2016/02/08(月) - 08:50
2月7日に千葉市のダートトラックコースで開催されたシクロクロス千葉をレポート。千葉でのシクロクロス普及を目指した大会は好天に恵まれ、幅広い層のライダーが難しいコースに挑んだ。
今年で2回目を迎えたシクロクロス千葉のコンセプトは「マイルドシクロ」。その名の通り敷居を下げ、これまでシクロクロスレースの少なかった千葉県に根付かせたい、という思いが込められた大会だ。会場には「仲間の応援に、初めてCXレース会場に来た」という方や、今回が初レースというビギナーも多く詰め掛けた。
昨年はスターライト幕張でもおなじみの海浜幕張公園が舞台だったが、今年は千葉市内にある「オートランド千葉」に場所を移した。モータースポーツの一つであるダートトライアル専用コースを使うことで、走りやすく、観戦しやすく、そして専用の洗車機で後片付けもしやすいという、三拍子揃ったCX初心者に優しいイベントになるよう配慮されたという。
おそらくダートラコースを使った国内初のシクロクロスレース。大会公式サイトに使われた泥のコース写真とは違って、蓋を開けてみれば完全なドライコンディション。一周わずか800mという超ショートコースと、競技に使われる2台のレースカーが参加者たちを待っていた。
一見簡単そうに見えるコースだが、簡単に砂埃が舞うほどにパフパフで、大小無数に転がる小石もタイヤのグリップを阻んでくる。わずか1本だけのベストライン、3Dの動きも問われる微妙なアップダウン。スピードを上げるほど難易度が急上昇するため、ハイカテゴリーを走るレーサーほど、技術も集中力も問われることに。
とは言っても、初心者からしてみれば、道幅が広いため走りやすく、1周のうちに何度も目の前を通過するから声援だって送りやすい。昨年知名度を上げたことも手伝って、この日のエントリーはおよそ350名以上。ビギナークラスのC4にはなんと120名以上が集まった。
またこの日はベルギーで開催された世界選手権に出場した與那嶺恵理(フォルツァ・ヨネックス)と、ジュニアの全日本王者でもある織田聖(Above Bike Store Cycle Club)という両名が凱旋参加した。男女最高峰クラスには関東のエリートレーサーが集い、ハイレベルな走りをギャラリーに披露することになった。
60分で争われた最高峰のC1カテゴリーは、武井亨介(フォルツァ・ヨネックス)や重田兼吾(TeamCUORE/順天堂大学)、斎藤朋寛(RIDELIFE GIANT)、鈴木禄徳(PAX PROJECT)らが先頭グループを作る形でスタートが切られる。
しかし3周目には「とにかく路面がルーズだったので、それまでは様子を見ていた」という武井が加速すると、他の選手は打つ手無し。「千葉出身なので良い結果を残したかった」という重田が2位を走り、3位には2度のパンクから復帰した斎藤が上がってきた。
多くの選手がパンクやスリップに悩ませられる中、トラブル無く33周回(!)を走りきった武井が独走勝利。表彰式では「全員ラップという目標を達成できずに残念ですが、練習レースとしては面白いコースだし、アクセスも良い。継続開催を期待したいですね」と語った。
またC1カテゴリーでは、地元登録選手で争われる「千葉県選手権」も行われ重田が優勝。「出身も現在通っている大学も千葉ですから、県内でCXレースが開催されて嬉しいですね。地元選手としてレースシーンを盛り上げていきたい」と言う。
この大会の仕掛け人は、強豪ホビーレーサーとして知られる鵜沢祐也さん。「千葉県でシクロクロスレースを開催したい」という仲間同士の思いがきっかけとなり、今回の第2回目大会に繋がった。千葉をアピールするべく、会場には勝浦市のご当地グルメ「勝浦タンタンメン」を提供するフードワゴンや、大人気のワコーズによる洗車サービスも登場し、好評を得ていた。
シクロクロス千葉実行委員会では今後、公道を使ったロードレースやクリテリウムなども開催していきたいという。昨年と今回ですっかり知名度を上げたシクロクロス千葉とともに、今後の活動に是非注目していきたい。
text:So.Isobe
