2017/07/15(土) - 08:52
世界最大の自転車メーカー、ジャイアントのトップを務めていたトニー・ロー前社長が、自転車の聖地として盛り上がる四国を一周するサイクリングへと挑戦。日台の自転車事情を担うキーマンたちがともに走った「追風騎士」たちの旅をレポートします。
今年の3月、サイクリングを活用した四国全体の地域振興として、愛媛県をスタートとする「四国一周1000キロルート」が発表された。その四国一周サイクリングのPRとして、3月初旬に愛媛県のPR大使が6日間で台湾を一周するPRサイクリングを行った。その最終日のレセプションにてトニー・ロー前ジャイアント社長は四国一周PR団の台湾訪問を受け、この7月に四国一周を宣言。こうして、台湾訪問団の四国一周サイクリングが実現することとなった。
スタート当日の7月4日は台風の影響もあり、あいにくの雨。しかし台湾と日本のサイクリストにとっては関係なく、夏という季節もあって丁度良い気温となった。この日はスタート地点の松山市から今治市のしまなみ海道入り口までを走る約50kmを走ることに。
開会式では中村時広・愛媛県知事による挨拶が行われた。6年前に台湾訪問の際、ジャイアント劉会長と出会い、愛媛県の自転車政策のための基本を学んだ中村県知事。「ファーストステージではしまなみ海道をサイクリストの聖地に、セカンドステージでは愛媛県全体をサイクリング・パラダイスにする。そして今年、サードステージは四国全体をサイクリングアイランドにするキックオフとなった」と伝えた。知事は後半よりサイクリングに合流なのでフィニッシュの感動が楽しみだ。
野志克仁・松山市長はスタートとフィニッシュにこの松山が選ばれたことへの感謝と、最終日には台湾の北投温泉と協定を進める道後温泉でしっかりとお迎えしたいと語った。
そして、トニー・ロー前ジャイアント社長は、6年前に劉会長としまなみ海道を訪れ、当時年間1万人に満たないサイクリスト人口が10万人を超える成長を見てきたこと、10年前には台湾一周も同じく当時2,000人ほどだったが、現在は10万人のサイクリストになってきたこと、四国一周も10万人サイクリストが来るようになればとの思いを伝えた。
最後に、今回のコースコーディネートに携わったジャイアント所属のプロライダーである門田基志選手より1,000kmのコース説明があり、食・人・方言などの違いを楽しんでほしいと案内が。その後、トニー・ロー氏を先頭とする台湾訪問団「追風騎士」と四国一周PR大使の約30名は中村県知事の号砲でスタート。7/10までの7日間四国一周ツアーが始まった。
スタート直後は渋滞気味の松山市街地を走る。雨のおかげで気温は快適だ。中心部から郊外に抜けると広いR196バイパスでさらに走りやすくなる。路側帯にはサイクリングルートを示すブルーラインが引かれるのが愛媛県の道路の特徴だ。
このツアーで最も心強いのは、常にジャイアントトラベル(台湾訪問団)のガイドが常に同行していること。だから、パンク対応をはじめ、メカニカルな不調もすぐに対応してくれる。難しいところはお任せできる台湾のサイクリングツアーの体勢はいつもありがたい。
松山ー今治間のちょうど半分に位置する所にある道の駅ふわりに到着。地元サイクリストも練習に使うルートとなっており、この道の駅のサイクリストの利用率は高い。サイクルスタンドも設置されるビーチのある道の駅だ。この日はさすがに雨のため海水浴客はいないが、いよいよ海岸線ルートという雰囲気がいい。
ここでは一旦休憩、フィードポイントだ。楽しみの松山市よりのおもてなしは、鯛めしおにぎりと紅まどんな入り飲むゼリーがお腹と心を満たしてくれる。柑橘系ゼリーは愛媛県では種類も多くハズレなしの美味しさ。そして瀬戸内海ならではの鯛めし。愛媛県では北と南では鯛めしの種類が違い、いわゆる鯛茶漬け風の南予スタイルに対して、ここ松山では炊き込み鯛めしが振舞われた。
道の駅を過ぎると、ここから今治市までのほとんどは瀬戸内海の海岸線だ。今日は雨模様だが晴れていると瀬戸内海越しに無数の島々と広島県のある本州まで立体的な景色が広がるルートとなっている。このルートは自然な海岸線も残り、港町の雰囲気を感じることができる。
今治市に近づくと海岸線には造船所の施設が増えてくる。沖には新造中のバルク船が多く浮かび、今でもこの街が日本でも屈指の造船都市であることを実感できる。
いよいよ今治市、しまなみ海道入口に近づくとド迫力の来島海峡大橋の橋脚の下を通過する。自動車道本線と自転車道、原付道とそれぞれに複雑に絡みつく橋の下を昼食地点の今治市サイクリングターミナル サンライズ糸山に向けて登る。サンライズ糸山では今治市のお出迎え。台風の影響も大きく、この日のサイクリングセクションはここで終了となった。昼食後はバスで今治駅にあるジャイアントストア今治を訪問した後、宿泊地の香川県善通寺に移動した。
愛媛県松山市を0kmの出発地として7日間1,000kmの四国一周。このツアーがこれからの四国サイクリングを変えていく展望が見える初日。台湾一周と四国一周の深い絆を感じる1日だった。
