2018/03/11(日) - 17:31
ツール・ド・台湾の開幕ステージとなる台北での第1ステージは、集団ゴールスプリントの展開となり、日本ナショナルチームで参戦する岡本隼(愛三工業レーシング)が僅差のスプリントを制して区間優勝。個人総合リーダーの証であるイエロージャージに袖を通した。
初開催は1978年、その後UCIレースとなり、2012年よりUCIアジアツアー2.1のレースとして定着しているツール・ド・台湾。今年は3月11日から15日までの5日間、台北から屏東県まで、近年同様に台湾の西側を南下する5日間のステージレースとして開催される。
今年は福島晋一監督率いるNIPPO・ヴィーニファンティーニ、ユナイテッドヘルスケア、イスラエルサイクリングアカデミー、ウィリエール・トリエスティーナ、以上の4つのプロコンチネンタルチームをはじめ、日本からはディフェンディングチャンピオンのベンジャミ・プラデス擁するチーム右京、そして新城幸也(バーレーン・メリダ)が主軸となる日本ナショナルチームが参戦。全20チーム、112名の選手が晴れ渡った台北の空のもとでスタートを切った。
第1ステージは、観光名所である台北101の麓に設定された10.8kmの周回コースを8周回する83.2kmのステージ。勾配はまったくなく、コースの大部分は幹線道路を東西に進んで折り返すまっすぐな道。しかし、フィニッシュ前はコーナーが連続し、また直線区間の道幅も狭かったため、何度か落車も発生した。
小さな周回コースをパレード走行したのち、レーススタートの号砲が鳴らされると、2周回目を終えて、サイモン・ペロー(スイス、チームイルミネート)、マリオ・ヴォクト(ドイツ、サプラサイクリング)、ルー・シャオシュアン(台湾ナショナルチーム)3名の先頭集団が形成された。
メイン集団はウィリエール・トリエスティーナら、ゴールスプリントを狙う強豪チームがコントロールし、逃げとのタイム差を射程圏内に抑え、最終周回で最後まで逃げていたヴォクトを吸収。大方の予想通り、集団ゴールスプリントの展開となった。
フィニッシュラインから見えるラスト200mのコーナーを抜けて、先頭でフィニッシュラインへ向かってきたのは岡本隼。後ろからライバルたちが追い上げてくるも、リードを守りきり、最後はハンドルを投げ合う僅差のスプリントだったが、岡本の勝利を確信した後方につける小野寺玲(日本ナショナルチーム/宇都宮ブリッツェン)がガッツポーズを掲げた。
フィニッシュ後に多くのファンやメディアに囲まれた22歳の岡本。エリートカテゴリーのUCIレースでは、昨年のツール・ド・北海道第2ステージに次ぐ2勝目を挙げ、個人総合リーダージャージ、ポイント賞ジャージ、アジア人最優秀賞ジャージと、初日に設定されている3枚のリーダージャージをすべて獲得した。
岡本は「大勢の観客の前で勝てた瞬間はとても興奮するものだった。残り2kmからチームで連携していった。最初の作戦では小野寺でスプリントを狙う予定だったが、新城さんと佐野さんが少し長めに牽引してくれたおかげで、自分は最後のリードアウトが仕事だったが、このままスプリントを仕掛けて、小野寺には後ろから刺してもらおうと考えた。自分が勝利を狙うということは最後まで考えていなかったので、その分、緊張せずに挑めたのが勝因かもしれない。また新城さんら先輩たちの走りも素晴らしく、絶好のポジションからスプリントすることができた。感謝している」と大勢のメディアを前に今日のスプリントを振り返った。
明日は終盤にかけて2級山岳を2つ越え、1級山岳にフィニッシュする119kmの厳しいステージ。イエロージャージを守る立場で挑むことになるが、岡本は「厳しいレースになるのはわかっているけど、粘って粘って、ベストを尽くした走りをしたい」と抱負を語った。
新城幸也のコメント
「今回の日本チームの目標は個人総合なので、今日のような平坦ステージでは、落車などのトラブルでタイムを失わないのが一番大事ということを確認して臨んだ。周回途中の中間スプリントポイントはボーナスタイムが付いてる為、警戒が必要だったが、総合争いで重要でないチームの選手3名が逃げてくれて、序盤、中盤は集団で穏やかに過ごした。
佐野選手(マトリックスパワータグ)が常に良い位置をキープしてくれて、フィニッシュに向け、佐野〜新城〜岡本〜小野寺〜鈴木の順番で予定通りに残り2km切ってから、佐野選手に先頭に出てもらい、他のチームの選手が並んできたら、自分が加速するイメージだったが、佐野選手が強すぎて(笑)どのチームにも並ばれずに、ゴールまで残り1kmを切った。ラスト500mのコーナーを自分が先頭で曲がり、300mの右コーナーまで先行して、岡本にバトンタッチした後はアクシデントでタイムを失わないように注意しトップと同タイムの集団内でフィニッシュしました。岡本がガッツポーズしなかったので、ゴールした瞬間は優勝したか分からなかったが、会場のヴィジョンの映像で優勝したことを知りました(笑)
岡本のすぐ後ろにいた小野寺は最終コーナーで他の選手にポジションを取られてしまったり、手を使って邪魔されたりと、自分のスプリントが出来なかったようだが、ステージ4位と日本チームとしては上出来きのスタートとなった。
明日は登りゴール。総合を左右するステージとなる。この勢いで明日は僕が頑張らないと! ヨーロッパでのレース、パリ〜ニースでは、チームメイトのイザギレ兄弟が総合2位、3位と頑張っているので、とても刺激になります。」
