2010/03/03(水) - 08:15
スポーツバイクに乗るときの必需品、ミニポンプ。そんな大事なアイテムこそデザインがいいものを持ちたい。そこで、イタリアのデザインセンスが生きるSILCAのスーパーミニをインプレッションしよう。ポンプとしての実力と、その遊び心あるデザインに要注目。
SILCA スーパーミニ photo:Makoto Ayano
シリアスなロードトレーニングの最中にも、休日のまったり街乗りサイクリングにもパンクはやってくる。ちょっとした空気圧のチェックや、路面の選び方でそのリスクは減らせるとはいえ、100%避けることは不可能なのが、パンク。
ポップなデザインの高実力ミニポンプでヨカッタ!な2シーン
さて、今あなたは残念ながら乗っていた自転車の後輪に違和感を感じて自転車をストップさせた。一人でトレーニングに励む日曜日、家から30kmも離れた峠道でのことだ。そっと後輪を見やると、案の定パンクしてしまっている。先ほど路面のヒビに突っ込んだときにやってしまったのだろう。もちろん、替えのチューブとポンプは携帯している。
こんな時、迅速に快適に空気を入れられるポンプがあれば、さっとチューブを入れ替えて、再び走り始めることができる。「ちゃんと空気の入るポンプ」のおかげで集中力を乱されずにライドを続けることができるのだ。気の滅入るパンクも、ポップなカラーリングのミニポンプのおかげで少しだけ気分がやわらぐ。
グリップ部がカーボンになっており、握り心地がよい photo:Makoto Ayano
さて、今あなたはお気に入りのカフェに入ろうと歩道の段差に乗り上げた瞬間、後輪をしたたかに打ち付けて、とたんに自転車の乗り心地が悪くなったところだ。休日の昼下がり、人の行き交う街中でのことだ。こんなこともあろうとサドルバッグにはチューブと、タイヤレバー。そして自転車にはカラフルなミニポンプが取り付けてある。
人通りの多い中、スポーツ自転車で軽快に駆けていた中でのパンクはちょっとスマートじゃない。でもそれをすぐに手際よく自力で直せたら、これはまたスマートな所作。さっきまでアクセサリー然としていた「小洒落たミニポンプ」が活躍する瞬間。自転車にも、ファッションにも気をつかう街乗り、ミニポンプもデザインで選んだけれど、それがちゃんと空気の入るポンプだったのだから言うこと無し。
アクセサリーとしても違和感のないポップなデザイン photo:Makoto Ayano
この2つのシーンを満たすミニポンプ、それが今回取り上げるSILCAのスーパーミニだ。それでは、インプレッションをお届けしよう。
SILCA スーパーミニ
まず何よりも目を惹くのはそのまばゆいホワイトカラーと、カワイイ字体の青のブランドロゴ、そして横一文字に走る赤いラインが織りなすポップなカラーリングだ。毎回のサイクリングで必要になる実利品であるところのミニポンプに、このようなデザイン性を持ち込んだのはSILCAがイタリアのブランドであることと無縁ではないはず。
スーパーミニの名前の通りのこの小ささ photo:Makoto Ayano
ちょっとレトロな雰囲気を醸し出すカラーリング。ロゴの字体の雰囲気と相まって、どこか70年代、80年代的なポップセンスを感じさせるデザインだと言ったら言い過ぎだろうか。しかし時代は21世紀を10年も迎えた折、ただの懐古主義に留まらないデザインへのSILCAの志向は、フロントキャップとグリップにカーボン柄のプリントを採用したことに伺える。
今日のサイクルシーンになくてはならない新素材とオールドスクールデザインの邂逅が、スーパーミニをデザイン面で唯一無二のミニポンプに仕立て上げた。さらに目を凝らすと、細部にまた遊び心がチラリとのぞく。
フロントキャップには変わった字体でSILCAのロゴバッヂ photo:Makoto Ayano
フロントトップのキャップ先端には変わった字体で「SILCA」のロゴバッヂがあしらわれている。昔の偉人が「神は細部に宿る」と言ったらしいが、こういう細かいところに気をつかって作られたプロダクトには愛着がわくもの。ミニポンプながらモノとしての所有欲を満たしてくれるこうした作りができることに、素直に驚かされた。
