2016/02/19(金) - 09:06
自転車用ライトのリーディングブランドとして確固たる存在感を保ちつづける老舗サイクルアクセサリーブランド、キャットアイ。同社のフロントライトシリーズの中でも最も明るい1600ルーメンを照射するVOLT1600を紹介しよう。
これまでも数多くのフロントライトを手がけてきたキャットアイが、フロントライトのフラッグシップをモデルチェンジした。1200ルーメンを照射する「VOLT1200」が、「VOLT1600」となり、より光量を増して新登場した。
1200ルーメンでも十分に明るいが、さらに光量を高めることでナイトライドの安全性を向上させている。光をより遠くへ届けてくれるようになり、目線の先に強い光を当てるだけではなく、周辺までパワフルな光で照らしだしてくれるようになった。ナイトライドにおいて周辺まで明るいことは、周りを視認しやすく、かつ自身の存在を広範囲にアピールできるため、ライドの安心感を高めてくれるはずだ。
レンズはキャットアイのオプティキューブテクノロジーが採用されたため信頼度が高い。なめらかに加工されたレンズを反射して飛び出していく光は、左右満遍なく広がっていく。中央部は最も明るいが白飛びせずに路面をしっかりと照らしだしてくれる。足元も力強い光で照らし出すため、小さなギャップなども見つけやすい。
一方で、VOLT400などに設けられているレンズサイド部分の切り欠きは設けられていない。斜め後ろからも光を確認できるようなVOLT400とは異なるが、車のようにパワフルな光となっているため、見通しの悪い路地でも自分の存在をアピールできているはずだ。
今回のモデルチェンジで搭載されるバッテリーも変更になった。VOLT1200にはLi-ion 3.6V 6200mAhという電池が使用されていたのに対して、VOLT1600はLi-ion 3.6V 6800mAhと容量が大きいバッテリーが搭載された。これによって明るさが増しながらもランタイムを従来モデルに近づけることに成功している。ハイで約2時間、ミドルで約5時間、ローで約15時間、ハイパーコンスタントで約12時間、点滅で100時間だ。
充電はボディ下部に設けられたMicroUSBポートから行う。本体内に急速充電回路が内蔵されたことによって、1A以上の入力で約8時間で充電が可能となっている。0.5Aでの入力では約14時間だ。バッテリーを交換できることは従来モデルより引き継いでいる。バッテリーの容量低下が気になりだしても、バッテリーのみ交換できることはランニングコストを抑えられるというメリットになる。もちろんロングライド時のお供として予備バッテリーを用意しておいても良いだろう。
機能面でも進化を果たしており、どのモードからでもボタンをダブルクリックすると最大ハイモード(1600ルーメン)に切り替わるモードが備えられた。緊急なとき、自分の存在をアピールしたいときに活躍するだろう。シングルクリックで元のモードに戻る。加えて、ボタンのバッテリーインジケーターや、電源を切った時の発光パターンから、再び点灯開始するモードメモリ機能ももちろん搭載されている。
ルックスもガラリと変わっており、シルバーのアルミパーツが黒塗りに。大きいサイズのボディをより引き締め、バイクに取り付けた際に溶けこむようなルックスとなった。バイクへの装着はお馴染みのフレックスタイトブラケットを使用する。ガッチリとハンドルバーに固定できるため、237g(実測値)というヘビー級のボディを取り付けてダートライドしても、ライトがズレてしまうことは少ない。
最も明るい1600ルーメンを備えるキャットアイのVOLT1600。明るさが正義というナイトライドではライダーの強力な味方となってくれるだろう。価格は25,000円(税抜)。
―編集部インプレッション
とにかく、麻薬的な明るさである。一度でもこの明るさを体験してしまったら、もういままでのライトでは安心できないだろう。絶対的な光量によって、30m、いや50m先を見通せるほどの光の飛びと考え抜かれたフラットな配光によって、全く街灯のない真っ暗闇の中を35km/h以上で走っても、ちっとも怖さを感じないほどの視界をもたらしてくれる。
ライトを水平に取りつけても、足元まで照らしだすほどのワイドな配光のおかげで、障害物の発見も容易である。もちろん舗装路においても役立つ明るさだが、今回のテストにおいてこのライトが真価を発揮したのは通勤経路にある川沿いのダートであった。
木の根がいたるところに露出し、ハンドルを取られやすいオフロードなのであるが、VOLT1600であれば、まるで昼間に走っているかのように、アグレッシブに走ることができる。ハンドルにライトをマウントすると、ステアリングを大きく切ったときに視界が失われることがあるが、VOLT1600であれば左右方向にも余裕のある配光パターンによって、よほど大きくハンドルを動かさない限りは前方を照らし続けてくれることも、安心感につながっている。
