー、シマノが主催するイベントとなっており、2日間に渡って数多くの種目が開催される。7月の富士見パノラマで行われるオフロードイベントのシマノバイカーズと並び、日本国内においてそれぞれのカテゴリーで多くの参加者を集める人気イベントだ。
ホームストレートを集団が走り抜ける
仲間と楽しめるのがシマノ鈴鹿ロードレースの大きな魅力だ
メカニックブースではシマノのメカニックが対応してくれる
8月の最終日、まだ空も白み始める前から続々と鈴鹿サーキットに車が集まってくる。1日、人によっては2日間を過ごすため、快適な場所取りは重要なミッションでもある。開門に合わせて、多くの荷物を積んだ人達がゲートへ並び、ピットへと向かう。エアコンと電源完備のオフィスやピットビル内のラウンジを事前予約できた参加者はそちらへ向かっていく。
いそいそと受付や準備などを済ませていると、あっという間に時間は経ち、試走時間に。今年もMCを務めるがらぱさんたちの元気のいいアナウンスがサーキットに響き、ああ、今年もシマノ鈴鹿が始まったのだな、と実感する。
安全なレース運営に欠かせないのがコース上のモトスタッフ 多くのレースが行われるシマノ鈴鹿ではたくさんのモトが交代制で走っている
多くのレースがスプリントで決着
実は、来場者の中からスターターを公募しているのだ
この朝の試走は安全面においても非常に重要な時間。シマノ鈴鹿では、毎年のフィードバックを活かして、安全にレースが出来るようコースレイアウトを工夫しているのだ。なので、毎年走っているからと言っても、少し違うタイミングからコース幅が狭められていたりすることもあるので、しっかり試走は行いたい。
試走時間が終われば、さっそくレースが始まる。2日間の幕を上げるのは5ステージスズカの第1ステージ。2日間で5つのステージを走り、チームメイトと協力しながら総合成績を目指す、アマチュアのツール・ド・フランスのようなレースだ。その戦略性の高さや、仲間と楽しめるということから近年人気が高まってきた種目。こちらの模様はすでにレポート済みなので、そちらを読んでほしい。
チームメイトの雄姿を写真に収める
晴れをもたらしてくれたテルテル坊主
ついに開幕したシマノ鈴鹿は、どんどんとレースがスタートしてはフィニッシュしていく。今年のシマノ鈴鹿は、ついにディスクブレーキロードが全面的に解禁されたことも大きなニュース。安定した制動力を持つディスクロードは初心者にとっても嬉しい装備だ。
天気予報では雨予報だったけれど、大会本部に吊り下げられた大きなテルテル坊主のおかげか、午前中は快晴に恵まれた。暑熱対策もばっちりなのがシマノ鈴鹿のいいところ。レース後に使えるシャワーテント、各地に配置されたミストシャワーやピットロードには大きな氷塊まで配置され、東京オリンピックのヒントになるのではないだろうか、と思うほど涼を取ることができる仕掛けが盛りだくさん。午後には少し降られる瞬間もあったが、テルテル坊主を追加すると雨が上がるというミラクルも(笑)
2日間で最大の出走者数となる2時間エンデュランス
ピットレーンには氷の柱が用意されていました! (c)シマノ
2時間エンデュランスの最中にぱらりと雨が降り出してきた
空が夕焼けに迫る中2時間エンデュランスが終わりを迎える
仲間の帰りをピットウォールから待つ
2時間エンデュランスの最終走者を皆で迎える
1日目を締めくくった個人TTの決勝
ちょうど雨が降った時間帯は大会でも最大の出走者数を誇る2時間エンデュランスのタイミング。雨天でも制動力の変わらないディスクブレーキロードと従来のリムブレーキロードが混走することで、アクシデントが起こることも危惧されたが、実際のところ大きな事故も無くレースは進行し、個人TTの決勝戦をもって1日目を終えることとなった。
さて、あくる2日目は更なる快晴の下、レースがスタートすることに。2日目は年代別クラスのレースがメインの1日となる。小中学生やシニアレーサーたちが本気で競い、しのぎを削りあう姿は自転車レースでなければなかなか見ることの出来ない真剣勝負である。
2日目も多くのサイクリストが集まったシマノ鈴鹿ロードレース
気心の知れた仲間とチームTTに挑みます
女子チームで仲良くTTにチャレンジ
仲間と空気抵抗を分け合ってタイムを縮める
バイクのカラーまでお揃いのチームも
みんなで力を合わせて挑戦できるのがチームTTのいいところ
多くのレースが2日間を通して開催されているが、中でも人気が高いのがチームタイムトライアル。仲間と共に協力しながら走ることが出来るこの種目は2日とも開催されている種目だが、両日とも満員御礼となっている。
チームメイトが走っているのをピットから応援することしかできないサーキットエンデューロとは異なり、実際にチームが一丸となって走ることが出来るのも、5ステージスズカと並んでチームタイムトライアルが人気を集める理由だろう。
子供を激励するお父さん
ちょっと緊張気味かな?
