2017/05/27(土) - 09:05
5月6日(土)、東京都大田区のプロショップ「SNEL」に15名のリドレーオーナーが集まり、多摩地区ライドを楽しんだ。いつも1人でサイクリングしているヘタレことフジワラは、グループライドの楽しさに気がついたようです。
突然だが、この記事を開いた皆さんは、サイクリングは単独行動派だろうか、グループライド派だろうか。私、ヘタレことフジワラは、一人ぼっちでサイクリングに出かけることが多い。「寝坊した。今日は軽く狭山湖ダートを流すかな」「都民の森までのヒルクライムと意気込んだけど、調子が優れないから入山峠を落とし所にするか」など、フラフラっとその場で決断できるのはおひとり様のメリットだ。
友だちがいない、コミュニケーションが下手くそという意見は受け付けない。友だちはいるはずだし、人とのコミュニケーションもとれているはず。いや、確かに会話をつなぐことは苦手かもしれないが、人に気を使うことの方が苦手なのだ。だから私は1人でサイクリングに出かける。
単独行動が好き!といっても、強がりは長く保てないのも事実である。1人で走っていると「ああ、なんで1人で走っているのだろう」とひとりごちるのは定番イベントとなっている。寂しい気持ちを自覚したら最後、ライドのモチベーションは沼の底まで沈下してしまうので、「あー楽しいなー」と大声を張り上げテンションを維持することも恒例行事だ。それでも寂しくなってしまうのは最悪なケース。ライド後もテンションがあがらず1ヶ月以上、自転車に乗らないということはざらにある。
4月もやる気スイッチが見当たらないまま、サイクリストが最もアクティブになるゴールデンウィークを迎えようとしていた。もちろんサイクリングの予定はない。そんな時、一本の電話が私に届いた。受話器の向こうから聞こえてきた声の主は、ジェイピースポーツグループの織田さん。内容はリドレーユーザー限定サイクリング会へのお誘いだ。
このサイクリング会は部屋に引きこもり続ける私が、屋外へ一歩踏み出すための理由としては十分だった。「初対面の人達とサイクリングしても上手く話すことはできないだろう」という考えも頭をよぎったが、ええいと勇気を振り絞り、参加を決める。
朝8時の段階でアームカバーなんて必要ないほど暖かい空気に包まれた当日、集合場所となる東京都大田区のプロショップ「SNEL」に続々と参加者たちが集まってくる。リドレージャパンのLINE告知で集まったのは総勢で15名。なかなかの大所帯だ。
挨拶やら集合写真撮影などを済ませると、いよいよサイクリング会がはじまる。今回は多摩川河口から直線距離5kmにあるSNELをスタートし、多摩川を遡上、南多摩尾根幹線の終点で折り返し、SNELに帰着するという距離88kmのルートを行く。
SNELを出発すると、5分もしないうちに多摩川サイクリングロード(多摩サイ)に合流する。この日は、太陽の光がさんさんと降り注ぐ快晴、肌にじわりと汗が滲むほど気温は高まり、少し走ると体を冷やしてくれる心地よい風が吹く、まさにサイクリング日和という言葉がピッタリ当てはまるような気候である。
体を包む空気に加えて、圧倒的な川幅の多摩川が光を反射しキラキラと輝く様、青空と新緑が映える街路樹とのカラーコントラスト、視界を遮る高層ビルが少なく開けた空など、目に飛び込んでくるもの全てが、サイクリングを歓迎してくれているかのよう。野球場で「バッチコーイ!」と元気に叫び、白球を追いかける小僧たちが気持ちよさそうに野球を楽しんでいる姿が目に入るのもなんとも気持ちがいい。
いつもなら「あー気持ち良いなー」とボソッとこぼすだけだが、今回は独り言を呟いたつもりでも「そうですね」と言葉が返ってくる。1人ではないという安心感なのか定かではないが、心の充実度がいつもの倍以上ある気がする。
ゴールデンウィーク大詰めの土曜日であるためか、多摩サイはランナー、散歩する人で大混雑。普段の多摩サイを知らない私からすると非常に驚きの光景だ。大人数で自転車走行すると周りの人に恐怖を与えるということで、少人数にわかれて休憩ポイントを目指すことに。
安全性を確保するために追い越しするときは減速し、対向車が来ていないか確認してから。もし対向から自転車やランナー、歩行者が来ていれば、無理な追い越しをせずに一時停止も視野に入れる。多摩サイを気持ちよくシェアできるように考え実践しながら走っていると、グループから離れてしまうこともしばしば。慌てて追いかけずに、仲間が先で待ってくれていることを信じ、ペダルを回すだけ。
休憩ポイントで合流する際に手を挙げて、招いてくれる仲間たちがいるのも嬉しい。ブリーフィングに参加するだけでも、仲間意識がグッと高めてくれる。1人ならば黙ってコンビニに入り、携帯電話でこの先のルートを確認するだけの味気ない作業だ。ヒトが集まるだけで、ライドを彩ってくれるのは盲点であった。
多摩サイを離れた我々は、多摩地区のサイクリストならばお馴染みの連光寺坂を越え、聖蹟桜ヶ丘のいろは坂を登坂。かの有名なジブリ映画「耳をすませば」で主人公の月島雫を自転車の荷台に乗せながら、いろは坂を登った天沢聖司の剛脚ぶりに感動するのは、ここを訪れたサイクリストの定番行事だ。坂を上り詰めたところにある洋菓子屋「ノア」では、リドレーNOAHに乗るライダーならば記念撮影したい。今回もNOAHオーナーがいたため、記念に1枚!
