2013/01/16(水) - 15:56
コースの難易度的に、2013年のグランツールの中でブエルタ・ア・エスパーニャが最も過酷だと言って間違いない。8月24日に開幕する2013年大会は、反時計回りにイベリア半島を一周する。21ステージのうち、なんと11ステージに山頂フィニッシュが設定されるという刺激的なコース設定だ。
2012年大会の「山頂フィニッシュ10回」を更に上をいく「11回」。開催100回を迎えるツール・ド・フランスの陰で、ブエルタが史上最難関クラスのコースを用意して来た。
3週間の闘いはスペイン北西部のガリシア州で幕開ける。初日は海に浮かぶ貝の養殖桟橋をスタートする27kmのチームタイムトライアル。そして2日目には早速最初の山頂フィニッシュが登場する。短い登りの先にゴールが設定された「ガリシア」の2ステージで、早速総合成績にシャッフルがかかるだろう。スプリンターがマイヨロホを着る可能性はゼロに近い。
ガリシアを離れると、ブエルタは灼熱のアンダルシア州を目指す。次なる山場は「シエラネバダ」。休息日を前にペニャスブランカス峠、バルデペーニャス・デ・ハエン、アサリャナス峠の3連続山岳が待っている。特に注目したいのが、2011年大会にも登場した「スペイン版ユイの壁」と呼ばれるバルデペーニャス・デ・ハエンの激坂ゴール(最大勾配22%)だ。
空路による大移動を経て、第2週は38kmの個人タイムトライアルからスタート。2013年大会の個人タイムトライアルはこの一つだけ。「クライマー有利のブエルタ」という言葉に間違いはない。
カタルーニャ州を経てブエルタは「ピレネー」へ。アンドラのコリャーダ・デラ・ガリーニャにゴールする第14ステージ、そしてフランスのペイラギュードにゴールする第15ステージが終わる頃には、マイヨロホは本命の手に渡っているはず。そして総合争いを決定づけるのが「カンタブリア」と「アストゥリアス」の山岳決戦だ。
大西洋を見下ろす急峻なペーニャカバルガに始まり、アストゥリアスの名物峠・ナランコ峠、そして最終日前日のアングリル峠(登坂距離12.2km・高低差1245m・平均勾配10.2%・最大勾配23.5%)で決着。「ヨーロッパ最難関の峠」との呼び声も高いアングリルが勝者を選出。スペインが誇る激坂で総合首位に立ったものだけに、マイヨロホを着て最終日マドリードに凱旋する栄誉が与えられる。
プレゼンテーションに出席した選手たちは口を揃えて「最初から最後まで厳しい」と話す。ディフェンディングチャンピオンのアルベルト・コンタドール(スペイン、サクソ・ティンコフ)は「開幕直後から厳しいステージが続き、強いものが勝つ。ブエルタに出場するからには勝ちに行く」とコメント。ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)も「昨年のコースと似ているけど、登りの数が増えている。調子の良いものだけが勝負に残るサバイバルレースになるだろう。3週間を通してトップコンディションを維持する必要がある」と、コンタドールに同意する。
2012年大会以上に白熱が予想される2013年大会。ロドリゲスやサムエル・サンチェス(スペイン、エウスカルテル)は参戦を予定しているが、「ツールがナンバーワンの目標」と語るコンタドールの参戦は未定。その他、イヴァン・バッソ(イタリア、キャノンデールプロサイクリング)らが参戦を予定している。
ブエルタ・ア・エスパーニャ2013ステージリスト
8月24日(土)第1ステージ ビラノバ・デ・アロウサ〜サンシェンショ 27km(チームTT)
8月25日(日)第2ステージ ポンテベドラ〜バイオナ/アルト・ダ・グロバ 176.8km
8月26日(月)第3ステージ ビーゴ〜ミラドル・デ・ロベイラ 172.5km
8月27日(火)第4ステージ ライン〜フィステーラ 186.4km
8月28日(水)第5ステージ ソベール〜ラーゴ・デ・サナブリア 168.4km
8月29日(木)第6ステージ ギフエロ〜カセレス 177.3km
8月30日(金)第7ステージ アルメンドラレホ〜マイレナ・デ・アルハファレ 195.5km
8月31日(土)第8ステージ ヘレス・デラ・フロンテーラ〜アルト・デ・ペニャスブランカス 170km
9月1日(日)第9ステージ アンテケラ〜バルデペーニャス・デ・ハエン 174.3km
9月2日(月)第10ステージ トレデルカンポ〜アルト・デ・アサリャナス 175.5km
9月3日(火)休息日
9月4日(水)第11ステージ タラソナ〜タラソナ 38km(個人TT)
9月5日(木)第12ステージ マエリャ〜タラゴナ 157km
9月6日(金)第13ステージ バルス〜カステルデフェルス 165km
9月7日(土)第14ステージ バガ〜アンドラ/コリャーダ・デラ・ガリーニャ 164km
9月8日(日)第15ステージ アンドラ〜ペイラギュード 232.5km
9月9日(月)第16ステージ グラウス〜サジェント・デ・ガジェゴ 147.7km
9月10日(火)休息日
9月11日(水)第17ステージ カラオラ〜ブルゴス 184.5km
9月12日(木)第18ステージ ブルゴス〜ペーニャカバルガ 186km
9月13日(金)第19ステージ サンビセンテ・デラ・バルケラ〜オビエド/アルト・デル・ナランコ 177.5km
9月14日(土)第20ステージ アビレス〜アルト・デ・アングリル 144.1km
