2012/01/21(土) - 05:56
ゴールの周辺はワインの一大産地。ライドイベントに参加した7000人の一般サイクリストが、まるで聖地の巡礼のように列を作ってブドウ畑を縫っていく。1級山岳メングラーズヒルで、総合優勝候補は少しだけ絞り込まれた。今年もボーナスタイムによる総合争いが最終日まで縺れそうな予感がする。
リーダージャージのアンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル)がインタビューを受ける photo:Kei Tsujiゴール地点のタヌンダは、ワインの産地として有名なバロッサバレーの中心地。見渡す限りワイン畑またはその休耕地で、第4ステージのコースは整然と並ぶブドウ畑の間を進む。
コースの沿道に目立つのは、日本でも手に入りやすいワインで有名なジェイコブスクリーク社の看板。原油・天然ガス会社のサントス社がツアー・ダウンアンダーのメインスポンサーにつく前、つまり2009年まで大会のメインスポンサーだった同社は、タヌンダの近くに拠点を置いている。
カフェでスタートを待つ宮澤崇史とアナス・ルンド(デンマーク、チームサクソバンク) photo:Kei Tsujiどこまでも続く大規模な農園の中にあるジェイコブスクリークのビジターセンターでは、食事やワインの試飲が可能。同社は現在もダウンアンダーのスポンサーに名前を連ねていて、プレスセンターの冷蔵庫には様々な種類のワインが山ほど並べられている(もちろん飲み放題)。
この日はまさにそのジェイコブスクリークが所有するブドウ畑で撮影した(作業中の人に了承を得て)。写真に写っているブドウで作られたワインが、日本に輸出され、シクロワイアードご愛読者の皆様の口に入るかもしれない。念のため、毎日プレスセンターで味見しています。
ブドウ畑を横目にプロトンが進む photo:Kei Tsuji
メイン集団に復帰する宮澤崇史(チームサクソバンク) photo:Kei Tsujiタヌンダの街はお揃いの赤いジャージを着たサイクリストに溢れていた。この日は「BUPAチャレンジ」というプロと同じコースを使用したライドイベントが併催されていて、約7000人が参加したという。
BUPAチャレンジのコースは4種類。プロと同じノーウッドを朝6時半にスタートする130kmコース、グメラチャを7時にスタートする102kmコース、マウントプレザントを7時半にスタートする79kmコース、そしてタヌンダを9時にスタートする33kmコース。
逃げるルーベン・ペレス(スペイン、エウスカルテル)ら3名 photo:Kei Tsuji最先端ロードバイクに乗ったプロ顔負けの絞れたサイクリストから、シティバイクに乗ったお腹がどっぷり出ているサイクリストまで、それぞれのレベルに合わせてコースを選択。ゴール地点は共通してタヌンダ。参加者はみんなプロがゴールする前に走り終え、レースを観戦するというもの。
どの参加者もタヌンダにゴールするので、7000人の参加者とその家族が、人口4000人の小さな田舎町を埋める。レースを取材する側としては、交通渋滞をはじめとする混乱が起こるので勘弁してほしい。
アップダウンのある内陸部を進むプロトン photo:Kei Tsujiスタート前に「今日は最初の登りがキツいかもしれない」と心配していた宮澤崇史(チームサクソバンク)は、最初の登りでアタックが掛かり続けたメイン集団から脱落。レース中盤に集団に復帰したものの、その表情は冴えない。
結局この日最後の1級山岳メングラーズヒルでメイン集団から遅れ、2人のチームメイトと一緒に14分16秒遅れのグルペット最終便でゴールした。「落車の影響もあるけど、踏めないというか、前に進まない感じ」。スタッフが待つチームカーに向かいながら、首を傾げ、何ともやるせない表情を浮かべる。
両手を広げるオスカル・フレイレ(スペイン、カチューシャ) photo:Kei Tsujiツアー・ダウンアンダーは残り2ステージ。実質的に、翌日の第5ステージで総合争いは決まる。「ダウンアンダーは明日始まって、明日終わる」というジャーナリストがいるほど、第5ステージで全てが決まる。
第4ステージで総合争いは先行した49名に絞られたものの、総合成績を見ると45名の選手たちがまだ12秒以内にいる僅差の状態。
ルンドやヨルゲンセンとグルペットでゴールした宮澤崇史(チームサクソバンク) photo:Kei Tsuji総合上位にはマシューズやフレイレ、チオレック、ベンナーティ、ボアッソンハーゲンといったスプリンターの名前が目立つ。でもそれより総合争いで注目したいのは、ジェランスを始めとする登坂力のある選手たち。
総合トップ10には入っていないが、ロジャースやバルベルデ、ゲルデマン、ロバーツ、ヘジダル、LLサンチェス、マシャド、マイヤー、パウリーニョ、ロイドといった選手たちが総合で僅かに12秒以内。少しのタイム差とボーナスタイムで簡単にひっくり返る。
美しいポディウムガール photo:Kei Tsujiオールドウィランガヒルの頂上ゴールでタイム差をつけてステージ優勝を飾った選手が、そのままダウンアンダーの総合優勝に輝きそうなイメージ。スプリンターたちも全開でオールドウィランガヒルを登ってタイム差を少なくし、最終日のボーナスタイムによる逆転を狙う。
とにもかくにも、グリーンエッジは何かムーブメントを起こす必要がある。はっきり言って、ここまでグリーンエッジの見せ場はゼロ。メイン集団を牽引する姿はよく見かけるけど、結果には全くと言っていいほど結びついていない。
グリーンエッジのマシュー・ホワイト監督は「チームには登坂力のあるジェランスとマイヤーがいるから問題ない。総合を狙える位置にいる」と軽く言うが、ここまでの走りを見る限り心配でたまらない。オーストラリア初のUCIプロチームとして、鳴り物入りでオーストラリアのUCIワールドツアーレースでデビューしたチームが、0勝&表彰台無しに終わったとなると幸先が悪過ぎる。
オールドウィランガヒルはグリーン集団の手に落ちるのか?それとも?いよいよ真夏のオーストラリア決戦は佳境に入る。
text&photo:Kei Tsuji in Adelaide, Australia

