2017/08/09(水) - 09:04
「矢野口」と聞いてピンと来る方も少なくないと思う。東京西側を走るサイクリスト定番の集合場所、矢野口交差点横に、チャンピオンシステムが運営するカフェ「CROSS COFFEE」がオープンした。本格メニューを多数揃え、コミュニティスペースとしての発展を目指す空間をプレオープンデイに訪ねた。
「えっ、本当にそこにオープンするんですか?」。最初に話を伺い、立地を聞いた時に思わず二度聞きしてしまった。チャンピオンシステムが手がけるカフェ「CROSS COFFEE」が店舗を構えるのは、JR南武線矢野口駅から徒歩すぐの、鶴川街道と川崎街道が交差する矢野口交差点。「尾根幹」を通って相模原方面に抜けるサイクリストにとって集合場所としてお馴染みの、「”矢野ロー”(ローソン稲城鶴川街道店)」の通りを挟んで向かい側、通りに面したビル1階。ガラス張りの店舗前にはバイクラックが用意されているので、すぐに位置は分かるはずだ。
ドアを開けたその先には、コーヒーの香り漂う落ち着いた空間が広がる。入り口付近には姉妹ブランド「LIGNE8」(ラインエイト)製品が並び、その向こうにはオーダーカウンターと、約30席を用意するイートインスペースが広がる。チャンピオンシステム初のフラッグシップストアとして、ラインアップを手に取って理解を深めつつ、ゆったりとくつろいでほしいという思いがあるそうだ。
オーダーウェアとして大きなシェアを誇る同社だが、それゆえ生地の質感を見たり、サイズ感を試すにはサンプル品を手配するか、イベントに出展している同社のテントを訪れる必要があった。ましてや一般自転車店でLIGNE8の実物を見る機会はほとんどなく、購入を踏みとどまってしまうことも少なくなかったかもしれない。
しかしCROSS COFFEEではしっかりとラインアップを手にとって、試着室で実際に着用することができる。今回初披露となったLIGNE8のサイクリングラインはほぼ全製品が並び、アーバンライドにマッチするコーディネイトの提案も行っていくそう。アメリカのシューズブランド「LAKE」ストアとしても機能し、人気の高いボリュームレンジ製品が並ぶので、試し履きは是非ここで。その他METのヘルメットや補給食、ウォーターボトルなども販売されているため、サイクリングの途中で立ち寄るにもありがたい。
そしてもう一つの核となるドリンクやフード類も、かなり本格派。フレンチスタイルのテーマの下に、コーヒーメニューには東京に3店舗を構える有名ロースター「堀口珈琲」の豆を使い、常駐するバリスタが一杯一杯を丁寧に淹れてくれる。もちろんミル挽きは注文を入れてから。エスプレッソマシンはイタリアのシネッソで、食材にもこだわったバゲットサンドを仕上げるのはバルミューダのオーブントースター。おいしい水のために濾過器も最上級のものを、などなど、味に対するこだわりにも抜かりがない。
メニューの中核はコーヒーだが、スタッフさんが「是非ご賞味いただきたいんです」、とイチオシするのがホットチョコレートだ。チョコレート好きなら一度は聞いたことあるバリー・カレボー社のクーベルチュールを使った一杯は、濃厚なのに飲みやすいフレンチスタイル。
エスプレッソよろしく疲れたところにギュッと飲(や)るのがパリジャン流で、「私がフランスに滞在していた時、必ずカフェメニューに載っていたホットチョコレートが日本には全然ない。だからCROSS COFFEEで出そうと思ったんです。レシピも相当こだわって試行錯誤しましたよ」とチャンピオンシステム代表の棈木亮二さんは自信たっぷり。ちなみに暑い日にはアイスチョコレートもあるのでこちらがオススメ。自家製のフレッシュレモネードや、国内ブリュワーのクラフトビールも用意されているので、仕事上がりにキュッといっちゃってはどうでしょう?
サイクリングウェアやカフェメニューが揃うCROSS COFFEEだが、その本願は、この空間をサイクリストのコミュニティスペースとして醸造していくことにある。尾根幹や多摩川サイクリングロードからも至近という立地を活かしたライドイベントのの開催や、レースのライブビューイング、ゲストを招いてのトークイベント、新商品展示発表会といったインハウスイベントを企画し、サイクリングの楽しみや、カルチャー発信の場としての役目も担っていくという。
「やっぱり、イベントを開催する上、チャンピオンシステム製品をよりよく知ってもらうためにはこうした拠点が必要でした。そしてこの立地であれば、東京西側のサイクリストにとってすぐに走りやすいフィールドに出て行くことができる。ライドの拠点として、集合場所として活用してもらいたいので、土日と祝日は朝7時から(平日は午前11時から)オープンさせています」と棈木さんは言う。
「それに、もともとこの場所はカフェはもちろん、飲食店がほとんどなかったんです。だからオープニングに向けての工事中にも地元の方がたくさん声をかけてくれましたし、サイクリストだけでなく、地元に愛されるお店にもしていきたい。そしてそこに自転車があって、少しでも興味を持ってくれる方が増えればいいな、と思っています」。
まだオープンしたばかりのCROSS COFFEEだが、メニューへのこだわりや、好立地ゆえに秘めるポテンシャルは一級品。店名の「CROSS」は矢野口交差点の意味だそう(シクロクロス東京のクロスではないらしい)だが、様々なサイクリスト同士が「クロス」する場としてのニュアンスも感じさせられる。
東京近郊のサイクリストにとって、一度足を運んでみる価値あるカフェがオープンした。
CROSS COFFEE -chocolate&sandwiches-
住所:東京都稲城市矢野口227-1 グランツドルフ1F(JR矢野口駅から徒歩3分)
電話:042-401-6126
