2017/04/01(土) - 09:05
「ファッション+バイシクル」をコンセプトにアパレルを展開するナリフリの旗艦店が、恵比寿から東京都渋谷区千駄ヶ谷に移転。4月1日より営業を開始する。オープン前日に行われたレセプションパーティーでお披露目されたフラッグシップストア「narifuri tokyo」を紹介しよう。
2007年に東京都渋谷区で立ち上げられたアパレルブランド「ナリフリ」のことをご存知だろうか。シティ系のサイクリングアパレルはここ近年で多くのブランドが参入する人気のカテゴリーだが、「ナリフリ」はいちはやくファッションと自転車を結びつけ、サイクルウェアとしての機能を持たせたスーツやカジュアルウェアを世の中に送り出してきたアーバンライド用ウェアのパイオニアと言える存在だ。
ブランドのコンセプトはfashion+bicycle。「ナリフリというブランドは、我々自身が街乗りする時に着用したいと思えるデザインと機能性を持つアパレルを作ったことから始まるブランドです。過剰な機能は削り、必要な機能だけを盛り込むことで、街をフィールドとしたサイクリングの時に真価を発揮するアパレルを目指しています。」と語るのはブランドマネージャーの田原さん。ナリフリのアパレルは一見しただけではサイクリングウェアとしての要素を見つけられないほど普段着寄りのデザインに仕立てられている。
ナリフリ創設当時に開発された製品は、現在もブランドの主力製品である「テックカジュアル」。パーカーやウィンドブレーカーなど街中へ遊びに行けるカジュアルなルックスながら自転車的要素が隠されたトップスなど、自転車と日常生活をシームレスに結びつけてくれるウェアが豊富に揃うシリーズだ。
ファッションと自転車の共存を目指すナリフリは、カジュアルウェアだけにとどまらず、フォーマルラインの「Extreme Commute」も用意。スポーツバイク特有の前傾姿勢に適したパネリングやベンチレーションを違和感なく落とし込んだジャケットなど、ビジネスシーンにもマッチするアパレルを揃えている。近年では、サイクルジャージ「ナリフリ・スポーツ」も手掛けはじめ、より多くのサイクリストが自転車と同時にファッションを楽しめるようになっている。
そして、ブランド立ち上げから10周年を迎える2017年、ナリフリは大きな一歩を踏み出す。JR渋谷駅と恵比寿駅の中間に構えていたフラッグシップショップをファッションの中心地である原宿へ移転させることになった。自転車乗りの目線で見るとしたら多くのスポーツバイク関係のショップや企業が集まる千駄ヶ谷エリアの一角だ。
JR原宿駅から東京メトロ副都心線の北参道駅方面へ徒歩で約7分、明治神宮外苑エリアからならば千駄ヶ谷トンネルを抜け約5分。明治通りと外苑西通りを結ぶ道路の交差点に"新"narifuri tokyoは構えられた。JRや東京メトロといった電車でのアクセスはもちろん、自転車でのアクセスも非常に良好で、気軽に足を運びやすい。
表参道や竹下通りの喧騒を抜け出した千駄ヶ谷小学校正面にnarifuri tokyoはある。1階には恵比寿時代と同様に自転車やアクセサリー販売、メカニック作業を行うショップ「チャリフリ」とラウンジスペースが広がる。店舗奥のメカニックブースまで足を運ぶと、ナリフリとブリヂストンサイクルがコラボレーションしたバイクブランド「HELMZ」やチャリフリ・スタッフ選りすぐりパーツが現れる。
こじんまりとしたメカニックスペースには、ノグやブルックスなどメジャーブランドから、PDWなど聞きなれないブランドまでが並べられている。もちろんルックスが良いものばかり集められているため、商品棚を眺めているだけでも面白い。「チャリフリは元々、ナリフリとブリヂストンサイクルがコラボした自転車HELMZ専門店でした。ですので、パーツはHELMZに似合う、見栄えがするものをセレクトしています」とスタッフの福永さん。
福永さんは「今までナリフリとチャリフリはそれぞれの屋号を使っていましたが、新店舗になるにあたり屋号を2つまとめてnarifuri tokyoと一括りにしました。ファッションブランド・ナリフリとサイクルショップチャリフリが、それぞれ異なるジャンルの情報を発信するのではなく、一体となって洋服と自転車をトータルで発信しようと考えています。これからは来店する方がfashion+bicycleを体感できるようなショップを目指していきたいです。」と語る。
