サストレ「最終週がいつもすべてを決める」　メンショフ「ジロに勝ったと言うのはまだ早い」

08ツールのラルプデュエズを思い起こさせるような山頂ゴールでの独走勝利。ジロのクイーンステージを制したサストレは逆転優勝の可能性も見えてきた。一方ディルーカとライプハイマーを打倒したメンショフはタイム差をさらに広げ、総合優勝に大きく近づいた。

ペトラーノ峠でアタックをかけたカルロス・サストレ（スペイン、サーヴェロ・テストチーム） photo:CorVos

カルロス・サストレ（スペイン、サーヴェロ・テストチーム）

今日のまたとないチャンスを生かしたかった。長くて厳しいステージだった。脚にきたよ。メンショフはうまくペダリングしていた。バッソも調子がよさそうだった。ディルーカも戦闘的だった。もし今日僕が調子がよければ、マリアローザを獲りに行こうと思っていた。

できるだけタイムを取り返せるようにやってみたよ。限界まで追い込んだ。ステージに勝てるよう、そしてタイムを稼げるように。
僕はこのジロに闘いに来たんだ。最後まで闘うよ。

メンショフは強さを見せていた。でもジロの最終週はハードだ。暑さ、スピード、距離も積み重なって脚にくる。グランツールに勝つということは、それがツールであれ、ジロであれ、ブエルタであれ、いつも美しいのも。とくに世界最高の選手たちと闘ってのものならもっと最高だ。

今日は僕にとって重要だった。最終週がいつもすべてを決める。僕は冷静だ。すべてを賭けている。噂や雑音には耳を貸さないよ。僕は僕の仕事に集中して、重要なレースに備えているし、アタックのチャンスがきたらそれをするだけだ。


ディルーカとバッソを引き離してゴールするデニス・メンショフ（ロシア、ラボバンク） photo:Kei Tsuji

デニス・メンショフ（ロシア、ラボバンク）

上り始めではバッソとサストレのアタックに着いて行こうとした。ディルーカは調子がよさそうだったが、ライプハイマーは苦しんでいた。今日結局僕は正しいタイミングで正しい走りをしたことになるね。最後に最も重要なのは脚だった。

ジロに勝ったと言うのはまだ早いよ。まだ重要なステージがいくつか待っている。今日はもっとも重要なステージだった。距離がとても長く、上りがたくさんあって、暑くて、僕だけじゃなくて全ての選手にとって重要なステージだった。

ローマまでの最後のタイムトライアルの前に２つの重要なステージがある。ディルーカとサストレから離されないよ。そしてローマまで待つ。ローマまでに本当にハードな闘いが待っている。

コンディションはジロが始まったときよりもよくなっている。これからのステージにも自信を持っているよ。



ライプハイマーを引き連れてゴールに向かうランス・アームストロング（アメリカ、アスタナ） photo:Kei Tsuji

リーヴァイ・ライプハイマー（アメリカ、アスタナ）

今日僕は奴らより弱かった。ただそれだけだね。最後の上りに入ってすぐに脚が言うことを聞かないのが分かった。運良くランス（アームストロング）が助けてくれた。彼がいなかったらもっとタイムを失っていた。彼が分差を防いでくれた。

ヨハン・ブリュイネール監督（アスタナ）

ジロに勝つことはもう不可能だ。けれどリーヴァイ（ライプハイマー）をローマの表彰台に上げるべく走る。多分彼はただ「悪い日」が来ただけなんだろう。後悔しても仕方が無い。できることをするべきだ。
ランスがリーヴァイを助けながらゴールまで行くのを見れたのは良かった。凄いチームワークだ。

ペトラーノ峠でアタックをかけたイヴァン・バッソ（リクイガス） photo:CorVos

イヴァン・バッソ（イタリア、リクイガス）

僕はトライしてみたけどサストレのほうが強かった。ディルーカとメンショフもうまく助け合っていたね。

新人賞首位に立ったケヴィン・シールドライヤース（ベルギー、クイックステップ）

昨日僕らはロヴ（ロヴクヴィスト）が上りで苦しんでいるのに気がついたんだ。しかしマシャレッリにも注意しなければいけない。
大ブレーキのロヴクヴィストに代わってマリアビアンカを獲得したケヴィン・シールドライヤース（ベルギー、クイックステップ） photo:Kei Tsuji今日のステージではできるだけいい位置につけられるようにがんばった。ホワイトジャージ（マリアビアンカ）のために、リザルト上の直接的な相手（ロヴクヴィストや新人賞対象の選手）に下りで差を付けられるように走った。



text:綾野 真、辻 啓
photo:辻 啓,CorVos