2016/12/19(月) - 09:05
12月の第一週に開催された「秋ヶ瀬の森・バイクロア6」。走るもよし、応援するもよし、ブースのご飯目当てでもよし。シクロクロスレースの楽しさを詰め込んだ、ファンでカルチャーな2日間となりました。
6年目を迎えたバイクロア
シクロクロスレースのゆるーい部分をギュッと濃縮した、アットホームな空気に満ちたバイクロア。東京五輪のカヌー競技会場の候補にも上がった、荒川・彩湖の北側に広がる秋ヶ瀬公園を舞台にした人気シクロクロスイベントだ。
「秋ヶ瀬の森バイクロア6」ということで、今年で6年目を迎えたバイクロア。今では、山梨県の白州や愛媛県の松山城にも進出し、開催する場所それぞれで地元ライダーたちのスマイルを集める人気シリーズへと成長した。
「バイクロアってどんな大会なの?」と言われると、結構これが難しい。少し前の流行語(?)にのっかれば「バイクロアはいいぞ」と答えるのが正解なのかもしれないと思うほど、一つの言葉では語りつくせないのがこのイベントの魅力なのだ。
当日エントリーも可能なのだ
トライアルバイクに乗る子供も
表彰式にはたくさんの人が集まりました
ツリーハウスから応援中
シクロクロスレースがメイン種目になるのだけれど、いわゆる「シクロクロスレース」かと言われると、やっぱり違う。ストイックさはあんまり無くて、むしろお祭りの様な楽しげな雰囲気だけが満ちている。
会場にはDJによって極上のBGMが奏でられ、ブースエリアにはこだわりのコーヒーやクラフトビールを提供するカフェが軒を連ね、木々の間をつなぐハンモックでは子供たちが戯れている。自転車が無くたって満足できそうな、居心地のいい空間へと秋ヶ瀬公園が生まれ変わった2日間に。
でも、やっぱりそこに一本背骨を通すのが、自転車という存在。フジロックに音楽を愛してやまない人々が集まるように、バイクロアに集まるのは一騎当千の自転車フリークたち。一緒に来た仲間はもちろん、初めて会った人とだって、どこか仲間意識が芽生えるのも自転車を愛する同胞だからこそだ。
絹代さんもバイクロア初参加
メイン会場から離れた森の中でも応援する人が
フライオーバーへ走っていきます
そんなバイクロアだが、今年は少し会場を南側へと移し、コースもリニューアル。今年の注目ポイントはシクロクロスの華ともいえるフライオーバーが設けられたこと。人が行き来するど真ん中を跨ぐフライオーバーは、この日一番の観戦スポットに。
土曜日がチーム耐久レースをメインにした日なら、日曜日は個人種目がメインの一日に。といっても、走る仲間を応援する熱量はどちらの日でも変わらない。ジャンプを跳べばどよめき、フライオーバーの階段を乗車で駆けあがれば湧き立ち、こければこけたで励まされ。とにかく何をしたって、何がおきたって、沿道のみんなのリアクションが楽しいのだ。レースとは選手と観客、双方向のコミュニケーションであることを、こんなに強く感じさせてくれるイベントはあっただろうか。
子供たちも真剣勝負
フライオーバーの下りを降りる女の子に応援の声が集まる
ずらりとならぶキッズ達
大人たちが見守る中、スタート
デニムクラススタート前に
デニムの部はみんなのスタイルが出ていて最高です
右腕にはエドウィン!!
左腕にはリーバイス!!
