2012/06/11(月) - 13:11
ツール・ド・スイスは2日目にして山場を迎える。超級山岳ヴェルビエを舞台に総合有力選手たちが力比べ。早めに仕掛けたフランク・シュレク(ルクセンブルク、レディオシャック・ニッサン)をゴール200m手前で捉え、抜き去ったルイ・コスタ(ポルトガル、モビスター)がステージ優勝とイエロージャージを手にした。
Fシュレクを振り切ってゴールするルイ・コスタ(ポルトガル、モビスター) photo:Cor Vosツール・ド・スイス第2ステージはイタリアをスタート。マッジョーレ湖の畔ヴェルバニアを発ち、国境に横たわるアルプス山脈を越えてスイスへ。標高2005mの超級山岳シンプロン峠が最初の難所で、長い平坦路を経て超級山岳ヴェルビエに至る。
2009年ツール・ド・フランス第15ステージにも頂上ゴールとして登場しているヴェルビエ。当時はアルベルト・コンタドール(スペイン)が優勝している。登坂距離6.9km・平均勾配7.6%という登りの先、標高1472mにゴールが置かれている。
大きくタイムを失ったロバート・ヘーシンク(オランダ、ラボバンク) photo:Cor Vosこの日、218kmという大会最長コースで、ワイルドカード枠で出場しているUCIプロコンチネンタルの2チームが逃げに選手を送り込む。逃げたのはチームタイプ1のアレッサンドロ・バッツァーナ(イタリア)とスパイダーテックのライアン・アンダーソン(カナダ)。
超級山岳シンプロン峠を越えて平地を懸命に逃げる2人。しかし192km地点と203km地点のスプリントポイントに向けてペースが上がったメイン集団によって、ゴールまで28kmを残して吸収される。
イエロージャージを手にしたルイ・コスタ(ポルトガル、モビスター) photo:Cor Vosここから積極的に動いたのはリクイガス・キャノンデール。総合リーダーチームであるリクイガスは、ゴールスプリントさながらのトレインを組んでイエロージャージのペーター・サガン(スロバキア)を先頭へ。ダニエル・オス(イタリア)に発射されたサガンは、2つのスプリントポイントを悠々と先頭通過した。
そして迎えた超級山岳ヴェルビエ。降り始めた雨の中、レディオシャック・ニッサンがペースを作ると、メイン集団は見る見るうちに小さくなっていく。アンドレアス・クレーデン(ドイツ)、ヤコブ・フグルサング(デンマーク)、マキシム・モンフォール(ベルギー)がペースを上げると、ゴールまで6kmを残してフランク・シュレク(ルクセンブルク、レディオシャック・ニッサン)が飛び出した。
快調に濡れた登りを進むFシュレクに対し、メイン集団はペースが上がらない。Fシュレクのリードが30秒差まで広がると、しびれを切らしたジョン・ガドレ(フランス、アージェードゥーゼル)がアタック。しかしガドレは集団に引き戻される。
ラボバンクが懸命にペースを作るも、エースのロバート・ヘーシンク(オランダ、ラボバンク)は喘ぎながら脱落する。ゴールまで3kmを切ると集団はにわかに活気づき、トム・ダニエルソン(アメリカ、ガーミン・バラクーダ)が単独でFシュレクを追走。続いてコスタが飛び出した。
ラスト1kmアーチを過ぎてメイン集団から一人飛び出した形になったコスタは、快調にFシュレクを追いつめる。徐々に失速するFシュレクを視界に捉え、コーナー毎に距離を詰める。ラスト200mでついにコスタがFシュレクをキャッチ。力強いスプリントでコスタが先着した。
ボーナスタイムを獲得したコスタが総合首位に躍進。イエロージャージに袖を通したコスタはその喜びを以下のように語る。「ロマンディ以降レースを走っていなかったので、自分のコンディションに自信が持てていなかった。だから登りで何度がペースを上げて、コンディションを確かめつつ他の選手の様子を伺ったんだ。アレハンドロ(バルベルデ)が集団に残っていたので、自分の動きが失敗に終わってもいいと思ってアタックした。その時点でシュレクはかなり先を走っていたので、まさか追いついて勝てるとは思わなかった。追いついてから一旦呼吸を整えて、そしてアタックした。スイスで総合リーダーになるなんて夢のようだ。高地トレーニングの成果が出たのだと思う」。
ステージ2位のFシュレクが8秒差で総合2位。早めにメイン集団から脱落したヘーシンクは1分04秒遅れでゴールしている。
選手コメントはモビスター公式サイトより。
ツール・ド・スイス2012第2ステージ結果
1位 ルイ・コスタ(ポルトガル、モビスター) 6h21'13"
2位 フランク・シュレク(ルクセンブルク、レディオシャック・ニッサン) +04"
3位 ミケル・ニエベ(スペイン、エウスカルテル) +12"
4位 ジャンパオロ・カルーゾ(イタリア、カチューシャ) +13"
5位 ティボー・ピノ(フランス、FDJ・ビッグマット)
6位 ニコラス・ロッシュ(アイルランド、アージェードゥーゼル) +16"
7位 クリスアンケル・セレンセン(デンマーク、チームサクソバンク)
8位 ジョン・ガドレ(フランス、アージェードゥーゼル)
9位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) +18"
10位 ロマン・クロイツィゲル(チェコ、アスタナ) +22"
個人総合成績
1位 ルイ・コスタ(ポルトガル、モビスター) 6h31'22"
2位 フランク・シュレク(ルクセンブルク、レディオシャック・ニッサン) +08"
3位 ロマン・クロイツィゲル(チェコ、アスタナ) +15"
4位 ティボー・ピノ(フランス、FDJ・ビッグマット) +19"
5位 ニコラス・ロッシュ(アイルランド、アージェードゥーゼル) +21"
6位 トーマス・ロヴクヴィスト(スウェーデン、チームスカイ)
7位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) +23"
