2014/10/25(土) - 09:07
いよいよやってきたシクロクロスの開幕。好評の連載企画「あなたの自転車魅せて下さい(シクロクロス編season2)」もいよいよ再スタートです。趣味の偏った編集部磯部による、広告・スポンサー一切度外視の隔離病棟的愛車レポートをお楽しみ下さい。今回は宇都宮シクロクロス編!
小山浩之さん SPEEDVAGEN
泥の野辺山を、砂地獄のシクロクロス東京を、オルベアのロードバイクで爆走していたライダーを覚えている方も多いはず。それがこの小山浩之さん。「どうしても泥が詰まってしまって、いよいよCXバイクが欲しくなって…」と今回の宇都宮シクロクロスでは満を持して(?)おニューのCXバイクを持ち込んだ。
鮮やかなグリーンが眩しいバイクは、ポートランドでサシャ・ホワイト氏のハンドビルドによって作り上げられるSPEEDVAGEN。「あまり所有車を増やしたくなくて、一台でCXもロードもこなせるバイクが欲しかったんです。でもそうすると"吊るし"のモデルでは難しく、オーダーをお願いすることにしました。」と言う。ヘッドチューブ長をCXバイクとしてはかなり詰めていることが特徴だ。
鮮やかなカラーは今年のSPEEDVAGENストックカラー。ENVE製のステムがカラーコーディネイトされているのはSPEEDVAGENのスタンダードだが、ChrisKingのハブまで揃えられているのは珍しい。「カラーオーダーのこだわりを伝えたら塗ってくれました。柔軟な姿勢はオーダーブランドならではの良い所です。」と小山さん。「SRMを使うのでマグネット用のネジ穴が必要だったんですが、それにも快く対応してくれました。」
パーツは9070デュラエースを基本に、ロードでも使えるようにアウターリングは50T。足回りはENVE S.E.S.3.4とDUGASTという豪華仕様だ。カンチブレーキはPAULで、SPEEDVAGENの基本をしっかり抑えた仕様。気になる乗り味は「そんなに数を乗っていないのであまり語れないのですが、低速からの伸びがスゴく良くって、かつ安定しています。速いことに加えてとても楽ができますね。」とのこと。「メタメタになるまで愛情こめて使っていきたいなと思います。」と加えてくれた。
横関正司さん BREAD WINNER Hole Shot
素敵なSS(シングル・スピード)が目に留まってお声がけさせて頂いたのは、横関正司さんのBREAD WINNER。まだ聞き慣れないブランドだが、それもそのはずトニー・ペレイラ&アイラ・ライアンというビッグネーム2人がコラボレーションし、2013年のNAHBSで発表したばかりのブランドだ。本拠地はもちろんポートランドに置いている。ホワイト×パステルブルーが爽やかなバイク今年に入って納車し、まだ2レース目だそう。
横関さんとBREAD WINNERの出会いは、SNS上でのことだったそう。「もともとSSが好きだったのですが、タイムラインにBREAD WINNERのSSの写真が流れてきて…。コレだ!と思って直接コンタクトを取りオーダーしたんです。」と言う。
「やっぱりSSの魅力はそのシンプルさでしょうか。レース中ギア選択に困ることがないし、壊れないし、なにより美しい。意外とシクロクロスに合っていますよ。」と横関さん。バイクはトラックエンドを採用し、通常のフリーにスペーサーをかませることでシングル化させている。ギア比は2.0で、平坦路では2.1程度で調整するそうだ。
「まだ乗り慣れてないんですが、以前のバイクと比較してクイックでレーシーな味付けです。おそるおそる乗り込んでいる段階ですね。SSということで軽さに期待したのですが、実際はちょっと重い(笑)。パーツ的なこだわりはそこまで強くないのですが、将来的にはもう少し軽量化を行いたいですね。」
高橋織江さん、洋一さんご夫妻(PEDAL NATION) RAIZIN WORKS
L2クラスで織江さんが見事ぶっちぎり優勝、洋一さんがカテ2で5位と好成績を残した高橋ご夫妻。共に乗るのは群馬・桐生のフレームビルダー「RAIZIN WORKS」のCXバイクだ。洋一さんは「もともと女性にピッタリなCXバイクが無かったので、雷神さんにいきなり直談判しに行きました(笑)。私はもともとカーボンバイクを持っていたのですが、妻だけカッコいいの乗ってるのは気に入らん!ともう一台オーダーしてしまったんです。」と笑いながら言う。