photo&text:Sonoko.TANAKA
新城幸也コメントはチームユキヤ通信より
初開催は1978年、その後UCIレースとなり、2012年よりUCIアジアツアー2.1のレースとして定着しているツール・ド・台湾。今年は3月11日から15日までの5日間、台北から屏東県まで、近年同様に台湾の西側を南下する5日間のステージレースとして開催される。
今年は福島晋一監督率いるNIPPO・ヴィーニファンティーニ、ユナイテッドヘルスケア、イスラエルサイクリングアカデミー、ウィリエール・トリエスティーナ、以上の4つのプロコンチネンタルチームをはじめ、日本からはディフェンディングチャンピオンのベンジャミ・プラデス擁するチーム右京、そして新城幸也(バーレーン・メリダ)が主軸となる日本ナショナルチームが参戦。全20チーム、112名の選手が晴れ渡った台北の空のもとでスタートを切った。
第1ステージは、観光名所である台北101の麓に設定された10.8kmの周回コースを8周回する83.2kmのステージ。勾配はまったくなく、コースの大部分は幹線道路を東西に進んで折り返すまっすぐな道。しかし、フィニッシュ前はコーナーが連続し、また直線区間の道幅も狭かったため、何度か落車も発生した。
小さな周回コースをパレード走行したのち、レーススタートの号砲が鳴らされると、2周回目を終えて、サイモン・ペロー(スイス、チームイルミネート)、マリオ・ヴォクト(ドイツ、サプラサイクリング)、ルー・シャオシュアン(台湾ナショナルチーム)3名の先頭集団が形成された。
メイン集団はウィリエール・トリエスティーナら、ゴールスプリントを狙う強豪チームがコントロールし、逃げとのタイム差を射程圏内に抑え、最終周回で最後まで逃げていたヴォクトを吸収。大方の予想通り、集団ゴールスプリントの展開となった。
フィニッシュラインから見えるラスト200mのコーナーを抜けて、先頭でフィニッシュラインへ向かってきたのは岡本隼。後ろからライバルたちが追い上げてくるも、リードを守りきり、最後はハンドルを投げ合う僅差のスプリントだったが、岡本の勝利を確信した後方につける小野寺玲(日本ナショナルチーム/宇都宮ブリッツェン)がガッツポーズを掲げた。
フィニッシュ後に多くのファンやメディアに囲まれた22歳の岡本。エリートカテゴリーのUCIレースでは、昨年のツール・ド・北海道第2ステージに次ぐ2勝目を挙げ、個人総合リーダージャージ、ポイント賞ジャージ、アジア人最優秀賞ジャージと、初日に設定されている3枚のリーダージャージをすべて獲得した。
岡本は「大勢の観客の前で勝てた瞬間はとても興奮するものだった。残り2kmからチームで連携していった。最初の作戦では小野寺でスプリントを狙う予定だったが、新城さんと佐野さんが少し長めに牽引してくれたおかげで、自分は最後のリードアウトが仕事だったが、このままスプリントを仕掛けて、小野寺には後ろから刺してもらおうと考えた。自分が勝利を狙うということは最後まで考えていなかったので、その分、緊張せずに挑めたのが勝因かもしれない。また新城さんら先輩たちの走りも素晴らしく、絶好のポジションからスプリントすることができた。感謝している」と大勢のメディアを前に今日のスプリントを振り返った。
明日は終盤にかけて2級山岳を2つ越え、1級山岳にフィニッシュする119kmの厳しいステージ。イエロージャージを守る立場で挑むことになるが、岡本は「厳しいレースになるのはわかっているけど、粘って粘って、ベストを尽くした走りをしたい」と抱負を語った。
新城幸也のコメント
「今回の日本チームの目標は個人総合なので、今日のような平坦ステージでは、落車などのトラブルでタイムを失わないのが一番大事ということを確認して臨んだ。周回途中の中間スプリントポイントはボーナスタイムが付いてる為、警戒が必要だったが、総合争いで重要でないチームの選手3名が逃げてくれて、序盤、中盤は集団で穏やかに過ごした。
佐野選手(マトリックスパワータグ)が常に良い位置をキープしてくれて、フィニッシュに向け、佐野〜新城〜岡本〜小野寺〜鈴木の順番で予定通りに残り2km切ってから、佐野選手に先頭に出てもらい、他のチームの選手が並んできたら、自分が加速するイメージだったが、佐野選手が強すぎて(笑)どのチームにも並ばれずに、ゴールまで残り1kmを切った。ラスト500mのコーナーを自分が先頭で曲がり、300mの右コーナーまで先行して、岡本にバトンタッチした後はアクシデントでタイムを失わないように注意しトップと同タイムの集団内でフィニッシュしました。岡本がガッツポーズしなかったので、ゴールした瞬間は優勝したか分からなかったが、会場のヴィジョンの映像で優勝したことを知りました(笑)
岡本のすぐ後ろにいた小野寺は最終コーナーで他の選手にポジションを取られてしまったり、手を使って邪魔されたりと、自分のスプリントが出来なかったようだが、ステージ4位と日本チームとしては上出来きのスタートとなった。
明日は登りゴール。総合を左右するステージとなる。この勢いで明日は僕が頑張らないと! ヨーロッパでのレース、パリ〜ニースでは、チームメイトのイザギレ兄弟が総合2位、3位と頑張っているので、とても刺激になります。」
photo&text:Sonoko.TANAKA
新城幸也コメントはチームユキヤ通信より
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