2012/08/21(火) - 10:38
ブエルタ・ア・エスパーニャ2012第3ステージ。アラーテの登坂で何度もアタックするコンタドールと猛追するライバル勢のバトルは、さながら今大会の総合優勝争いを予兆させるものであった。ステージは下りで先行したホアキンをバルベルデが僅差で下し、総合1位も獲得した。
ステージ優勝・総合1位・ポイント賞・複合賞のアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)
最後の数キロでの競り合いは、少し複雑だった。あの付近のカーブはよく知っていたけど、この3年はあそこでレースしたことはなかった。だから、プリト(ホアキン・ロドリゲス)があんなに強力に先行するなんて思わなかった。いつもなら、このステージの最後のカーブを最初に抜けた選手が勝つんだけど、今日はちがった結果になった。ゴールラインで、プリトをなんとか差しきった。
(今日の3人のライバルの動きについて)コンタドールのアタックはすごかった! ホアキン(ロドリゲス)は、それを簡単に追走していた。フルームがやや遅れた。彼は後ろに付いたほうが良かったんだろう。でも、彼はタイムトライアルというメリットがある。最後までライバルとして残るだろうね。
これまでの全部のレースを覚えているわけではないけど、今日の勝利は2008年のツール・ド・フランスの第1ステージ(ブレスト〜プリュムレック)に匹敵する。あのときはステージ優勝してマイヨ・ジョーヌを獲得した。出場停止直前のレースなら、2010年のツール・ド・ロマンディかな。そのときもステージ優勝して総合1位になった。今日はキャリアの中でも大きな1勝だ。モビスターはチームとしても、今回のブエルタでは幸先のいいスタートを切っている。最初のチーム・タイムトライアルでヨナタン・カストロビエホが総合1位になり、今度はぼくの番だ。今はとても満足している。でも、ライバルたちはとても強い。日々を頑張っていくしかなさそうだ。
山岳賞のピム・リヒハルト(オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM)
この水玉ジャージを着られてうれしい。今日ステージが始まったときには、こうなるとは思っていなかった。今日のプランとしては、チームの中の誰か1名が逃げに乗ることだった。「なんで山岳賞を獲りに行かないんだろう?」と思った。ぼくたちがグランツールで、こんなに目立つジャージを手にする機会はそうそうない。
でも、ぼくはクライマーでもない。ぼくはパンチャー、あるいはスプリンターだ。それも少人数の集団で勝負するときのことだ。ぼくはオランダ人だけど、暑さにも強い。フランス南部のエクサン・プロバンスで2年間レースしながら、暮らしていたからね。明日は山岳賞ジャージでレースを楽しむことにするよ。でも、このジャージは明日限りだろうね。明日は1級山岳の頂上ゴールだから。
ステージ2位のホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)
とても腹立たしい。実質的にステージ優勝を手にしていたのに、失ってしまった。このステージのコースプロフィールはわかっていた。とくに最後のところは。ふたつの難しい下りのコーナーは先行する必要があって、実際に完璧に位置取りできた。
でも、最後の5メートルで、ペダルを踏むのを止めたときに、バルベルデがわずか数ミリほど先に行ってしまった。今日は優勝候補の選手達が順当な順位になるだろうと予想していた。そして、ぼくの調子もよかった。でも、今この瞬間は、注意不足だった自分自身が嘆かわしい。ステージ優勝を逃した理由は、弱かったからじゃない。ぼくが愚かだったからだ。
ステージ3位のクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)
ハードだった。この登坂でタイムを失いそうだということはわかっていた。みんながアタックを仕掛けてきて、それに反応できたし、最後まで自分のペースで行けた。ゴールで4秒のボーナスタイムを獲得できたので、自分にとっても良い日となった。明日のバルデスカライの頂上ゴールは、ぼくに最適なコースだと思う。
ステージ4位のアルベルト・コンタドール(スペイン、サクソバンク・ティンコフバンク)