子供たちにもチャンピオンジャージが贈呈される ちなみに去年からキッズ用サイズが用意されるようになったのだという ピッタリフィットでかっこいい!
レースが行われている裏側では、様々なセミナーも開催されている。元オリンピック代表の江原氏を講師として開催される初心者安全講習会はシマノ鈴鹿の人気講座。レースデビューにもってこいな、講習会付き初心者レースという種目に付帯する講座として開催されているが、実際は参加者であれば誰でもウェルカム。集団走行における注意点や、鈴鹿サーキットで落車が頻発するポイントなど、実践的なアドバイスを得ることが出来る。
また、今年は管理栄養士の河南こころさんによるセミナーも行われ、サイクリストにとって必要な栄養や食事のとり方について、しっかりとしたレクチャーを受けることも出来た。これらのセミナーはどれも無料となっており、シマノ鈴鹿に来たなら一度は受講してみてソンは無い。
河南こころさんによる知っ得!栄養講座
元オリンピアンの江原氏による初心者講座
スプリント賞には賞金が!今夜はごちそうですね
子供たちに自転車の乗り方を教えてくれるウィーラースクール
充実したブースエリアもシマノ鈴鹿の大きな魅力。最新モデルが発表されるタイミングで開催されるシマノ鈴鹿は、ユーザーにとっては発表されたばかりの新製品を最速で目にすることが出来る貴重な機会でもある。
今年も多くの最新バイクやパーツが展示されていたが、E-BIKEの大きな波は収まらず。昨年からさらに多くのメーカーがE-BIKEの試乗車を用意していたようだ。特にシマノブースで展示されていたBMCのグラベルE-ロードなどは、インテグレートされたルックスとシャープな乗り味でベテランライダーの琴線にも触れる完成度。国内展開が待ち遠しい1台だ。
多くのブースが並んだ出展エリア
最新モデルに注目が集まった
E-MTBの試乗も大人気
参考出品されていたBMCのE-グラベルロード 試乗車も用意されていた
完成車をはじめ多くの豪華景品が用意された抽選会
多くの種目が目白押しの一方で、充実のセミナーやサイクルエキスポと呼ぶに相応しい出店エリア。夏の終わりのサイクリストの祭典として仲間とワイワイ楽しめる、そんな夢のような2日間は来年もあなたの参加を待っている。
text&photo:Naoki.Yasuoka
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日本でも最も格式と伝統のあるサーキットとして知られる三重県鈴鹿市の鈴鹿サーキット。F1日本GPをはじめ、多くのレースが開催されてきたモータースポーツファンにとっての聖地ともいえるロケーションで、毎年開催されている自転車イベントがシマノ鈴鹿ロードレースだ。
その名の通り、日本が誇る総合コンポーネントメーカー、シマノが主催するイベントとなっており、2日間に渡って数多くの種目が開催される。7月の富士見パノラマで行われるオフロードイベントのシマノバイカーズと並び、日本国内においてそれぞれのカテゴリーで多くの参加者を集める人気イベントだ。
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8月の最終日、まだ空も白み始める前から続々と鈴鹿サーキットに車が集まってくる。1日、人によっては2日間を過ごすため、快適な場所取りは重要なミッションでもある。開門に合わせて、多くの荷物を積んだ人達がゲートへ並び、ピットへと向かう。エアコンと電源完備のオフィスやピットビル内のラウンジを事前予約できた参加者はそちらへ向かっていく。
いそいそと受付や準備などを済ませていると、あっという間に時間は経ち、試走時間に。今年もMCを務めるがらぱさんたちの元気のいいアナウンスがサーキットに響き、ああ、今年もシマノ鈴鹿が始まったのだな、と実感する。
