2011/12/05(月) - 14:38
2011年12月5日、関西シクロクロス第4戦が京都府福知山市の由良川河川敷で開催された。全日本選手権を1週間後に控えたこの日、竹之内悠(Team Eurasia-Fondriest bikes)が下位を5分以上引き離す走りで圧勝。女子は豊岡英子(パナソニックレディース)が強さを見せた。
C1スタート photo:Kei Tsuji日本海に注ぐ由良川の河川敷は、前日からの雨によって泥場と化した。
部分的に深さ10cm以上にまでえぐられた泥が脚にダメージを与える。毎年選手たちが勢いよく駆け上がる土手は泥の壁となり、バイクを担いで登るにも脚が取られる。ほぼ真っ平らで「高速コース」として知られる由良川のコースは、常にパワーが必要となる重馬場へと変貌を遂げた。
C1 1周目から竹之内悠(Team Eurasia-Fondriest bikes)が早速リード photo:Kei Tsuji全日本選手権を1週間後に控えているだけに、どの選手も機材に細心の注意を払う。しかし時間の経過とともに泥の質がシャバシャバからコネコネになり、容赦なくバイクにまとわりつく。泥詰まりによってリアディレイラーを破損する選手が多く見受けられた。
この日は珍しく信州(上山田)、北陸(常顔寺川)、GP mistral(吉見)、そして広島(呉市野呂山)が同日開催されるという今シーズン最多のシクロクロスレースデー。それだけにエントリー数は通常より若干少なめ。C1には36名が出走。合計263名がレースを走った。
C1 2番手で泥区間をクリアする辻善光(TeamZenko/宇都宮ブリッツェン) photo:Kei TsujiC1には前週の野辺山シクロクロスで優勝を飾った竹之内悠(Team Eurasia-Fondriest bikes)や、全日本選手権に向けてシクロクロスに本腰を入れる辻善光(TeamZenko/宇都宮ブリッツェン)、畑中勇介(シマノレーシング)、そしてシリーズ優勝を狙う伊澤優大(岩井紹介レーシング)らが並ぶ。
号砲とともに飛び出したのは竹之内悠。ベルギーを拠点に活動し、全日本選手権制覇を狙う23歳は、追いすがる辻善光や畑中勇介を寄せ付けない速さで周回を重ねる。バイクをケアするためいつもより頻繁にピットでバイクを交換し、一人だけ7分台のラップタイムを連発。周回遅れの選手たちを追い抜きながら、後続を大きく引き離した。
結局、竹之内悠は実に30名を周回遅れにしてゴール。周回遅れを逃れたのが実に4名だけという圧倒的な走りで勝利した。
C1 1周目完了の時点で後続を見えない距離にまで引き離した竹之内悠(Team Eurasia-Fondriest bikes) photo:Kei Tsuji
C1 松井を引き離した畑中勇介(シマノレーシング)が単独3番手に photo:Kei Tsuji一度も後続の足音を聞くことのない圧勝だったが、竹之内本人は完璧なコンディションでの勝利ではなかったと語る。
「この1週間、強度の高いトレーニングをこなしてきたので、今日はもともとレースに出ない予定でした。でも朝起きて、やっぱり気になって、急遽出ることに。コースはヨーロッパのような泥のコースで、結果的に出場して良かったです。トレーニングの疲れの影響で、レースは後半ペースが落ちてしまった」。
C1 連続ステップをクリアする竹之内悠(Team Eurasia-Fondriest bikes) photo:Kei Tsujiしかし全日本に向けて道筋は見えている様子。「でもこの疲れは1週間しっかりとトレーニングを積んで来た証拠。良い確認になりました。これから休んで、全日本選手権までの1週間はコンディショニング。これから自分の力が回復するのを待てば、(1週間前の)野辺山以上の走りはできる」と語気を強めた。
C1 圧勝した竹之内悠(Team Eurasia-Fondriest bikes)がゴール photo:Kei Tsuji一方、単独2番手を走行していた辻善光は、最終周回突入前にリアディレイラー破損により歩行を余儀なくされた。
3名に抜かれ、5位まで順位を下げてゴールした辻は「泥区間も強引にパワーで乗り越えるなど、メンタルの弱さと経験の少なさが露呈される結果となってしまった。泥と草が絡むコンディションでのバイク交換のタイミングや、微妙なバイクの変化を知る事ができたので、全日本前にいい経験をすることができた」と話す。
C1 ゴールに向かって本気のスプリントを見せる畑中勇介(シマノレーシング) photo:Kei Tsuji辻善光に代わって2位に浮上し、竹之内悠から5分20秒遅れでゴールしたのは畑中勇介。昨年この由良川の会場で優勝している松井正史(シマノドリンキング)が3位の座を射止めた。
雨が残る午前中に行なわれたCL1は、2位争いを繰り広げる宮内佐季子(CLUB viento)と福本千佳(クラブシルベスト/同志社大学)を振り切った豊岡英子(パナソニックレディース)が快勝。
全日本でも直接的なライバルとなる2人を3分引き離した豊岡は「他の選手よりもシクロクロスバイクに乗り始めるのが遅かったので、今年はなかなかオフロード走行に慣れなかった。ビワコマイアミランドの後あたりからようやくバイクに馴染んできて、今は踏めている。全日本ではミスなく走ることが一番重要です」と自信を高める。
CM1には、昨年全日本選手権マスターを制した三船雅彦が出場し、注目を集めたが、中盤にペースを崩して失速。先頭は大河内二郎(シルクロード)とビンセント・フラナガン(八ヶ岳CYCLOCROSS CLUB)の一騎打ちとなり、大河内が熾烈なデッドヒートを制している。
レースの模様はフォトギャラリーにて!
