2018/12/10(月) - 12:00
埼玉県川越市で初開催された川越サイクルオフロードエンデューロを取材してきた。起伏に富んだモトクロスコースは走りごたえ抜群。今後の発展に期待したい、居心地良いローカルレースイベントが誕生した。
川越のモトクロスコースで初開催された「川越サイクルオフロードエンデューロ」を取材してきた。最初から結論を言ってしまうと、「これはすごく魅力的なイベントになって定着するかもしれない」と思わされた。理由はいくつかある。
1、都心から近い
開催地は埼玉県川越市の入間川河川敷。立川あたりにひっそりある編集部からは1時間、東京都心からでも同じくらいだろう。ローカルイベントだから、訪れやすいことは素晴らしいことだ。もちろん駐車場も広い。
2、モトクロスコースを走れる
何が素晴らしいって、これだ。普段エンジン付きのモトクロッサーがカッ飛ぶ、上下左右にダイナミックなコースをこの日だけは思う存分走れる。意外や意外、ただ脚を使うではなくテクニックも問われるコースだった。
3、賞金が出る
超ローカルイベントなのに優勝賞金は1万円である。ローカルレースだから少し走れるライダーなら賞金ゲットのチャンスがある。レースで賞金だなんて、普通ならトップレーサーにしか与えられない権利だ。
4、居心地の良いローカル感
分かる人には分かる、「"あの頃"のミストラルっぽい感じ」があった。 誰でもウェルカムで、週末の練習会っぽくもあり、みんなでワイワイレースを楽しむ感じ。こんなレースが月イチであるのだから喜ばしいことだ。
なんだかんだ、近いことは良いことだ。今回開催された川越サイクルオフロードエンデューロシリーズの舞台は、埼玉県川越市にあるモトクロスコース「オフロードヴィレッジ」。近郊に住む方であれば「入間川サイクリングロードからよく見える、荒川と分岐した少し先の場所」と言えばすぐに分かるだろう。都心から1時間くらいで、受付開始は11時で、全て終わってからの表彰式も15時半。早朝家族に白い目を向けられながら家を出て行く必要もなければ、帰ってから家族と過ごす時間も十分ある。
オートバイのモトクロス全日本選手権の舞台にもなるコースはとにかくダイナミックだ。道幅がワイドで常に登るか下るか、あるいは曲がっているハイスピードコースだが、速く走るためにはテクニックも必要になってくる。というのも、各コーナーのベストライン上にはオートバイが掘った轍があるので、それを如何に使いこなすか、あるいは避けるかでタイムが変わるからだ。これが大変攻略しがいがあって楽しかった。プッシュプルの差でスピードにも差が出るし、転んでワハハと笑えるのもオフロードの良いところ。
レースは耐久形式で行われ、ソロから複数人のライダーでチームを組んで、1時間または2時間を走る。スタートはモトクロスで使われるグリッドを使用するのもユニーク。横一列に並び、ガシャン、と開放されるグリッドからコースに飛び出していく。オフロードコースはアップダウンの繰り返しで、1ラップ3分ほどかかる。オートバイは1分30秒程度だというから、自転車って遅くはない。
2時間ソロの部でぶっちぎり優勝を飾ったこの辺りのオフロードの主(ヌシ)、「じてんしゃ屋 佳」の竹田店長によれば、「まともに走ったら脚が終わっちゃうので、いかに踏まずに走れるかが攻略の鍵」だという。分かるような分からないような感じだが、分かる人には分かるはずなのでぜひ参考にしてほしい。
ちなみにシクロクロスバイクで出場した竹田店長の足回りセッティングは、この日のために用意してきたと言うタイヤ、パナレーサーのグラベルキングSK 38cだった。「オフロードは結局タイヤボリュームですから」と言うだけあって、安定感ある走りで他の参加者を次々と抜いていく様は見ているだけでもカッコ良かった。なお竹田店長は所用につき第2戦をパスするとのことなので、2時間エンデューロソロ優勝(賞金1万円!)のチャンスは意外と身近にあるのかも。
