2015/10/11(日) - 08:58
10月初め、東京プリンスホテルにて輸入代理店「ポディウム」の展示会が開催された。夏場はビアガーデンとして使用される広々としたホールの中には、チネリやタイム、オルベア、ライトウェイトなどの取り扱いブランドのほぼ全プロダクトが集結。100人限定の一般招待枠が一瞬で埋まってしまう程の注目の展示会をレポートする。
東京タワーの麓は東京プリンスホテルにて開催されたポディウムの2016モデル展示会
各ブランドとも華やかにショーアップされている
オルベアの創業175周年を記念したイエローのORCA OMP。なお非売品だ
東京タワーの麓に位置する東京プリンスホテルに隣接し、どこかヨーロッパの様な雰囲気が漂うテント張りのホールにて開催されたポディウム(旧ダイナソア)の展示会。7月~10月にかけてほぼ毎週の様に開催される自転車代理店の新製品展示会の中でも、最もショーアップされたものの1つである。例えて言うならばサイクルモードの1部を切り取ってきたイメージで、確かにここまで演出する必要はないのかもしれないが、会場に一歩足踏み入れれば、そのプレミアムな空間に思わず声が出てしまう。
また、代理店単独開催の展示会としては珍しく、東京と京都の各会場で予約制の一般公開日を設けており、100名の定員は募集開始から間もなくして埋まってしまったそう。京都会場では金曜日に開催されることから、仕事を休んで来場する方がでるほど一般サイクリストからの注目度も高いのだ。
カレラの新型エアロロードAR-01と、ポディウム社プロダクトマネージャーのルチアーノ・ブラッキさん
手の込んだペイントがフレーム全域に施される
リムブレーキとディスクブレーキの両方に対応するAR-01
厳選された欧州ブランドのみを取り扱うポディウムにあって、2016年で最も注目なのがイタリアのレーシングバイクブランド・カレラだ。インテグレーテッドデザインが前衛的なハイエンド「AR-01」と、その流れを組むミドルグレード「ERAKLE AIR」という2つの新型エアロロードがデビューする。
この2モデルに共通する特徴が「3BrakeSystem」により、ディスクブレーキとリムブレーキのどちらにも対応したこと。ディスクブレーキ台座にはフラットマウントを採用。リムブレーキはダイレクトマウント式で、好みや手持ちのパーツに合わせてBB下とシートステーから取り付け位置を選択可能だ。
ERAKLE-TSの後継モデルにあたるERAKLE AIR
ポップなカラーがより多くなったカレラの2016ラインアップ
職人による流麗なペイントを見る
2016年は完成車パッケージも充実のカレラ
加えて「AR-01」と「ERAKLE AIR」には、それぞれスペシャルペイントモデルが用意される。カラーより「AR-01」は5万円、「ERAKLE AIR」は2万円のアップチャージが発生してしまうものの、イタリアの職人が2日間かけて仕上げるペイントは正に芸術品のよう。ポディウムの担当者によれば、当初の予定では同じグラフィックをステッカーで表現したものを国内展開する予定だったそう。しかし、手にとったユーザーにより満足して欲しいとの想いから、手作業でペイントを施したもののみを国内展開することになったとのこと。
今年で創業175周年を迎えたスペイン・バスク地方のバイクブランド、オルベアからはTTバイク「ORDU」の新型が登場。なんといっても圧巻はヘッド周りのボリュームだが、UCI規定をクリアしており、7月のツール・ド・フランスではコフィディスが使用。全体的に各チューブが薄く作られており、BB付近は左右のチェーンステーで板をサンドイッチしているかの様な造形となっている。また、会場には創業175周年を記念するイエローの「ORCA」が来日。(一般販売は行われないとのこと)。
前衛的なフォルムをまとうTTバイクORDUの新型
チェーンステーにサンドイッチされているかの様なBBシェル
ORCAの流れを汲む新型AVANT HYDRO
セミオーダーシステムmy Oのオーダーサンプル
アルミロード「Avant Hydro」はORCAシリーズのテクノロジーを取り入れモデルチェンジ。快適性に貢献する薄く扁平したトップチューブや、振動吸収性と横剛性の両立を可能とするツイストしたシートステーはエントリーグレードとは思えない仕上がりだ。加えて、今季より生産地がスペインに戻っており、比較的手頃な価格ながら、充分にビギナーの所有欲を満たしてくれることだろう。女性用サイズの充実も見逃せないポイント。また、ORCA OMPにはシマノ105仕様の完成車が新たに追加。今年のオルベアはエントリー~ミドルグレードが充実だ。
オルベアでもう1つトピックスなのが、ORCAのセミオーダーシステム「my O(マイオー)」の国内展開開始で、フレームのカラーリングとパーツアッセンブルをカスタマイズすることができる。カラーについては通常ラインアップのORCAと共通のパターンであるものの、使用できる色が豊富なことから、好みや所属チームなどにあわせて細かくオーダーできるという。専用のシミュレーションサイトは11月を目処にオープン予定とのこと。