フロントフォークやシートステーの曲げが目を牽く2台のバイクはディスクブレーキ仕様という共通点こそあれど、乗り方やポジション、体重に合わせてパイプの種類から異なっている。初のRAIZIN製ディスクCXバイクという織江さんの自転車は乗り心地を優先して柔かめ、対して洋一さんの自転車は低重心化するために大口径のダウンチューブを使っているそう。共にブレーキワイヤーなどでカラーコーディネイトがされている。
「やっぱり細身でカッコいいですし、人と被らないのが良いです。今回はフレームビルダーの福田さんに優勝の報告ができました。」とは織江さん。洋一さんは「私は優勝できなかったので悔しいです(笑)。今シーズンはどこかで優勝して福田さんに報告してやりたい。頑張りますよ!」と意気込みを語ってくれた。
菊地洋介さん(TEAM AIBE) TONIC FABRICATION Magnum CX DISC
会津弁で「一緒に行こう」という意味(チームのホームページ調べ)のTEAM AIBEに所属する菊地洋介さんの愛車は、ポートランドのビルダーブランドTONIC FABRICATIONのMagnum。大迫力の44mmヘッドなど、太めのチュービングが特徴的なディスクブレーキCXバイクだ。
「ウェブサイトやSNSでTONICを見ていて、これカッコいいなーと思っていたんですよね。それが購入した動機です。」かなり目立つネオンピンクは、チームカラーに合わせたもの。駆動側からは見えないが、逆からだと目立つダウンチューブのロゴ、それに合わせたChris Kingのヘッドセット、チェーンリングのボルト、バーテープ(下ハンドルのみというのが良いですね!)など、全体的にブラック×ピンクで統一されている。
コンポーネントはSRAMのREDで、ブレーキは油圧式。もともとMTBライダーということもあり、ホイールはENVEのXC(29er)。夏はMTBに、冬はCXにとホイールを使い回せるというメリットがことからディスクブレーキCXにしたそう。今シーズンからフロントをシングル化しているとのこと。
昨年の納車からおよそ1シーズン半を走ってきたというこのバイク。「そろそろ乗り慣れてきましたね。かなりカッチリとした乗り味で気に入っています。バイクのおかげで見知らぬ方からも応援してもらえるので、それに見合う走りをしなきゃなと思っているところです(笑)。」
眞中繁さん FAIRWEATHER CX
東京に2店舗を構えるショップ"Blue Lug(ブルーラグ)"が東洋フレームとコラボレーションしたオリジナルブランド、"FAIRWEATHER(フェアウェザー)"のCXバイクに乗るのは埼玉県から参戦した眞中繁さんだ。「もともとこのフレームは通っているショップの店長さんのものでした。私がシクロクロスを始めたいと言ったら譲ってくれたんです。」というこのバイク、譲ってもらった際に仲間内で流行っているアイボリーにリペイントを行ったそうだ。
「お洒落な感じで乗りたいなと思って組みました」との通り、WolfToothを使ってフロントシングル化され、細身のフレームに合わせたWound Upのカーボンフォーク、Paulのブレーキ、サドルはWTBの限定カモフラカラーなどなど、かなりアメリカンな雰囲気。極めつけは昨年限定カラーとして発売されたChris Kingをヘッドセット、前後ハブ、BBとフルセットで使っていることだろう。チェーンリングのピンやシートバンドなどもターコイズでコーディネイトされている。
昨シーズンの終わりにCXデビューしたという眞中さんだが、もうすっかりとその魅力にハマってしまったそうだ。「シクロクロスの楽しみって、吐きそうになるほどしんどいけれど、同じコースでも日によってコンディションが違ったり"攻略する楽しみ"があることでしょうか。まだ走り的にはダメダメなんですが、上の人達と競うことで自分のレベルを上げていきたいですね。このバイクと一緒に頑張りたいと思います。」と語ってくれた。
