2015/05/28(木) - 09:00
5月に入ると同時に東京の気温は連日の25℃超えが続き、例年以上に季節が移り変わるスピードが早く感じる今日この頃。迎えた5月9、10日はグランフォンド軽井沢の取材日だ。昨年の10月以降すっかり影を潜めていたメタボ会長が、久し振りに現場復帰を果たす日でもある。
昨年秋に”ツールド日光”の取材現場に遊びに来て以来、編集部のイベント取材現場にパタリと姿を見せなくなったメタボ会長。じつは自転車とは全く関係のない仕事中に、古傷でもある後背筋と膝十字じん帯を痛めて、自転車に乗るどころではなくなっていたのだ。
負傷当初は、歩く事すらままならない程のとってもイイ感じの故障っぷりではあったのだが、年が明け暖かくなり始めてからは、日常生活に支障がないレベルまで回復してしまった事が残念でならない。。4月に入ってからは時々様子見がてら自転車に乗ってみてはいるのだが、彼の現況はホームコースの多摩湖サイクリングロード1周12kmがいっぱいいっぱいといったところだ。
そんなオヤジが現場復帰に選んだのが”グランフォンド軽井沢”だ。今年で6回目を迎える同大会は、日本有数の避暑地として名高い軽井沢をスタート及びゴールとして浅間山を周回する山岳グランフォンドで、5月9、10日の2日間に渡り5カテゴリーの種目が開催される、抜群の人気を誇るイベントだ。
今回メタボ会長がリハビリがてらに参戦するのは、彼の念願でもあった”グルメフォンドコース”だ。このコースは軽井沢駅近郊の景観のイイとこ取りしたコース設定で、高低差こそ小さいものの案外走り応えのある40kmだ。避暑地軽井沢をのんびり楽しみたいカップルや家族連れに編集部が自信を持ってお勧めできるコースだ。
スタート地点となる軽井沢プリンスホテルスキー場は、早朝から多数の参加者さんで賑わいを見せているが、彼らを包む空はどんよりと曇り、今にも雨が落ちてきそうな気配が漂っている。この空模様ではわざわざ晴れ男を連れてきた意味がまるで無い。にも関わらず会場のアチコチで楽しげに談笑を続けるメタボ会長を見ていると無性に腹が立ってくる。全く役立たずなダメな男だ。
私たちが走り始めてすぐに、ポツリポツリと雨粒が落ち始める。と同時にこの雨粒が晴れ男伝説の終わりを告げる。晴れ男伝説が単なる偶然であった事は言うまでもないのだが、心のどっかでウチの会長の神通力を信じていた自分がいた事もまた事実である。そんな私の心をあっさりと裏切った張本人はといえば、背中のポケットからさっさと合羽を取り出したかと思うと鼻の穴をパンパンに膨らませた得意気な顔で喋りかけてくる。
「やっぱり降ってきたかぁ! まぁ想定の範囲内だから俺の準備は抜かりなしだぜ! 合羽はもちろんの事、ついでに雨のブレーキングに備えてホイールもカーボンからエグザリッドに替えてきたし、軽井沢の悪い路面に備えてタイヤもパナのグラベルキング28cに張り替えて来たから一切問題なし!やっぱデキる男は段取りが違うってモンよ!おぅ?君等もちょっとは急げよ!先に行っちゃうぞ?」
そうは言っても、合羽を羽織るだけのアナタと違ってコッチは撮影機材の雨養生に時間が掛かるのだ。全くこの男の嫌な感じは半年前と何ら変わりがない。もっともこの後30分ほどでポツリポツリの雨粒が終わってくれた事だけは幸いだった。その後、軽井沢ならではの街並みを楽しみながら車列を進める私たちは最初のエイドに滑り込む。
このエイドでは、まさに朝食にぴったりの気の効いたモーニングセットが振る舞われる。”軽井沢のブレックファースト”をテーマとしたその内容は、新鮮なサラダに三笠ホテルのコーンポタージュ、浅野屋のパン各種。量もたっぷりだし実際に美味しい。さすがグルメフォンドといった内容だ。お洒落なブレックファーストを済ませた私たちはコースに戻る。この頃にはすっかり雨粒も止まっていた。
ここまでは旧軽井沢銀座のシャレた街並みや緑豊かな別荘地という軽井沢らしい景観が続いていたコースは、田園風景へと様変わりを見せる。車通りも少なく走り易い田園地帯を楽しむ私たちの前に一軒の店舗が現れる。すると何の説明もないままに編集長が当たり前の様にバイクを店舗前に滑り込ませる。状況が把握できない私とメタボ会長も取り敢えず右へ習えだ。すると私たち以外にも結構な数の参加者さんが立ち寄っている。
