2014/11/19(水) - 08:40
11月15日(土)、伊豆半島の東南エリア、東伊豆町にて「ビギナーから上級者までだれでも楽しめる」がコンセプトのMTBクロスカントリーイベント”メリダ・ミヤタカップ”が開催された。Jシリーズを走るライダーからキッズまで、幅広い参加者が好天のもと、MTBを楽しむアットホームな大会の様子を紹介しよう。
今年で28回目となるメリダ・ミヤタカップ。昨年は湘南国際村へと会場を移していたが、今年は一昨年までの東伊豆クロスカントリーコースへと帰ってきた。日本初の常設クロスカントリーコースである、東伊豆クロスカントリーコースは眼下に太平洋を望むこともできる絶好のロケーションだ。
都心からは車で約3時間と、昨年大会の湘南国際村に比べるとアクセスの面では不利なのは確かだけれども、より豊かな自然やフラットなコースレイアウト、また参加者にとって馴染みのあるロケーションといった点でやはり魅力的な会場であるのは間違いない。
大会ゲストライダーにはメリダのワールドチームにあたるMULTIVAN MERIDA BIKING TEAMから、オリンピックに過去4回出場し、2014シーズンもスペイン王者を獲得したXC界の”皇帝”ことホセ・ヘルミダ選手が昨年に引き続き来日、そしてそのチームメイトであるルディ ヴァン・フーツ選手が参加した。加えて、国内チームのMIYATA-MERIDA BIKING TEAMからは小野寺 健選手、恩田 祐一選手、松尾 純選手らが参加した。
長い歴史を持つ東伊豆のクロスカントリーコースは1か所に短い激坂がある他はほぼフラットな3.5kmのコース。シングルトラックのテクニカルなセクションはなく、下りも緩やかで安心して走りやすいコース。ビギナーでもMTBの楽しさを味わえるという点で見れば、コース幅が広いため抜きやすく、抜かれやすいこのコースは遅いライダーでも遠慮せず楽しめるレイアウトだ。
コースを3周するクロスカントリー男子スポーツの部から始まったメリダ・ミヤタカップ。ポカポカと身体を温めてくれる陽射しが心地いいコースを駆け抜けていくライダーたち。その後は男子のビギナーと女子の部が開催された。こちらはコースを2周するカテゴリーだ。
そのあとには、一番の盛り上がりを見せるキッズレースが始まった。大人顔負けの小学校高学年の部にはじまり、小学校低学年と未就学児補助輪なし・ありに分かれてのレース。高学年の部を除けば、コースはホームストレートを往復する、ほぼ全面が芝生のフラットコースのみを走るため、お子さんでも安心して走れるのが特徴だ。
将来有望なちびっこライダーたちは、サポートライダーのヘルミダ選手を先頭にぐんぐんと加速していく。一方でコーステープに引っ掛かってしまう子や、飽きて泣き出しちゃう子なんかもいて、なんとも微笑ましい。応援の声もこの日一番大きかったのがキッズカテゴリーだ。
そして、個人的に最もメリダ・ミヤタカップらしいと感じたのが、親子スプリント。これは3.5kmのフルコースを2周するレースなのだけれど、特徴的なのはそのルール。親子がペアで同時にスタートして、一周目は子どもが先頭で走り、2周目は親がガチンコのバトルを繰り広げるというもの。そう、親だけが速くても勝てないルールで、親子の走力とテクニック、そして普段から培われた絆が問われるレースなのだ。
さて、そしてお昼前にはエキシビジョンレースが開催。ゲストライダーに加え、小笠原崇裕選手(THE BIKE JOURNAL)や鈴木智之選手(ckirin J)ら、そしてロード界から宇都宮ブリッツェンの鈴木真理選手と大久保陣選手が参戦し、総勢20名のライダーが出走した。選手全員が名前をコールされながらスタートラインに並び終えると、優勝賞金5万円を巡って、手加減一切なしの”ガチンコ”レースが開幕した。
パレードとなる1周目を終え、2周目に入るころにはゲストライダーのヘルミダ選手とヴァン・フーツ選手が早くも抜けだし、途中恩田選手が追い上げる場面もあったものの、そのまま最後まで逃げ切り。スプリントはチームの先輩であるヘルミダ選手が制した。因みにヘルミダ選手は普段29インチと27.5インチを使い分けているそうだが、今回は29インチのBIG NINEを使用した。