コースの沿道に目立つのは、日本でも手に入りやすいワインで有名なジェイコブスクリーク社の看板。原油・天然ガス会社のサントス社がツアー・ダウンアンダーのメインスポンサーにつく前、つまり2009年まで大会のメインスポンサーだった同社は、タヌンダの近くに拠点を置いている。

この日はまさにそのジェイコブスクリークが所有するブドウ畑で撮影した(作業中の人に了承を得て)。写真に写っているブドウで作られたワインが、日本に輸出され、シクロワイアードご愛読者の皆様の口に入るかもしれない。念のため、毎日プレスセンターで味見しています。


BUPAチャレンジのコースは4種類。プロと同じノーウッドを朝6時半にスタートする130kmコース、グメラチャを7時にスタートする102kmコース、マウントプレザントを7時半にスタートする79kmコース、そしてタヌンダを9時にスタートする33kmコース。

どの参加者もタヌンダにゴールするので、7000人の参加者とその家族が、人口4000人の小さな田舎町を埋める。レースを取材する側としては、交通渋滞をはじめとする混乱が起こるので勘弁してほしい。

結局この日最後の1級山岳メングラーズヒルでメイン集団から遅れ、2人のチームメイトと一緒に14分16秒遅れのグルペット最終便でゴールした。「落車の影響もあるけど、踏めないというか、前に進まない感じ」。スタッフが待つチームカーに向かいながら、首を傾げ、何ともやるせない表情を浮かべる。

第4ステージで総合争いは先行した49名に絞られたものの、総合成績を見ると45名の選手たちがまだ12秒以内にいる僅差の状態。

総合トップ10には入っていないが、ロジャースやバルベルデ、ゲルデマン、ロバーツ、ヘジダル、LLサンチェス、マシャド、マイヤー、パウリーニョ、ロイドといった選手たちが総合で僅かに12秒以内。少しのタイム差とボーナスタイムで簡単にひっくり返る。

とにもかくにも、グリーンエッジは何かムーブメントを起こす必要がある。はっきり言って、ここまでグリーンエッジの見せ場はゼロ。メイン集団を牽引する姿はよく見かけるけど、結果には全くと言っていいほど結びついていない。
グリーンエッジのマシュー・ホワイト監督は「チームには登坂力のあるジェランスとマイヤーがいるから問題ない。総合を狙える位置にいる」と軽く言うが、ここまでの走りを見る限り心配でたまらない。オーストラリア初のUCIプロチームとして、鳴り物入りでオーストラリアのUCIワールドツアーレースでデビューしたチームが、0勝&表彰台無しに終わったとなると幸先が悪過ぎる。
オールドウィランガヒルはグリーン集団の手に落ちるのか?それとも?いよいよ真夏のオーストラリア決戦は佳境に入る。
text&photo:Kei Tsuji in Adelaide, Australia
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