photo:So.Isobe,Satoshi.Oda,Haruo.Kotera
今年で2回目を迎えたシクロクロス千葉のコンセプトは「マイルドシクロ」。その名の通り敷居を下げ、これまでシクロクロスレースの少なかった千葉県に根付かせたい、という思いが込められた大会だ。会場には「仲間の応援に、初めてCXレース会場に来た」という方や、今回が初レースというビギナーも多く詰め掛けた。
昨年はスターライト幕張でもおなじみの海浜幕張公園が舞台だったが、今年は千葉市内にある「オートランド千葉」に場所を移した。モータースポーツの一つであるダートトライアル専用コースを使うことで、走りやすく、観戦しやすく、そして専用の洗車機で後片付けもしやすいという、三拍子揃ったCX初心者に優しいイベントになるよう配慮されたという。
おそらくダートラコースを使った国内初のシクロクロスレース。大会公式サイトに使われた泥のコース写真とは違って、蓋を開けてみれば完全なドライコンディション。一周わずか800mという超ショートコースと、競技に使われる2台のレースカーが参加者たちを待っていた。
一見簡単そうに見えるコースだが、簡単に砂埃が舞うほどにパフパフで、大小無数に転がる小石もタイヤのグリップを阻んでくる。わずか1本だけのベストライン、3Dの動きも問われる微妙なアップダウン。スピードを上げるほど難易度が急上昇するため、ハイカテゴリーを走るレーサーほど、技術も集中力も問われることに。
とは言っても、初心者からしてみれば、道幅が広いため走りやすく、1周のうちに何度も目の前を通過するから声援だって送りやすい。昨年知名度を上げたことも手伝って、この日のエントリーはおよそ350名以上。ビギナークラスのC4にはなんと120名以上が集まった。
またこの日はベルギーで開催された世界選手権に出場した與那嶺恵理(フォルツァ・ヨネックス)と、ジュニアの全日本王者でもある織田聖(Above Bike Store Cycle Club)という両名が凱旋参加した。男女最高峰クラスには関東のエリートレーサーが集い、ハイレベルな走りをギャラリーに披露することになった。
60分で争われた最高峰のC1カテゴリーは、武井亨介(フォルツァ・ヨネックス)や重田兼吾(TeamCUORE/順天堂大学)、斎藤朋寛(RIDELIFE GIANT)、鈴木禄徳(PAX PROJECT)らが先頭グループを作る形でスタートが切られる。
しかし3周目には「とにかく路面がルーズだったので、それまでは様子を見ていた」という武井が加速すると、他の選手は打つ手無し。「千葉出身なので良い結果を残したかった」という重田が2位を走り、3位には2度のパンクから復帰した斎藤が上がってきた。
多くの選手がパンクやスリップに悩ませられる中、トラブル無く33周回(!)を走りきった武井が独走勝利。表彰式では「全員ラップという目標を達成できずに残念ですが、練習レースとしては面白いコースだし、アクセスも良い。継続開催を期待したいですね」と語った。
またC1カテゴリーでは、地元登録選手で争われる「千葉県選手権」も行われ重田が優勝。「出身も現在通っている大学も千葉ですから、県内でCXレースが開催されて嬉しいですね。地元選手としてレースシーンを盛り上げていきたい」と言う。
この大会の仕掛け人は、強豪ホビーレーサーとして知られる鵜沢祐也さん。「千葉県でシクロクロスレースを開催したい」という仲間同士の思いがきっかけとなり、今回の第2回目大会に繋がった。千葉をアピールするべく、会場には勝浦市のご当地グルメ「勝浦タンタンメン」を提供するフードワゴンや、大人気のワコーズによる洗車サービスも登場し、好評を得ていた。
シクロクロス千葉実行委員会では今後、公道を使ったロードレースやクリテリウムなども開催していきたいという。昨年と今回ですっかり知名度を上げたシクロクロス千葉とともに、今後の活動に是非注目していきたい。
text:So.Isobe
photo:So.Isobe,Satoshi.Oda,Haruo.Kotera
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