今大会の参加者のバイクについていえば、昨年に比べると27.5インチバイクがかなり増えている印象。また、XC系イベントとあり、多くの参加者がリアリジットのマシンを用意したが、中にはダートジャンプ用バイクやオールマウンテン、さらにはファットバイクなど、幅広いバイクが見られた。
さて、ワールドクラスの走りを目前にして会場全体が盛り上がった後はエンデューロ種目がスタート。今大会で最大の規模のカテゴリーなので、スタート地点も奥へと移動。号砲とともに、多くの参加者がコースへと走りだしていく。ちなみに、午前のXCレースから連戦のライダーも多く参加しており、好成績を狙うチームから、コスプレして走っているチームまでみなさん様々な方法で大会をエンジョイされている。
1チーム当たりの人数は1時間が最大2名、3時間が最大4名でそれぞれ男子と女子、男女混合、ファミリーの4カテゴリーが設定されるエンデューロ。多くのチームが一斉にスタートしても、東伊豆クロスカントリーコースは十分な道幅で渋滞することもなく、追い抜きなども自然に、安全に行えるので、快適にレースを楽しむことができる。
サーキットで行われるロードレーサーのエンデューロイベントに慣れている目からすると、少し狭めのピットは和やかな雰囲気。地元名物の稲取キンメのおみそ汁や、自前のお弁当やカップめんを食べながら仲間の帰りをまつピットは、なんだかすごくほっこりとした時間が流れていた。
さて、そうこうしているうちに1時過ぎには1時間の部が、日が傾き始めてきた3時過ぎには3時間の部がフィニッシュ。レースは終了後にはゲストライダーによるサイン会や表彰式、そしてヘルミダ選手のサイン入りジャージを始めとした豪華景品が当たる大抽選会が行われた。最後にヘルミダ選手とヴァン・フーツ選手の挨拶で大会は幕を閉じた。
昨年に引き続き、今年も好天の中で開催されたメリダ・ミヤタカップ。きっと、参加者の笑顔が晴れ渡った青空を呼び寄せるに違いない。そう思わせてくれるほど、会場にいるみなさんは楽しそうで、大会を、そしてMTBを心から愛しているのだなというのが伝わってくる暖かいイベントだった。MTBを始めた方、久しぶりに復帰する方には非常に魅力的な大会だろう。来年はぜひ、私も走ってみたい。そう強く思わされた。
text & photo:Naoki.YASUOKA
今年で28回目となるメリダ・ミヤタカップ。昨年は湘南国際村へと会場を移していたが、今年は一昨年までの東伊豆クロスカントリーコースへと帰ってきた。日本初の常設クロスカントリーコースである、東伊豆クロスカントリーコースは眼下に太平洋を望むこともできる絶好のロケーションだ。
都心からは車で約3時間と、昨年大会の湘南国際村に比べるとアクセスの面では不利なのは確かだけれども、より豊かな自然やフラットなコースレイアウト、また参加者にとって馴染みのあるロケーションといった点でやはり魅力的な会場であるのは間違いない。
大会ゲストライダーにはメリダのワールドチームにあたるMULTIVAN MERIDA BIKING TEAMから、オリンピックに過去4回出場し、2014シーズンもスペイン王者を獲得したXC界の”皇帝”ことホセ・ヘルミダ選手が昨年に引き続き来日、そしてそのチームメイトであるルディ ヴァン・フーツ選手が参加した。加えて、国内チームのMIYATA-MERIDA BIKING TEAMからは小野寺 健選手、恩田 祐一選手、松尾 純選手らが参加した。
長い歴史を持つ東伊豆のクロスカントリーコースは1か所に短い激坂がある他はほぼフラットな3.5kmのコース。シングルトラックのテクニカルなセクションはなく、下りも緩やかで安心して走りやすいコース。ビギナーでもMTBの楽しさを味わえるという点で見れば、コース幅が広いため抜きやすく、抜かれやすいこのコースは遅いライダーでも遠慮せず楽しめるレイアウトだ。
コースを3周するクロスカントリー男子スポーツの部から始まったメリダ・ミヤタカップ。ポカポカと身体を温めてくれる陽射しが心地いいコースを駆け抜けていくライダーたち。その後は男子のビギナーと女子の部が開催された。こちらはコースを2周するカテゴリーだ。
そのあとには、一番の盛り上がりを見せるキッズレースが始まった。大人顔負けの小学校高学年の部にはじまり、小学校低学年と未就学児補助輪なし・ありに分かれてのレース。高学年の部を除けば、コースはホームストレートを往復する、ほぼ全面が芝生のフラットコースのみを走るため、お子さんでも安心して走れるのが特徴だ。