text&photo:Taro.OKAMOTO
今年の3月、サイクリングを活用した四国全体の地域振興として、愛媛県をスタートとする「四国一周1000キロルート」が発表された。その四国一周サイクリングのPRとして、3月初旬に愛媛県のPR大使が6日間で台湾を一周するPRサイクリングを行った。その最終日のレセプションにてトニー・ロー前ジャイアント社長は四国一周PR団の台湾訪問を受け、この7月に四国一周を宣言。こうして、台湾訪問団の四国一周サイクリングが実現することとなった。
スタート当日の7月4日は台風の影響もあり、あいにくの雨。しかし台湾と日本のサイクリストにとっては関係なく、夏という季節もあって丁度良い気温となった。この日はスタート地点の松山市から今治市のしまなみ海道入り口までを走る約50kmを走ることに。
開会式では中村時広・愛媛県知事による挨拶が行われた。6年前に台湾訪問の際、ジャイアント劉会長と出会い、愛媛県の自転車政策のための基本を学んだ中村県知事。「ファーストステージではしまなみ海道をサイクリストの聖地に、セカンドステージでは愛媛県全体をサイクリング・パラダイスにする。そして今年、サードステージは四国全体をサイクリングアイランドにするキックオフとなった」と伝えた。知事は後半よりサイクリングに合流なのでフィニッシュの感動が楽しみだ。
野志克仁・松山市長はスタートとフィニッシュにこの松山が選ばれたことへの感謝と、最終日には台湾の北投温泉と協定を進める道後温泉でしっかりとお迎えしたいと語った。
そして、トニー・ロー前ジャイアント社長は、6年前に劉会長としまなみ海道を訪れ、当時年間1万人に満たないサイクリスト人口が10万人を超える成長を見てきたこと、10年前には台湾一周も同じく当時2,000人ほどだったが、現在は10万人のサイクリストになってきたこと、四国一周も10万人サイクリストが来るようになればとの思いを伝えた。
最後に、今回のコースコーディネートに携わったジャイアント所属のプロライダーである門田基志選手より1,000kmのコース説明があり、食・人・方言などの違いを楽しんでほしいと案内が。その後、トニー・ロー氏を先頭とする台湾訪問団「追風騎士」と四国一周PR大使の約30名は中村県知事の号砲でスタート。7/10までの7日間四国一周ツアーが始まった。
スタート直後は渋滞気味の松山市街地を走る。雨のおかげで気温は快適だ。中心部から郊外に抜けると広いR196バイパスでさらに走りやすくなる。路側帯にはサイクリングルートを示すブルーラインが引かれるのが愛媛県の道路の特徴だ。
このツアーで最も心強いのは、常にジャイアントトラベル(台湾訪問団)のガイドが常に同行していること。だから、パンク対応をはじめ、メカニカルな不調もすぐに対応してくれる。難しいところはお任せできる台湾のサイクリングツアーの体勢はいつもありがたい。
松山ー今治間のちょうど半分に位置する所にある道の駅ふわりに到着。地元サイクリストも練習に使うルートとなっており、この道の駅のサイクリストの利用率は高い。サイクルスタンドも設置されるビーチのある道の駅だ。この日はさすがに雨のため海水浴客はいないが、いよいよ海岸線ルートという雰囲気がいい。
ここでは一旦休憩、フィードポイントだ。楽しみの松山市よりのおもてなしは、鯛めしおにぎりと紅まどんな入り飲むゼリーがお腹と心を満たしてくれる。柑橘系ゼリーは愛媛県では種類も多くハズレなしの美味しさ。そして瀬戸内海ならではの鯛めし。愛媛県では北と南では鯛めしの種類が違い、いわゆる鯛茶漬け風の南予スタイルに対して、ここ松山では炊き込み鯛めしが振舞われた。
道の駅を過ぎると、ここから今治市までのほとんどは瀬戸内海の海岸線だ。今日は雨模様だが晴れていると瀬戸内海越しに無数の島々と広島県のある本州まで立体的な景色が広がるルートとなっている。このルートは自然な海岸線も残り、港町の雰囲気を感じることができる。
今治市に近づくと海岸線には造船所の施設が増えてくる。沖には新造中のバルク船が多く浮かび、今でもこの街が日本でも屈指の造船都市であることを実感できる。
いよいよ今治市、しまなみ海道入口に近づくとド迫力の来島海峡大橋の橋脚の下を通過する。自動車道本線と自転車道、原付道とそれぞれに複雑に絡みつく橋の下を昼食地点の今治市サイクリングターミナル サンライズ糸山に向けて登る。サンライズ糸山では今治市のお出迎え。台風の影響も大きく、この日のサイクリングセクションはここで終了となった。昼食後はバスで今治駅にあるジャイアントストア今治を訪問した後、宿泊地の香川県善通寺に移動した。
愛媛県松山市を0kmの出発地として7日間1,000kmの四国一周。このツアーがこれからの四国サイクリングを変えていく展望が見える初日。台湾一周と四国一周の深い絆を感じる1日だった。
text&photo:Taro.OKAMOTO
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