2012/05/25(金) - 14:12
バリアーニとアレドンドは互いに競り合って、またしてもNIPPOのワン・ツー。総合上位の2人はさらに差を広げ、次の興味はNIPPOチーム内で誰がチャンピオンになるかというほどの圧倒的な差がついた。
40分23秒で優勝のフォルッナート・バリアーニ(チームNIPPO) photo:Hideaki.TAKAGI
5月25日(金)、ツアー・オブ・ジャパン第4ステージ富士山が行われた。富士山ステージはマスドスタートのロードレースで、距離11.4km標高差1200mのふじあざみラインを駆け上がる。
スタート地点は曇りだが雪を被った富士山の頂上まで見通せる。だが天気予報は次第に雨模様に。ゴール地点からも雨が降り出したとの情報が。気温も10度。
40分42秒で2位のジュリアン・アレドンド(チームNIPPO) photo:Hideaki.TAKAGI
3位 クリストファー・バトラー(チャンピオンシステム・プロサイクリ ングチーム) photo:Hideaki.TAKAGI
42分33秒で6位、日本人1位の増田成幸(宇都宮ブリッツェン) photo:Hideaki.TAKAGI
40分23秒で優勝のフォルッナート・バリアーニ(チームNIPPO) photo:Hideaki.TAKAGI
相合傘の総合リーダーとポイントリーダー photo:Hideaki.TAKAGI
前ステージの南信州で大きなタイム差を稼いだチームNIPPO。とりわけ総合1位2位のジュリアン・アレドンドとフォルッナート・バリアーニの力は突出している。他チームは富士山でのタイム差を最小限に抑えて伊豆ステージへ臨まないといけない。
もう一つの興味はタイム。今までのコースレコードは、09年TOJ個人TT形式でセルヒオ・パルディージャが出した40分21秒。日本人では10年の実業団で森本誠が出した42分11秒。
レースは10時にスタート。中盤まででできた先頭集団は清水都貴(ブリヂストン・アンカー)が積極的にペースを作り11人になる。ここからヤン・インホン(香港チーム)がペースを上げて9人に。さらに激坂区間でクリストファー・バトラー(チャンピオンシステム・プロサイクリングチーム)がペースを上げるとバリアーニ、アレドンドとの3人に。
3人からさらにアタックしたのはバリアーニ。このアタックで3人はばらばらになり、先頭バリアーニに5秒から10秒差でアレドンド、そして大きく離れてバトラーの並びに。
先頭のバリアーニは激坂では39x26メインで29も、平坦になる区間では39x16と17で走り続けゴール。40分23秒はマスドスタートでのコースレコードだ。
個人総合リーダーはNIPPOチーム内でアレドンドからバリアーニへ移動。NIPPOはリーダーチームだが全く手を抜かず、さらに攻撃的に走って差を広げた。リーダーをキープする守りの走りではない。「強い者がエース」。この考えを貫く走りは、明らかに他チームと走り方が違う。次元の違うチームの強さに、興味はチーム内の誰がリーダーとなるかに移ったといっていい。
優勝したフォルッナート・バリアーニ(チームNIPPO)
「ステージ優勝はしたいと思っていたのでよかった。序盤は様子を見ながら。ジェネシスそしてブリヂストンが前半はコントロール。中盤過ぎてからが勝負と昨日の試走で感じていたところバトラーが1.5kmくらい本気のアタックをしたのでそこで3人に。そして自分が右へ、アレドンドは左へ行って3人ばらばらになった」
「明日は自分はチームのキャプテンとして来ているのでチームをまとめたい。まだ勝っていないチームもあるし総合に影響の無い選手の逃げもあるだろう。あるいはスプリントでリケーゼ兄弟が勝てる可能性もあるかもしれない」
翌日の伊豆ステージは標高差合計5000mに達するハードコース。ここでもNIPPO勢の優位は変わらないが、逃げのメンバーによってはコントロールし続ける可能性もある。総合2位のアレドンドが逃げたり、あるいは上位2人がふたたび力で抜け出して圧倒するレースをするかもしれない。総合上位が確定する事実上最後の決戦が伊豆ステージだ。
結果