編集長によると、このお店は”白ほたる豆腐店”といい一昨年にオープンしたばかりにも関わらず地元でも評判になり、中でも”飲む豆腐ドリンク”は一度試す価値があるとの事だ。編集長のおごりで”黒ゴマ豆腐ドリンク”を味わうと、おごりを差し引いてもなるほど美味しい。コースには設定されていない”自前エイド”への寄り道もグルメフォンドならではの楽しさがある。
豆腐ドリンクの後、山間部のサイクリングを楽しんだ私たちは塩沢湖畔の”軽井沢タリアセン”に滑り込む。ここは軽井沢タリアセン特製の”信州鹿肉ジビエカレー”と”ベジタブルジュース”が振る舞われる昼食エイドだ。塩沢湖畔の草原に腰を降ろして頂くランチは何を食ってもマズい訳が無い!ましてやライスの量はおろかルーの量まで私たちの希望で盛ってくれるのだから言うことなしだ。
軽井沢のお洒落な雰囲気などお構いなしに、己の胃袋をガッツリ満たした私たちは再びコースに戻る。ここまでの走行距離は約28km。ゴールまでは残り9kmを残すだけだ。軽井沢バイパスを左折し、軽井沢ゴルフ倶楽部を突っ切るように北上する事5km、しなの鉄道を越え中山道に突き当たると”軽井沢チョコレートファクトリー”が現れる。ここはウチの磯部が一押しの寄り道ポイントだけにスルーする訳にはいかない。
3人揃って”ラスク載せソフト”を味わったらゴールはもうすぐそこだ。思い起こせばスタートしてから4時間の間に、モーニングセット、黒ゴマ豆腐ドリンク、信州鹿肉ジビエカレー、締めにラスク載せソフトと食べっ放しだった今回のグルメフォンド。編集部ではメタボ会長と私の二人だけがグルメフォンド初体験だった訳だが、これでは文句など出る要素は無い。
満足感とともにゴールに流れ込んだ私たちを出迎えてくれたのは、煎れ立てのドリップコーヒーとベリーソースのシュークリームだったから驚きだ。「どんだけ充実した大会やねん!」と思わずツッコミを入れそうになりながらも、私はメタボ会長相手に気乗りしないヒアリングに取り掛かる。これも私の任務だから仕方なしといった所だ。
「会長、初めてのグルメフォンドはどうでしたか?レポート用にいつもの本音をお願いします。」
「ん?感想だって? 言わずもがな大満足に決まってるだろ! このグルメフォンドは俺の目指すサイクリングの理想形にほぼ近いよ。軽井沢っていう土地柄もあるんだろうけど、コース設定が抜群で全区間40kmすべての景観がリゾートそのものだから走ってても気持ちイイし、案外走り応えもあったしな。もちろんグルメの内容や品数にも一切文句はないな!」予想通りの返答に聞くまでもなかったかな?と思っていた私にメタボ会長が言葉を続ける。
「ただ気になったこともあるんだけど。ここ軽井沢のように俗に避暑地って呼ばれる辺りは、冬場の降雪で路面が痛んでる事が多いから、普段より太めのタイヤを入れたり予備チューブも複数持つとかの準備はしてほしいね。また乗車中はいつも以上に穴やワダチにハンドルを取られないことに留意してほしいな。実際、今日も何件かの落車に遭遇したよな? 君たち編集部はそこら辺りをしっかりと周知しなきゃいかんよ! 準備を怠るとせっかくの楽しい一日が台無しになりかねないからな。じゃ、俺は仕事があるから先に東京に帰るぞ!」
そう言い残すや否や、ものの5分で着替えを終え、自家用車に乗り込むと同時にメタボ会長は会場を後にする。いつもならムカッ腹が立つ場面だが、今日は違う。会長には敢えて伝えなかったが、実はこの後”バーベキュー”があるのだ。オヤジがこの事実を知って悔しがるのは、おそらくこの記事を読んだ時だろう。
(まぁ、わざわざ読む事も無いでしょうけど・・・)
こうして、今後もメタボ会長の迷惑極まりない取材参加は続くのだった。
今回、編集部チームが実走取材にお伺いした"グルメフォンド軽井沢2015"を支えて下さった大会関係者並びにサポートスタッフの皆様に心より御礼申し上げます。 <編集部一同>
メタボ会長連載のバックナンバーは こちら です
昨年秋に”ツールド日光”の取材現場に遊びに来て以来、編集部のイベント取材現場にパタリと姿を見せなくなったメタボ会長。じつは自転車とは全く関係のない仕事中に、古傷でもある後背筋と膝十字じん帯を痛めて、自転車に乗るどころではなくなっていたのだ。