ハイモードで2時間を謳うランタイムも伊達ではない。実際に2時間使用してみたが、だらだらと光量が落ちていくのではなく、最後まで明るさをキープしてくれる。
見た目だって、この明るさを絞り出すライトとは思えないほどコンパクトにまとまっている。前モデルよりも精悍な印象のブラックとなることでハンドル上で存在を主張しすぎない慎み深さを身に付けた。
操作性も良好だ。厚手のグローブをつけていても確実に操作できるボタンは非常に好印象。どのモードからもダブルクリックでハイモードへと移行出来るという機能も、非常に使い勝手が良い。いきなり街灯が途切れるような場所でも、確実に視界を確保することができる。
常時点灯を行いながら、明るさが上下することによって点滅のアピール度を獲得したキャットアイ独自のハイパーコンスタントモードは市街地走行時の安全性を飛躍的に高めてくれるし、点滅モードも周囲へのアピールがしやすい。デイライトとして積極的に使ってみたところ、狭い対面通行の道で車とすれ違う時なども、こころなしか多めに避けてくれるように感じた。
夜間走行において、ライトの明るさは命の明るさである。周囲の道路状況を把握するため、そして周囲から存在を認識してもらうためには、明るいに越したことは無い。ただ、あまりに明るすぎるライトは、対向する人の目を眩ましてしまうこともある。しかし、暗すぎて見えないライトに比べればよほど安全であるし、対向車への影響が気になる方は防眩用の庇を自作しても良いだろう。
25,000円という値段は自転車用ライトの値段と考えると高いのかもしれないが、自分の命の値段と考えてみれば、破格のバーゲンプライスとも感じるのではないだろうか?通勤・通学で夜に走ることが多い人、夜間走行が避けられない長距離ブルベに挑む人、夜のトレイルを楽しみたいという人などは、ぜひ一度VOLT1600を使ってみてほしい。ナイトライドが格段に楽で安心できるものになるだろうから。
キャットアイ VOLT1600(HL-EL1010RC)
サイズ:114.9×59.6×44.2mm
重量:237g(実測値、本体のみ)
光源:高輝度LED×2灯
電池:Li-ion 3.6V 6800mAh
ランタイム:約2時間(点灯ハイ)、約5時間(点灯ミドル)、約15時間(点灯ロー)、約12時間(ハイパーコンスタント)、約100時間(点滅)
標準充電時間:約9~16時間
繰返し充放電回数:標準300回 (定格容量の70%の容量低下まで)
価格:25,000円(税抜)
impression:Naoki.Yasuoka
photo:CW編集部
これまでも数多くのフロントライトを手がけてきたキャットアイが、フロントライトのフラッグシップをモデルチェンジした。1200ルーメンを照射する「VOLT1200」が、「VOLT1600」となり、より光量を増して新登場した。
1200ルーメンでも十分に明るいが、さらに光量を高めることでナイトライドの安全性を向上させている。光をより遠くへ届けてくれるようになり、目線の先に強い光を当てるだけではなく、周辺までパワフルな光で照らしだしてくれるようになった。ナイトライドにおいて周辺まで明るいことは、周りを視認しやすく、かつ自身の存在を広範囲にアピールできるため、ライドの安心感を高めてくれるはずだ。
レンズはキャットアイのオプティキューブテクノロジーが採用されたため信頼度が高い。なめらかに加工されたレンズを反射して飛び出していく光は、左右満遍なく広がっていく。中央部は最も明るいが白飛びせずに路面をしっかりと照らしだしてくれる。足元も力強い光で照らし出すため、小さなギャップなども見つけやすい。
一方で、VOLT400などに設けられているレンズサイド部分の切り欠きは設けられていない。斜め後ろからも光を確認できるようなVOLT400とは異なるが、車のようにパワフルな光となっているため、見通しの悪い路地でも自分の存在をアピールできているはずだ。
今回のモデルチェンジで搭載されるバッテリーも変更になった。VOLT1200にはLi-ion 3.6V 6200mAhという電池が使用されていたのに対して、VOLT1600はLi-ion 3.6V 6800mAhと容量が大きいバッテリーが搭載された。これによって明るさが増しながらもランタイムを従来モデルに近づけることに成功している。ハイで約2時間、ミドルで約5時間、ローで約15時間、ハイパーコンスタントで約12時間、点滅で100時間だ。
充電はボディ下部に設けられたMicroUSBポートから行う。本体内に急速充電回路が内蔵されたことによって、1A以上の入力で約8時間で充電が可能となっている。0.5Aでの入力では約14時間だ。バッテリーを交換できることは従来モデルより引き継いでいる。バッテリーの容量低下が気になりだしても、バッテリーのみ交換できることはランニングコストを抑えられるというメリットになる。もちろんロングライド時のお供として予備バッテリーを用意しておいても良いだろう。
