2014/10/08(水) - 09:49
収穫時期を迎えた黄色い稲穂、鮮やかな赤のリンゴ、そして見事なまでに青い空と、秋の訪れをひしひしと感じながら走る信越五高原ロングライド。続々と現れる急勾配の登りを制した先に待っていた達成感はハンパではなかった。(前編はこちらから)
たっぷりと腹ごしらえできた池の平ASを後にすると、次の黒姫えんめい茶ASまでは細かなアップダウンが連続。沿道には収穫の時期を迎えた稲や蕎麦がゆれ、青空、秋らしい雲、山々の深い緑とのコントラストで目を楽しませてくれる。田舎ならではの実に長閑で心洗われる光景を横目に、確実に歩みを進めていく。
そして、今大会の最高標高地点への登りを前に、黒姫えんめい茶ASで一呼吸。ここではクマ笹、ハトムギ、ハブ草、クコ葉、延命草を配合した「えんめい茶」が振る舞われる。なんでも、カフェインレスであることから、この地域では半世紀以上に渡って親しまれている商品の様で、エグミが少なくゴクゴクと飲むことができる。
ここからは足利義満、上杉謙信、武田信玄、徳川家康ら歴代の戦国武将から尊崇を得ていたとされる霊山「飯縄山」の裾野を反時計周りに走り、戸隠キャンプ状付近までの距離15km/標高差500mを登る。ひたすらキツいのだが、この時点で獲得標高が半分にも達していないことに落胆しつつも、参加者の皆さん共に景色に励まされながらも淡々とこなしていく。なお、この区間では自己申告制でタイムトライアルが行われていた。
なんとか今大会の最高標高地点にたどり着くと、そこにはソフトクリームのご褒美が待っていた!道中にも花が沢山咲いていたがこの辺りは蕎麦の名産地の様で、名物はズバリ「蕎麦ソフト」。どんな味なのか半信半疑だったが、乳成分とうまく中和してかなりあっさりとした味わいであった。登りで火照った身体をクールダウンし、35kmで標高差600mを下るダウンヒルへと突入する。
ここからはこの記事を読んで来年参加してみたいと思った読者の皆さんに参考にしてもらいたいことを少し記しておこう。ここまでもそうであったが、信越五高原ロングライドに登場する坂はどれも直線的かつ急勾配であるスピードが出る。しかしながら、舗装状態はあまり良くない。
これは大会側も把握しているため、スタート前にはしきりに注意喚起が促されていたが、23mm幅のタイヤで出走した筆者はハンドルを取られそうになったことが何度かあった。従って、下りに苦手意識を持っている方には25mm以上の幅をオススメしたい。
ダウンヒルを終えると50kmぶりの最終エイドに到着。その会場となっているのが、「サンクゼール」というワイナリーだ。もちろんワインを飲みたいところではあるが、ここはグッと我慢してワインと同じくらいこだわって作られるジャムを頂く。その特徴は、ぶどうから作られる本物のブドウ糖のみ甘味料として使用していることにあり、食べた後から聞いてびっくりしたが加糖のジャムと同程度ながら自然な甘みに仕上がっているのだ。
エイド間の距離が長かったこともあってハンガーノック気味という参加者も少々いたようだが、しっかりと回復して最後のヒルクライムに臨むことができただろう。とは言っても、すでにここまでの獲得標高は2,200mを数えていた。すでに疲労困憊で脚は棒状態だ。
ここから20km弱500mを更に登るのかと思うと…。既に時刻は14時半を回って制限時間までは1時間半を切り、日の傾きを感じながら、果たしてゴールできるのかどうか不安になってくる。心の中では完走率80%に対する嫌疑が湧いてきた。おまけにサイクルコンピューターは斜度12%を示している。それでも、完走へ向けての執念が僕を含めた全参加者の背中を押してくれていたはず。
そして、残り1km。前夜祭でリピーターの方に話を聞いた魔女や忍者たちが沿道に登場。その応援を受けて、少しだけペダルを踏み込んでなんとか制限時間内にゴールできた。ちなみにこの日の完走率は、天気が良かったおかげか90%を超えていたそうだ。
これまで、各地のロングライドイベントに参加させて頂いたが、信越五高原ロングライドの達成感は間違いなく過去最高。ゴール地点では何度飲んでも美味しいきのこ汁に舌鼓をうち、疲れをとると同時に参加者の皆さんと完走の感動を分かちあって、信越の地を後にした。
獲得標高2,730mはやはり伊達ではない。信越五高原ロングライドは決して万人におすすめという訳にはいかないが、苦しみ抜いた先で得られる達成感というスポーツの醍醐味の1つ味わえるイベントである。自分自身にチャレンジしてみたい方や、脱初心者を目指している方は来年度大会を目標に今からトレーニングを始めることをおすすめしたい。完走した暁にはこれまでに味わったことのない大きな達成感をえることができるはずだから。