営業時間:7:00~18:00(火曜定休)
HP:http://cross.coffee/
text&photo:So.Isobe
「えっ、本当にそこにオープンするんですか?」。最初に話を伺い、立地を聞いた時に思わず二度聞きしてしまった。チャンピオンシステムが手がけるカフェ「CROSS COFFEE」が店舗を構えるのは、JR南武線矢野口駅から徒歩すぐの、鶴川街道と川崎街道が交差する矢野口交差点。「尾根幹」を通って相模原方面に抜けるサイクリストにとって集合場所としてお馴染みの、「”矢野ロー”(ローソン稲城鶴川街道店)」の通りを挟んで向かい側、通りに面したビル1階。ガラス張りの店舗前にはバイクラックが用意されているので、すぐに位置は分かるはずだ。
ドアを開けたその先には、コーヒーの香り漂う落ち着いた空間が広がる。入り口付近には姉妹ブランド「LIGNE8」(ラインエイト)製品が並び、その向こうにはオーダーカウンターと、約30席を用意するイートインスペースが広がる。チャンピオンシステム初のフラッグシップストアとして、ラインアップを手に取って理解を深めつつ、ゆったりとくつろいでほしいという思いがあるそうだ。
オーダーウェアとして大きなシェアを誇る同社だが、それゆえ生地の質感を見たり、サイズ感を試すにはサンプル品を手配するか、イベントに出展している同社のテントを訪れる必要があった。ましてや一般自転車店でLIGNE8の実物を見る機会はほとんどなく、購入を踏みとどまってしまうことも少なくなかったかもしれない。
しかしCROSS COFFEEではしっかりとラインアップを手にとって、試着室で実際に着用することができる。今回初披露となったLIGNE8のサイクリングラインはほぼ全製品が並び、アーバンライドにマッチするコーディネイトの提案も行っていくそう。アメリカのシューズブランド「LAKE」ストアとしても機能し、人気の高いボリュームレンジ製品が並ぶので、試し履きは是非ここで。その他METのヘルメットや補給食、ウォーターボトルなども販売されているため、サイクリングの途中で立ち寄るにもありがたい。
そしてもう一つの核となるドリンクやフード類も、かなり本格派。フレンチスタイルのテーマの下に、コーヒーメニューには東京に3店舗を構える有名ロースター「堀口珈琲」の豆を使い、常駐するバリスタが一杯一杯を丁寧に淹れてくれる。もちろんミル挽きは注文を入れてから。エスプレッソマシンはイタリアのシネッソで、食材にもこだわったバゲットサンドを仕上げるのはバルミューダのオーブントースター。おいしい水のために濾過器も最上級のものを、などなど、味に対するこだわりにも抜かりがない。
メニューの中核はコーヒーだが、スタッフさんが「是非ご賞味いただきたいんです」、とイチオシするのがホットチョコレートだ。チョコレート好きなら一度は聞いたことあるバリー・カレボー社のクーベルチュールを使った一杯は、濃厚なのに飲みやすいフレンチスタイル。
エスプレッソよろしく疲れたところにギュッと飲(や)るのがパリジャン流で、「私がフランスに滞在していた時、必ずカフェメニューに載っていたホットチョコレートが日本には全然ない。だからCROSS COFFEEで出そうと思ったんです。レシピも相当こだわって試行錯誤しましたよ」とチャンピオンシステム代表の棈木亮二さんは自信たっぷり。ちなみに暑い日にはアイスチョコレートもあるのでこちらがオススメ。自家製のフレッシュレモネードや、国内ブリュワーのクラフトビールも用意されているので、仕事上がりにキュッといっちゃってはどうでしょう?
サイクリングウェアやカフェメニューが揃うCROSS COFFEEだが、その本願は、この空間をサイクリストのコミュニティスペースとして醸造していくことにある。尾根幹や多摩川サイクリングロードからも至近という立地を活かしたライドイベントのの開催や、レースのライブビューイング、ゲストを招いてのトークイベント、新商品展示発表会といったインハウスイベントを企画し、サイクリングの楽しみや、カルチャー発信の場としての役目も担っていくという。
「やっぱり、イベントを開催する上、チャンピオンシステム製品をよりよく知ってもらうためにはこうした拠点が必要でした。そしてこの立地であれば、東京西側のサイクリストにとってすぐに走りやすいフィールドに出て行くことができる。ライドの拠点として、集合場所として活用してもらいたいので、土日と祝日は朝7時から(平日は午前11時から)オープンさせています」と棈木さんは言う。
「それに、もともとこの場所はカフェはもちろん、飲食店がほとんどなかったんです。だからオープニングに向けての工事中にも地元の方がたくさん声をかけてくれましたし、サイクリストだけでなく、地元に愛されるお店にもしていきたい。そしてそこに自転車があって、少しでも興味を持ってくれる方が増えればいいな、と思っています」。
まだオープンしたばかりのCROSS COFFEEだが、メニューへのこだわりや、好立地ゆえに秘めるポテンシャルは一級品。店名の「CROSS」は矢野口交差点の意味だそう(シクロクロス東京のクロスではないらしい)だが、様々なサイクリスト同士が「クロス」する場としてのニュアンスも感じさせられる。
東京近郊のサイクリストにとって、一度足を運んでみる価値あるカフェがオープンした。
CROSS COFFEE -chocolate&sandwiches-
住所:東京都稲城市矢野口227-1 グランツドルフ1F(JR矢野口駅から徒歩3分)
電話:042-401-6126
営業時間:7:00~18:00(火曜定休)
HP:http://cross.coffee/
text&photo:So.Isobe
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