2014/10/14(火) - 09:33
衝撃吸収性やグリップの高さ、低い転がり抵抗など、他のタイヤ装着方式に対して多くの利点を有するチューブレスタイヤ。反面ホイールへの装着が難しいことから導入を諦めている方も少なく無いはず。そのデメリットを解消したボントレガーのフロアポンプ「TLR Flash Charger」をインプレッションする。
ボントレガー TLR Flash Charger (c)トレック・ジャパン
ロード、シクロクロス、MTBとあらゆるジャンルで徐々にシェアを伸ばしているチューブレスタイヤ。文字通りチューブを必要としない内部構造と、低圧で使用できることに由来する様々なメリットに惚れ込んでいるサイクリストは少なくないだろう。一方で、一般的にチューブレスタイヤはリムへの嵌め込みがキツいことが多い。それだけならまだしも、苦労して装着して一生懸命空気を入れようとしてもポンピングと共にタイヤとリムの隙間から「シューッ」と空気が抜けてしまうことも多々あり、落胆した経験があるという方も少なくないはず。
一般的にチューブレスタイヤの説明書には「装着時には一気に空気を入れて、ビードを固定して下さい」と記されている。もちろん、電動コンプレッサーがあれば便利なのだが、そもそも自転車用タイヤ前後分に対応するサイズにもなると高価で、家の中に置くにしてもスペースをとるし、動作音もそれなりに大きいため現実的ではない。
ポンプ本体に据えられたチャンバー photo:Makoto.Ayano
ワイドな3本足ベースと握りやすいレバー形状によってポンピング時の安定感を高めている
空気放出バルブも設けられている photo:Makoto.Ayano
そんな悩みを解決するのが、今回インプレッションするTLR Flash Chargerだ。通常のフロアポンプに圧縮した空気を溜めるチャンバーを追加した、いわば「手動コンプレッサー」である。電動式と同様に溜めた空気を一気にタイヤに充填することができ、レース現場など電源のない環境でも重宝するはず。アイデア商品を多くラインナップするボントレガーらしいプロダクトである。
本体はアルミ製で、最大空気圧は160psi程度。重量は2.6kgと一般的なフロアポンプに比べてやや重いが、かえってポンピング時の高い安定性に繋がっており、体重を活かしたポンピングができる。しっかりと磨きあげられたピストン部分、大きめで持ちやすいレバー、ワイドな3本足ベース、上部に取り付けられて視認性が高い目盛部分など、さすがは高級フロアポンプといった仕上がり。ポンプヘッドは仏式/米式兼用だ。
高級フロアポンプの例にもれず、ポンピングは非常にスムーズだ
ポンプヘッドはバルブコアを折らないよう慎重に取り付けたい 次に使い方はというと、まずプレッシャーゲージ下に位置する赤いレバーを下ろした状態でポンピングし、チャンバー内に空気を充填していく。チャンバーに圧縮空気を充填後にポンプヘッドをバルブにセット。最後は赤いレバーを上げてタイヤ内に空気を送り込み、タイヤがリムに嵌ったら空気漏れがないかどうかを確認して完了。なお、空気圧を上げすぎた場合はプレッシャーゲージ下の赤いボタンを押すことで空気を抜くことができる。
赤いレバーを下げることでチャンバー内の圧縮空気を一気にタイヤへ送り込む さて実際の使用感だが、非常にスムーズにポンピングすることが可能で、一般的なポンプならかなり踏ん張らなくてはならない160psiまでらくらく到達できる。バルブヘッドは仏米兼用のためか、仏式での使用時にはバルブコアを折らないためにも慎重に取り付けたい。
そして肝心の充填速度だが、電動コンプレッサーの如く勢い良くタイヤへ空気を送りこんでくれる。タイヤとリムの相性が良ければ、TLR Flash Charger以外にツール等を使用することなく、至って容易にビードを上げることができる。順調に進めば、クリンチャータイヤとほとんど変わらない作業時間で装着を終えることができた。
今回インプレッションに使用した27.5×2.1インチタイヤでは160psiに達するまでチャンバー内に空気を充填すると、空気圧は2bar強となった。ただ予めチャンバー内に空気を満充填していたとしても、リムとタイヤの相性が悪い場合には隙間から空気が漏れてしまうため、作業前に念のためシーラントや石鹸水は用意しておいた方が良いだろう。
ボントレガー TLR Flash Charger
高 さ:67.5cm
重 量:2.6kg(実測)
ゲージ:最大目盛り160psi
カラー:ブラック
価 格:13,900円(税込)
text:Yuya.Yamamoto
photo:Makoto.AYANO
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ロード、シクロクロス、MTBとあらゆるジャンルで徐々にシェアを伸ばしているチューブレスタイヤ。文字通りチューブを必要としない内部構造と、低圧で使用できることに由来する様々なメリットに惚れ込んでいるサイクリストは少なくないだろう。一方で、一般的にチューブレスタイヤはリムへの嵌め込みがキツいことが多い。それだけならまだしも、苦労して装着して一生懸命空気を入れようとしてもポンピングと共にタイヤとリムの隙間から「シューッ」と空気が抜けてしまうことも多々あり、落胆した経験があるという方も少なくないはず。
一般的にチューブレスタイヤの説明書には「装着時には一気に空気を入れて、ビードを固定して下さい」と記されている。もちろん、電動コンプレッサーがあれば便利なのだが、そもそも自転車用タイヤ前後分に対応するサイズにもなると高価で、家の中に置くにしてもスペースをとるし、動作音もそれなりに大きいため現実的ではない。
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そんな悩みを解決するのが、今回インプレッションするTLR Flash Chargerだ。通常のフロアポンプに圧縮した空気を溜めるチャンバーを追加した、いわば「手動コンプレッサー」である。電動式と同様に溜めた空気を一気にタイヤに充填することができ、レース現場など電源のない環境でも重宝するはず。アイデア商品を多くラインナップするボントレガーらしいプロダクトである。
本体はアルミ製で、最大空気圧は160psi程度。重量は2.6kgと一般的なフロアポンプに比べてやや重いが、かえってポンピング時の高い安定性に繋がっており、体重を活かしたポンピングができる。しっかりと磨きあげられたピストン部分、大きめで持ちやすいレバー、ワイドな3本足ベース、上部に取り付けられて視認性が高い目盛部分など、さすがは高級フロアポンプといった仕上がり。ポンプヘッドは仏式/米式兼用だ。
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そして肝心の充填速度だが、電動コンプレッサーの如く勢い良くタイヤへ空気を送りこんでくれる。タイヤとリムの相性が良ければ、TLR Flash Charger以外にツール等を使用することなく、至って容易にビードを上げることができる。順調に進めば、クリンチャータイヤとほとんど変わらない作業時間で装着を終えることができた。
今回インプレッションに使用した27.5×2.1インチタイヤでは160psiに達するまでチャンバー内に空気を充填すると、空気圧は2bar強となった。ただ予めチャンバー内に空気を満充填していたとしても、リムとタイヤの相性が悪い場合には隙間から空気が漏れてしまうため、作業前に念のためシーラントや石鹸水は用意しておいた方が良いだろう。
ボントレガー TLR Flash Charger
高 さ:67.5cm
重 量:2.6kg(実測)
ゲージ:最大目盛り160psi
カラー:ブラック
価 格:13,900円(税込)
text:Yuya.Yamamoto
photo:Makoto.AYANO
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