2015年7月26日(日)Raphaの呼びかけに応じた女性ライダーたちが「それぞれの100km(もしくはそれ以上)」を走る、という世界的イベントである Women's 100が開催されました。

この日、日本各地で企画されたライドイベント(Raphaに登録されたものだけでも北海道から九州、大分までで20ものライドが自発的に企画・開催された)のひとつ、神奈川県でのライドに、私、”ちゅなどん” はライドリーダーとして参加してきました。その様子をお伝えします。



神奈川県ではサイクリングイベントの企画運営を専門にしているリンケージサイクリングの協力をいただいて、Rapha 登録ライドとしての開催。申し込みを受け付ける最大人数は20名。これは各地のライドの中でも規模が大きい方に入ります。

さて当日。朝5時で空気はすでにムッとしている。じっとりと肌にまとわりつく湿度の高さと相まって、今日のライドが暑さ対処に成否が左右されることを確信する。この場合の成功は全員無事にこの日のライドを終えること。暑さによる体調の悪化はこの季節に外で運動するならばある程度は仕方のないことだけれど、最悪には命に関わることでもあり、細心の注意を払いたい。みんな無事に走りきれますように、と祈るような気持ちでブリーフィングでは効果的な補給での身体の冷却について、コンビニで買えるオススメメニューをみんなにシェア。

「ボトルの水を空へ向かって発射。 降ってくる水を浴びてキャッキャと喜ぶ女性たちの様子が後ろから伝わってくる」「ボトルの水を空へ向かって発射。 降ってくる水を浴びてキャッキャと喜ぶ女性たちの様子が後ろから伝わってくる」
実際の参加者は15名、スタッフ含め、女性が18名となるとなかなか壮観。これにリンケージの男性スタッフがサポートに入り、総勢21名の灼熱100kmライドが始まります。

この季節、交通量が都会並みに増える海沿い134号。他の交通への配慮もあり、グループを三つに分けての進行。それぞれのグループを、ちゅなどん、ごっちゃん(後藤恭子)、ともちゃん(佐野朋子)の三人のライドリーダーが担当します。

大磯で海沿いを離れ、山へ入ると少しは涼しいはず…なのだけれど海沿いですでに高く登った太陽が背中から照りつける。暑い!

我慢できず後ろに向かって「水かけても平気?」と聞いたら嬉しそうな声で「ハイ!」と返ってきた。では遠慮なく、ボトルの水を空へ向かって発射。降ってくる水を浴びてキャッキャと喜ぶ女性たちの様子が後ろから伝わってくる。いいぞ、ウケてる…今日はコレだな…

防砂林を隔てた向こう側は海だというのに…ね、ほんと何やってんだか。と思わなくもなく、海沿いをあとにして山へ。

ゴルフ場へ至る短い林道なのだけれど、木が鬱蒼と生い茂り、湿った緑と土の匂いが濃いゴルフ場へ至る短い林道なのだけれど、木が鬱蒼と生い茂り、湿った緑と土の匂いが濃い ちゅなどん個人的にはイチオシの小径。ゴルフ場へ至る短い林道なのだけれど、木が鬱蒼と生い茂り、湿った緑と土の匂いが濃く、(特段きれいではない)小さな川が流れている。路面は荒れていて、快適に走れるわけではないここが私は大好きで、お友達がライドに来てくれると必ずここをルートに組み込んでいる。

思った通り、ここは少し涼しくて、その温度差に身体がホッとするのもつかの間。今日の『涼しいエリア』はこれにて終了!あとはひたすら暑さとの闘いになる。コンビニでの休憩はみんなそれぞれ冷たいものを手に入れ、何人かは今朝シェアしたメニューを試してくれている。いいね。

中井を抜けて、大井松田へ下るとしばらくは日影のない川沿いの道。これだけ暑いと散歩する人も皆無なサイクリングロードを南風に乗って…恨めしそうに川の流れを見る。水量の多い清流が…大きな石が敷き詰められた川岸の向こう側に見える。もっと川が近ければ涼しいだろうに、もっと川が近ければ、ちょっと脚を冷やすこともできるだろうに…どこかで川が近くにならないか、川へ降りられるスポットがないか、ずっと探しながら走ったんだけど、残念ながらよい場所が見つからず。そのまま南足柄の山エリアへ。

ここからが本日のハイライト。ダラダラと休み所なくほぼ6kmの登り区間。それぞれのペースでいいですよー、と言って前に出るも、振り返ると数名はピッタリ後ろに。皆さん、頑張れる子たちなんだね、ということで、ちょっとがんばって前を牽く。ほぼ登り切ったところの公民館の木陰を借りて休憩。水道の水を頭から被って冷却する。同じ場所で休んでいたランナーたちと少しお喋りを楽しんだ。お互い好きモノであることを讃えあう。この辺りでみんなの体力差が見えてくる。余裕のある人は余裕のない人を気遣い、持っているノウハウを共有するなどよい雰囲気だ。

