2018/09/11(火) - 12:01
サイクリストの夏を締めくくる一大イベント、シマノ鈴鹿ロード。のべ1万人を越えるホビーレーサーたちのフェスティバルは今年も勢い衰えず、2日間にわたって多くの種目を楽しんだレポートをお届けしよう。
サイクリストの夏を締めくくる一大イベント、シマノ鈴鹿ロード
真剣勝負だからこそ楽しい photo:Masanori.Tomita
ロードレースらしい駆け引きがどのクラスでも見られた photo:Masanori.Tomita
猛暑に襲われた2018年の夏。多くの地域で最高気温を更新し、2年後に控える東京五輪への懸念もささやかれ、サマータイムの導入が検討されるほどの気候となった2か月だったが、その酷暑もサイクリストの熱気をとどめることはできなかった。
シマノ鈴鹿ロード。年に1度のロードレーサーのお祭りとして、日本全国からホビーレーサーが集結する2日間。国内のトップチームが覇を競う「シマノ鈴鹿ロードクラシック」を筆頭に、脚力別、性別、年齢別に細分化されたビッグイベント、今年もロードレースやTT、耐久レースがみっちりと詰まったスケジュールで動き続けも多くの人が集まった。
晴天の中行われたシマノ鈴鹿ロード
最多の出走者となる2時間エンデュランス photo:Masanori.Tomita
スプリントを制しガッツポーズ! photo:Masanori.Tomita
一斉にスタートを切る
会場となる鈴鹿サーキットの都合もあり、今年は開催日を1週間前倒しすることに。お盆明けということもあり、例年に比べると少し参加人数は少なくなったとのことだが、それも毎年見ていればこそ気付けるレベルの変化で、相変わらず大勢のサイクリストが集まっていることに変わりはない。
参加人数という点においては、今年の日程はマイナス要素だったかもしれないが、参加した人の満足度は、むしろプラスだったはず。ここ2か月の猛暑が鳴りを潜め、かなり過ごしやすい気温の中での開催となったからだ。1か月前に行われたシマノバイカーズフェスティバルもだが、今年のシマノイベントは天候や日程の都合で参加者が絞られてしまうことに。しかし、一方で現地へ足を運んだ方を迎えたのは例年以上に走りやすい環境で、満足度は最高だったはず。まさに、信じる者は救われるイベントとなった。
チームTTはこのイベントの人気種目の一つ
仲間との絆が問われるチームTT
2日間を通して天気に恵まれた
1日目の夕方、薄暮の中行われた個人TT決勝ステージ photo:Masanori.Tomita
ハンドサイクルのエキシビジョンマッチも開催
西コースで行われた1時間サイクルマラソン
さて、2日間のお祭りの幕を上げるのは、5ステージスズカに参加する選手達。2日間で3つのロードレースと個人TT、チームTTの5種目をこなし、総合成績を競うステージレースに参加するメンバーがスタートラインに並んだ。
年々人気が高まっている種目であり、早々に定員に達する5ステージ。チームタイムトライアルが大きな比重を持っているため、個人だけでなくチームの総合力が問われるということが、他のレースでは味わえない醍醐味でもあり、多くのリピーターを集める理由でもある。
その後は、周回数でレベル分けがされたロードレースや西コースで行われる1時間サイクルマラソンや東コースのキッズレースやハンドサイクルレース、個人TTにチームTTなど、様々な種目が息つく暇なく行われる。
今年のディスクブレーキロードの部は昨年よりも本格的なレースバイクが増加していた
ピットで仲間の帰りを待つ
ダウンヒルを攻めていく
また、今年はディスクブレーキロードの参加できる種目が拡大。昨年初開催されたディスクブレーキロードの部も参加者は順調に増加。最新モデルのレースバイクに乗る方の割合が大きく増えており、新たなムーブメントがそこまで来ていることを実感する。
そんなわけで、常に鈴鹿サーキットのコース上には複数のレースが行われていることになる。まるで次から次にやってくる集団は通勤時間帯の電車のよう。そんな緻密な運営を可能としているのは、メーカーならではのスケジュール管理能力と、鈴鹿サーキットの整った設備の両輪があるからこそ。
今年はライセンスコントロールも導入された
鈴鹿ロードレースクラシックが全日本選手権の出場権を獲得できるレースに photo:Naoki.Yasuoka
