ベルギー・コクサイデで開催されているシクロクロス世界選手権。大会2日目の女子エリートを余裕の独走で制したのはクロス世界選4連勝となるマリアンヌ・フォス(オランダ)。日本の豊岡英子と宮内佐季子は32・33位だがタイムオーバーにより最終周回に入れなかった。

独走する マリアンヌ・フォス(オランダ)独走する マリアンヌ・フォス(オランダ) (c)CorVosシクロクロス世界選手権女子エリートにエントリーしたのは全日本チャンピオン豊岡英子(パナソニックレディース)と宮内佐季子(クラブヴィエント)のふたり。豊岡はスタート前に「砂への苦手意識が抜けないが頑張りたい。アップダウンの繰り返す厳しいコース」とコメント。宮内は「ワールドカップで35位だったので、30位を目指して走りたい。失うものは何も無いので緊張感もない」と話す。

スタートと同時に豊岡にアクシデントが襲う。スタートでペダルを踏み外した選手と接触してしまう。宮内もスタートで出遅れ、ふたりはほぼ最後尾からのスタートとなる。

スタート直後からレースを支配したのはオランダ。飛び出すマリアンヌ・フォス(オランダ)は世界選3連覇中の無敵ぶりを誇り、今回も優勝候補筆頭だ。
2位グループにはフランスがひとり食らいつくも、4位までをオランダのオレンジのユニフォームが占める。

フォスが独走で2周目へ。22秒差で続くのは同じくオランダのダフニー・ファンデンブラント。それに続いてオランダ2人、チェコひとり、ベルギーひとりの4人のパックが追うが、フォスにはもはや届かない。

軽量な体で、しかし力強い走りで淡々と差を開いていくフォス。難コースにときどきミスをしながらも大きな差をつけていてはまったく不安がない。残り2周の時点で2位以下には34秒、ファイナルラップでは52秒へと差を開いた。

2位以下は最終周回でふたたび4人の集団に戻る。捕まったオランダのファンデンブラントとサン・ファンパーセンのふたりに サン・カント(ベルギー)と、昨年の世界選2位のカテテリーヌ・コンプトン(アメリカ)が再合流する。
ここからベルギーのカントが積極的にアタックを繰り返し、オランダの二人に挑む。アメリカのコンプトンは遅れがちとなり、2位争いは白熱した。

後続を大きく引き離して余裕の勝利を決めたマリアンヌ・フォス(オランダ)後続を大きく引き離して余裕の勝利を決めたマリアンヌ・フォス(オランダ) (c)CorVos後続に37秒の大差をつけて余裕の独走を披露したフォスは何度もガッツポーズを繰り返してフィニッシュ。
激しい攻防を続けた2位争いはスプリントでベルギーのカントが先行したが、ファンデンブラントが差し切って2位。オランダのワンツ・フィニッシュとなった。それでも3位のカントはゴールラインを切る時には歓喜のガッツポーズを見せた。

32位を走っていた豊岡は、前の選手が最終ラップに入ったにもかかわらず、優勝者のタイムから80%以上遅れると失格という80%ルールにより最終周回に入ることが出来ず。その後ろにいた宮内も同じく降ろされてしまう。リザルト上は32・33位だが、完走扱いとはならない。昨年は落車でリタイアした豊岡は、2年連続の失格となる。

世界選手権4連勝という偉業を達成したマリアンヌ・フォス。2006年にも世界チャンピオンとなっていて、これで合計5枚目のアルカンシェル獲得だ。フォスはロードレース、トラックレース、そしてシクロクロスの3種目の大会で世界チャンピオンとなった万能選手だ。

フォスがもたらした勝利でオランダの優勝はこれで3つめ。ジュニア、U23に続き完全勝利だ。

2位 ダフニー・ファンデンブラント(オランダ)と3位を歓喜するサン・カント(ベルギー)2位 ダフニー・ファンデンブラント(オランダ)と3位を歓喜するサン・カント(ベルギー) (c)CorVos世界選4連覇、通算5度目の勝利のマリアンヌ・フォス(オランダ)世界選4連覇、通算5度目の勝利のマリアンヌ・フォス(オランダ) (c)CorVos

32位 豊岡英子のコメント
残念ながら最後まで走れなかった。スタートの時に周りが上手い選手ばかりだったので安心していたけれど、隣の選手がペダルを踏み外して、その影響を受けてしまった。
砂に対しては不安な面があった。身体はよく動いていたけれど、最後はゴールできず...。最後まで気持ちを切らせずに走ることはできた。

33位 宮内佐季子のコメント
スタートを失敗してしまい、最後尾になってしまった。砂の担ぎ区間で体力を浪費してもいいから走っていたら、オーバーペースになってしまい、バランスを崩したり、対応が後手後手になってしまった。巧く走れない場面が増えてしまった。多分実力通りなんでしょうけれど、悔しい。

シクロクロス世界選手権2012女子エリート 結果
1位 マリアンヌ・フォス(オランダ)00:41:04
2位 ダフニー・ファンデンブラント(オランダ)+00:37
3位 サン・カント(ベルギー)+00:38
4位 サン・ファンパーセン(オランダ) +00:49
5位 カテテリーヌ・コンプトン(アメリカ) +00:53
6位 ニッキ・ハリス(イギリス)
7位 ソフィー・デボール(オランダ)+01:05
8位 カテリーナ・ナッシュ(チェコ)+01:11
9位 ジャスミン・アチェルマン(スイス)+01:12
10位 ルーシー・シェネルルフェーブル(フランス)

32位 豊岡英子 タイムオーバーにより失格
33位 宮内佐季子 タイムオーバーにより失格


photo:(c)CorVos
text:Makoto.AYANO

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