レース初心者のためのファンクラスから、エリートライダーたちの速さが光るファストクラスまで、さらには、子供たちの集まる「キッズロア」なんてスペースも用意されていて、ありとあらゆる自転車LOVER達が楽しめるようになっている。なんなら、友達の応援に来てみたけれどなんか楽しそう!でもシクロクロス未経験だし……、みたいな方でも当日エントリーも出来るので、バイクを友達に借りちゃえばすぐにシクロクロスデビューできてしまう。まさに、シクロクロス沼への入り口にもぴったり。
でも、レースにでなくても楽しめるのがバイクロアでもある。出展エリアには地元埼玉の企業やショップを中心に多くのブランドやフードブース、雑貨店、なんならカスタマイズカーショップまでが並び、眺めてるだけでも時間が過ぎていく。会場隣のキャンプスペースでは火も使えるし、BBQだって大丈夫。なんなら風呂(?)を沸かしているチームだっていたというのだから驚きだ。
所沢のカレー専門店「ネゴンボ33」のラムキーマカレー
荒挽きのソーセージが美味しい
革製品を扱うお店の出展も
フライオーバーではボルダリングもできる、一石二鳥な設計
ハンモックにゆられて過ごす。贅沢な休日
「お風呂どう?気持ちいいよ?」「いらない」素直である
はてさて、そんな極上の空間で過ごしていると、時間が経つのもあっという間。朝から会場にいるハズなのに、いつの間にか再び空は朱色に染まっている。冬の日の短さが恨めしい、なんならちょっと地軸を立て直してほしい、と思うくらいの楽しさが詰まったバイクロアを締めくくるのは、今年ももちろんオウルクラス。
色とりどりの仮装に身を包んだ参加者たちが、あちらこちらから大量に現れる。オーソドックスにメイド服の女の子の横には、白鳥がいたり、ウエイブワンのマスコットキャラクター「うぇいぶにゃん」がいたり、アメリカンチョッパーに乗った歌舞伎役者みたいな何かがいたり。アニメや漫画をモチーフにしたコスプレも沢山で、古くはマリオやデスラー総統から、新しい所ではガルパン、艦これなどなど。
異様な空気漂うオウルクラスの招集エリア
白鳥さんとメイドさん
スタートする様子はまさに現代の百鬼夜行
スタートラインはもはや何がなんだかわからない状態で、ちょっと怖いレベル。子どもが見たら泣きだすんじゃないか、と思っていたけど、ツリーハウスで遊ぶ子ども達は「変なのがいるー」「きもーい」と言いながら笑っている。うん、懐の深さがバイクロアの良い所だ。
夕暮れの光に照らされながら、魑魅魍魎の行列たちがコースを駆け抜けていく。その様子はさながら百鬼夜行。丑三つ時には早すぎるが、そろそろ2日間のバイクロアもクライマックスだ。この日最後の表彰台はマッチ棒とイカ娘を左右に従えた、赤城みりあ(日本、シンデレラプロジェクト)が優勝。みりあもやるー、という積極的なレース展開が功を奏したのではないだろうか(適当)
めっちゃ重そう。
松岡修造ものまね芸人“こにわ”さんが子供をものまねではげましつつ走る
しかしなんといってももっとも注目を集めていたのはコバトン一家でしょう!
オウルクラス表彰式
そんなこんなで、今年も無事に終幕したバイクロア。また来年、バイクロア7で会える日が今から待ち遠しい。会場を後にするみんなの目がそう語り合っているように思えた。
text&photo:Naoki.YASUOKA