第4ステージ 富士山 11.4km
1位 フォルッナート・バリアーニ(チームNIPPO)40分23秒
2位 ジュリアン・アレドンド(チームNIPPO)+19秒
3位 クリストファー・バトラー(チャンピオンシステム・プロサイクリングチーム)+58秒
4位 ヤロスラフ・ダブロフスキ(アモーレ・エ・ヴィータ)+1分44秒
5位 トマ・ルバ(ブリヂストン・アンカー)+1分58秒
6位 増田成幸(宇都宮ブリッツェン)+2分10秒
7位 ヤン・インホン(香港チーム)+2分16秒
8位 ブレイズ・ソネリー(ブリヂストン・アンカー)+2分42秒
9位 清水都貴(ブリヂストン・アンカー)+3分01秒
10位 平塚吉光(シマノレーシング)+3分25秒
個人総合順位 第4ステージ終了時点
1位 フォルッナート・バリアーニ(チームNIPPO)8時間31分48秒
2位 ジュリアン・アレドンド(チームNIPPO)+18秒
3位 ヤロスラフ・ダブロフスキ(アモーレ・エ・ヴィータ)+3分21秒
4位 トマ・ルバ(ブリヂストン・アンカー)+3分28秒
5位 クリストファー・バトラー(チャンピオンシステム・プロサイクリングチーム)+6分12秒
6位 鈴木譲(シマノレーシング)+6分41秒
7位 キャメロン・ワーフ(チャンピオンシステム・プロサイクリングチーム)+6分57秒
8位 ネイサン・アール(ジェネシス・ウェルス・アドバイザーズ)+7分55秒
9位 ブレイズ・ソネリー(ブリヂストン・アンカー)+8分00秒
10位 ヴィエスタース・ルクセヴィクス(アモーレ・エ・ヴィータ)+8分05秒
個人総合ポイント賞順位 第4ステージ終了時点
1位 マキシミリアーノ・リケーゼ(チームNIPPO)30点
2位 マリウス・ヴィジアック(マトリックス・パワータグ)29点
3位 ジュリアン・アレドンド(チームNIPPO)25点
個人総合山岳賞順位 第4ステージ終了時点
1位 フォルッナート・バリアーニ(チームNIPPO)21点
2位 ジュリアン・アレドンド(チームNIPPO)21点
3位 畑中勇介(シマノレーシング)12点
チーム総合順位 第4ステージ終了時点
1位 チームNIPPO 25時間44分20秒
2位 ブリヂストン・アンカー +13分51秒
3位 アモーレ・エ・ヴィータ +14分36秒
photo&text:Hideaki.TAKAGI
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5月25日(金)、ツアー・オブ・ジャパン第4ステージ富士山が行われた。富士山ステージはマスドスタートのロードレースで、距離11.4km標高差1200mのふじあざみラインを駆け上がる。
スタート地点は曇りだが雪を被った富士山の頂上まで見通せる。だが天気予報は次第に雨模様に。ゴール地点からも雨が降り出したとの情報が。気温も10度。
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前ステージの南信州で大きなタイム差を稼いだチームNIPPO。とりわけ総合1位2位のジュリアン・アレドンドとフォルッナート・バリアーニの力は突出している。他チームは富士山でのタイム差を最小限に抑えて伊豆ステージへ臨まないといけない。
もう一つの興味はタイム。今までのコースレコードは、09年TOJ個人TT形式でセルヒオ・パルディージャが出した40分21秒。日本人では10年の実業団で森本誠が出した42分11秒。
レースは10時にスタート。中盤まででできた先頭集団は清水都貴(ブリヂストン・アンカー)が積極的にペースを作り11人になる。ここからヤン・インホン(香港チーム)がペースを上げて9人に。さらに激坂区間でクリストファー・バトラー(チャンピオンシステム・プロサイクリングチーム)がペースを上げるとバリアーニ、アレドンドとの3人に。
3人からさらにアタックしたのはバリアーニ。このアタックで3人はばらばらになり、先頭バリアーニに5秒から10秒差でアレドンド、そして大きく離れてバトラーの並びに。