負傷当初は、歩く事すらままならない程のとってもイイ感じの故障っぷりではあったのだが、年が明け暖かくなり始めてからは、日常生活に支障がないレベルまで回復してしまった事が残念でならない。。4月に入ってからは時々様子見がてら自転車に乗ってみてはいるのだが、彼の現況はホームコースの多摩湖サイクリングロード1周12kmがいっぱいいっぱいといったところだ。
そんなオヤジが現場復帰に選んだのが”グランフォンド軽井沢”だ。今年で6回目を迎える同大会は、日本有数の避暑地として名高い軽井沢をスタート及びゴールとして浅間山を周回する山岳グランフォンドで、5月9、10日の2日間に渡り5カテゴリーの種目が開催される、抜群の人気を誇るイベントだ。
今回メタボ会長がリハビリがてらに参戦するのは、彼の念願でもあった”グルメフォンドコース”だ。このコースは軽井沢駅近郊の景観のイイとこ取りしたコース設定で、高低差こそ小さいものの案外走り応えのある40kmだ。避暑地軽井沢をのんびり楽しみたいカップルや家族連れに編集部が自信を持ってお勧めできるコースだ。
スタート地点となる軽井沢プリンスホテルスキー場は、早朝から多数の参加者さんで賑わいを見せているが、彼らを包む空はどんよりと曇り、今にも雨が落ちてきそうな気配が漂っている。この空模様ではわざわざ晴れ男を連れてきた意味がまるで無い。にも関わらず会場のアチコチで楽しげに談笑を続けるメタボ会長を見ていると無性に腹が立ってくる。全く役立たずなダメな男だ。
私たちが走り始めてすぐに、ポツリポツリと雨粒が落ち始める。と同時にこの雨粒が晴れ男伝説の終わりを告げる。晴れ男伝説が単なる偶然であった事は言うまでもないのだが、心のどっかでウチの会長の神通力を信じていた自分がいた事もまた事実である。そんな私の心をあっさりと裏切った張本人はといえば、背中のポケットからさっさと合羽を取り出したかと思うと鼻の穴をパンパンに膨らませた得意気な顔で喋りかけてくる。
「やっぱり降ってきたかぁ! まぁ想定の範囲内だから俺の準備は抜かりなしだぜ! 合羽はもちろんの事、ついでに雨のブレーキングに備えてホイールもカーボンからエグザリッドに替えてきたし、軽井沢の悪い路面に備えてタイヤもパナのグラベルキング28cに張り替えて来たから一切問題なし!やっぱデキる男は段取りが違うってモンよ!おぅ?君等もちょっとは急げよ!先に行っちゃうぞ?」
そうは言っても、合羽を羽織るだけのアナタと違ってコッチは撮影機材の雨養生に時間が掛かるのだ。全くこの男の嫌な感じは半年前と何ら変わりがない。もっともこの後30分ほどでポツリポツリの雨粒が終わってくれた事だけは幸いだった。その後、軽井沢ならではの街並みを楽しみながら車列を進める私たちは最初のエイドに滑り込む。
このエイドでは、まさに朝食にぴったりの気の効いたモーニングセットが振る舞われる。”軽井沢のブレックファースト”をテーマとしたその内容は、新鮮なサラダに三笠ホテルのコーンポタージュ、浅野屋のパン各種。量もたっぷりだし実際に美味しい。さすがグルメフォンドといった内容だ。お洒落なブレックファーストを済ませた私たちはコースに戻る。この頃にはすっかり雨粒も止まっていた。
ここまでは旧軽井沢銀座のシャレた街並みや緑豊かな別荘地という軽井沢らしい景観が続いていたコースは、田園風景へと様変わりを見せる。車通りも少なく走り易い田園地帯を楽しむ私たちの前に一軒の店舗が現れる。すると何の説明もないままに編集長が当たり前の様にバイクを店舗前に滑り込ませる。状況が把握できない私とメタボ会長も取り敢えず右へ習えだ。すると私たち以外にも結構な数の参加者さんが立ち寄っている。
編集長によると、このお店は”白ほたる豆腐店”といい一昨年にオープンしたばかりにも関わらず地元でも評判になり、中でも”飲む豆腐ドリンク”は一度試す価値があるとの事だ。編集長のおごりで”黒ゴマ豆腐ドリンク”を味わうと、おごりを差し引いてもなるほど美味しい。コースには設定されていない”自前エイド”への寄り道もグルメフォンドならではの楽しさがある。
豆腐ドリンクの後、山間部のサイクリングを楽しんだ私たちは塩沢湖畔の”軽井沢タリアセン”に滑り込む。ここは軽井沢タリアセン特製の”信州鹿肉ジビエカレー”と”ベジタブルジュース”が振る舞われる昼食エイドだ。塩沢湖畔の草原に腰を降ろして頂くランチは何を食ってもマズい訳が無い!ましてやライスの量はおろかルーの量まで私たちの希望で盛ってくれるのだから言うことなしだ。
