2018/12/19(水) - 12:46
サイクルイベントで見つけたこだわりのバイクを紹介する「あなたの自転車を見せてください」。今回は11月末に開催されたもてぎエンデューロに参加した男性ライダーのバイクをピックアップします。
高岩史典さん(ライムグリーンロケッツ) キャノンデール SUPERSIX EVO Hi-mod
鮮やかなライムグリーンのキャノンデール SUPERSIX EVO Hi-modを駆るのはチームライムグリーンロケッツの高岩さん。お察しの通り、チームのイメージカラーに塗りあげたとのだとか。
フレームと同時にステムやシートピラーもペイントし、統一感のある仕上がりに。「できるだけ他のパーツもグリーンのものを選んでいます」との言葉通り、細かなパーツも色が揃えられ、チームへの愛が伝わってくる一台に。
コンポーネントはスラムのRED eTap。「機械式の9100系のDURA-ACEから交換したんですが、重量的には少し重くなってしまったんです。でも、操作感は最高ですね。変速のスピードも遅くなるっていう人もいますが、私は全然気になりません」とのこと。
ホイールはシマノのC24-TU、タイヤはヴィットリアのCORSAとヒルクライム系の組み合わせ。がっつり山派です?とお尋ねしたところ「いや、普段は荒サイ専門ですね(笑)」。もてぎではアクションカメラで動画を撮りつつ、楽しみながら走りたい、とのことでした。
和田昌三さん(互助会) ケルビム Sticky
ピカピカに磨き上げられたケルビムのスチールバイク、Stickyに乗られていた和田さん。これ新車ですか?と聞いてしまうほど、本当にすみずみまで綺麗だったのですが、なんともう6年目に突入する年季の入った相棒だとか。
「結構傷は入ってるんですよ」と言われて、よく見れば確かに走りこんだ勲章がちらほら。6年間、ほぼ週末は毎日乗り込んでおり、「スプロケットはもう3回も交換しました」というのだから、共に走った距離の長さが窺えようというもの。
「とにかく、身体に優しくてね」このバイクに乗り続ける理由について、和田さんは教えてくれた。「もういい歳になるんだけど(笑)、登りもそりゃ速くは無いけど、脚が残るし、平地だったらカーボンバイクにだって引けを取らない。何より腰に優しくて、腰痛もちには最高なんだよ」
コンポーネントはシマノのアルテグラ。「自転車屋ではダブルレバーが良いよ、って勧められたんだけど、やっぱり姿勢もきついからデュアルコントロールレバーにね。ホイールはDURA-ACEのハブに、オープンプロ。これがまたいいんだよ」と走りやすさを追求する姿勢を忘れない、ルックスと性能を兼ね備えた一台だからこそ大切に乗り込まれているのでしょう。
熊川博さん(プントロッソ東京) ウィリエール CENTO10PRO
ウィリエールのコンセプトショップ、プントロッソ東京で店長を務める熊川さん。愛車はもちろん、ウィリエール。それも最新のハイエンドモデルたるCENTO 10 PROのスペシャルカラー。シャヴァネルがツールで駆ったクロームが眩しい"ラマート"カラーだ。
ウィリエールの新たなフラッグシップモデルを評していわく、「芯が硬くて、パワーを掛けたペダリングにも良く応えてくれますね」と、レーシング性能に太鼓判。「ハンドリングもびしっと決まるので、もてぎのようにコーナーが多いコースでも安心です」
組み合わせるのはカンパニョーロのスーパーレコード、それも最新の12スピードモデル。「1枚増えて、ギアのつながりが良くなったのは大きなメリットですね。もてぎのような勾配の変化が大きなコースでは特に力を発揮してくれます」とのことだ。
ホイールもマヴィックのキシリウムプロUSTと最新のトレンドを抑えたチョイス。「乗り心地の良さと転がりの軽さがマシンにぴったりの乗り味です」とその組み合わせの妙を語っていただいた。
シュンさん フェスカ ONE
ダズル迷彩をまとった、まるで試作品のようなカーボンバイクに乗られていたシュンさん。一体なんて言うブランドなんですか?と尋ねると「チェコのハンドメイドブランドで、フェスカ、というビルダーなんです」と快く答えていただきました。
なかなか見かけないブランドですが、それもそのはず。「担当者に直接オーダーしたのですが、その時は日本人は初めてだと言ってましたね」というレアバイク。「でも、とても丁寧にやり取りしてもらえるので、安心してお願いできますよ。ジオメトリやブレーキの左右どちらを前にするか、使用コンポーネントなど、いろいろと聞いてもらって、理想のバイクを作ることができました」