将来有望なちびっこライダーたちは、サポートライダーのヘルミダ選手を先頭にぐんぐんと加速していく。一方でコーステープに引っ掛かってしまう子や、飽きて泣き出しちゃう子なんかもいて、なんとも微笑ましい。応援の声もこの日一番大きかったのがキッズカテゴリーだ。
そして、個人的に最もメリダ・ミヤタカップらしいと感じたのが、親子スプリント。これは3.5kmのフルコースを2周するレースなのだけれど、特徴的なのはそのルール。親子がペアで同時にスタートして、一周目は子どもが先頭で走り、2周目は親がガチンコのバトルを繰り広げるというもの。そう、親だけが速くても勝てないルールで、親子の走力とテクニック、そして普段から培われた絆が問われるレースなのだ。
さて、そしてお昼前にはエキシビジョンレースが開催。ゲストライダーに加え、小笠原崇裕選手(THE BIKE JOURNAL)や鈴木智之選手(ckirin J)ら、そしてロード界から宇都宮ブリッツェンの鈴木真理選手と大久保陣選手が参戦し、総勢20名のライダーが出走した。選手全員が名前をコールされながらスタートラインに並び終えると、優勝賞金5万円を巡って、手加減一切なしの”ガチンコ”レースが開幕した。
パレードとなる1周目を終え、2周目に入るころにはゲストライダーのヘルミダ選手とヴァン・フーツ選手が早くも抜けだし、途中恩田選手が追い上げる場面もあったものの、そのまま最後まで逃げ切り。スプリントはチームの先輩であるヘルミダ選手が制した。因みにヘルミダ選手は普段29インチと27.5インチを使い分けているそうだが、今回は29インチのBIG NINEを使用した。
今大会の参加者のバイクについていえば、昨年に比べると27.5インチバイクがかなり増えている印象。また、XC系イベントとあり、多くの参加者がリアリジットのマシンを用意したが、中にはダートジャンプ用バイクやオールマウンテン、さらにはファットバイクなど、幅広いバイクが見られた。
さて、ワールドクラスの走りを目前にして会場全体が盛り上がった後はエンデューロ種目がスタート。今大会で最大の規模のカテゴリーなので、スタート地点も奥へと移動。号砲とともに、多くの参加者がコースへと走りだしていく。ちなみに、午前のXCレースから連戦のライダーも多く参加しており、好成績を狙うチームから、コスプレして走っているチームまでみなさん様々な方法で大会をエンジョイされている。
1チーム当たりの人数は1時間が最大2名、3時間が最大4名でそれぞれ男子と女子、男女混合、ファミリーの4カテゴリーが設定されるエンデューロ。多くのチームが一斉にスタートしても、東伊豆クロスカントリーコースは十分な道幅で渋滞することもなく、追い抜きなども自然に、安全に行えるので、快適にレースを楽しむことができる。
サーキットで行われるロードレーサーのエンデューロイベントに慣れている目からすると、少し狭めのピットは和やかな雰囲気。地元名物の稲取キンメのおみそ汁や、自前のお弁当やカップめんを食べながら仲間の帰りをまつピットは、なんだかすごくほっこりとした時間が流れていた。
さて、そうこうしているうちに1時過ぎには1時間の部が、日が傾き始めてきた3時過ぎには3時間の部がフィニッシュ。レースは終了後にはゲストライダーによるサイン会や表彰式、そしてヘルミダ選手のサイン入りジャージを始めとした豪華景品が当たる大抽選会が行われた。最後にヘルミダ選手とヴァン・フーツ選手の挨拶で大会は幕を閉じた。
昨年に引き続き、今年も好天の中で開催されたメリダ・ミヤタカップ。きっと、参加者の笑顔が晴れ渡った青空を呼び寄せるに違いない。そう思わせてくれるほど、会場にいるみなさんは楽しそうで、大会を、そしてMTBを心から愛しているのだなというのが伝わってくる暖かいイベントだった。MTBを始めた方、久しぶりに復帰する方には非常に魅力的な大会だろう。来年はぜひ、私も走ってみたい。そう強く思わされた。
text & photo:Naoki.YASUOKA
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