text:Yuya.Yamamoto
photo:So.Isobe, Yuya.Yamamoto
たっぷりと腹ごしらえできた池の平ASを後にすると、次の黒姫えんめい茶ASまでは細かなアップダウンが連続。沿道には収穫の時期を迎えた稲や蕎麦がゆれ、青空、秋らしい雲、山々の深い緑とのコントラストで目を楽しませてくれる。田舎ならではの実に長閑で心洗われる光景を横目に、確実に歩みを進めていく。
そして、今大会の最高標高地点への登りを前に、黒姫えんめい茶ASで一呼吸。ここではクマ笹、ハトムギ、ハブ草、クコ葉、延命草を配合した「えんめい茶」が振る舞われる。なんでも、カフェインレスであることから、この地域では半世紀以上に渡って親しまれている商品の様で、エグミが少なくゴクゴクと飲むことができる。
ここからは足利義満、上杉謙信、武田信玄、徳川家康ら歴代の戦国武将から尊崇を得ていたとされる霊山「飯縄山」の裾野を反時計周りに走り、戸隠キャンプ状付近までの距離15km/標高差500mを登る。ひたすらキツいのだが、この時点で獲得標高が半分にも達していないことに落胆しつつも、参加者の皆さん共に景色に励まされながらも淡々とこなしていく。なお、この区間では自己申告制でタイムトライアルが行われていた。
なんとか今大会の最高標高地点にたどり着くと、そこにはソフトクリームのご褒美が待っていた!道中にも花が沢山咲いていたがこの辺りは蕎麦の名産地の様で、名物はズバリ「蕎麦ソフト」。どんな味なのか半信半疑だったが、乳成分とうまく中和してかなりあっさりとした味わいであった。登りで火照った身体をクールダウンし、35kmで標高差600mを下るダウンヒルへと突入する。
ここからはこの記事を読んで来年参加してみたいと思った読者の皆さんに参考にしてもらいたいことを少し記しておこう。ここまでもそうであったが、信越五高原ロングライドに登場する坂はどれも直線的かつ急勾配であるスピードが出る。しかしながら、舗装状態はあまり良くない。
これは大会側も把握しているため、スタート前にはしきりに注意喚起が促されていたが、23mm幅のタイヤで出走した筆者はハンドルを取られそうになったことが何度かあった。従って、下りに苦手意識を持っている方には25mm以上の幅をオススメしたい。
ダウンヒルを終えると50kmぶりの最終エイドに到着。その会場となっているのが、「サンクゼール」というワイナリーだ。もちろんワインを飲みたいところではあるが、ここはグッと我慢してワインと同じくらいこだわって作られるジャムを頂く。その特徴は、ぶどうから作られる本物のブドウ糖のみ甘味料として使用していることにあり、食べた後から聞いてびっくりしたが加糖のジャムと同程度ながら自然な甘みに仕上がっているのだ。
エイド間の距離が長かったこともあってハンガーノック気味という参加者も少々いたようだが、しっかりと回復して最後のヒルクライムに臨むことができただろう。とは言っても、すでにここまでの獲得標高は2,200mを数えていた。すでに疲労困憊で脚は棒状態だ。
ここから20km弱500mを更に登るのかと思うと…。既に時刻は14時半を回って制限時間までは1時間半を切り、日の傾きを感じながら、果たしてゴールできるのかどうか不安になってくる。心の中では完走率80%に対する嫌疑が湧いてきた。おまけにサイクルコンピューターは斜度12%を示している。それでも、完走へ向けての執念が僕を含めた全参加者の背中を押してくれていたはず。
そして、残り1km。前夜祭でリピーターの方に話を聞いた魔女や忍者たちが沿道に登場。その応援を受けて、少しだけペダルを踏み込んでなんとか制限時間内にゴールできた。ちなみにこの日の完走率は、天気が良かったおかげか90%を超えていたそうだ。
これまで、各地のロングライドイベントに参加させて頂いたが、信越五高原ロングライドの達成感は間違いなく過去最高。ゴール地点では何度飲んでも美味しいきのこ汁に舌鼓をうち、疲れをとると同時に参加者の皆さんと完走の感動を分かちあって、信越の地を後にした。
獲得標高2,730mはやはり伊達ではない。信越五高原ロングライドは決して万人におすすめという訳にはいかないが、苦しみ抜いた先で得られる達成感というスポーツの醍醐味の1つ味わえるイベントである。自分自身にチャレンジしてみたい方や、脱初心者を目指している方は来年度大会を目標に今からトレーニングを始めることをおすすめしたい。完走した暁にはこれまでに味わったことのない大きな達成感をえることができるはずだから。
text:Yuya.Yamamoto
photo:So.Isobe, Yuya.Yamamoto
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