2017/08/12(土) - 06:45
台湾からの「追風騎士団」とともに、四国をぐるっと一周するサイクリングもいよいよ佳境に。フィニッシュするのはもちろん、スタート地点でもあった愛媛県松山市。中村県知事の伴走でフィニッシュを迎えた最終日の様子をお伝えします。
7月4日に愛媛県松山市をスタートした四国一周台湾訪問団「追風騎士」たちの旅も最終ステージに。宇和島市立吉田公民館で開催された出発式では、上甲俊史・愛媛県副知事の挨拶でリアス式海岸特有の美しい地形や養殖やみかんの産地であることが紹介された。また笹山誠司・宇和島市副市長は中国語にて「一緒に松山まで頑張りましょう。」とご挨拶。また、トニー・ロー前GIANT社長より四国の魅力、おもてなしの文化などの素晴らしさが味わえたことが伝えられた。
そして宇和島市を代表する産業のひとつである日本のシェアの多くを占めるクラッカー生産。その巨大クラッカーによる号砲で最終日のスタートが切られた。
スタートした直後から、国道56号線を北上する。ここはリアス式海岸の海から一気に切り立つ山々が海に斜面を向けている。みかんの生産地でもあり、その複雑な山々をトンネルが貫く国道、そして登坂が続く。この法華津峠(ほけつとうげ)はその景観が素晴らしく左眼下に広がる海は壮大だ!
峠を下り、西予市に入る。この時には太陽が照りつける夏日となり、暑さのなかをフィードポイントの西予市役所へと向かった。愛媛県南予地区は柑橘の河内晩柑(かわちばんかん)の産地。フィードに並ぶ河内晩柑の剥き実が冷たくて美味しすぎる。
このあと高地でもある西予市宇和の田園地帯に入る。山岳地帯から今度は広大な水田。このコースは変化に富んでおり、全く飽きがこない。青々と茂る稲が左右に広がる一直線の道を進むのは本当に気持ちがいい!すると水田の真ん中に突如高さ5メートルを超える巨大藁マンモスの親子が現れる。これは台湾訪問団も一気にテンションが上がった。
いよいよ瀬戸内海に面する八幡浜市に向う。ここはみかんと共に水産の町でもある。大城一郎・八幡浜市長と同行で八幡浜市入りだ。そしてフィードポイントでもある八幡浜港横の道の駅「みなっと」へ。ここでもみかんジュースとゼリーが喉を潤してくれるが、さらに多種多様なじゃこ天が振舞われた。
道の駅みなっとを出発し瀬戸内海海岸線ルートに向かう。新たなセクションの前には必ず峠越えがあるのも四国一周の特徴。国道378号線に入り瞽女ヶ峠トンネルを抜けると、いきなり標高80mの瀬戸内海側斜面に出て、瀬戸内海を見渡せる。ここから35kmは左に海を見るルート。晴れれば対岸の山口県をはっきり見ながら走ることができる。この日は少し霞のかかる視界だったが、それでも気持ちいい潮騒を感じながら走れた。
国道378号線を北上し大洲市へ。そして長浜支所でフィードポイント。ここでは長浜名物の「志ぐれ」を頂く。甘い長浜志ぐれが疲れた体に染み渡る。その直後、肱川河口にかかる長浜大橋を渡った。この橋は近代化産業遺産に認定された赤く塗られた可動橋。昭和10年につくられ、なんと可動部は今も現役。ツアーのひとつの見どころでもある!
この肱川河口の長浜で昼食。夏の暑さもこの美味しさで乗り切れる。完走まで約50km、ここで中村時広・愛媛県知事が合流し、フィニッシュまでを一緒に走ることに。知事の出迎え伴走は本当にありがたく思う。
国道378号瀬戸内海線もいよいよ終盤、伊予市へと入った隊列は、道の駅としては最後のフィードポイント「日本の夕陽百選」にもあるふたみシーサイド公園に到着。なんとここのじゃこ天はハート型!さすが「恋人の聖地」に認定されているだけある。ここを過ぎるといよいよフィニッシュに向けて内陸に向け瀬戸内海から離れていく。
国道も車線と交通量も増え、いよいよ松山市に突入。今回のゴールは道後温泉本館だが、その2km手前の城山公園を通過した時点で実質的な四国一周を達成!そして迎えたフィニッシュ、松山市の道後温泉本館前ゴールをトニー・ロー前GIANT社長と中村時広・愛媛県知事が並んでブルーラインを歩き、完走者もその後に続いた。
全員が四国一周を果たし、日台両国の島一周の共有する思いがひとつになった瞬間だった。この後、道後温泉本館前ゴールセレモニー特設ステージにて完走者全員に完走証が手渡され、無事松山の地に帰ってきたことを完走者と愛媛県、松山市、道後のみなさんと讃え合った。
このセレモニーの中で中村時広・愛媛県知事はサイクリングアイランド四国構想のキックオフでもあるこの四国一周が成功したことを各自治体と台湾の協力に感謝し、そして自転車新文化が四国四県に伝わるきっかけにもなったと話した。また、トニー・ロー前GIANT社長からは「四国の文化、歴史、食、全てに触れることができ貴重な体験をした。このことを台湾に持ち帰り四国一周を推進する」と挨拶をいただいた。
サイクリングの文化や四国一周という新しいカテゴリーが生まれたこのツアー。台湾・日本共に両国の世界に発信する観光資源PRになったと同時に、両国の絆を深めた大きな一歩となったことは間違いない。
text&photo:Taro.Okamoto
7月4日に愛媛県松山市をスタートした四国一周台湾訪問団「追風騎士」たちの旅も最終ステージに。宇和島市立吉田公民館で開催された出発式では、上甲俊史・愛媛県副知事の挨拶でリアス式海岸特有の美しい地形や養殖やみかんの産地であることが紹介された。また笹山誠司・宇和島市副市長は中国語にて「一緒に松山まで頑張りましょう。」とご挨拶。また、トニー・ロー前GIANT社長より四国の魅力、おもてなしの文化などの素晴らしさが味わえたことが伝えられた。
そして宇和島市を代表する産業のひとつである日本のシェアの多くを占めるクラッカー生産。その巨大クラッカーによる号砲で最終日のスタートが切られた。
スタートした直後から、国道56号線を北上する。ここはリアス式海岸の海から一気に切り立つ山々が海に斜面を向けている。みかんの生産地でもあり、その複雑な山々をトンネルが貫く国道、そして登坂が続く。この法華津峠(ほけつとうげ)はその景観が素晴らしく左眼下に広がる海は壮大だ!