"耳すま"の聖地巡礼を済ませた後、多摩境近くのうどん屋でお昼休憩をとる頃には、参加者とも打ち解け気軽なサイクリングトークを繰り広げられるように。出発前に感じていた会話できるか、仲間になれるかという不安が嘘のようだ。
一度会話の華が咲くと止まるところを知らず、帰路も信号ストップのたびにお喋りしながらワイワイと賑やかに。気分を良くした私は皆さんに"シクロワイアード撮り"を提案。貴重な時間を頂き撮影会を行い、サイクリング会はお開きに。
なぜグループライドを開催したのかジェイピースポーツグループの川滝社長は「自転車仲間とつながりたいというSNSの書き込みを目にするようになってきて、ディストリビューターの我々もサイクリングを通じて仲間づくりのお手伝いしたいなという気持ちからはじめました。実は京都でもすでに開催しており、今年中に名古屋や東北でも開催し、自転車仲間を増やしていきたいなと考えています。」と言う。
1人でタイムを追求したり、新しい景色の発見をしたりするのもサイクリングの楽しみだが、複数人で一緒に走ると単独行動とは違った楽しみ方を見つけられるとも川滝社長は語る。実際に今回のライドでは短い距離、雄大な景色がなくとも十分に楽しむことができた。
今、私は特定のショップにお世話になること無く、1人でライドを完結させることが多い。毎回ルートに組み込む道は、何度も何度も通過したからか色褪せて見えいる。きっと仲間と一緒に走ることで、サイクリングに彩りが戻ってくるはずだ。今度、勇気振り絞ってショップのライドに参加してみよっと。
text&photo:Gakuto"ヘタレ"Fujiwara
誌面では乗せきれなかった「あなたの愛車見せてください」風写真はこちらのリンクより
突然だが、この記事を開いた皆さんは、サイクリングは単独行動派だろうか、グループライド派だろうか。私、ヘタレことフジワラは、一人ぼっちでサイクリングに出かけることが多い。「寝坊した。今日は軽く狭山湖ダートを流すかな」「都民の森までのヒルクライムと意気込んだけど、調子が優れないから入山峠を落とし所にするか」など、フラフラっとその場で決断できるのはおひとり様のメリットだ。
友だちがいない、コミュニケーションが下手くそという意見は受け付けない。友だちはいるはずだし、人とのコミュニケーションもとれているはず。いや、確かに会話をつなぐことは苦手かもしれないが、人に気を使うことの方が苦手なのだ。だから私は1人でサイクリングに出かける。
単独行動が好き!といっても、強がりは長く保てないのも事実である。1人で走っていると「ああ、なんで1人で走っているのだろう」とひとりごちるのは定番イベントとなっている。寂しい気持ちを自覚したら最後、ライドのモチベーションは沼の底まで沈下してしまうので、「あー楽しいなー」と大声を張り上げテンションを維持することも恒例行事だ。それでも寂しくなってしまうのは最悪なケース。ライド後もテンションがあがらず1ヶ月以上、自転車に乗らないということはざらにある。
4月もやる気スイッチが見当たらないまま、サイクリストが最もアクティブになるゴールデンウィークを迎えようとしていた。もちろんサイクリングの予定はない。そんな時、一本の電話が私に届いた。受話器の向こうから聞こえてきた声の主は、ジェイピースポーツグループの織田さん。内容はリドレーユーザー限定サイクリング会へのお誘いだ。
このサイクリング会は部屋に引きこもり続ける私が、屋外へ一歩踏み出すための理由としては十分だった。「初対面の人達とサイクリングしても上手く話すことはできないだろう」という考えも頭をよぎったが、ええいと勇気を振り絞り、参加を決める。
朝8時の段階でアームカバーなんて必要ないほど暖かい空気に包まれた当日、集合場所となる東京都大田区のプロショップ「SNEL」に続々と参加者たちが集まってくる。リドレージャパンのLINE告知で集まったのは総勢で15名。なかなかの大所帯だ。
挨拶やら集合写真撮影などを済ませると、いよいよサイクリング会がはじまる。今回は多摩川河口から直線距離5kmにあるSNELをスタートし、多摩川を遡上、南多摩尾根幹線の終点で折り返し、SNELに帰着するという距離88kmのルートを行く。