8位 ジョン・ガドレ(フランス、アージェードゥーゼル) +24"
9位 ミケル・ニエベ(スペイン、エウスカルテル) +26"
10位 トム・ダニエルソン(アメリカ、ガーミン・バラクーダ) +29"
ポイント賞
ペーター・サガン(スロバキア、リクイガス・キャノンデール)
山岳賞
フランク・シュレク(ルクセンブルク、レディオシャック・ニッサン)
チーム総合成績
アスタナ
text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos
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2009年ツール・ド・フランス第15ステージにも頂上ゴールとして登場しているヴェルビエ。当時はアルベルト・コンタドール(スペイン)が優勝している。登坂距離6.9km・平均勾配7.6%という登りの先、標高1472mにゴールが置かれている。
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超級山岳シンプロン峠を越えて平地を懸命に逃げる2人。しかし192km地点と203km地点のスプリントポイントに向けてペースが上がったメイン集団によって、ゴールまで28kmを残して吸収される。
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そして迎えた超級山岳ヴェルビエ。降り始めた雨の中、レディオシャック・ニッサンがペースを作ると、メイン集団は見る見るうちに小さくなっていく。アンドレアス・クレーデン(ドイツ)、ヤコブ・フグルサング(デンマーク)、マキシム・モンフォール(ベルギー)がペースを上げると、ゴールまで6kmを残してフランク・シュレク(ルクセンブルク、レディオシャック・ニッサン)が飛び出した。
快調に濡れた登りを進むFシュレクに対し、メイン集団はペースが上がらない。Fシュレクのリードが30秒差まで広がると、しびれを切らしたジョン・ガドレ(フランス、アージェードゥーゼル)がアタック。しかしガドレは集団に引き戻される。
ラボバンクが懸命にペースを作るも、エースのロバート・ヘーシンク(オランダ、ラボバンク)は喘ぎながら脱落する。ゴールまで3kmを切ると集団はにわかに活気づき、トム・ダニエルソン(アメリカ、ガーミン・バラクーダ)が単独でFシュレクを追走。続いてコスタが飛び出した。
ラスト1kmアーチを過ぎてメイン集団から一人飛び出した形になったコスタは、快調にFシュレクを追いつめる。徐々に失速するFシュレクを視界に捉え、コーナー毎に距離を詰める。ラスト200mでついにコスタがFシュレクをキャッチ。力強いスプリントでコスタが先着した。
ボーナスタイムを獲得したコスタが総合首位に躍進。イエロージャージに袖を通したコスタはその喜びを以下のように語る。「ロマンディ以降レースを走っていなかったので、自分のコンディションに自信が持てていなかった。だから登りで何度がペースを上げて、コンディションを確かめつつ他の選手の様子を伺ったんだ。アレハンドロ(バルベルデ)が集団に残っていたので、自分の動きが失敗に終わってもいいと思ってアタックした。その時点でシュレクはかなり先を走っていたので、まさか追いついて勝てるとは思わなかった。追いついてから一旦呼吸を整えて、そしてアタックした。スイスで総合リーダーになるなんて夢のようだ。高地トレーニングの成果が出たのだと思う」。
ステージ2位のFシュレクが8秒差で総合2位。早めにメイン集団から脱落したヘーシンクは1分04秒遅れでゴールしている。
選手コメントはモビスター公式サイトより。
ツール・ド・スイス2012第2ステージ結果
1位 ルイ・コスタ(ポルトガル、モビスター) 6h21'13"
2位 フランク・シュレク(ルクセンブルク、レディオシャック・ニッサン) +04"
3位 ミケル・ニエベ(スペイン、エウスカルテル) +12"
4位 ジャンパオロ・カルーゾ(イタリア、カチューシャ) +13"
5位 ティボー・ピノ(フランス、FDJ・ビッグマット)
6位 ニコラス・ロッシュ(アイルランド、アージェードゥーゼル) +16"
7位 クリスアンケル・セレンセン(デンマーク、チームサクソバンク)
8位 ジョン・ガドレ(フランス、アージェードゥーゼル)
9位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) +18"
10位 ロマン・クロイツィゲル(チェコ、アスタナ) +22"
個人総合成績
1位 ルイ・コスタ(ポルトガル、モビスター) 6h31'22"
2位 フランク・シュレク(ルクセンブルク、レディオシャック・ニッサン) +08"
3位 ロマン・クロイツィゲル(チェコ、アスタナ) +15"
4位 ティボー・ピノ(フランス、FDJ・ビッグマット) +19"
5位 ニコラス・ロッシュ(アイルランド、アージェードゥーゼル) +21"
6位 トーマス・ロヴクヴィスト(スウェーデン、チームスカイ)
7位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) +23"
8位 ジョン・ガドレ(フランス、アージェードゥーゼル) +24"
9位 ミケル・ニエベ(スペイン、エウスカルテル) +26"
10位 トム・ダニエルソン(アメリカ、ガーミン・バラクーダ) +29"
ポイント賞
ペーター・サガン(スロバキア、リクイガス・キャノンデール)
山岳賞
フランク・シュレク(ルクセンブルク、レディオシャック・ニッサン)
チーム総合成績
アスタナ
text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos
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