機能面でも進化を果たしており、どのモードからでもボタンをダブルクリックすると最大ハイモード(1600ルーメン)に切り替わるモードが備えられた。緊急なとき、自分の存在をアピールしたいときに活躍するだろう。シングルクリックで元のモードに戻る。加えて、ボタンのバッテリーインジケーターや、電源を切った時の発光パターンから、再び点灯開始するモードメモリ機能ももちろん搭載されている。
ルックスもガラリと変わっており、シルバーのアルミパーツが黒塗りに。大きいサイズのボディをより引き締め、バイクに取り付けた際に溶けこむようなルックスとなった。バイクへの装着はお馴染みのフレックスタイトブラケットを使用する。ガッチリとハンドルバーに固定できるため、237g(実測値)というヘビー級のボディを取り付けてダートライドしても、ライトがズレてしまうことは少ない。
最も明るい1600ルーメンを備えるキャットアイのVOLT1600。明るさが正義というナイトライドではライダーの強力な味方となってくれるだろう。価格は25,000円(税抜)。
―編集部インプレッション
とにかく、麻薬的な明るさである。一度でもこの明るさを体験してしまったら、もういままでのライトでは安心できないだろう。絶対的な光量によって、30m、いや50m先を見通せるほどの光の飛びと考え抜かれたフラットな配光によって、全く街灯のない真っ暗闇の中を35km/h以上で走っても、ちっとも怖さを感じないほどの視界をもたらしてくれる。
ライトを水平に取りつけても、足元まで照らしだすほどのワイドな配光のおかげで、障害物の発見も容易である。もちろん舗装路においても役立つ明るさだが、今回のテストにおいてこのライトが真価を発揮したのは通勤経路にある川沿いのダートであった。
木の根がいたるところに露出し、ハンドルを取られやすいオフロードなのであるが、VOLT1600であれば、まるで昼間に走っているかのように、アグレッシブに走ることができる。ハンドルにライトをマウントすると、ステアリングを大きく切ったときに視界が失われることがあるが、VOLT1600であれば左右方向にも余裕のある配光パターンによって、よほど大きくハンドルを動かさない限りは前方を照らし続けてくれることも、安心感につながっている。
ハイモードで2時間を謳うランタイムも伊達ではない。実際に2時間使用してみたが、だらだらと光量が落ちていくのではなく、最後まで明るさをキープしてくれる。
見た目だって、この明るさを絞り出すライトとは思えないほどコンパクトにまとまっている。前モデルよりも精悍な印象のブラックとなることでハンドル上で存在を主張しすぎない慎み深さを身に付けた。
操作性も良好だ。厚手のグローブをつけていても確実に操作できるボタンは非常に好印象。どのモードからもダブルクリックでハイモードへと移行出来るという機能も、非常に使い勝手が良い。いきなり街灯が途切れるような場所でも、確実に視界を確保することができる。
常時点灯を行いながら、明るさが上下することによって点滅のアピール度を獲得したキャットアイ独自のハイパーコンスタントモードは市街地走行時の安全性を飛躍的に高めてくれるし、点滅モードも周囲へのアピールがしやすい。デイライトとして積極的に使ってみたところ、狭い対面通行の道で車とすれ違う時なども、こころなしか多めに避けてくれるように感じた。
夜間走行において、ライトの明るさは命の明るさである。周囲の道路状況を把握するため、そして周囲から存在を認識してもらうためには、明るいに越したことは無い。ただ、あまりに明るすぎるライトは、対向する人の目を眩ましてしまうこともある。しかし、暗すぎて見えないライトに比べればよほど安全であるし、対向車への影響が気になる方は防眩用の庇を自作しても良いだろう。
25,000円という値段は自転車用ライトの値段と考えると高いのかもしれないが、自分の命の値段と考えてみれば、破格のバーゲンプライスとも感じるのではないだろうか?通勤・通学で夜に走ることが多い人、夜間走行が避けられない長距離ブルベに挑む人、夜のトレイルを楽しみたいという人などは、ぜひ一度VOLT1600を使ってみてほしい。ナイトライドが格段に楽で安心できるものになるだろうから。
キャットアイ VOLT1600(HL-EL1010RC)
サイズ:114.9×59.6×44.2mm
重量:237g(実測値、本体のみ)
光源:高輝度LED×2灯
電池:Li-ion 3.6V 6800mAh
ランタイム:約2時間(点灯ハイ)、約5時間(点灯ミドル)、約15時間(点灯ロー)、約12時間(ハイパーコンスタント)、約100時間(点滅)
標準充電時間:約9~16時間
繰返し充放電回数:標準300回 (定格容量の70%の容量低下まで)
価格:25,000円(税抜)
impression:Naoki.Yasuoka
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