narifuri tokyoとオープンと同時に開始されたレンタサイクル「EASY RIDE TOKYO」にも注目したい。貸し出される自転車はHELMZや小径車Birdy。レンタサイクルといえば軽快車が中心のサービスが多いなかにあって、ナリフリが提案するスタイルで東京の街並みを駆け回ることが可能となる。所謂”スポーツバイク”的な乗り方をするのであれば東京は決して走りやすい場所とは言えないが、ナリフリの考えるアーバンライドの世界を味わうにはこれ以上ないロケーションだ。
「東京に遊びに来る観光客の方はもちろん、普段は徒歩で東京の街を巡る方にもぜひ利用していただきたいです。自転車で走ることで見慣れた街でも新たな発見があるかもしれません。スタッフが見どころやルートを英語で説明することもできるため、来日した外国人の方を案内したい人にもおすすめしたいです」とはブランドマネージャーの田原さん。
また、新しいnarifuri tokyoにはラウンジスペースが設けられており、依頼したメンテナンス作業を待つ間や、新しい自転車やパーツを選ぶ時に、腰を落ち着かせて会話の華を咲かせながらショッピングを楽しむこともできるようになっている。
1階はチャリフリとしナリフリユーザーでなくとも気軽に立ち寄れるサイクルショップとなる一方、2階がナリフリブランドのラインアップが広がるアパレルスペースとなっている。階段を上がると、気持ちを落ち着かせてくれるような香りとともにアパレルが迎えてくれる。
ライフスタイルの一部として自転車に乗る方が毎日着ることができるアパレル、スポーツとして自転車で遊ぶ方がファッションも楽しむためのアパレルを用意するナリフリの世界観を感じ取ることができる空間だ。ベンチも用意されているため、のんびりとアパレルを選べるようになっている。もちろん店舗では細部にこだわり作り上げられたアパレルを手に取り、試着することも可能だ。
Extreme Commuteのアパレルは、テックカジュアルとは一線を画するスペースに並べられる。このシリーズ専用の試着室、全身をくまなく確認できる姿見鏡が用意されており、まさに紳士服を取り扱うストアのように演出されている。
新店舗オープンの前日、ナリフリはファッション、サイクリングに携わる人々を集めたオープニングパーティーを開催。埼玉県浦和市で手焼きせんべいを販売する「三代目満作」が火鉢を持ち込み、その場でせんべいを焼き、提供するというユニークなセレモニーに仕立てられていた。
原宿の喧騒から外れた交差点にあるnarifui tokyoに続々と人が集まり、至る所でせんべいとビールを片手に会話が盛り上がる中、ブランドマネージャーの田原さんにショップ移転の経緯、新店舗に期待することやブランドのこれからのことを聞くことができた。
「ナリフリの現状を考えた時にコンセプトの片翼であるバイシクル部分のアピールが薄くなっていることに気が付きました。創業10周年という節目の年に改めて自転車に力を入れることで、fashion+bicycleというコンセプトをアピールし直そうと決めたことが、店舗移転のキッカケでした」と田原ブランドマネージャー。
「コンセプトをアピールするためのコンテンツ案は店舗移転の他にもいくつかありました。その中で、偶然にもファッションの中心地・原宿、自転車関連ショップが集まる千駄ヶ谷の中間地点に位置する場所に巡り会えたことが、店舗移転を決定づけましたね。これからはレンタルサイクル事業も開始し、ファッションとバイシクルのハブになれるような店舗を目指します。そして、我々が提案するコンセプトと街が共存できるような新たなステージを発見したいと思います」と語る。
生活において欠かせない衣食住の衣服と趣味の自転車をつなぎ合わせてくれるアパレルによって、自転車のあるライフスタイルを提案するナリフリだからこそ生み出せる自転車文化もあるはずだ。ファッションの中心地・原宿と、自転車関連ストアや企業が集まる千駄ヶ谷エリアの交点に現れた、ナリフリの今後に注目したい。
narifuri tokyo
住所:東京都渋谷区千駄ヶ谷3-52-1 クロスサイドビル1、2F
電話番号:03-3403-3007
営業時間:12:00~20:00(定休日:月曜)