調子がよかったので、脚をテストしてみた。最後には、その差(メンタルとフィジカルの差)も最小限になった。でも、今日までは山岳もなかったし、選手たちもまだフレッシュだということに留意すべきだ。
今日のテストの結果には満足している。ステージ優勝できなかったのは残念だけど、目標はマドリッド(での総合優勝)だから、今日のステージはこの結果に満足しておく。まだトレーニングは必要だと感じだけど、しっかり踏めたことから自分がフレッシュだという手応えは感じだ。これからのステージは、楽観的に行こうと思っている。
バスクを拠点とするステージ12位のイゴール・アントン(スペイン、エウスカルテル)
バスク地方での自転車競技において、アラーテは伝説的な登りだ。だから、ここで勝つつもりだった。自分の脚質にも最適な登りだったからね。今年のブエルタは始まったばかりで、強い選手達も多い。6秒を失ってしまったけど、結果には満足している。チームとしては、明日のバルデスカライで再チャンレンジするつもりだ。
活躍が期待されるステージ13位のビネル・アナコナゴメス(コロンビア、ランプレ・ISD)
今日の登りは想像以上だった。しっかりと走れたけど、アルベルト・コンタドールがアタックしたときは感動した。彼じゃない選手のアタックに付いていこうとはしたけど、できなかった。今回のブエルタでは、若手のベストライダーになりたい。このブエルタが、ぼくの初めてのグランツールなんだから。
138位でゴールした土井雪広(アルゴス・シマノ)
僕らチームはアレックスとトムのツートップで最後の山岳に良い位置で突入させるのが今日の僕の役目。スプリンターのジョンに関しては最後のスプリントポイント前に逃げが捕まった際のみ、スプリントポイントを加算させるべく前に連れて行く。今日のヘットラインはこの2つでした。
アレックスに関してはとても良い形で山岳に突入しましたが、結果は暑さに対応できなかったようですね。トムに関しては下りで僕らのラインから外れて位置取りの失敗だった。僕はラスト8キロで気持ちよくスイングアウト。バックファイアーってやつですな。今日の坂の応援団は皆僕の名前を呼んでくれた。さすが自転車大好き地方のバスクランド。うれしかったね。
コメントはプレスリリース、チーム公式サイト、選手個人サイト、TVインタビュー、twitterなどより抜粋。
text: Seiya.YAMASAKI
ステージ優勝・総合1位・ポイント賞・複合賞のアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)
最後の数キロでの競り合いは、少し複雑だった。あの付近のカーブはよく知っていたけど、この3年はあそこでレースしたことはなかった。だから、プリト(ホアキン・ロドリゲス)があんなに強力に先行するなんて思わなかった。いつもなら、このステージの最後のカーブを最初に抜けた選手が勝つんだけど、今日はちがった結果になった。ゴールラインで、プリトをなんとか差しきった。
(今日の3人のライバルの動きについて)コンタドールのアタックはすごかった! ホアキン(ロドリゲス)は、それを簡単に追走していた。フルームがやや遅れた。彼は後ろに付いたほうが良かったんだろう。でも、彼はタイムトライアルというメリットがある。最後までライバルとして残るだろうね。
これまでの全部のレースを覚えているわけではないけど、今日の勝利は2008年のツール・ド・フランスの第1ステージ(ブレスト〜プリュムレック)に匹敵する。あのときはステージ優勝してマイヨ・ジョーヌを獲得した。出場停止直前のレースなら、2010年のツール・ド・ロマンディかな。そのときもステージ優勝して総合1位になった。今日はキャリアの中でも大きな1勝だ。モビスターはチームとしても、今回のブエルタでは幸先のいいスタートを切っている。最初のチーム・タイムトライアルでヨナタン・カストロビエホが総合1位になり、今度はぼくの番だ。今はとても満足している。でも、ライバルたちはとても強い。日々を頑張っていくしかなさそうだ。
山岳賞のピム・リヒハルト(オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM)
この水玉ジャージを着られてうれしい。今日ステージが始まったときには、こうなるとは思っていなかった。今日のプランとしては、チームの中の誰か1名が逃げに乗ることだった。「なんで山岳賞を獲りに行かないんだろう?」と思った。ぼくたちがグランツールで、こんなに目立つジャージを手にする機会はそうそうない。