軽井沢のお洒落な雰囲気などお構いなしに、己の胃袋をガッツリ満たした私たちは再びコースに戻る。ここまでの走行距離は約28km。ゴールまでは残り9kmを残すだけだ。軽井沢バイパスを左折し、軽井沢ゴルフ倶楽部を突っ切るように北上する事5km、しなの鉄道を越え中山道に突き当たると”軽井沢チョコレートファクトリー”が現れる。ここはウチの磯部が一押しの寄り道ポイントだけにスルーする訳にはいかない。
3人揃って”ラスク載せソフト”を味わったらゴールはもうすぐそこだ。思い起こせばスタートしてから4時間の間に、モーニングセット、黒ゴマ豆腐ドリンク、信州鹿肉ジビエカレー、締めにラスク載せソフトと食べっ放しだった今回のグルメフォンド。編集部ではメタボ会長と私の二人だけがグルメフォンド初体験だった訳だが、これでは文句など出る要素は無い。
満足感とともにゴールに流れ込んだ私たちを出迎えてくれたのは、煎れ立てのドリップコーヒーとベリーソースのシュークリームだったから驚きだ。「どんだけ充実した大会やねん!」と思わずツッコミを入れそうになりながらも、私はメタボ会長相手に気乗りしないヒアリングに取り掛かる。これも私の任務だから仕方なしといった所だ。
「会長、初めてのグルメフォンドはどうでしたか?レポート用にいつもの本音をお願いします。」
「ん?感想だって? 言わずもがな大満足に決まってるだろ! このグルメフォンドは俺の目指すサイクリングの理想形にほぼ近いよ。軽井沢っていう土地柄もあるんだろうけど、コース設定が抜群で全区間40kmすべての景観がリゾートそのものだから走ってても気持ちイイし、案外走り応えもあったしな。もちろんグルメの内容や品数にも一切文句はないな!」予想通りの返答に聞くまでもなかったかな?と思っていた私にメタボ会長が言葉を続ける。
「ただ気になったこともあるんだけど。ここ軽井沢のように俗に避暑地って呼ばれる辺りは、冬場の降雪で路面が痛んでる事が多いから、普段より太めのタイヤを入れたり予備チューブも複数持つとかの準備はしてほしいね。また乗車中はいつも以上に穴やワダチにハンドルを取られないことに留意してほしいな。実際、今日も何件かの落車に遭遇したよな? 君たち編集部はそこら辺りをしっかりと周知しなきゃいかんよ! 準備を怠るとせっかくの楽しい一日が台無しになりかねないからな。じゃ、俺は仕事があるから先に東京に帰るぞ!」
そう言い残すや否や、ものの5分で着替えを終え、自家用車に乗り込むと同時にメタボ会長は会場を後にする。いつもならムカッ腹が立つ場面だが、今日は違う。会長には敢えて伝えなかったが、実はこの後”バーベキュー”があるのだ。オヤジがこの事実を知って悔しがるのは、おそらくこの記事を読んだ時だろう。
(まぁ、わざわざ読む事も無いでしょうけど・・・)
こうして、今後もメタボ会長の迷惑極まりない取材参加は続くのだった。
今回、編集部チームが実走取材にお伺いした"グルメフォンド軽井沢2015"を支えて下さった大会関係者並びにサポートスタッフの皆様に心より御礼申し上げます。 <編集部一同>
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メタボ会長
身長 : 172cm 体重 : 82kg 自転車歴 : 6年
当サイト運営法人の代表取締役。平成元年に現法人を設立、平成17年に社長を辞し会長職に退くも、平成20年に当サイトが属するメディア事業部の責任者兼務となったことをキッカケに自転車に乗り始める。豊富な筋肉量を生かした瞬発力はかなりのモノだが、こと登坂となるとその能力はべらぼうに低い。日本一登れない男だ。
身長 : 172cm 体重 : 82kg 自転車歴 : 6年
当サイト運営法人の代表取締役。平成元年に現法人を設立、平成17年に社長を辞し会長職に退くも、平成20年に当サイトが属するメディア事業部の責任者兼務となったことをキッカケに自転車に乗り始める。豊富な筋肉量を生かした瞬発力はかなりのモノだが、こと登坂となるとその能力はべらぼうに低い。日本一登れない男だ。
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