カーボンのオーダーバイクというだけでレアですが、リアエンドはなんとチタンというこだわりよう。しかも、元モラーティの技術者が参画しているそうで、チタンバイクも得意なブランドなのだとか。
「性能に関していえば、大手ブランドのほうが良いのでしょうけど、最近はやりのコンパクトなリア三角が好きになれなくて。かといってスチールだとノスタルジックすぎるので、ちょうど良いルックスの自転車だったんです」とシュンさんの理想がカタチをとった一台でした。
宮川昂平さん(スポーツバイクファクトリー草加スズキ) スペシャライズド ルーベ
埼玉の実力派スポーツバイクショップ、「スポーツバイクファクトリースズキ」の草加店の支店長を務める宮川さんの愛車は、スペシャライズドのエンデュランスロード、roubaix。ショップスタッフらしくこだわりが煮詰められたような1台なのですが、まず特筆すべきはクランクでしょう。
「以前は162.5㎜でしたが、今回はさらに短い152.5㎜にしました」と、かなり攻めたセッティングに。実際、去年よりもさらに足が回せるようになったとのことで、「トルクは減っているはずなのですが、去年インナーだった登りも、アウターでクリアできるようになりました」とその効果を実感。
ギア比も大き目で、リアカセットはジュニアギア仕様。「かなり体が硬いのと、体力もないので、そこを補えるような自転車に仕上げたいんです。クランクを短くすることと、ギア比を軽くするというのはぴったりの組み合わせなんです」とのことで、確かに納得。
更に今年はホイールを新調。エンヴィの3.4のリムを前後とも2:1のスポーキングで組み上げたこだわりの逸品だ。ディスクブレーキの制動力を受け止めるために、左右ともタンジェントに組んでいるのがこだわりだという。
前輪は左右で異本取り(左側3クロス、右側2クロス)となっているのに対して、後輪は左右共に2クロスとなっており、いわば2:1とイソパルスを組み合わせたようなスポーキングに。
「つい先日組んだばかりですけど、使った感触は悪くないです。あとは結線してみて、もう少ししっかり感が出るといいですね」とのこと。「自分の自転車は実験室、お客さんにいろんな提案ができるように色々と試したいんです」との言葉通りの1台でした。
text&photo:Naoki.Yasuoka
高岩史典さん(ライムグリーンロケッツ) キャノンデール SUPERSIX EVO Hi-mod
鮮やかなライムグリーンのキャノンデール SUPERSIX EVO Hi-modを駆るのはチームライムグリーンロケッツの高岩さん。お察しの通り、チームのイメージカラーに塗りあげたとのだとか。
フレームと同時にステムやシートピラーもペイントし、統一感のある仕上がりに。「できるだけ他のパーツもグリーンのものを選んでいます」との言葉通り、細かなパーツも色が揃えられ、チームへの愛が伝わってくる一台に。
コンポーネントはスラムのRED eTap。「機械式の9100系のDURA-ACEから交換したんですが、重量的には少し重くなってしまったんです。でも、操作感は最高ですね。変速のスピードも遅くなるっていう人もいますが、私は全然気になりません」とのこと。
ホイールはシマノのC24-TU、タイヤはヴィットリアのCORSAとヒルクライム系の組み合わせ。がっつり山派です?とお尋ねしたところ「いや、普段は荒サイ専門ですね(笑)」。もてぎではアクションカメラで動画を撮りつつ、楽しみながら走りたい、とのことでした。
和田昌三さん(互助会) ケルビム Sticky
ピカピカに磨き上げられたケルビムのスチールバイク、Stickyに乗られていた和田さん。これ新車ですか?と聞いてしまうほど、本当にすみずみまで綺麗だったのですが、なんともう6年目に突入する年季の入った相棒だとか。
「結構傷は入ってるんですよ」と言われて、よく見れば確かに走りこんだ勲章がちらほら。6年間、ほぼ週末は毎日乗り込んでおり、「スプロケットはもう3回も交換しました」というのだから、共に走った距離の長さが窺えようというもの。
「とにかく、身体に優しくてね」このバイクに乗り続ける理由について、和田さんは教えてくれた。「もういい歳になるんだけど(笑)、登りもそりゃ速くは無いけど、脚が残るし、平地だったらカーボンバイクにだって引けを取らない。何より腰に優しくて、腰痛もちには最高なんだよ」
