2019/09/14(土) - 11:54
日本一のフルーツ王国山梨県で開催されたロングライドイベント、山梨フルーツライド。70kmと、少し短めの距離の中に山梨の魅力と味覚と見どころがこれでもかと詰め込まれたイベントを実走レポート。
山梨の中心に位置する甲府盆地。周囲を急峻な山に囲まれつつ、中央を笛吹川が流れる平地が広がっている。戦国時代では武田氏が覇を唱え、令和の今では寒暖差の大きな気候と高低差に富んだ地形を生かした果樹栽培が盛んな地域だ。
フルーツラインと呼ばれる甲府盆地の東側の高台を巡る広域農道をつなぎ、山梨ならではの絶景を楽しむことが出来るイベントが山梨フルーツライド。昨年初めて開催され多くの参加者から好評を得た結果、第2回の開催につながった。
初回大会の好評を受け、今年は参加人数を拡大したが、それでも申し込み期限を迎えるより前に定員に達するという人気ぶり。しかも、地元の参加者が多くなりがちなロングライドイベントでありながら、なんと9割が県外参加者で、なんと沖縄からの参加者もいたという。
もちろんそれはアクセスの良さも大きいだろう。メイン会場となる勝沼中央公民館は中央道勝沼ICを下りて5分と至近の立地。東京の西側にある編集部からなら1時間半ほどと、ドアトゥドアなら普段の通勤とほぼ変わらない所要時間で大会会場へ到着するのだから、手軽に参加できることは間違いない。
こういったサイクリングイベントだと、地域振興を目的の一つにすることもあり前日受付のみという大会も多い中、フルーツライドは当日受付も可能となっている。一方で、前日に受付した人へは、勝沼名産の桃が特典として用意されている。土曜日は山梨観光を楽しみ日曜日はサイクリングを満喫、といった過ごし方も大歓迎だ。
続々とメイン会場にサイクリストたちが集まってくるなか、6時半に大会プロデューサーの久保田さんの挨拶から開会式が始まる。さらに、このイベントでともに走ってくれるゲストライダー達の紹介も。おなじみの今中大介さんや、山中湖に拠点を置くロードレースチーム、山中湖シクリスムフォーマションの選手たち、そしてインタープロに所属する水野恭平と、かなり豪華な顔ぶれが揃った。
さて、それではいよいよスタート。猛暑となった昨年と比べると、ここ数日の曇り空のおかげかかなり涼しく走りやすい天気の下、走り出す。富士山との境にある御坂山地の中腹に位置するみやさか道を目指して漕ぎ出した。
コースの両脇にはいくつもの観光農園が立ち並び、ここが日本でも最大級のフルーツの街なのだということを実感できる。今の時期はブドウが最盛期とのことで、どの農園のブドウ棚にもたわわに実った房がたくさん。エイドでもたくさんのフルーツが待っているとのことで、期待に胸を膨らませつつ先へ。
みやさか道へは緩やかな登りになっている。春には美しい花を咲かせていただろう桃畑の中を突っ切るようなヒルクライムで、標高を上げていく。いったんみやさか道へと取り付けば、あとは平坦……というわけにはいかないのがフルーツラインの面白いところ。
この先に待っているのは登っては下ってを繰り返すジェットコースターのようなコース。とはいえ、一つ一つの登りはそこまで長いわけではないので、頑張りすぎなければそこまで脚へは来ないはず。それよりも登るごとに現れる甲府盆地の絶景に気をとられすぎて、下りで転ばないように。それほど美しい景色が目の前に広がっている。
いくつかアップダウンをこなすと、ガツンとスパイスのきいた激坂が登場。山梨の絶景スポットの中でも知る人ぞ知る花鳥山展望台へのアプローチだ。甲府の街並みを遠景に、一面に広がる桃畑とリニア実験線がアクセントとなる風景は一見の価値あり。激坂を乗り切った達成感もスパイスに加われば、まさに値千金、インフレまったなし。運よくリニアが通った日にはデノミが必要なレベルである。
絶景をバックに写真撮影を堪能したら、第1エイドの八代ふるさと公園はもうすぐそこ。谷を渡る大きな橋を上り切ったら、最初のエイドに到着だ。昨年は、この時点でも溶けだしそうに暑かった記憶があるけれど、今年はまだまだ涼しいくらい。公園のアイコンである古墳に登って景色を堪能する余裕がある人もちらほら。
こちらで振舞われたのは桃果汁100%のジュースや瑞々しいブドウに味の良く染みた煮卵、桔梗信玄餅のクッキー、そしてもっちりした食感の胡麻豆腐。こちらの胡麻豆腐は天保三年に創業の老舗、江戸屋商店自慢の一品とのことで、口に含むとなんとも豊かな胡麻の風味が広がっていき幸せな気分に。まさに口福。むちむちした歯ごたえも面白く、ついつい夢中になってしまうのだった。
