2019/04/19(金) - 11:43
栃木県宇都宮市を舞台にしたロングライドイベント「第11回うつのみやサイクルピクニック」が4月14日(日)に開催された。桜が散らずに残る里山の豊かな自然を走り抜けたイベントの模様をレポートしよう。
四季のある日本にとって春は始まりの季節。新しい職場や学校での新たな出会いや挑戦に心踊らせる時期だろう。自転車乗りにとってもそれは同じこと。競技者であればレースシーズンが始まり、サイクリングを楽しむ方々も日本全国様々な場所でサイクリングを楽しんでいいることだろう。そんな桜の季節に今年も第11回うつのみやサイクルピクニックが開催された。
栃木県宇都宮市を舞台にしたロングライドイベント、”サイピク”。宇都宮市といえば自転車ファンにとっては海外のトップ選手が来日することで知られるジャパンカップや、国内強豪チームの宇都宮ブリッツェンでお馴染みの場所。そんなロードレースと馴染み深い宇都宮をロングライドで楽しもうというのがこのイベントのコンセプト。
コースの監修には地域密着型チームとして活躍する宇都宮ブリッツェンが深く関わっており、ジャパンカップのコースもルートの一部に組み込まれるなど、宇都宮のサイクルロードレースの潮流を感じる事が出来るイベントとなっている。
毎年、人気のサイピクだが今年は開催日を前倒し。昨年までは4月後半のゴールデンウィーク始めに実施していたのだが、連休中ということもあり、交通量の増加や観光地の混雑などが課題となっていた。そのため、今年は開催日が4月半ばの14日(日)に変更。桜が咲き残る中の開催となり、例年の風景とは異なる景色を見せてくれるようだ。
メインステージではゲストライダーを紹介。宇都宮ブリッツェン、那須ブラーゼン、ライブガーデンビチステンレの選手達に加え、今年は漫画「弱虫ペダル」の作者である渡辺航先生も登場。憧れの選手や人気漫画家と一緒に走る事が出来るというのはなんとも贅沢なイベントである。
桜が咲き乱れる会場を1000人を超えるサイクリスト達がスタート。ジャパンカップのコースにチャレンジすることが出来る100kmコースの参加者から走り出していく。2~3kmだけ国道を走行して左に入ると日本らしい田園風景が姿を現す。
今年は開催時期が少し早めということもあり、田んぼに水が張られていなかったが、もう一週間もすれば水が引かれ、田植えのシーズンを迎える。季節によって姿を変える水田は日本の里山風景の象徴とも言える存在であり、どこか懐かしさを感じる事が出来る良さがある。
宇都宮市から日光市に入り、林間路を駆け抜ける。こういった田舎道は都会に比べると交通量が雲泥の差であり、ともかく走りやすい。こういったサイクリングイベントでは大きな集団で走ることも多いが、車の走行を大きく妨げることなく、両者がストレスなく走る事が出来る。
栃木県の川として有名な鬼怒川を渡っていく。奥には男体山、女峰山をはじめとする日光連山が冠雪した姿を見せてくれる。幹線道路を逸れ、小道に入ると短めの桜並木が登場。既に散り始めではあるが、この小さな薄紅色の花を見ると朗らかな気持ちになるのは何故だろうか。巷では「ネコ動画はバズる」なんて言われているが、桜動画も同様にバズるのでは?と思いながら走り抜ける。
さてさて、まだまだサイピクは始まったばかりと思っていたら、第1エイドの道の駅しおやに到着である。ここでは地元塩谷町産のトマトと五目、明太、キムチ、わかめ、うめ、鮎から選べるミニおにぎり、ミニたい焼きなどの甘味が頂ける。
ネタバレをすると、この塩屋町産トマトはこの先のエイドステーションでも何度も登場するのだが、何度食べても美味しいのだ。まず第一に非常にみずみずしい。実の水分量が多いのだろう、かじるとジュワーと口いっぱいにトマトが広がる。そして第二にしっかりと素材の旨味がある。トマトが嫌いな人は絶妙なトマトっぽいエグみが嫌いらしいが、このトマトに至ってはいわゆる食レポで使われる「甘い」という素材そのものの旨味が強く出ており、その分エグみみたいなものが少なくなっているのだ。
少なくとも筆者の最寄りのスーパーで買ってきた「王様トマト」とかよりも格段に美味しいのは確かである。他にもおにぎりは豊富な種類の中からチョイス出来るのだが、私は珍しさ重視で鮎をセレクト。川魚の炊き込みご飯のおにぎりとはどんなものかと思ったが、あっさり蛋白な中に旨味が広がり、非常に美味であった。甘味もまんじゅうやあんことクリームのミニたい焼きなどから選ぶ事ができ、さながらバイキング状態であった。
塩谷町のゆるキャラ、ユリピーに別れを告げ、再び鬼怒川を渡り宇都宮市方面へ南下していく。途中には緩めの丘が登場し、脚に程良くジャブを入れてくる。次のエイドステーションとなるホタルの里「梵天の湯」にはすぐに到着する。
毎年、イチゴの絨毯かと思えるほどイチゴを並べる梵天エイド。流石にそこまで並べる必要はないと思うので、ここのエイド担当者の意地みたいなものだが、それでもその光景は壮観である。もちろん口に運べば甘酸っぱい果汁が口いっぱいに広がる。そんなイチゴがおかわり自由だと言うのだから太っ腹だ。その他にも、パイナップルやいなり寿司、パック型冷奴の「ちょいとうふ」など充実のグルメラインアップ。お腹をいっぱいに満たしてくれるので満足度は非常に高い。
春の陽気と咲き残った桜が気分を高揚させてくれるうつのみやサイクルピクニック前半戦。後半もジューシーなトマトは現れるのか?後編へ続きます。