コンポーネントはシマノのアルテグラ。「自転車屋ではダブルレバーが良いよ、って勧められたんだけど、やっぱり姿勢もきついからデュアルコントロールレバーにね。ホイールはDURA-ACEのハブに、オープンプロ。これがまたいいんだよ」と走りやすさを追求する姿勢を忘れない、ルックスと性能を兼ね備えた一台だからこそ大切に乗り込まれているのでしょう。
熊川博さん(プントロッソ東京) ウィリエール CENTO10PRO
ウィリエールのコンセプトショップ、プントロッソ東京で店長を務める熊川さん。愛車はもちろん、ウィリエール。それも最新のハイエンドモデルたるCENTO 10 PROのスペシャルカラー。シャヴァネルがツールで駆ったクロームが眩しい"ラマート"カラーだ。
ウィリエールの新たなフラッグシップモデルを評していわく、「芯が硬くて、パワーを掛けたペダリングにも良く応えてくれますね」と、レーシング性能に太鼓判。「ハンドリングもびしっと決まるので、もてぎのようにコーナーが多いコースでも安心です」
組み合わせるのはカンパニョーロのスーパーレコード、それも最新の12スピードモデル。「1枚増えて、ギアのつながりが良くなったのは大きなメリットですね。もてぎのような勾配の変化が大きなコースでは特に力を発揮してくれます」とのことだ。
ホイールもマヴィックのキシリウムプロUSTと最新のトレンドを抑えたチョイス。「乗り心地の良さと転がりの軽さがマシンにぴったりの乗り味です」とその組み合わせの妙を語っていただいた。
シュンさん フェスカ ONE
ダズル迷彩をまとった、まるで試作品のようなカーボンバイクに乗られていたシュンさん。一体なんて言うブランドなんですか?と尋ねると「チェコのハンドメイドブランドで、フェスカ、というビルダーなんです」と快く答えていただきました。
なかなか見かけないブランドですが、それもそのはず。「担当者に直接オーダーしたのですが、その時は日本人は初めてだと言ってましたね」というレアバイク。「でも、とても丁寧にやり取りしてもらえるので、安心してお願いできますよ。ジオメトリやブレーキの左右どちらを前にするか、使用コンポーネントなど、いろいろと聞いてもらって、理想のバイクを作ることができました」
カーボンのオーダーバイクというだけでレアですが、リアエンドはなんとチタンというこだわりよう。しかも、元モラーティの技術者が参画しているそうで、チタンバイクも得意なブランドなのだとか。
「性能に関していえば、大手ブランドのほうが良いのでしょうけど、最近はやりのコンパクトなリア三角が好きになれなくて。かといってスチールだとノスタルジックすぎるので、ちょうど良いルックスの自転車だったんです」とシュンさんの理想がカタチをとった一台でした。
宮川昂平さん(スポーツバイクファクトリー草加スズキ) スペシャライズド ルーベ
埼玉の実力派スポーツバイクショップ、「スポーツバイクファクトリースズキ」の草加店の支店長を務める宮川さんの愛車は、スペシャライズドのエンデュランスロード、roubaix。ショップスタッフらしくこだわりが煮詰められたような1台なのですが、まず特筆すべきはクランクでしょう。
「以前は162.5㎜でしたが、今回はさらに短い152.5㎜にしました」と、かなり攻めたセッティングに。実際、去年よりもさらに足が回せるようになったとのことで、「トルクは減っているはずなのですが、去年インナーだった登りも、アウターでクリアできるようになりました」とその効果を実感。
ギア比も大き目で、リアカセットはジュニアギア仕様。「かなり体が硬いのと、体力もないので、そこを補えるような自転車に仕上げたいんです。クランクを短くすることと、ギア比を軽くするというのはぴったりの組み合わせなんです」とのことで、確かに納得。
更に今年はホイールを新調。エンヴィの3.4のリムを前後とも2:1のスポーキングで組み上げたこだわりの逸品だ。ディスクブレーキの制動力を受け止めるために、左右ともタンジェントに組んでいるのがこだわりだという。
前輪は左右で異本取り(左側3クロス、右側2クロス)となっているのに対して、後輪は左右共に2クロスとなっており、いわば2:1とイソパルスを組み合わせたようなスポーキングに。
「つい先日組んだばかりですけど、使った感触は悪くないです。あとは結線してみて、もう少ししっかり感が出るといいですね」とのこと。「自分の自転車は実験室、お客さんにいろんな提案ができるように色々と試したいんです」との言葉通りの1台でした。
text&photo:Naoki.Yasuoka