2015/09/12(土) - 10:20
こんにちは目黒誠子です。ツール・ド・フランスへの帯同中に迎えたアルプスの街ギャップでの休息日。今回はチームの滞在するホテルを訪問した時に出会った料理人たちの仕事を紹介します。
このトラック、なんだと思いますか?
キャノンデール・ガーミンのキッチントラック
自転車など機材を搭載するトラックとはなんだか雰囲気が違ったので近づいてみたら…見てください、中はなんとキッチン!
荷台のなかにはシステムキッチンがすっぽりそのまま入り、ガス台やオーブンも本格的なものが設置されています。棚にはパスタや食材の数々。
興味津々に覗き込んだら、「どうぞどうぞ」。中まで入れてくださいました。ちょうどいらしたシェフ、ショーン・フォーラー氏に話を聞くことができました。
女性シェフもいて、忙しそうにキッチンを切り盛り
キャノンデール・ガーミンのシェフ、ショーン・フォーラー氏と
「このトラックで選手が食べる食事をつくるんですよ。チームには昨年から導入されて、ツアー中の選手やスタッフの食事のサポートをしています。ハードなステージでは選手は6,000〜7,000キロカロリー、もっとハードなときには8,000キロカロリーも消費するから、内臓に負担が少なく、かつ栄養もしっかり摂れる食事をつくるのは、サイクリングチームにとってとても大切なことです。選手は体脂肪が少ないので、風邪をひきやすかったり、体調を崩しやすかったりするのですが、栄養のバランスを考えてメニューをつくっています。
豆や魚(特にサーモン)などの良質なたんぱく質やオイルを含むもの、しょうがやハーブを使い、野菜やミネラルもたくさん摂取できるようなメニューにしてあります。」
荷台にはシステムキッチンがすっぽりそのまま入り、ガス台やオーブンも本格的なものが。棚にはパスタや食材の数々
この日はスタッフ用に、ラタトゥイユとチキンの仕込み中でした
パインコーン(つまり松ぼっくり)をグツグツと煮ていました。エキスをつくって、シロップにして飲むそうです
ほかにも、ボーラ・アルゴン18の「BORA」社はドイツのシステムキッチンの会社だそうですが、チームにショーウィンドウのような華麗なシステムキッチンのデモンストレーションコンテナを帯同させていました。
BORA社のシステムキッチンは煙を排除するエアシステムを組み込んだ電子調理器具によるシステムキッチンで、ドイツでも大変有名で人気があるそう。お値段も高いそうですが、憧れの的だそうです。もちろん選手に提供する料理をこのなかで専属シェフが作っていました。
チーム監督自らクッキング。選手も手伝います
BORAのシステムキッチンは調理で出た煙を吸い込むハイテクシステム!
ティンコフ・サクソのキッチントラック
Grand Tour Cook Bookという料理本を出版したアンナ・グラントさん
男性シェフとの2人体勢で夕食の準備に追われていました
また、ティンコフ・サクソの女性シェフ ハンナ・グラントさんはGrand Tour CookBook(グランツールの調理本)」という、自転車チームへの食事提供のノウハウとレシピをまとめた本を出版してしまった人気シェフ。こちらもキッチンカー内部とヘルシーで美味しそうな料理の数々を紹介してくれました。
食べるものが日々のガソリンという自転車ロードレース。近年の選手たちの激しい走りを支えるのは美味しい食事。より良いものを提供したいというシェフたちも重要なスタッフであるようです。
スパイスが効いて美味しそうなチキン!
ティンコフ・サクソのシェフ ハンナ・グラントさん(左)
プロフィール
目黒誠子(めぐろせいこ)
ツアー・オブ・ジャパンでは海外チームの招待・連絡を担当。2006年ジャパンカップサイクルロードレースに業務で携わってからロードレースの世界に魅了される。
ロードバイクでのサイクリングを楽しむ。趣味はバラ栽培と鑑賞。航空会社の広報系の仕事にも携わり、折り紙飛行機の指導員という変わりダネ資格を持つ。
このトラック、なんだと思いますか?

自転車など機材を搭載するトラックとはなんだか雰囲気が違ったので近づいてみたら…見てください、中はなんとキッチン!
荷台のなかにはシステムキッチンがすっぽりそのまま入り、ガス台やオーブンも本格的なものが設置されています。棚にはパスタや食材の数々。
興味津々に覗き込んだら、「どうぞどうぞ」。中まで入れてくださいました。ちょうどいらしたシェフ、ショーン・フォーラー氏に話を聞くことができました。


「このトラックで選手が食べる食事をつくるんですよ。チームには昨年から導入されて、ツアー中の選手やスタッフの食事のサポートをしています。ハードなステージでは選手は6,000〜7,000キロカロリー、もっとハードなときには8,000キロカロリーも消費するから、内臓に負担が少なく、かつ栄養もしっかり摂れる食事をつくるのは、サイクリングチームにとってとても大切なことです。選手は体脂肪が少ないので、風邪をひきやすかったり、体調を崩しやすかったりするのですが、栄養のバランスを考えてメニューをつくっています。
豆や魚(特にサーモン)などの良質なたんぱく質やオイルを含むもの、しょうがやハーブを使い、野菜やミネラルもたくさん摂取できるようなメニューにしてあります。」



ほかにも、ボーラ・アルゴン18の「BORA」社はドイツのシステムキッチンの会社だそうですが、チームにショーウィンドウのような華麗なシステムキッチンのデモンストレーションコンテナを帯同させていました。
BORA社のシステムキッチンは煙を排除するエアシステムを組み込んだ電子調理器具によるシステムキッチンで、ドイツでも大変有名で人気があるそう。お値段も高いそうですが、憧れの的だそうです。もちろん選手に提供する料理をこのなかで専属シェフが作っていました。





また、ティンコフ・サクソの女性シェフ ハンナ・グラントさんはGrand Tour CookBook(グランツールの調理本)」という、自転車チームへの食事提供のノウハウとレシピをまとめた本を出版してしまった人気シェフ。こちらもキッチンカー内部とヘルシーで美味しそうな料理の数々を紹介してくれました。
食べるものが日々のガソリンという自転車ロードレース。近年の選手たちの激しい走りを支えるのは美味しい食事。より良いものを提供したいというシェフたちも重要なスタッフであるようです。



目黒誠子(めぐろせいこ)
ツアー・オブ・ジャパンでは海外チームの招待・連絡を担当。2006年ジャパンカップサイクルロードレースに業務で携わってからロードレースの世界に魅了される。
ロードバイクでのサイクリングを楽しむ。趣味はバラ栽培と鑑賞。航空会社の広報系の仕事にも携わり、折り紙飛行機の指導員という変わりダネ資格を持つ。
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