先頭のバリアーニは激坂では39x26メインで29も、平坦になる区間では39x16と17で走り続けゴール。40分23秒はマスドスタートでのコースレコードだ。
個人総合リーダーはNIPPOチーム内でアレドンドからバリアーニへ移動。NIPPOはリーダーチームだが全く手を抜かず、さらに攻撃的に走って差を広げた。リーダーをキープする守りの走りではない。「強い者がエース」。この考えを貫く走りは、明らかに他チームと走り方が違う。次元の違うチームの強さに、興味はチーム内の誰がリーダーとなるかに移ったといっていい。
優勝したフォルッナート・バリアーニ(チームNIPPO)
「ステージ優勝はしたいと思っていたのでよかった。序盤は様子を見ながら。ジェネシスそしてブリヂストンが前半はコントロール。中盤過ぎてからが勝負と昨日の試走で感じていたところバトラーが1.5kmくらい本気のアタックをしたのでそこで3人に。そして自分が右へ、アレドンドは左へ行って3人ばらばらになった」
「明日は自分はチームのキャプテンとして来ているのでチームをまとめたい。まだ勝っていないチームもあるし総合に影響の無い選手の逃げもあるだろう。あるいはスプリントでリケーゼ兄弟が勝てる可能性もあるかもしれない」
翌日の伊豆ステージは標高差合計5000mに達するハードコース。ここでもNIPPO勢の優位は変わらないが、逃げのメンバーによってはコントロールし続ける可能性もある。総合2位のアレドンドが逃げたり、あるいは上位2人がふたたび力で抜け出して圧倒するレースをするかもしれない。総合上位が確定する事実上最後の決戦が伊豆ステージだ。
結果
第4ステージ 富士山 11.4km
1位 フォルッナート・バリアーニ(チームNIPPO)40分23秒
2位 ジュリアン・アレドンド(チームNIPPO)+19秒
3位 クリストファー・バトラー(チャンピオンシステム・プロサイクリングチーム)+58秒
4位 ヤロスラフ・ダブロフスキ(アモーレ・エ・ヴィータ)+1分44秒
5位 トマ・ルバ(ブリヂストン・アンカー)+1分58秒
6位 増田成幸(宇都宮ブリッツェン)+2分10秒
7位 ヤン・インホン(香港チーム)+2分16秒
8位 ブレイズ・ソネリー(ブリヂストン・アンカー)+2分42秒
9位 清水都貴(ブリヂストン・アンカー)+3分01秒
10位 平塚吉光(シマノレーシング)+3分25秒
個人総合順位 第4ステージ終了時点
1位 フォルッナート・バリアーニ(チームNIPPO)8時間31分48秒
2位 ジュリアン・アレドンド(チームNIPPO)+18秒
3位 ヤロスラフ・ダブロフスキ(アモーレ・エ・ヴィータ)+3分21秒
4位 トマ・ルバ(ブリヂストン・アンカー)+3分28秒
5位 クリストファー・バトラー(チャンピオンシステム・プロサイクリングチーム)+6分12秒
6位 鈴木譲(シマノレーシング)+6分41秒
7位 キャメロン・ワーフ(チャンピオンシステム・プロサイクリングチーム)+6分57秒
8位 ネイサン・アール(ジェネシス・ウェルス・アドバイザーズ)+7分55秒
9位 ブレイズ・ソネリー(ブリヂストン・アンカー)+8分00秒
10位 ヴィエスタース・ルクセヴィクス(アモーレ・エ・ヴィータ)+8分05秒
個人総合ポイント賞順位 第4ステージ終了時点
1位 マキシミリアーノ・リケーゼ(チームNIPPO)30点
2位 マリウス・ヴィジアック(マトリックス・パワータグ)29点
3位 ジュリアン・アレドンド(チームNIPPO)25点
個人総合山岳賞順位 第4ステージ終了時点
1位 フォルッナート・バリアーニ(チームNIPPO)21点
2位 ジュリアン・アレドンド(チームNIPPO)21点
3位 畑中勇介(シマノレーシング)12点
チーム総合順位 第4ステージ終了時点
1位 チームNIPPO 25時間44分20秒
2位 ブリヂストン・アンカー +13分51秒
3位 アモーレ・エ・ヴィータ +14分36秒
photo&text:Hideaki.TAKAGI
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