それに、このイベントの雰囲気がこれ以上ないくらいユルいのもステキだ。竹田店長みたいな速いライダーからキッズたち、いかにも「なんか自転車レースやるらしいから参加してみよーぜ」的雰囲気のモトクロスライダーまで、参加者のレベルは本当に様々。仲間うちで、あるいは家族で参加して、のんびり、でも真剣にレースを楽しむ様子は、GPミストラル全盛期のような居心地の良さ。全行程終了後も「ダートオーバルエリミネーター」が思いつき開催されたりと「楽しんだもん勝ち」の空気が流れていた。
そして、応援する側にとってはコース全体が見渡せることもグッドだ。もとより1周800mと短いから目当てのライダーはすぐやってくるし、一番高いテーブルトップからはコース全体を見渡すことができる。この日はキッズライダーのご父兄も多かったから、きっと良い写真がたくさん撮れたに違いない。近さといい、開催時間帯といい、家族への優しさはピカイチだと思ったのだ。
さて、このイベントの発起人は、オフロードビレッジを管理するウエストポイントの代表で、かつてオフロードバイク最盛期にホンダのエースライダーを務めていた福本敏夫さん。MTBブーム時代にもこの場所でエンデューロレースを開催し、今回は一月一回、合計4戦のシリーズイベントとしてボリュームアップ復活を果たした。「今後、参加者が増えたら賞金額アップしちゃおうかな〜」と言ってるから期待せずにはいられない。
手作りのローカルイベントだけに、ホームページが見づらかったり、エントリー方法がイマドキっぽくなかったり、会場BGMをかけるはずが音響機器が行方不明だったり、まだまだ改善点はたくさんあるものの、レースが楽しいから結果オーライ。魅せ方次第ですごく良いイベントに成長する可能性を感じたのだった。
第2戦は12月22日(土)開催。絶賛エントリー募集中!
川越サイクルオフロードエンデューロは今後、第2戦を12月22日(土)、第3戦を1月19日(土)、第4戦を2月9日(土)と1ヶ月ごとに合計3戦を開催する予定だ。第2戦開催日は関東近郊でのシクロクロスレースもないため、仲間同士誘い合って出場してみては? なお今後はモトクロスコースだけでなく、コース奥の林を縫うシングルトラックを組み込んだりと変化させることも考えているという。
エントリー詳細はこちらの紹介ページを確認してほしい。
text:So.Isobe
photo:Makoto.AYANO
川越のモトクロスコースで初開催された「川越サイクルオフロードエンデューロ」を取材してきた。最初から結論を言ってしまうと、「これはすごく魅力的なイベントになって定着するかもしれない」と思わされた。理由はいくつかある。
1、都心から近い
開催地は埼玉県川越市の入間川河川敷。立川あたりにひっそりある編集部からは1時間、東京都心からでも同じくらいだろう。ローカルイベントだから、訪れやすいことは素晴らしいことだ。もちろん駐車場も広い。
2、モトクロスコースを走れる
何が素晴らしいって、これだ。普段エンジン付きのモトクロッサーがカッ飛ぶ、上下左右にダイナミックなコースをこの日だけは思う存分走れる。意外や意外、ただ脚を使うではなくテクニックも問われるコースだった。
3、賞金が出る
超ローカルイベントなのに優勝賞金は1万円である。ローカルレースだから少し走れるライダーなら賞金ゲットのチャンスがある。レースで賞金だなんて、普通ならトップレーサーにしか与えられない権利だ。
4、居心地の良いローカル感
分かる人には分かる、「"あの頃"のミストラルっぽい感じ」があった。 誰でもウェルカムで、週末の練習会っぽくもあり、みんなでワイワイレースを楽しむ感じ。こんなレースが月イチであるのだから喜ばしいことだ。
なんだかんだ、近いことは良いことだ。今回開催された川越サイクルオフロードエンデューロシリーズの舞台は、埼玉県川越市にあるモトクロスコース「オフロードヴィレッジ」。近郊に住む方であれば「入間川サイクリングロードからよく見える、荒川と分岐した少し先の場所」と言えばすぐに分かるだろう。都心から1時間くらいで、受付開始は11時で、全て終わってからの表彰式も15時半。早朝家族に白い目を向けられながら家を出て行く必要もなければ、帰ってから家族と過ごす時間も十分ある。