でも、ぼくはクライマーでもない。ぼくはパンチャー、あるいはスプリンターだ。それも少人数の集団で勝負するときのことだ。ぼくはオランダ人だけど、暑さにも強い。フランス南部のエクサン・プロバンスで2年間レースしながら、暮らしていたからね。明日は山岳賞ジャージでレースを楽しむことにするよ。でも、このジャージは明日限りだろうね。明日は1級山岳の頂上ゴールだから。
ステージ2位のホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)
とても腹立たしい。実質的にステージ優勝を手にしていたのに、失ってしまった。このステージのコースプロフィールはわかっていた。とくに最後のところは。ふたつの難しい下りのコーナーは先行する必要があって、実際に完璧に位置取りできた。
でも、最後の5メートルで、ペダルを踏むのを止めたときに、バルベルデがわずか数ミリほど先に行ってしまった。今日は優勝候補の選手達が順当な順位になるだろうと予想していた。そして、ぼくの調子もよかった。でも、今この瞬間は、注意不足だった自分自身が嘆かわしい。ステージ優勝を逃した理由は、弱かったからじゃない。ぼくが愚かだったからだ。
ステージ3位のクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)
ハードだった。この登坂でタイムを失いそうだということはわかっていた。みんながアタックを仕掛けてきて、それに反応できたし、最後まで自分のペースで行けた。ゴールで4秒のボーナスタイムを獲得できたので、自分にとっても良い日となった。明日のバルデスカライの頂上ゴールは、ぼくに最適なコースだと思う。
ステージ4位のアルベルト・コンタドール(スペイン、サクソバンク・ティンコフバンク)
調子がよかったので、脚をテストしてみた。最後には、その差(メンタルとフィジカルの差)も最小限になった。でも、今日までは山岳もなかったし、選手たちもまだフレッシュだということに留意すべきだ。
今日のテストの結果には満足している。ステージ優勝できなかったのは残念だけど、目標はマドリッド(での総合優勝)だから、今日のステージはこの結果に満足しておく。まだトレーニングは必要だと感じだけど、しっかり踏めたことから自分がフレッシュだという手応えは感じだ。これからのステージは、楽観的に行こうと思っている。
バスクを拠点とするステージ12位のイゴール・アントン(スペイン、エウスカルテル)
バスク地方での自転車競技において、アラーテは伝説的な登りだ。だから、ここで勝つつもりだった。自分の脚質にも最適な登りだったからね。今年のブエルタは始まったばかりで、強い選手達も多い。6秒を失ってしまったけど、結果には満足している。チームとしては、明日のバルデスカライで再チャンレンジするつもりだ。
活躍が期待されるステージ13位のビネル・アナコナゴメス(コロンビア、ランプレ・ISD)
今日の登りは想像以上だった。しっかりと走れたけど、アルベルト・コンタドールがアタックしたときは感動した。彼じゃない選手のアタックに付いていこうとはしたけど、できなかった。今回のブエルタでは、若手のベストライダーになりたい。このブエルタが、ぼくの初めてのグランツールなんだから。
138位でゴールした土井雪広(アルゴス・シマノ)
僕らチームはアレックスとトムのツートップで最後の山岳に良い位置で突入させるのが今日の僕の役目。スプリンターのジョンに関しては最後のスプリントポイント前に逃げが捕まった際のみ、スプリントポイントを加算させるべく前に連れて行く。今日のヘットラインはこの2つでした。
アレックスに関してはとても良い形で山岳に突入しましたが、結果は暑さに対応できなかったようですね。トムに関しては下りで僕らのラインから外れて位置取りの失敗だった。僕はラスト8キロで気持ちよくスイングアウト。バックファイアーってやつですな。今日の坂の応援団は皆僕の名前を呼んでくれた。さすが自転車大好き地方のバスクランド。うれしかったね。
コメントはプレスリリース、チーム公式サイト、選手個人サイト、TVインタビュー、twitterなどより抜粋。
text: Seiya.YAMASAKI
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