SNELを出発すると、5分もしないうちに多摩川サイクリングロード(多摩サイ)に合流する。この日は、太陽の光がさんさんと降り注ぐ快晴、肌にじわりと汗が滲むほど気温は高まり、少し走ると体を冷やしてくれる心地よい風が吹く、まさにサイクリング日和という言葉がピッタリ当てはまるような気候である。
体を包む空気に加えて、圧倒的な川幅の多摩川が光を反射しキラキラと輝く様、青空と新緑が映える街路樹とのカラーコントラスト、視界を遮る高層ビルが少なく開けた空など、目に飛び込んでくるもの全てが、サイクリングを歓迎してくれているかのよう。野球場で「バッチコーイ!」と元気に叫び、白球を追いかける小僧たちが気持ちよさそうに野球を楽しんでいる姿が目に入るのもなんとも気持ちがいい。
いつもなら「あー気持ち良いなー」とボソッとこぼすだけだが、今回は独り言を呟いたつもりでも「そうですね」と言葉が返ってくる。1人ではないという安心感なのか定かではないが、心の充実度がいつもの倍以上ある気がする。
ゴールデンウィーク大詰めの土曜日であるためか、多摩サイはランナー、散歩する人で大混雑。普段の多摩サイを知らない私からすると非常に驚きの光景だ。大人数で自転車走行すると周りの人に恐怖を与えるということで、少人数にわかれて休憩ポイントを目指すことに。
安全性を確保するために追い越しするときは減速し、対向車が来ていないか確認してから。もし対向から自転車やランナー、歩行者が来ていれば、無理な追い越しをせずに一時停止も視野に入れる。多摩サイを気持ちよくシェアできるように考え実践しながら走っていると、グループから離れてしまうこともしばしば。慌てて追いかけずに、仲間が先で待ってくれていることを信じ、ペダルを回すだけ。
休憩ポイントで合流する際に手を挙げて、招いてくれる仲間たちがいるのも嬉しい。ブリーフィングに参加するだけでも、仲間意識がグッと高めてくれる。1人ならば黙ってコンビニに入り、携帯電話でこの先のルートを確認するだけの味気ない作業だ。ヒトが集まるだけで、ライドを彩ってくれるのは盲点であった。
多摩サイを離れた我々は、多摩地区のサイクリストならばお馴染みの連光寺坂を越え、聖蹟桜ヶ丘のいろは坂を登坂。かの有名なジブリ映画「耳をすませば」で主人公の月島雫を自転車の荷台に乗せながら、いろは坂を登った天沢聖司の剛脚ぶりに感動するのは、ここを訪れたサイクリストの定番行事だ。坂を上り詰めたところにある洋菓子屋「ノア」では、リドレーNOAHに乗るライダーならば記念撮影したい。今回もNOAHオーナーがいたため、記念に1枚!
"耳すま"の聖地巡礼を済ませた後、多摩境近くのうどん屋でお昼休憩をとる頃には、参加者とも打ち解け気軽なサイクリングトークを繰り広げられるように。出発前に感じていた会話できるか、仲間になれるかという不安が嘘のようだ。
一度会話の華が咲くと止まるところを知らず、帰路も信号ストップのたびにお喋りしながらワイワイと賑やかに。気分を良くした私は皆さんに"シクロワイアード撮り"を提案。貴重な時間を頂き撮影会を行い、サイクリング会はお開きに。
なぜグループライドを開催したのかジェイピースポーツグループの川滝社長は「自転車仲間とつながりたいというSNSの書き込みを目にするようになってきて、ディストリビューターの我々もサイクリングを通じて仲間づくりのお手伝いしたいなという気持ちからはじめました。実は京都でもすでに開催しており、今年中に名古屋や東北でも開催し、自転車仲間を増やしていきたいなと考えています。」と言う。
1人でタイムを追求したり、新しい景色の発見をしたりするのもサイクリングの楽しみだが、複数人で一緒に走ると単独行動とは違った楽しみ方を見つけられるとも川滝社長は語る。実際に今回のライドでは短い距離、雄大な景色がなくとも十分に楽しむことができた。
今、私は特定のショップにお世話になること無く、1人でライドを完結させることが多い。毎回ルートに組み込む道は、何度も何度も通過したからか色褪せて見えいる。きっと仲間と一緒に走ることで、サイクリングに彩りが戻ってくるはずだ。今度、勇気振り絞ってショップのライドに参加してみよっと。
text&photo:Gakuto"ヘタレ"Fujiwara
誌面では乗せきれなかった「あなたの愛車見せてください」風写真はこちらのリンクより
Amazon.co.jp