この春に限定受注生産されたオプションカラーは常時オーダー可能となった
ラグ構造を受け継ぐレーシングモデルIZONのディスクブレーキ仕様
エンデュランスモデルFluidityのディスクブレーキモデル
ラグ構造に精通するタイムらしいディスクブレーキ台座の構造
タイムは、伝統のラグ構造を受け継ぐレーシングモデル「IZON」と中核技術の1つであるヴェクトラン繊維の使用量を高めることで快適性を追求した「Fluidity」にディスクブレーキモデルが登場。共にディスクブレーキ台座は別体で作成され、はめ込みやネジ止めなどによって固定。カーボン製ラグに一日の長があるタイムらしい構造である。
2つのディスクブレーキモデルは前後ともブレーキ台座の規格はポストマウントで、エンドはQRレバーに対応。キャリパーブレーキモデルより数カ所に設計変更が加えられており、シートステーのベンド具合がゆるくなっている。なお、フォークはマスダンパーを内蔵したAKTIVではなく、ノーマルタイプのみでの展開となる。
ポディウム広報の福田豪さんのオススメはTeam Cinelli CHROMEカラーのアルミロードExperience
コロンバスSPIRITを採用したモダンなクロモリレーシングバイクNEMO TIG
SSシクロクロスとしても使用可能なMASH WORK
超ロングセラーモデルSUPERCORSAも健在
名作サドルVolareがリバイバル
女性からも人気が高いキャップなどアクセサリー群
継続となるエアロロード「SKYLON」や「IZON」及び「Fluidity」のキャリパーブレーキモデルには新色が登場。通常ラインアップとして用意されるガンメタリックカラーはタイムらしいラグジュアリー感のある仕上がりに。この春に受注発注限定で登場したMetaric Gray、Metalic Orange、Metalic Green Apple、Metalic Black、Fuchsiaの5色のオプションカラーは常時オーダー可能となった。
チネリはストリートカルチャーとのコラボレーションを更に強化。アルミロード「Experience」には、アメリカのFixedギアクリテリウム専門チーム「Team Cinelli CHROME」のカラーが追加された。溶接時にできる酸化皮膜をあえて残した「MASH WORK」は、シングルスピード仕様ながらカンチブレーキ台座が設けられており、タイヤクリアランスも大きいことからSSシクロクロスとしても楽しめる1台だ。
昨年フルモデルチェンジしたサンマルコMANTRAシリーズには超軽量仕様が追加
サンマルコのクラシックラインにはフェミニンなパステルカラーが登場
今季より取り扱いを開始した究極の回転体ことライトウェイト
リムを使った贅沢なミラー。輝きも一級品だ
ハッチンソンのロード用クリンチャー/チューブレスのフラッグシップFUSIONは第5世代に
新モデルとしては新機軸のクロモリバイク「NEMO TIG」がトピックスだ。大口径のコロンバスSPIRITチューブをTIG溶接にて接続し、テーパード設計のインテグラルヘッドを採用した、北米系ハンドビルドフレームの流れを汲む1台だ。シンプルながら鮮やかなメタリックのカラーリングも魅力的。後端部の反りが大きな名作サドル「Volare」の復刻版や、新作キャップなどのアクセサリーも引き続き充実のラインアップで展開される。
4つのバイクブランド以外にも、ライトウェイト、ルディプロジェクト、サンマルコ、デマルキ、ガエルネ、ハッチンソン、スポーツバルム、3Actionなどのパーツ/アクセサリーメーカーからも新製品が続々と登場。各プロダクトの詳細はシクロワイアードのレビューコーナーにて随時紹介していく予定だ。
ルディプロジェクトの新型エアロヘルメットBOOST 01。販売時にはシールドレンズがセットされる
ロットNLユンボが愛用するルディプロジェクトの新型1眼式モデルTralyx
ガエルネのプロユースシューズG.CHRONOには鮮やかなフルオカラーが登場
ロット・ソウダルを支える3ACTIONの補給食とPRのために来日したエルケ・ヴァンディックさん
シックで着こなしやすいデザインが増えたデマルキ
イタリアンブランドらしいきめ細かな造りと肌触りの良い素材が特徴のWomens Milano Jackt
photo:Yuya.Yamamoto
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東京タワーの麓に位置する東京プリンスホテルに隣接し、どこかヨーロッパの様な雰囲気が漂うテント張りのホールにて開催されたポディウム(旧ダイナソア)の展示会。7月~10月にかけてほぼ毎週の様に開催される自転車代理店の新製品展示会の中でも、最もショーアップされたものの1つである。例えて言うならばサイクルモードの1部を切り取ってきたイメージで、確かにここまで演出する必要はないのかもしれないが、会場に一歩足踏み入れれば、そのプレミアムな空間に思わず声が出てしまう。