オートバイのモトクロス全日本選手権の舞台にもなるコースはとにかくダイナミックだ。道幅がワイドで常に登るか下るか、あるいは曲がっているハイスピードコースだが、速く走るためにはテクニックも必要になってくる。というのも、各コーナーのベストライン上にはオートバイが掘った轍があるので、それを如何に使いこなすか、あるいは避けるかでタイムが変わるからだ。これが大変攻略しがいがあって楽しかった。プッシュプルの差でスピードにも差が出るし、転んでワハハと笑えるのもオフロードの良いところ。
レースは耐久形式で行われ、ソロから複数人のライダーでチームを組んで、1時間または2時間を走る。スタートはモトクロスで使われるグリッドを使用するのもユニーク。横一列に並び、ガシャン、と開放されるグリッドからコースに飛び出していく。オフロードコースはアップダウンの繰り返しで、1ラップ3分ほどかかる。オートバイは1分30秒程度だというから、自転車って遅くはない。
2時間ソロの部でぶっちぎり優勝を飾ったこの辺りのオフロードの主(ヌシ)、「じてんしゃ屋 佳」の竹田店長によれば、「まともに走ったら脚が終わっちゃうので、いかに踏まずに走れるかが攻略の鍵」だという。分かるような分からないような感じだが、分かる人には分かるはずなのでぜひ参考にしてほしい。
ちなみにシクロクロスバイクで出場した竹田店長の足回りセッティングは、この日のために用意してきたと言うタイヤ、パナレーサーのグラベルキングSK 38cだった。「オフロードは結局タイヤボリュームですから」と言うだけあって、安定感ある走りで他の参加者を次々と抜いていく様は見ているだけでもカッコ良かった。なお竹田店長は所用につき第2戦をパスするとのことなので、2時間エンデューロソロ優勝(賞金1万円!)のチャンスは意外と身近にあるのかも。
それに、このイベントの雰囲気がこれ以上ないくらいユルいのもステキだ。竹田店長みたいな速いライダーからキッズたち、いかにも「なんか自転車レースやるらしいから参加してみよーぜ」的雰囲気のモトクロスライダーまで、参加者のレベルは本当に様々。仲間うちで、あるいは家族で参加して、のんびり、でも真剣にレースを楽しむ様子は、GPミストラル全盛期のような居心地の良さ。全行程終了後も「ダートオーバルエリミネーター」が思いつき開催されたりと「楽しんだもん勝ち」の空気が流れていた。
そして、応援する側にとってはコース全体が見渡せることもグッドだ。もとより1周800mと短いから目当てのライダーはすぐやってくるし、一番高いテーブルトップからはコース全体を見渡すことができる。この日はキッズライダーのご父兄も多かったから、きっと良い写真がたくさん撮れたに違いない。近さといい、開催時間帯といい、家族への優しさはピカイチだと思ったのだ。
さて、このイベントの発起人は、オフロードビレッジを管理するウエストポイントの代表で、かつてオフロードバイク最盛期にホンダのエースライダーを務めていた福本敏夫さん。MTBブーム時代にもこの場所でエンデューロレースを開催し、今回は一月一回、合計4戦のシリーズイベントとしてボリュームアップ復活を果たした。「今後、参加者が増えたら賞金額アップしちゃおうかな〜」と言ってるから期待せずにはいられない。
手作りのローカルイベントだけに、ホームページが見づらかったり、エントリー方法がイマドキっぽくなかったり、会場BGMをかけるはずが音響機器が行方不明だったり、まだまだ改善点はたくさんあるものの、レースが楽しいから結果オーライ。魅せ方次第ですごく良いイベントに成長する可能性を感じたのだった。
第2戦は12月22日(土)開催。絶賛エントリー募集中!
川越サイクルオフロードエンデューロは今後、第2戦を12月22日(土)、第3戦を1月19日(土)、第4戦を2月9日(土)と1ヶ月ごとに合計3戦を開催する予定だ。第2戦開催日は関東近郊でのシクロクロスレースもないため、仲間同士誘い合って出場してみては? なお今後はモトクロスコースだけでなく、コース奥の林を縫うシングルトラックを組み込んだりと変化させることも考えているという。
エントリー詳細はこちらの紹介ページを確認してほしい。
text:So.Isobe
photo:Makoto.AYANO
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