さて、いささかスーパーミニのデザインについて言及しすぎてしまったかもしれない。それはもちろんこのポンプのイチ押しポイントがデザイン性ということになるからなのだが、肝心の機能の方もソツがなくて、敢えて言うことも無いほどによくできているということなのである。さすがはポンプ専業メーカーのSILCAと言ったところか。
実際に使ってみると、ちょっと太いかな、と思っていたボディ部は握りやすい太さで、カーボンライクのグリップの握り部分もいい握り心地。うまく力が入る太さだった。カーボンの優しい温かな握り心地は、金属には決して出せないもので、ポンプとしてデザイン面だけでなく、インターフェース面を考慮してのカーボン柄だったのだと納得させられた。グラマラス、という表現で、多くの人の「ちょい太」嗜好が説明される昨今だが、なるほど、ちょっと太めぐらいがハンドポンプには私にはピッタリで使い心地がよい。
ボディ、グリップと握りやすく力の入りやすい太さ photo:Makoto Ayano
あえて苦言を呈すとしたら、フレンチ(仏式)バルブに対応するバルブ接合部が少し頼りないか。その分シンプルなデザインに貢献しているのだが、バルブをしっかり固定するのにやや気をつかう場面があった。ただ入れるコツをつかめば、その後は難なく使用できたので、これは慣れるしか無いところか。
よくできたミニポンプの例に漏れず、スーパーミニも少ない力で空気が入っていく。ピストン往復で空気が入るタイプではなく、押し込むときの片道分で空気が入るタイプだが、サクサクと入っていって気持ちがいい。夏場などはこのポンピングで汗だくになってしまうこともあるから、少ない力で空気を入れられるこの基本性能の高さはスマートだ。
デザイン・機能ともによく考えられているスーパーミニ。機能は充分、デザインも先端のカーボンバイクとも街乗り仕様のオシャレバイクともマッチする懐の深さを持つ。持っているだけで楽しくなる常備アイテムとして、どんなサイクリストにも薦めたい。
どんな自転車とも相性のよいデザインのSILCA スーパーミニ photo:Makoto Ayano
SILCA スーパーミニ
重量:125g
長さ:25cm
最大充填気圧:160psi/11気圧
ベルクロストラップ付きポンプホルダー付属
価格:3,980円
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シリアスなロードトレーニングの最中にも、休日のまったり街乗りサイクリングにもパンクはやってくる。ちょっとした空気圧のチェックや、路面の選び方でそのリスクは減らせるとはいえ、100%避けることは不可能なのが、パンク。
ポップなデザインの高実力ミニポンプでヨカッタ!な2シーン
さて、今あなたは残念ながら乗っていた自転車の後輪に違和感を感じて自転車をストップさせた。一人でトレーニングに励む日曜日、家から30kmも離れた峠道でのことだ。そっと後輪を見やると、案の定パンクしてしまっている。先ほど路面のヒビに突っ込んだときにやってしまったのだろう。もちろん、替えのチューブとポンプは携帯している。
こんな時、迅速に快適に空気を入れられるポンプがあれば、さっとチューブを入れ替えて、再び走り始めることができる。「ちゃんと空気の入るポンプ」のおかげで集中力を乱されずにライドを続けることができるのだ。気の滅入るパンクも、ポップなカラーリングのミニポンプのおかげで少しだけ気分がやわらぐ。
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さて、今あなたはお気に入りのカフェに入ろうと歩道の段差に乗り上げた瞬間、後輪をしたたかに打ち付けて、とたんに自転車の乗り心地が悪くなったところだ。休日の昼下がり、人の行き交う街中でのことだ。こんなこともあろうとサドルバッグにはチューブと、タイヤレバー。そして自転車にはカラフルなミニポンプが取り付けてある。
人通りの多い中、スポーツ自転車で軽快に駆けていた中でのパンクはちょっとスマートじゃない。でもそれをすぐに手際よく自力で直せたら、これはまたスマートな所作。さっきまでアクセサリー然としていた「小洒落たミニポンプ」が活躍する瞬間。自転車にも、ファッションにも気をつかう街乗り、ミニポンプもデザインで選んだけれど、それがちゃんと空気の入るポンプだったのだから言うこと無し。