峠を下り、西予市に入る。この時には太陽が照りつける夏日となり、暑さのなかをフィードポイントの西予市役所へと向かった。愛媛県南予地区は柑橘の河内晩柑(かわちばんかん)の産地。フィードに並ぶ河内晩柑の剥き実が冷たくて美味しすぎる。
このあと高地でもある西予市宇和の田園地帯に入る。山岳地帯から今度は広大な水田。このコースは変化に富んでおり、全く飽きがこない。青々と茂る稲が左右に広がる一直線の道を進むのは本当に気持ちがいい!すると水田の真ん中に突如高さ5メートルを超える巨大藁マンモスの親子が現れる。これは台湾訪問団も一気にテンションが上がった。
いよいよ瀬戸内海に面する八幡浜市に向う。ここはみかんと共に水産の町でもある。大城一郎・八幡浜市長と同行で八幡浜市入りだ。そしてフィードポイントでもある八幡浜港横の道の駅「みなっと」へ。ここでもみかんジュースとゼリーが喉を潤してくれるが、さらに多種多様なじゃこ天が振舞われた。
道の駅みなっとを出発し瀬戸内海海岸線ルートに向かう。新たなセクションの前には必ず峠越えがあるのも四国一周の特徴。国道378号線に入り瞽女ヶ峠トンネルを抜けると、いきなり標高80mの瀬戸内海側斜面に出て、瀬戸内海を見渡せる。ここから35kmは左に海を見るルート。晴れれば対岸の山口県をはっきり見ながら走ることができる。この日は少し霞のかかる視界だったが、それでも気持ちいい潮騒を感じながら走れた。
国道378号線を北上し大洲市へ。そして長浜支所でフィードポイント。ここでは長浜名物の「志ぐれ」を頂く。甘い長浜志ぐれが疲れた体に染み渡る。その直後、肱川河口にかかる長浜大橋を渡った。この橋は近代化産業遺産に認定された赤く塗られた可動橋。昭和10年につくられ、なんと可動部は今も現役。ツアーのひとつの見どころでもある!
この肱川河口の長浜で昼食。夏の暑さもこの美味しさで乗り切れる。完走まで約50km、ここで中村時広・愛媛県知事が合流し、フィニッシュまでを一緒に走ることに。知事の出迎え伴走は本当にありがたく思う。
国道378号瀬戸内海線もいよいよ終盤、伊予市へと入った隊列は、道の駅としては最後のフィードポイント「日本の夕陽百選」にもあるふたみシーサイド公園に到着。なんとここのじゃこ天はハート型!さすが「恋人の聖地」に認定されているだけある。ここを過ぎるといよいよフィニッシュに向けて内陸に向け瀬戸内海から離れていく。
国道も車線と交通量も増え、いよいよ松山市に突入。今回のゴールは道後温泉本館だが、その2km手前の城山公園を通過した時点で実質的な四国一周を達成!そして迎えたフィニッシュ、松山市の道後温泉本館前ゴールをトニー・ロー前GIANT社長と中村時広・愛媛県知事が並んでブルーラインを歩き、完走者もその後に続いた。
全員が四国一周を果たし、日台両国の島一周の共有する思いがひとつになった瞬間だった。この後、道後温泉本館前ゴールセレモニー特設ステージにて完走者全員に完走証が手渡され、無事松山の地に帰ってきたことを完走者と愛媛県、松山市、道後のみなさんと讃え合った。
このセレモニーの中で中村時広・愛媛県知事はサイクリングアイランド四国構想のキックオフでもあるこの四国一周が成功したことを各自治体と台湾の協力に感謝し、そして自転車新文化が四国四県に伝わるきっかけにもなったと話した。また、トニー・ロー前GIANT社長からは「四国の文化、歴史、食、全てに触れることができ貴重な体験をした。このことを台湾に持ち帰り四国一周を推進する」と挨拶をいただいた。
サイクリングの文化や四国一周という新しいカテゴリーが生まれたこのツアー。台湾・日本共に両国の世界に発信する観光資源PRになったと同時に、両国の絆を深めた大きな一歩となったことは間違いない。
text&photo:Taro.Okamoto
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