text&photo:Gakuto.Fujiwara
photo:narifuri
2007年に東京都渋谷区で立ち上げられたアパレルブランド「ナリフリ」のことをご存知だろうか。シティ系のサイクリングアパレルはここ近年で多くのブランドが参入する人気のカテゴリーだが、「ナリフリ」はいちはやくファッションと自転車を結びつけ、サイクルウェアとしての機能を持たせたスーツやカジュアルウェアを世の中に送り出してきたアーバンライド用ウェアのパイオニアと言える存在だ。
ブランドのコンセプトはfashion+bicycle。「ナリフリというブランドは、我々自身が街乗りする時に着用したいと思えるデザインと機能性を持つアパレルを作ったことから始まるブランドです。過剰な機能は削り、必要な機能だけを盛り込むことで、街をフィールドとしたサイクリングの時に真価を発揮するアパレルを目指しています。」と語るのはブランドマネージャーの田原さん。ナリフリのアパレルは一見しただけではサイクリングウェアとしての要素を見つけられないほど普段着寄りのデザインに仕立てられている。
ナリフリ創設当時に開発された製品は、現在もブランドの主力製品である「テックカジュアル」。パーカーやウィンドブレーカーなど街中へ遊びに行けるカジュアルなルックスながら自転車的要素が隠されたトップスなど、自転車と日常生活をシームレスに結びつけてくれるウェアが豊富に揃うシリーズだ。
ファッションと自転車の共存を目指すナリフリは、カジュアルウェアだけにとどまらず、フォーマルラインの「Extreme Commute」も用意。スポーツバイク特有の前傾姿勢に適したパネリングやベンチレーションを違和感なく落とし込んだジャケットなど、ビジネスシーンにもマッチするアパレルを揃えている。近年では、サイクルジャージ「ナリフリ・スポーツ」も手掛けはじめ、より多くのサイクリストが自転車と同時にファッションを楽しめるようになっている。
そして、ブランド立ち上げから10周年を迎える2017年、ナリフリは大きな一歩を踏み出す。JR渋谷駅と恵比寿駅の中間に構えていたフラッグシップショップをファッションの中心地である原宿へ移転させることになった。自転車乗りの目線で見るとしたら多くのスポーツバイク関係のショップや企業が集まる千駄ヶ谷エリアの一角だ。
JR原宿駅から東京メトロ副都心線の北参道駅方面へ徒歩で約7分、明治神宮外苑エリアからならば千駄ヶ谷トンネルを抜け約5分。明治通りと外苑西通りを結ぶ道路の交差点に"新"narifuri tokyoは構えられた。JRや東京メトロといった電車でのアクセスはもちろん、自転車でのアクセスも非常に良好で、気軽に足を運びやすい。
表参道や竹下通りの喧騒を抜け出した千駄ヶ谷小学校正面にnarifuri tokyoはある。1階には恵比寿時代と同様に自転車やアクセサリー販売、メカニック作業を行うショップ「チャリフリ」とラウンジスペースが広がる。店舗奥のメカニックブースまで足を運ぶと、ナリフリとブリヂストンサイクルがコラボレーションしたバイクブランド「HELMZ」やチャリフリ・スタッフ選りすぐりパーツが現れる。
こじんまりとしたメカニックスペースには、ノグやブルックスなどメジャーブランドから、PDWなど聞きなれないブランドまでが並べられている。もちろんルックスが良いものばかり集められているため、商品棚を眺めているだけでも面白い。「チャリフリは元々、ナリフリとブリヂストンサイクルがコラボした自転車HELMZ専門店でした。ですので、パーツはHELMZに似合う、見栄えがするものをセレクトしています」とスタッフの福永さん。
福永さんは「今までナリフリとチャリフリはそれぞれの屋号を使っていましたが、新店舗になるにあたり屋号を2つまとめてnarifuri tokyoと一括りにしました。ファッションブランド・ナリフリとサイクルショップチャリフリが、それぞれ異なるジャンルの情報を発信するのではなく、一体となって洋服と自転車をトータルで発信しようと考えています。これからは来店する方がfashion+bicycleを体感できるようなショップを目指していきたいです。」と語る。