text&photo:So.Isobe
小山浩之さん SPEEDVAGEN
泥の野辺山を、砂地獄のシクロクロス東京を、オルベアのロードバイクで爆走していたライダーを覚えている方も多いはず。それがこの小山浩之さん。「どうしても泥が詰まってしまって、いよいよCXバイクが欲しくなって…」と今回の宇都宮シクロクロスでは満を持して(?)おニューのCXバイクを持ち込んだ。
鮮やかなグリーンが眩しいバイクは、ポートランドでサシャ・ホワイト氏のハンドビルドによって作り上げられるSPEEDVAGEN。「あまり所有車を増やしたくなくて、一台でCXもロードもこなせるバイクが欲しかったんです。でもそうすると"吊るし"のモデルでは難しく、オーダーをお願いすることにしました。」と言う。ヘッドチューブ長をCXバイクとしてはかなり詰めていることが特徴だ。
鮮やかなカラーは今年のSPEEDVAGENストックカラー。ENVE製のステムがカラーコーディネイトされているのはSPEEDVAGENのスタンダードだが、ChrisKingのハブまで揃えられているのは珍しい。「カラーオーダーのこだわりを伝えたら塗ってくれました。柔軟な姿勢はオーダーブランドならではの良い所です。」と小山さん。「SRMを使うのでマグネット用のネジ穴が必要だったんですが、それにも快く対応してくれました。」
パーツは9070デュラエースを基本に、ロードでも使えるようにアウターリングは50T。足回りはENVE S.E.S.3.4とDUGASTという豪華仕様だ。カンチブレーキはPAULで、SPEEDVAGENの基本をしっかり抑えた仕様。気になる乗り味は「そんなに数を乗っていないのであまり語れないのですが、低速からの伸びがスゴく良くって、かつ安定しています。速いことに加えてとても楽ができますね。」とのこと。「メタメタになるまで愛情こめて使っていきたいなと思います。」と加えてくれた。
横関正司さん BREAD WINNER Hole Shot
素敵なSS(シングル・スピード)が目に留まってお声がけさせて頂いたのは、横関正司さんのBREAD WINNER。まだ聞き慣れないブランドだが、それもそのはずトニー・ペレイラ&アイラ・ライアンというビッグネーム2人がコラボレーションし、2013年のNAHBSで発表したばかりのブランドだ。本拠地はもちろんポートランドに置いている。ホワイト×パステルブルーが爽やかなバイク今年に入って納車し、まだ2レース目だそう。
横関さんとBREAD WINNERの出会いは、SNS上でのことだったそう。「もともとSSが好きだったのですが、タイムラインにBREAD WINNERのSSの写真が流れてきて…。コレだ!と思って直接コンタクトを取りオーダーしたんです。」と言う。
「やっぱりSSの魅力はそのシンプルさでしょうか。レース中ギア選択に困ることがないし、壊れないし、なにより美しい。意外とシクロクロスに合っていますよ。」と横関さん。バイクはトラックエンドを採用し、通常のフリーにスペーサーをかませることでシングル化させている。ギア比は2.0で、平坦路では2.1程度で調整するそうだ。
「まだ乗り慣れてないんですが、以前のバイクと比較してクイックでレーシーな味付けです。おそるおそる乗り込んでいる段階ですね。SSということで軽さに期待したのですが、実際はちょっと重い(笑)。パーツ的なこだわりはそこまで強くないのですが、将来的にはもう少し軽量化を行いたいですね。」
高橋織江さん、洋一さんご夫妻(PEDAL NATION) RAIZIN WORKS
L2クラスで織江さんが見事ぶっちぎり優勝、洋一さんがカテ2で5位と好成績を残した高橋ご夫妻。共に乗るのは群馬・桐生のフレームビルダー「RAIZIN WORKS」のCXバイクだ。洋一さんは「もともと女性にピッタリなCXバイクが無かったので、雷神さんにいきなり直談判しに行きました(笑)。私はもともとカーボンバイクを持っていたのですが、妻だけカッコいいの乗ってるのは気に入らん!ともう一台オーダーしてしまったんです。」と笑いながら言う。