また、代理店単独開催の展示会としては珍しく、東京と京都の各会場で予約制の一般公開日を設けており、100名の定員は募集開始から間もなくして埋まってしまったそう。京都会場では金曜日に開催されることから、仕事を休んで来場する方がでるほど一般サイクリストからの注目度も高いのだ。
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厳選された欧州ブランドのみを取り扱うポディウムにあって、2016年で最も注目なのがイタリアのレーシングバイクブランド・カレラだ。インテグレーテッドデザインが前衛的なハイエンド「AR-01」と、その流れを組むミドルグレード「ERAKLE AIR」という2つの新型エアロロードがデビューする。
この2モデルに共通する特徴が「3BrakeSystem」により、ディスクブレーキとリムブレーキのどちらにも対応したこと。ディスクブレーキ台座にはフラットマウントを採用。リムブレーキはダイレクトマウント式で、好みや手持ちのパーツに合わせてBB下とシートステーから取り付け位置を選択可能だ。
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加えて「AR-01」と「ERAKLE AIR」には、それぞれスペシャルペイントモデルが用意される。カラーより「AR-01」は5万円、「ERAKLE AIR」は2万円のアップチャージが発生してしまうものの、イタリアの職人が2日間かけて仕上げるペイントは正に芸術品のよう。ポディウムの担当者によれば、当初の予定では同じグラフィックをステッカーで表現したものを国内展開する予定だったそう。しかし、手にとったユーザーにより満足して欲しいとの想いから、手作業でペイントを施したもののみを国内展開することになったとのこと。
今年で創業175周年を迎えたスペイン・バスク地方のバイクブランド、オルベアからはTTバイク「ORDU」の新型が登場。なんといっても圧巻はヘッド周りのボリュームだが、UCI規定をクリアしており、7月のツール・ド・フランスではコフィディスが使用。全体的に各チューブが薄く作られており、BB付近は左右のチェーンステーで板をサンドイッチしているかの様な造形となっている。また、会場には創業175周年を記念するイエローの「ORCA」が来日。(一般販売は行われないとのこと)。
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オルベアでもう1つトピックスなのが、ORCAのセミオーダーシステム「my O(マイオー)」の国内展開開始で、フレームのカラーリングとパーツアッセンブルをカスタマイズすることができる。カラーについては通常ラインアップのORCAと共通のパターンであるものの、使用できる色が豊富なことから、好みや所属チームなどにあわせて細かくオーダーできるという。専用のシミュレーションサイトは11月を目処にオープン予定とのこと。
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2つのディスクブレーキモデルは前後ともブレーキ台座の規格はポストマウントで、エンドはQRレバーに対応。キャリパーブレーキモデルより数カ所に設計変更が加えられており、シートステーのベンド具合がゆるくなっている。なお、フォークはマスダンパーを内蔵したAKTIVではなく、ノーマルタイプのみでの展開となる。
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チネリはストリートカルチャーとのコラボレーションを更に強化。アルミロード「Experience」には、アメリカのFixedギアクリテリウム専門チーム「Team Cinelli CHROME」のカラーが追加された。溶接時にできる酸化皮膜をあえて残した「MASH WORK」は、シングルスピード仕様ながらカンチブレーキ台座が設けられており、タイヤクリアランスも大きいことからSSシクロクロスとしても楽しめる1台だ。
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4つのバイクブランド以外にも、ライトウェイト、ルディプロジェクト、サンマルコ、デマルキ、ガエルネ、ハッチンソン、スポーツバルム、3Actionなどのパーツ/アクセサリーメーカーからも新製品が続々と登場。各プロダクトの詳細はシクロワイアードのレビューコーナーにて随時紹介していく予定だ。
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photo:Yuya.Yamamoto
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