narifuri tokyoとオープンと同時に開始されたレンタサイクル「EASY RIDE TOKYO」にも注目したい。貸し出される自転車はHELMZや小径車Birdy。レンタサイクルといえば軽快車が中心のサービスが多いなかにあって、ナリフリが提案するスタイルで東京の街並みを駆け回ることが可能となる。所謂”スポーツバイク”的な乗り方をするのであれば東京は決して走りやすい場所とは言えないが、ナリフリの考えるアーバンライドの世界を味わうにはこれ以上ないロケーションだ。
「東京に遊びに来る観光客の方はもちろん、普段は徒歩で東京の街を巡る方にもぜひ利用していただきたいです。自転車で走ることで見慣れた街でも新たな発見があるかもしれません。スタッフが見どころやルートを英語で説明することもできるため、来日した外国人の方を案内したい人にもおすすめしたいです」とはブランドマネージャーの田原さん。
また、新しいnarifuri tokyoにはラウンジスペースが設けられており、依頼したメンテナンス作業を待つ間や、新しい自転車やパーツを選ぶ時に、腰を落ち着かせて会話の華を咲かせながらショッピングを楽しむこともできるようになっている。
1階はチャリフリとしナリフリユーザーでなくとも気軽に立ち寄れるサイクルショップとなる一方、2階がナリフリブランドのラインアップが広がるアパレルスペースとなっている。階段を上がると、気持ちを落ち着かせてくれるような香りとともにアパレルが迎えてくれる。
ライフスタイルの一部として自転車に乗る方が毎日着ることができるアパレル、スポーツとして自転車で遊ぶ方がファッションも楽しむためのアパレルを用意するナリフリの世界観を感じ取ることができる空間だ。ベンチも用意されているため、のんびりとアパレルを選べるようになっている。もちろん店舗では細部にこだわり作り上げられたアパレルを手に取り、試着することも可能だ。
Extreme Commuteのアパレルは、テックカジュアルとは一線を画するスペースに並べられる。このシリーズ専用の試着室、全身をくまなく確認できる姿見鏡が用意されており、まさに紳士服を取り扱うストアのように演出されている。
新店舗オープンの前日、ナリフリはファッション、サイクリングに携わる人々を集めたオープニングパーティーを開催。埼玉県浦和市で手焼きせんべいを販売する「三代目満作」が火鉢を持ち込み、その場でせんべいを焼き、提供するというユニークなセレモニーに仕立てられていた。
原宿の喧騒から外れた交差点にあるnarifui tokyoに続々と人が集まり、至る所でせんべいとビールを片手に会話が盛り上がる中、ブランドマネージャーの田原さんにショップ移転の経緯、新店舗に期待することやブランドのこれからのことを聞くことができた。
「ナリフリの現状を考えた時にコンセプトの片翼であるバイシクル部分のアピールが薄くなっていることに気が付きました。創業10周年という節目の年に改めて自転車に力を入れることで、fashion+bicycleというコンセプトをアピールし直そうと決めたことが、店舗移転のキッカケでした」と田原ブランドマネージャー。
「コンセプトをアピールするためのコンテンツ案は店舗移転の他にもいくつかありました。その中で、偶然にもファッションの中心地・原宿、自転車関連ショップが集まる千駄ヶ谷の中間地点に位置する場所に巡り会えたことが、店舗移転を決定づけましたね。これからはレンタルサイクル事業も開始し、ファッションとバイシクルのハブになれるような店舗を目指します。そして、我々が提案するコンセプトと街が共存できるような新たなステージを発見したいと思います」と語る。
生活において欠かせない衣食住の衣服と趣味の自転車をつなぎ合わせてくれるアパレルによって、自転車のあるライフスタイルを提案するナリフリだからこそ生み出せる自転車文化もあるはずだ。ファッションの中心地・原宿と、自転車関連ストアや企業が集まる千駄ヶ谷エリアの交点に現れた、ナリフリの今後に注目したい。
narifuri tokyo
住所:東京都渋谷区千駄ヶ谷3-52-1 クロスサイドビル1、2F
電話番号:03-3403-3007
営業時間:12:00~20:00(定休日:月曜)
text&photo:Gakuto.Fujiwara
photo:narifuri
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