2月7日に千葉市のダートトラックコースで開催されたシクロクロス千葉をレポート。千葉でのシクロクロス普及を目指した大会は好天に恵まれ、幅広い層のライダーが難しいコースに挑んだ。



会場は千葉市のオートランド千葉。車専用のダートトラックコースだ会場は千葉市のオートランド千葉。車専用のダートトラックコースだ
ダートラ用のMR-2とミラージュが選手たちをお出迎えダートラ用のMR-2とミラージュが選手たちをお出迎え たっぷりと取られた道幅。追い抜きもしやすかったたっぷりと取られた道幅。追い抜きもしやすかった


今年で2回目を迎えたシクロクロス千葉のコンセプトは「マイルドシクロ」。その名の通り敷居を下げ、これまでシクロクロスレースの少なかった千葉県に根付かせたい、という思いが込められた大会だ。会場には「仲間の応援に、初めてCXレース会場に来た」という方や、今回が初レースというビギナーも多く詰め掛けた。

昨年はスターライト幕張でもおなじみの海浜幕張公園が舞台だったが、今年は千葉市内にある「オートランド千葉」に場所を移した。モータースポーツの一つであるダートトライアル専用コースを使うことで、走りやすく、観戦しやすく、そして専用の洗車機で後片付けもしやすいという、三拍子揃ったCX初心者に優しいイベントになるよう配慮されたという。

おそらくダートラコースを使った国内初のシクロクロスレース。大会公式サイトに使われた泥のコース写真とは違って、蓋を開けてみれば完全なドライコンディション。一周わずか800mという超ショートコースと、競技に使われる2台のレースカーが参加者たちを待っていた。

世界選から帰ってきたばかりの織田聖(Above Bike Store Cycle Club)。C2で圧勝した世界選から帰ってきたばかりの織田聖(Above Bike Store Cycle Club)。C2で圧勝した C1昇格争いを繰り広げたお二人C1昇格争いを繰り広げたお二人

世界選から帰ってきたばかりの與那嶺恵理(フォルツァ・ヨネックス)世界選から帰ってきたばかりの與那嶺恵理(フォルツァ・ヨネックス) L1は武田和佳(Liv)が優勝を飾ったL1は武田和佳(Liv)が優勝を飾った

レース後にお互いを称え合うレース後にお互いを称え合う
一見簡単そうに見えるコースだが、簡単に砂埃が舞うほどにパフパフで、大小無数に転がる小石もタイヤのグリップを阻んでくる。わずか1本だけのベストライン、3Dの動きも問われる微妙なアップダウン。スピードを上げるほど難易度が急上昇するため、ハイカテゴリーを走るレーサーほど、技術も集中力も問われることに。

とは言っても、初心者からしてみれば、道幅が広いため走りやすく、1周のうちに何度も目の前を通過するから声援だって送りやすい。昨年知名度を上げたことも手伝って、この日のエントリーはおよそ350名以上。ビギナークラスのC4にはなんと120名以上が集まった。

またこの日はベルギーで開催された世界選手権に出場した與那嶺恵理(フォルツァ・ヨネックス)と、ジュニアの全日本王者でもある織田聖(Above Bike Store Cycle Club)という両名が凱旋参加した。男女最高峰クラスには関東のエリートレーサーが集い、ハイレベルな走りをギャラリーに披露することになった。

C1スタート。武井亨介(フォルツァ・ヨネックス)が先頭に立つC1スタート。武井亨介(フォルツァ・ヨネックス)が先頭に立つ photo:Haruo.Kotera
細かく切り返すシングルトラックセクションを行く武井亨介(フォルツァ・ヨネックス)細かく切り返すシングルトラックセクションを行く武井亨介(フォルツァ・ヨネックス) 単独2位を走る重田兼吾(TeamCUORE/順天堂大学)単独2位を走る重田兼吾(TeamCUORE/順天堂大学) photo:Haruo.Kotera


圧勝した武井亨介(フォルツァ・ヨネックス)圧勝した武井亨介(フォルツァ・ヨネックス) 千葉県選手権表彰台。優勝は重田兼吾(TeamCUORE/順天堂大学)千葉県選手権表彰台。優勝は重田兼吾(TeamCUORE/順天堂大学) 60分で争われた最高峰のC1カテゴリーは、武井亨介(フォルツァ・ヨネックス)や重田兼吾(TeamCUORE/順天堂大学)、斎藤朋寛(RIDELIFE GIANT)、鈴木禄徳(PAX PROJECT)らが先頭グループを作る形でスタートが切られる。

しかし3周目には「とにかく路面がルーズだったので、それまでは様子を見ていた」という武井が加速すると、他の選手は打つ手無し。「千葉出身なので良い結果を残したかった」という重田が2位を走り、3位には2度のパンクから復帰した斎藤が上がってきた。

多くの選手がパンクやスリップに悩ませられる中、トラブル無く33周回(!)を走りきった武井が独走勝利。表彰式では「全員ラップという目標を達成できずに残念ですが、練習レースとしては面白いコースだし、アクセスも良い。継続開催を期待したいですね」と語った。

またC1カテゴリーでは、地元登録選手で争われる「千葉県選手権」も行われ重田が優勝。「出身も現在通っている大学も千葉ですから、県内でCXレースが開催されて嬉しいですね。地元選手としてレースシーンを盛り上げていきたい」と言う。

「さー行っといで!」チームワークが大切なエンデューロレース「さー行っといで!」チームワークが大切なエンデューロレース 華やかなチアガールなチーム華やかなチアガールなチーム

バイクロアにも現れませんでしたっけ?バイクロアにも現れませんでしたっけ? 大人気のワコーズによる洗車サービス大人気のワコーズによる洗車サービス

会場を盛り上げてくれたMCは牛さんこと須藤むつみさん会場を盛り上げてくれたMCは牛さんこと須藤むつみさん 勝浦市のご当地グルメ「勝浦タンタンメン」を提供するフードワゴンも勝浦市のご当地グルメ「勝浦タンタンメン」を提供するフードワゴンも


実行委員会の鵜沢祐也さん実行委員会の鵜沢祐也さん この大会の仕掛け人は、強豪ホビーレーサーとして知られる鵜沢祐也さん。「千葉県でシクロクロスレースを開催したい」という仲間同士の思いがきっかけとなり、今回の第2回目大会に繋がった。千葉をアピールするべく、会場には勝浦市のご当地グルメ「勝浦タンタンメン」を提供するフードワゴンや、大人気のワコーズによる洗車サービスも登場し、好評を得ていた。

シクロクロス千葉実行委員会では今後、公道を使ったロードレースやクリテリウムなども開催していきたいという。昨年と今回ですっかり知名度を上げたシクロクロス千葉とともに、今後の活動に是非注目していきたい。

text:So.Isobe
photo:So.Isobe,Satoshi.Oda,Haruo.Kotera

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