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この朝の試走は安全面においても非常に重要な時間。シマノ鈴鹿では、毎年のフィードバックを活かして、安全にレースが出来るようコースレイアウトを工夫しているのだ。なので、毎年走っているからと言っても、少し違うタイミングからコース幅が狭められていたりすることもあるので、しっかり試走は行いたい。
試走時間が終われば、さっそくレースが始まる。2日間の幕を上げるのは5ステージスズカの第1ステージ。2日間で5つのステージを走り、チームメイトと協力しながら総合成績を目指す、アマチュアのツール・ド・フランスのようなレースだ。その戦略性の高さや、仲間と楽しめるということから近年人気が高まってきた種目。こちらの模様はすでにレポート済みなので、そちらを読んでほしい。
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ついに開幕したシマノ鈴鹿は、どんどんとレースがスタートしてはフィニッシュしていく。今年のシマノ鈴鹿は、ついにディスクブレーキロードが全面的に解禁されたことも大きなニュース。安定した制動力を持つディスクロードは初心者にとっても嬉しい装備だ。
天気予報では雨予報だったけれど、大会本部に吊り下げられた大きなテルテル坊主のおかげか、午前中は快晴に恵まれた。暑熱対策もばっちりなのがシマノ鈴鹿のいいところ。レース後に使えるシャワーテント、各地に配置されたミストシャワーやピットロードには大きな氷塊まで配置され、東京オリンピックのヒントになるのではないだろうか、と思うほど涼を取ることができる仕掛けが盛りだくさん。午後には少し降られる瞬間もあったが、テルテル坊主を追加すると雨が上がるというミラクルも(笑)
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さて、あくる2日目は更なる快晴の下、レースがスタートすることに。2日目は年代別クラスのレースがメインの1日となる。小中学生やシニアレーサーたちが本気で競い、しのぎを削りあう姿は自転車レースでなければなかなか見ることの出来ない真剣勝負である。
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チームメイトが走っているのをピットから応援することしかできないサーキットエンデューロとは異なり、実際にチームが一丸となって走ることが出来るのも、5ステージスズカと並んでチームタイムトライアルが人気を集める理由だろう。
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また、今年は管理栄養士の河南こころさんによるセミナーも行われ、サイクリストにとって必要な栄養や食事のとり方について、しっかりとしたレクチャーを受けることも出来た。これらのセミナーはどれも無料となっており、シマノ鈴鹿に来たなら一度は受講してみてソンは無い。
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充実したブースエリアもシマノ鈴鹿の大きな魅力。最新モデルが発表されるタイミングで開催されるシマノ鈴鹿は、ユーザーにとっては発表されたばかりの新製品を最速で目にすることが出来る貴重な機会でもある。
今年も多くの最新バイクやパーツが展示されていたが、E-BIKEの大きな波は収まらず。昨年からさらに多くのメーカーがE-BIKEの試乗車を用意していたようだ。特にシマノブースで展示されていたBMCのグラベルE-ロードなどは、インテグレートされたルックスとシャープな乗り味でベテランライダーの琴線にも触れる完成度。国内展開が待ち遠しい1台だ。
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多くの種目が目白押しの一方で、充実のセミナーやサイクルエキスポと呼ぶに相応しい出店エリア。夏の終わりのサイクリストの祭典として仲間とワイワイ楽しめる、そんな夢のような2日間は来年もあなたの参加を待っている。
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