シクロクロスレースのゆるーい部分をギュッと濃縮した、アットホームな空気に満ちたバイクロア。東京五輪のカヌー競技会場の候補にも上がった、荒川・彩湖の北側に広がる秋ヶ瀬公園を舞台にした人気シクロクロスイベントだ。
「秋ヶ瀬の森バイクロア6」ということで、今年で6年目を迎えたバイクロア。今では、山梨県の白州や愛媛県の松山城にも進出し、開催する場所それぞれで地元ライダーたちのスマイルを集める人気シリーズへと成長した。
「バイクロアってどんな大会なの?」と言われると、結構これが難しい。少し前の流行語(?)にのっかれば「バイクロアはいいぞ」と答えるのが正解なのかもしれないと思うほど、一つの言葉では語りつくせないのがこのイベントの魅力なのだ。




シクロクロスレースがメイン種目になるのだけれど、いわゆる「シクロクロスレース」かと言われると、やっぱり違う。ストイックさはあんまり無くて、むしろお祭りの様な楽しげな雰囲気だけが満ちている。
会場にはDJによって極上のBGMが奏でられ、ブースエリアにはこだわりのコーヒーやクラフトビールを提供するカフェが軒を連ね、木々の間をつなぐハンモックでは子供たちが戯れている。自転車が無くたって満足できそうな、居心地のいい空間へと秋ヶ瀬公園が生まれ変わった2日間に。
でも、やっぱりそこに一本背骨を通すのが、自転車という存在。フジロックに音楽を愛してやまない人々が集まるように、バイクロアに集まるのは一騎当千の自転車フリークたち。一緒に来た仲間はもちろん、初めて会った人とだって、どこか仲間意識が芽生えるのも自転車を愛する同胞だからこそだ。



そんなバイクロアだが、今年は少し会場を南側へと移し、コースもリニューアル。今年の注目ポイントはシクロクロスの華ともいえるフライオーバーが設けられたこと。人が行き来するど真ん中を跨ぐフライオーバーは、この日一番の観戦スポットに。
土曜日がチーム耐久レースをメインにした日なら、日曜日は個人種目がメインの一日に。といっても、走る仲間を応援する熱量はどちらの日でも変わらない。ジャンプを跳べばどよめき、フライオーバーの階段を乗車で駆けあがれば湧き立ち、こければこけたで励まされ。とにかく何をしたって、何がおきたって、沿道のみんなのリアクションが楽しいのだ。レースとは選手と観客、双方向のコミュニケーションであることを、こんなに強く感じさせてくれるイベントはあっただろうか。








レース初心者のためのファンクラスから、エリートライダーたちの速さが光るファストクラスまで、さらには、子供たちの集まる「キッズロア」なんてスペースも用意されていて、ありとあらゆる自転車LOVER達が楽しめるようになっている。なんなら、友達の応援に来てみたけれどなんか楽しそう!でもシクロクロス未経験だし……、みたいな方でも当日エントリーも出来るので、バイクを友達に借りちゃえばすぐにシクロクロスデビューできてしまう。まさに、シクロクロス沼への入り口にもぴったり。
でも、レースにでなくても楽しめるのがバイクロアでもある。出展エリアには地元埼玉の企業やショップを中心に多くのブランドやフードブース、雑貨店、なんならカスタマイズカーショップまでが並び、眺めてるだけでも時間が過ぎていく。会場隣のキャンプスペースでは火も使えるし、BBQだって大丈夫。なんなら風呂(?)を沸かしているチームだっていたというのだから驚きだ。






はてさて、そんな極上の空間で過ごしていると、時間が経つのもあっという間。朝から会場にいるハズなのに、いつの間にか再び空は朱色に染まっている。冬の日の短さが恨めしい、なんならちょっと地軸を立て直してほしい、と思うくらいの楽しさが詰まったバイクロアを締めくくるのは、今年ももちろんオウルクラス。
色とりどりの仮装に身を包んだ参加者たちが、あちらこちらから大量に現れる。オーソドックスにメイド服の女の子の横には、白鳥がいたり、ウエイブワンのマスコットキャラクター「うぇいぶにゃん」がいたり、アメリカンチョッパーに乗った歌舞伎役者みたいな何かがいたり。アニメや漫画をモチーフにしたコスプレも沢山で、古くはマリオやデスラー総統から、新しい所ではガルパン、艦これなどなど。



スタートラインはもはや何がなんだかわからない状態で、ちょっと怖いレベル。子どもが見たら泣きだすんじゃないか、と思っていたけど、ツリーハウスで遊ぶ子ども達は「変なのがいるー」「きもーい」と言いながら笑っている。うん、懐の深さがバイクロアの良い所だ。
夕暮れの光に照らされながら、魑魅魍魎の行列たちがコースを駆け抜けていく。その様子はさながら百鬼夜行。丑三つ時には早すぎるが、そろそろ2日間のバイクロアもクライマックスだ。この日最後の表彰台はマッチ棒とイカ娘を左右に従えた、赤城みりあ(日本、シンデレラプロジェクト)が優勝。みりあもやるー、という積極的なレース展開が功を奏したのではないだろうか(適当)




そんなこんなで、今年も無事に終幕したバイクロア。また来年、バイクロア7で会える日が今から待ち遠しい。会場を後にするみんなの目がそう語り合っているように思えた。
text&photo:Naoki.YASUOKA
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