text&photo:Naoki.Yasuoka
山梨の中心に位置する甲府盆地。周囲を急峻な山に囲まれつつ、中央を笛吹川が流れる平地が広がっている。戦国時代では武田氏が覇を唱え、令和の今では寒暖差の大きな気候と高低差に富んだ地形を生かした果樹栽培が盛んな地域だ。
フルーツラインと呼ばれる甲府盆地の東側の高台を巡る広域農道をつなぎ、山梨ならではの絶景を楽しむことが出来るイベントが山梨フルーツライド。昨年初めて開催され多くの参加者から好評を得た結果、第2回の開催につながった。
初回大会の好評を受け、今年は参加人数を拡大したが、それでも申し込み期限を迎えるより前に定員に達するという人気ぶり。しかも、地元の参加者が多くなりがちなロングライドイベントでありながら、なんと9割が県外参加者で、なんと沖縄からの参加者もいたという。
もちろんそれはアクセスの良さも大きいだろう。メイン会場となる勝沼中央公民館は中央道勝沼ICを下りて5分と至近の立地。東京の西側にある編集部からなら1時間半ほどと、ドアトゥドアなら普段の通勤とほぼ変わらない所要時間で大会会場へ到着するのだから、手軽に参加できることは間違いない。
こういったサイクリングイベントだと、地域振興を目的の一つにすることもあり前日受付のみという大会も多い中、フルーツライドは当日受付も可能となっている。一方で、前日に受付した人へは、勝沼名産の桃が特典として用意されている。土曜日は山梨観光を楽しみ日曜日はサイクリングを満喫、といった過ごし方も大歓迎だ。
続々とメイン会場にサイクリストたちが集まってくるなか、6時半に大会プロデューサーの久保田さんの挨拶から開会式が始まる。さらに、このイベントでともに走ってくれるゲストライダー達の紹介も。おなじみの今中大介さんや、山中湖に拠点を置くロードレースチーム、山中湖シクリスムフォーマションの選手たち、そしてインタープロに所属する水野恭平と、かなり豪華な顔ぶれが揃った。
さて、それではいよいよスタート。猛暑となった昨年と比べると、ここ数日の曇り空のおかげかかなり涼しく走りやすい天気の下、走り出す。富士山との境にある御坂山地の中腹に位置するみやさか道を目指して漕ぎ出した。
コースの両脇にはいくつもの観光農園が立ち並び、ここが日本でも最大級のフルーツの街なのだということを実感できる。今の時期はブドウが最盛期とのことで、どの農園のブドウ棚にもたわわに実った房がたくさん。エイドでもたくさんのフルーツが待っているとのことで、期待に胸を膨らませつつ先へ。
みやさか道へは緩やかな登りになっている。春には美しい花を咲かせていただろう桃畑の中を突っ切るようなヒルクライムで、標高を上げていく。いったんみやさか道へと取り付けば、あとは平坦……というわけにはいかないのがフルーツラインの面白いところ。
この先に待っているのは登っては下ってを繰り返すジェットコースターのようなコース。とはいえ、一つ一つの登りはそこまで長いわけではないので、頑張りすぎなければそこまで脚へは来ないはず。それよりも登るごとに現れる甲府盆地の絶景に気をとられすぎて、下りで転ばないように。それほど美しい景色が目の前に広がっている。
いくつかアップダウンをこなすと、ガツンとスパイスのきいた激坂が登場。山梨の絶景スポットの中でも知る人ぞ知る花鳥山展望台へのアプローチだ。甲府の街並みを遠景に、一面に広がる桃畑とリニア実験線がアクセントとなる風景は一見の価値あり。激坂を乗り切った達成感もスパイスに加われば、まさに値千金、インフレまったなし。運よくリニアが通った日にはデノミが必要なレベルである。
絶景をバックに写真撮影を堪能したら、第1エイドの八代ふるさと公園はもうすぐそこ。谷を渡る大きな橋を上り切ったら、最初のエイドに到着だ。昨年は、この時点でも溶けだしそうに暑かった記憶があるけれど、今年はまだまだ涼しいくらい。公園のアイコンである古墳に登って景色を堪能する余裕がある人もちらほら。
こちらで振舞われたのは桃果汁100%のジュースや瑞々しいブドウに味の良く染みた煮卵、桔梗信玄餅のクッキー、そしてもっちりした食感の胡麻豆腐。こちらの胡麻豆腐は天保三年に創業の老舗、江戸屋商店自慢の一品とのことで、口に含むとなんとも豊かな胡麻の風味が広がっていき幸せな気分に。まさに口福。むちむちした歯ごたえも面白く、ついつい夢中になってしまうのだった。
text&photo:Naoki.Yasuoka
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