text&photo:Kosuke.Kamata
四季のある日本にとって春は始まりの季節。新しい職場や学校での新たな出会いや挑戦に心踊らせる時期だろう。自転車乗りにとってもそれは同じこと。競技者であればレースシーズンが始まり、サイクリングを楽しむ方々も日本全国様々な場所でサイクリングを楽しんでいいることだろう。そんな桜の季節に今年も第11回うつのみやサイクルピクニックが開催された。
栃木県宇都宮市を舞台にしたロングライドイベント、”サイピク”。宇都宮市といえば自転車ファンにとっては海外のトップ選手が来日することで知られるジャパンカップや、国内強豪チームの宇都宮ブリッツェンでお馴染みの場所。そんなロードレースと馴染み深い宇都宮をロングライドで楽しもうというのがこのイベントのコンセプト。
コースの監修には地域密着型チームとして活躍する宇都宮ブリッツェンが深く関わっており、ジャパンカップのコースもルートの一部に組み込まれるなど、宇都宮のサイクルロードレースの潮流を感じる事が出来るイベントとなっている。
毎年、人気のサイピクだが今年は開催日を前倒し。昨年までは4月後半のゴールデンウィーク始めに実施していたのだが、連休中ということもあり、交通量の増加や観光地の混雑などが課題となっていた。そのため、今年は開催日が4月半ばの14日(日)に変更。桜が咲き残る中の開催となり、例年の風景とは異なる景色を見せてくれるようだ。
メインステージではゲストライダーを紹介。宇都宮ブリッツェン、那須ブラーゼン、ライブガーデンビチステンレの選手達に加え、今年は漫画「弱虫ペダル」の作者である渡辺航先生も登場。憧れの選手や人気漫画家と一緒に走る事が出来るというのはなんとも贅沢なイベントである。
桜が咲き乱れる会場を1000人を超えるサイクリスト達がスタート。ジャパンカップのコースにチャレンジすることが出来る100kmコースの参加者から走り出していく。2~3kmだけ国道を走行して左に入ると日本らしい田園風景が姿を現す。
今年は開催時期が少し早めということもあり、田んぼに水が張られていなかったが、もう一週間もすれば水が引かれ、田植えのシーズンを迎える。季節によって姿を変える水田は日本の里山風景の象徴とも言える存在であり、どこか懐かしさを感じる事が出来る良さがある。
宇都宮市から日光市に入り、林間路を駆け抜ける。こういった田舎道は都会に比べると交通量が雲泥の差であり、ともかく走りやすい。こういったサイクリングイベントでは大きな集団で走ることも多いが、車の走行を大きく妨げることなく、両者がストレスなく走る事が出来る。
栃木県の川として有名な鬼怒川を渡っていく。奥には男体山、女峰山をはじめとする日光連山が冠雪した姿を見せてくれる。幹線道路を逸れ、小道に入ると短めの桜並木が登場。既に散り始めではあるが、この小さな薄紅色の花を見ると朗らかな気持ちになるのは何故だろうか。巷では「ネコ動画はバズる」なんて言われているが、桜動画も同様にバズるのでは?と思いながら走り抜ける。
さてさて、まだまだサイピクは始まったばかりと思っていたら、第1エイドの道の駅しおやに到着である。ここでは地元塩谷町産のトマトと五目、明太、キムチ、わかめ、うめ、鮎から選べるミニおにぎり、ミニたい焼きなどの甘味が頂ける。
ネタバレをすると、この塩屋町産トマトはこの先のエイドステーションでも何度も登場するのだが、何度食べても美味しいのだ。まず第一に非常にみずみずしい。実の水分量が多いのだろう、かじるとジュワーと口いっぱいにトマトが広がる。そして第二にしっかりと素材の旨味がある。トマトが嫌いな人は絶妙なトマトっぽいエグみが嫌いらしいが、このトマトに至ってはいわゆる食レポで使われる「甘い」という素材そのものの旨味が強く出ており、その分エグみみたいなものが少なくなっているのだ。
少なくとも筆者の最寄りのスーパーで買ってきた「王様トマト」とかよりも格段に美味しいのは確かである。他にもおにぎりは豊富な種類の中からチョイス出来るのだが、私は珍しさ重視で鮎をセレクト。川魚の炊き込みご飯のおにぎりとはどんなものかと思ったが、あっさり蛋白な中に旨味が広がり、非常に美味であった。甘味もまんじゅうやあんことクリームのミニたい焼きなどから選ぶ事ができ、さながらバイキング状態であった。
塩谷町のゆるキャラ、ユリピーに別れを告げ、再び鬼怒川を渡り宇都宮市方面へ南下していく。途中には緩めの丘が登場し、脚に程良くジャブを入れてくる。次のエイドステーションとなるホタルの里「梵天の湯」にはすぐに到着する。
毎年、イチゴの絨毯かと思えるほどイチゴを並べる梵天エイド。流石にそこまで並べる必要はないと思うので、ここのエイド担当者の意地みたいなものだが、それでもその光景は壮観である。もちろん口に運べば甘酸っぱい果汁が口いっぱいに広がる。そんなイチゴがおかわり自由だと言うのだから太っ腹だ。その他にも、パイナップルやいなり寿司、パック型冷奴の「ちょいとうふ」など充実のグルメラインアップ。お腹をいっぱいに満たしてくれるので満足度は非常に高い。
春の陽気と咲き残った桜が気分を高揚させてくれるうつのみやサイクルピクニック前半戦。後半もジューシーなトマトは現れるのか?後編へ続きます。
text&photo:Kosuke.Kamata
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