9月15日(日)第21ステージ レガネス〜マドリード 99.1km
text:Kei Tsuji
2012年大会の「山頂フィニッシュ10回」を更に上をいく「11回」。開催100回を迎えるツール・ド・フランスの陰で、ブエルタが史上最難関クラスのコースを用意して来た。
3週間の闘いはスペイン北西部のガリシア州で幕開ける。初日は海に浮かぶ貝の養殖桟橋をスタートする27kmのチームタイムトライアル。そして2日目には早速最初の山頂フィニッシュが登場する。短い登りの先にゴールが設定された「ガリシア」の2ステージで、早速総合成績にシャッフルがかかるだろう。スプリンターがマイヨロホを着る可能性はゼロに近い。
ガリシアを離れると、ブエルタは灼熱のアンダルシア州を目指す。次なる山場は「シエラネバダ」。休息日を前にペニャスブランカス峠、バルデペーニャス・デ・ハエン、アサリャナス峠の3連続山岳が待っている。特に注目したいのが、2011年大会にも登場した「スペイン版ユイの壁」と呼ばれるバルデペーニャス・デ・ハエンの激坂ゴール(最大勾配22%)だ。
空路による大移動を経て、第2週は38kmの個人タイムトライアルからスタート。2013年大会の個人タイムトライアルはこの一つだけ。「クライマー有利のブエルタ」という言葉に間違いはない。
カタルーニャ州を経てブエルタは「ピレネー」へ。アンドラのコリャーダ・デラ・ガリーニャにゴールする第14ステージ、そしてフランスのペイラギュードにゴールする第15ステージが終わる頃には、マイヨロホは本命の手に渡っているはず。そして総合争いを決定づけるのが「カンタブリア」と「アストゥリアス」の山岳決戦だ。
大西洋を見下ろす急峻なペーニャカバルガに始まり、アストゥリアスの名物峠・ナランコ峠、そして最終日前日のアングリル峠(登坂距離12.2km・高低差1245m・平均勾配10.2%・最大勾配23.5%)で決着。「ヨーロッパ最難関の峠」との呼び声も高いアングリルが勝者を選出。スペインが誇る激坂で総合首位に立ったものだけに、マイヨロホを着て最終日マドリードに凱旋する栄誉が与えられる。
プレゼンテーションに出席した選手たちは口を揃えて「最初から最後まで厳しい」と話す。ディフェンディングチャンピオンのアルベルト・コンタドール(スペイン、サクソ・ティンコフ)は「開幕直後から厳しいステージが続き、強いものが勝つ。ブエルタに出場するからには勝ちに行く」とコメント。ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)も「昨年のコースと似ているけど、登りの数が増えている。調子の良いものだけが勝負に残るサバイバルレースになるだろう。3週間を通してトップコンディションを維持する必要がある」と、コンタドールに同意する。
2012年大会以上に白熱が予想される2013年大会。ロドリゲスやサムエル・サンチェス(スペイン、エウスカルテル)は参戦を予定しているが、「ツールがナンバーワンの目標」と語るコンタドールの参戦は未定。その他、イヴァン・バッソ(イタリア、キャノンデールプロサイクリング)らが参戦を予定している。
ブエルタ・ア・エスパーニャ2013ステージリスト
8月24日(土)第1ステージ ビラノバ・デ・アロウサ〜サンシェンショ 27km(チームTT)
8月25日(日)第2ステージ ポンテベドラ〜バイオナ/アルト・ダ・グロバ 176.8km
8月26日(月)第3ステージ ビーゴ〜ミラドル・デ・ロベイラ 172.5km
8月27日(火)第4ステージ ライン〜フィステーラ 186.4km
8月28日(水)第5ステージ ソベール〜ラーゴ・デ・サナブリア 168.4km
8月29日(木)第6ステージ ギフエロ〜カセレス 177.3km
8月30日(金)第7ステージ アルメンドラレホ〜マイレナ・デ・アルハファレ 195.5km
8月31日(土)第8ステージ ヘレス・デラ・フロンテーラ〜アルト・デ・ペニャスブランカス 170km
9月1日(日)第9ステージ アンテケラ〜バルデペーニャス・デ・ハエン 174.3km
9月2日(月)第10ステージ トレデルカンポ〜アルト・デ・アサリャナス 175.5km
9月3日(火)休息日
9月4日(水)第11ステージ タラソナ〜タラソナ 38km(個人TT)
9月5日(木)第12ステージ マエリャ〜タラゴナ 157km
9月6日(金)第13ステージ バルス〜カステルデフェルス 165km
9月7日(土)第14ステージ バガ〜アンドラ/コリャーダ・デラ・ガリーニャ 164km
9月8日(日)第15ステージ アンドラ〜ペイラギュード 232.5km
9月9日(月)第16ステージ グラウス〜サジェント・デ・ガジェゴ 147.7km
9月10日(火)休息日
9月11日(水)第17ステージ カラオラ〜ブルゴス 184.5km
9月12日(木)第18ステージ ブルゴス〜ペーニャカバルガ 186km
9月13日(金)第19ステージ サンビセンテ・デラ・バルケラ〜オビエド/アルト・デル・ナランコ 177.5km
9月14日(土)第20ステージ アビレス〜アルト・デ・アングリル 144.1km
9月15日(日)第21ステージ レガネス〜マドリード 99.1km
text:Kei Tsuji
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