ダラダラと休み所なくほぼ6kmの登り区間ダラダラと休み所なくほぼ6kmの登り区間
たっぷり休む時間を取ったのち、ほどほどに木陰もあるような緩やかなアップダウンを繰り返すワインディング(というとかっこいいけど農道です)を楽しんだのち、山エリアを終えて南足柄の町へ降りる。

と、そこに架かる小さな橋のたもとに子供たちが集まって遊んでるじゃないか。ここだ!!今しかない!
「ちょっと水に入ろう!」

橋の横に階段がつけてあり、川へ降りられるようになっている。そこを自転車担いでエッサエッサ。自転車を横たえ、シューズ、ソックスを脱ぎ、背中のポケットから大事なものを取り出した。結構深さがあり、脚だけでは勿体ない!と首までしっかり水に浸かる。冷たすぎなくて気持ちいい!トライアスリートの女性も速かったなー。すぐドボン。もちろん脚だけでも冷やすとぜんぜん違うから、とみんなで水浴びだ。

「ただ冷えた、ってだけじゃなくて、みんなすっかり解放されたいい笑顔!童心に還る川遊び」「ただ冷えた、ってだけじゃなくて、みんなすっかり解放されたいい笑顔!童心に還る川遊び」 ほどほどに木陰もあるような緩やかなアップダウンを繰り返すワインディングほどほどに木陰もあるような緩やかなアップダウンを繰り返すワインディング 水に冷やしてもらった女性たち、ただ冷えた、ってだけじゃなくて、みんなすっかり解放されたいい笑顔!童心に還る川遊び。

一度やると分かるのだけれど、夏のライド中の水浴びは身体の冷却にものすごく効果的。ボトルの水をかけるのももちろんだけど、こうして水に入れる場所や水浴びできる涌き水を見つけておくのも大事なこと。良かったいい場所が見つかって。

しっかりリセット、リフレッシュして残りは半分を切っている。さぁ行こう!みんなの気分がアガっているのがわかる。

時刻はお昼をちょっと回ったところ。そろそろお腹が空く、ちょうど良いタイミングのパン屋さんでランチ休憩。みんな口々に川が楽しかったと、余韻に浸る。都会で自転車乗ってると、なかなか川遊びもできないもんね。海は砂とか塩とか…入ったあとが大変だから、ライド中に入るならやっぱり川だよね。

お腹もまんぞくしたあとは、ちょっと気をつけて行きましょう、とスタートしてすぐ二段階右折の回り込みで立ちゴケ発生。うん、やっぱりちょっと疲れが出てきてる。ペースを落として行こう。

国府津へ下る路肩の商店で打ち水をしているのを見つけてすかさず「こんにちは!水かけて!こっち!」とホースで放水してもらう。使えるものはなんでも使います.ありがとう肉屋のお兄さん!夕陽を背中に浴びてふたたび海沿い134号。最後の休憩を取り、江ノ島にゴール!

世界中の女性たちとともに走ったわたしたちの100km。800mほどの獲得標高でした。

世界中の女性たちとともに走ったわたしたちの100km。800mほどの獲得標高でした世界中の女性たちとともに走ったわたしたちの100km。800mほどの獲得標高でした
この日、九州では各地に点在するグループが目的地を同じ場所に設定し、100kmのゴールをみんなで共有するというライド、山梨では40℃にも至ろうかという気温の中、タフなコースとご褒美のフルーツを楽しんだそうだし、関西では丹後半島で美しい海を楽しむ100kmだったようです。他にも、日本、世界中でそれぞれのライドリーダーがルートをアレンジし、仲間を募り、このライドを楽しみました。その様子はInstagramのハッシュタグ #womens100で見ることができます。

この『ライドリーダー』というのは誰でもなることができます.今後ーーーとっておきの『私の道』『ライドの楽しみ方』をみんなとシェアできる女性ライダーたちが自発的にライドを企画、開催して同時多発的なイベントに拡がればいいなぁと思います。

そしてRaphaでは来る9月26日(土)に今年もWomen's Prestigeを長野県諏訪にて開催することが発表になりました。これは女性ばかりの4名ないし5名のチームを作り、設定されたコースをチーム全員揃って走破する、というチームライドです。今年もまた『Raphaらしい』タフな(もちろんグラベルも!)構成になるのではないでしょうか。

昨年は、このWomen's100で知り合った女性たちがチームを組んで参加され、見事ゴールしていました。女性ばかりのチーム、ということは、チームで起こるトラブルも自分たちで解決する必要があります。走れる脚も必要ですが、トラブル対処も含め、女性たち自身ができることを増やして臨む必要のあるライドとなるはずです。ここでまた、たくさんの女性ライダーと苦楽をともにしたいと思います。
(参加希望やお問い合わせは eventsjapan@rapha.cc までEメールにて。)

report:Miho.Ishii


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