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この2つのシーンを満たすミニポンプ、それが今回取り上げるSILCAのスーパーミニだ。それでは、インプレッションをお届けしよう。
SILCA スーパーミニ
まず何よりも目を惹くのはそのまばゆいホワイトカラーと、カワイイ字体の青のブランドロゴ、そして横一文字に走る赤いラインが織りなすポップなカラーリングだ。毎回のサイクリングで必要になる実利品であるところのミニポンプに、このようなデザイン性を持ち込んだのはSILCAがイタリアのブランドであることと無縁ではないはず。
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ちょっとレトロな雰囲気を醸し出すカラーリング。ロゴの字体の雰囲気と相まって、どこか70年代、80年代的なポップセンスを感じさせるデザインだと言ったら言い過ぎだろうか。しかし時代は21世紀を10年も迎えた折、ただの懐古主義に留まらないデザインへのSILCAの志向は、フロントキャップとグリップにカーボン柄のプリントを採用したことに伺える。
今日のサイクルシーンになくてはならない新素材とオールドスクールデザインの邂逅が、スーパーミニをデザイン面で唯一無二のミニポンプに仕立て上げた。さらに目を凝らすと、細部にまた遊び心がチラリとのぞく。
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さて、いささかスーパーミニのデザインについて言及しすぎてしまったかもしれない。それはもちろんこのポンプのイチ押しポイントがデザイン性ということになるからなのだが、肝心の機能の方もソツがなくて、敢えて言うことも無いほどによくできているということなのである。さすがはポンプ専業メーカーのSILCAと言ったところか。
実際に使ってみると、ちょっと太いかな、と思っていたボディ部は握りやすい太さで、カーボンライクのグリップの握り部分もいい握り心地。うまく力が入る太さだった。カーボンの優しい温かな握り心地は、金属には決して出せないもので、ポンプとしてデザイン面だけでなく、インターフェース面を考慮してのカーボン柄だったのだと納得させられた。グラマラス、という表現で、多くの人の「ちょい太」嗜好が説明される昨今だが、なるほど、ちょっと太めぐらいがハンドポンプには私にはピッタリで使い心地がよい。
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あえて苦言を呈すとしたら、フレンチ(仏式)バルブに対応するバルブ接合部が少し頼りないか。その分シンプルなデザインに貢献しているのだが、バルブをしっかり固定するのにやや気をつかう場面があった。ただ入れるコツをつかめば、その後は難なく使用できたので、これは慣れるしか無いところか。
よくできたミニポンプの例に漏れず、スーパーミニも少ない力で空気が入っていく。ピストン往復で空気が入るタイプではなく、押し込むときの片道分で空気が入るタイプだが、サクサクと入っていって気持ちがいい。夏場などはこのポンピングで汗だくになってしまうこともあるから、少ない力で空気を入れられるこの基本性能の高さはスマートだ。
デザイン・機能ともによく考えられているスーパーミニ。機能は充分、デザインも先端のカーボンバイクとも街乗り仕様のオシャレバイクともマッチする懐の深さを持つ。持っているだけで楽しくなる常備アイテムとして、どんなサイクリストにも薦めたい。
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SILCA スーパーミニ
重量:125g
長さ:25cm
最大充填気圧:160psi/11気圧
ベルクロストラップ付きポンプホルダー付属
価格:3,980円
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