フロントフォークやシートステーの曲げが目を牽く2台のバイクはディスクブレーキ仕様という共通点こそあれど、乗り方やポジション、体重に合わせてパイプの種類から異なっている。初のRAIZIN製ディスクCXバイクという織江さんの自転車は乗り心地を優先して柔かめ、対して洋一さんの自転車は低重心化するために大口径のダウンチューブを使っているそう。共にブレーキワイヤーなどでカラーコーディネイトがされている。
「やっぱり細身でカッコいいですし、人と被らないのが良いです。今回はフレームビルダーの福田さんに優勝の報告ができました。」とは織江さん。洋一さんは「私は優勝できなかったので悔しいです(笑)。今シーズンはどこかで優勝して福田さんに報告してやりたい。頑張りますよ!」と意気込みを語ってくれた。
菊地洋介さん(TEAM AIBE) TONIC FABRICATION Magnum CX DISC
会津弁で「一緒に行こう」という意味(チームのホームページ調べ)のTEAM AIBEに所属する菊地洋介さんの愛車は、ポートランドのビルダーブランドTONIC FABRICATIONのMagnum。大迫力の44mmヘッドなど、太めのチュービングが特徴的なディスクブレーキCXバイクだ。
「ウェブサイトやSNSでTONICを見ていて、これカッコいいなーと思っていたんですよね。それが購入した動機です。」かなり目立つネオンピンクは、チームカラーに合わせたもの。駆動側からは見えないが、逆からだと目立つダウンチューブのロゴ、それに合わせたChris Kingのヘッドセット、チェーンリングのボルト、バーテープ(下ハンドルのみというのが良いですね!)など、全体的にブラック×ピンクで統一されている。
コンポーネントはSRAMのREDで、ブレーキは油圧式。もともとMTBライダーということもあり、ホイールはENVEのXC(29er)。夏はMTBに、冬はCXにとホイールを使い回せるというメリットがことからディスクブレーキCXにしたそう。今シーズンからフロントをシングル化しているとのこと。
昨年の納車からおよそ1シーズン半を走ってきたというこのバイク。「そろそろ乗り慣れてきましたね。かなりカッチリとした乗り味で気に入っています。バイクのおかげで見知らぬ方からも応援してもらえるので、それに見合う走りをしなきゃなと思っているところです(笑)。」
眞中繁さん FAIRWEATHER CX
東京に2店舗を構えるショップ"Blue Lug(ブルーラグ)"が東洋フレームとコラボレーションしたオリジナルブランド、"FAIRWEATHER(フェアウェザー)"のCXバイクに乗るのは埼玉県から参戦した眞中繁さんだ。「もともとこのフレームは通っているショップの店長さんのものでした。私がシクロクロスを始めたいと言ったら譲ってくれたんです。」というこのバイク、譲ってもらった際に仲間内で流行っているアイボリーにリペイントを行ったそうだ。
「お洒落な感じで乗りたいなと思って組みました」との通り、WolfToothを使ってフロントシングル化され、細身のフレームに合わせたWound Upのカーボンフォーク、Paulのブレーキ、サドルはWTBの限定カモフラカラーなどなど、かなりアメリカンな雰囲気。極めつけは昨年限定カラーとして発売されたChris Kingをヘッドセット、前後ハブ、BBとフルセットで使っていることだろう。チェーンリングのピンやシートバンドなどもターコイズでコーディネイトされている。
昨シーズンの終わりにCXデビューしたという眞中さんだが、もうすっかりとその魅力にハマってしまったそうだ。「シクロクロスの楽しみって、吐きそうになるほどしんどいけれど、同じコースでも日によってコンディションが違ったり"攻略する楽しみ"があることでしょうか。まだ走り的にはダメダメなんですが、上の人達と競うことで自分のレベルを上げていきたいですね。このバイクと一緒に頑張りたいと思います。」と語ってくれた。
text&photo:So.Isobe
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