独走勝利を掴んだ岡篤志(宇都宮ブリッツェン) photo:Masanao.Tomita
今シーズン3勝目となる岡篤志(宇都宮ブリッツェン) photo:Masanao.Tomita
さらに今年はそんな運営体制に磨きをかけることに。全カテゴリーの頂点に位置する「鈴鹿ロードレースクラシック」が全日本選手権の出場権を獲得できる大会となり、競技運営のレベルが一段階引き上げられることになったのだ。ライセンスコントロールや監督会議も行われ、最高峰のレースに相応しい体制が整えられた。
大会プロデューサーの射手矢氏は「いつか、シマノ鈴鹿から全日本を勝つような選手が出てくれば嬉しいですね!そのためにもレース運営の体制をより高いレベルへと整備する一歩が踏み出せました」と今年の取組について語る。
実際のところ、レースとしては普段国外で活動しているプロチームも参戦し、普段のJPTレースよりも高いレベルの争いが繰り広げられる種目でもある。そういった意味で、このシマノ鈴鹿ロードクラシックで全日本選手権の参加資格をアマチュアライダーが獲得することは難しいかもしれない。だが逆に言えば、それこそ全日本選手権レベルのレースを、JPT登録でないライダーたちが走ることができる貴重な機会でもある。
初心者講習会は隠れた人気コンテンツ 受けたことが無い方はぜひ来年!
ウィーラースクールではシマノレーシングの選手が講師を務めてくれた
絹代さんによる女子サイクリスト向けの講座も
管理栄養士の河南こころさんによる講座も
トップレベルの選手たちが魅せる走りを披露する一方、シマノ鈴鹿ロードは裾野の拡大にも取り組んでいる。レース初出場にぴったりな講習会付き初心者レースは今年も大盛況。集団での走り方から、鈴鹿サーキットの注意ポイントまで、元オリンピック代表の江原氏が講師となって懇切丁寧に教えてくれる講習会はシマノ鈴鹿の隠れた人気イベント。初心者レースの出場者に限らず、どんなレベルの人でも無料で受講できるので、聴かないなんて大きな損である。
2日間にわたって多くのレースが開催され、その数だけのドラマが繰り広げられた。ステージでは常に表彰式が行われ、人だかりが絶えないほど。ステージを取り囲むようにして展開された出展ブースエリアにも多くの人が行き交っていた。
多くのブランドが集まった出展ブース
ヤマハで最新モデルのE-BIKEをレンタル
マフラータオルがもらえるキャンペーンも
特に充実していたのはE-BIKE関連のブース。主催となるシマノのブースでは、STEPS搭載車に試乗した方へマフラータオルをプレゼントするキャンペーンを行っており、多くの人が最新バイクに乗る機会を得たようだ。シマノ以外にもパナソニックやヤマハ、BESVといったブランドも軒を連ね、国内で展開する多くのE-BIKEが集まった。
もちろん、最新のロードバイクや各種パーツやアクセサリー類、アパレルといった製品を扱うブランドも目白押しで、気になるアイテムを実際に触れて確かめることが出来る貴重な機会となったのではないだろうか。
冷却ファンで涼む子供帯達。 暑さ対策も万全だったが、幸い今年はそこまで暑くならず。
メカニックに自分の手に負えない応急処置はお願いできる。 なんと今年は折れたディレイラーハンガーを手当してもらえた方もいたとか
2日目を締めくくるキッズレース
兄弟の力を合わせてゴールへ向かう
目まぐるしいほどのレース種目に、お祭りのような出展ブースエリア。ホビーライダーにとって夢のような時間を今年も実現してくれたシマノ鈴鹿ロード。今から来年の開催が待ち遠しいという人もきっといるはずだ。
text:Naoki.Yasuoka
photo:Masanori.Tomita、Yuto.Murata、Naoki.Yasuoka
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シマノ鈴鹿ロード。年に1度のロードレーサーのお祭りとして、日本全国からホビーレーサーが集結する2日間。国内のトップチームが覇を競う「シマノ鈴鹿ロードクラシック」を筆頭に、脚力別、性別、年齢別に細分化されたビッグイベント、今年もロードレースやTT、耐久レースがみっちりと詰まったスケジュールで動き続けも多くの人が集まった。
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参加人数という点においては、今年の日程はマイナス要素だったかもしれないが、参加した人の満足度は、むしろプラスだったはず。ここ2か月の猛暑が鳴りを潜め、かなり過ごしやすい気温の中での開催となったからだ。1か月前に行われたシマノバイカーズフェスティバルもだが、今年のシマノイベントは天候や日程の都合で参加者が絞られてしまうことに。しかし、一方で現地へ足を運んだ方を迎えたのは例年以上に走りやすい環境で、満足度は最高だったはず。まさに、信じる者は救われるイベントとなった。
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年々人気が高まっている種目であり、早々に定員に達する5ステージ。チームタイムトライアルが大きな比重を持っているため、個人だけでなくチームの総合力が問われるということが、他のレースでは味わえない醍醐味でもあり、多くのリピーターを集める理由でもある。
その後は、周回数でレベル分けがされたロードレースや西コースで行われる1時間サイクルマラソンや東コースのキッズレースやハンドサイクルレース、個人TTにチームTTなど、様々な種目が息つく暇なく行われる。
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また、今年はディスクブレーキロードの参加できる種目が拡大。昨年初開催されたディスクブレーキロードの部も参加者は順調に増加。最新モデルのレースバイクに乗る方の割合が大きく増えており、新たなムーブメントがそこまで来ていることを実感する。
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大会プロデューサーの射手矢氏は「いつか、シマノ鈴鹿から全日本を勝つような選手が出てくれば嬉しいですね!そのためにもレース運営の体制をより高いレベルへと整備する一歩が踏み出せました」と今年の取組について語る。
実際のところ、レースとしては普段国外で活動しているプロチームも参戦し、普段のJPTレースよりも高いレベルの争いが繰り広げられる種目でもある。そういった意味で、このシマノ鈴鹿ロードクラシックで全日本選手権の参加資格をアマチュアライダーが獲得することは難しいかもしれない。だが逆に言えば、それこそ全日本選手権レベルのレースを、JPT登録でないライダーたちが走ることができる貴重な機会でもある。
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2日間にわたって多くのレースが開催され、その数だけのドラマが繰り広げられた。ステージでは常に表彰式が行われ、人だかりが絶えないほど。ステージを取り囲むようにして展開された出展ブースエリアにも多くの人が行き交っていた。
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特に充実していたのはE-BIKE関連のブース。主催となるシマノのブースでは、STEPS搭載車に試乗した方へマフラータオルをプレゼントするキャンペーンを行っており、多くの人が最新バイクに乗る機会を得たようだ。シマノ以外にもパナソニックやヤマハ、BESVといったブランドも軒を連ね、国内で展開する多くのE-BIKEが集まった。
もちろん、最新のロードバイクや各種パーツやアクセサリー類、アパレルといった製品を扱うブランドも目白押しで、気になるアイテムを実際に触れて確かめることが出来る貴重な機会となったのではないだろうか。
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目まぐるしいほどのレース種目に、お祭りのような出展ブースエリア。ホビーライダーにとって夢のような時間を今年も実現してくれたシマノ鈴鹿ロード。今から来年の開催が待ち遠しいという人もきっといるはずだ。
text:Naoki.Yasuoka
photo:Masanori.Tomita、Yuto.Murata、Naoki.Yasuoka
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