CL1 独走する豊岡英子(パナソニックレディース) photo:Kei Tsuji
CL1 2位争いを繰り広げる福本千佳(クラブシルベスト/同志社大学)と宮内佐季子(CLUB viento) photo:Kei Tsuji
CM1 全日本選手権マスターのディフェンディングチャンピオン三船雅彦が序盤リード photo:Kei Tsuji
CM1 最終周回を前に大河内二郎(シルクロード)がリードする photo:Kei Tsuji
関西シクロクロス2011-2012第4戦結果
C1(9周回)
1位 竹之内悠(Team Eurasia-Fondriest bikes) 1h07'35"
2位 畑中勇介(シマノレーシング) +5'20"
3位 松井正史(シマノドリンキング) +6'07"
4位 伊澤優大(岩井紹介レーシング) +6'50"
5位 辻善光(TeamZenko/宇都宮ブリッツェン) +7'43"
6位 久保伸次(岩井商会レーシング) -1Lap
7位 稲益拓也(DARK BLUE BIKERS) -1Lap
8位 船岡洋(tacurino.net) -1Lap
9位 松村孝一(八ヶ岳CYCLOCROSS CLUB) -1Lap
10位 中川隆司(つうばいつう) -1Lap
CL1(5周回)
1位 豊岡英子(パナソニックレディース) 46'44"
2位 宮内佐季子(CLUB viento) +3'01"
3位 福本千佳(クラブシルベスト/同志社大学) +3'48"
4位 上田順子(TEAM884獣遊/シルベスト) +8'07"
5位 埜真賢美(Teamクルース) +10'09"
CM1(5周回)
1位 大河内二郎(シルクロード) 42'04"
2位 ビンセント・フラナガン(八ヶ岳CYCLOCROSS CLUB) +11"
3位 丸畑明彦(PCサイクルクラブ松本) +42"
4位 吉中和彦(ユーロワークス) +1'33"
5位 中野政彦(team speed) +1'35"
C2(5周回)
1位 木村吉秀(瀬田工業高校自転車競技部) 43'28"
2位 池山豊繁(CRC/HUNTER) +49"
3位 一色寛之(CIERVO奈良)
4位 細渓拓男(Salata bianca kobe) +55"
5位 小森誠司(岩井商会レーシング) +1'20"
text&photo:Kei Tsuji
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この日は珍しく信州(上山田)、北陸(常顔寺川)、GP mistral(吉見)、そして広島(呉市野呂山)が同日開催されるという今シーズン最多のシクロクロスレースデー。それだけにエントリー数は通常より若干少なめ。C1には36名が出走。合計263名がレースを走った。
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号砲とともに飛び出したのは竹之内悠。ベルギーを拠点に活動し、全日本選手権制覇を狙う23歳は、追いすがる辻善光や畑中勇介を寄せ付けない速さで周回を重ねる。バイクをケアするためいつもより頻繁にピットでバイクを交換し、一人だけ7分台のラップタイムを連発。周回遅れの選手たちを追い抜きながら、後続を大きく引き離した。
結局、竹之内悠は実に30名を周回遅れにしてゴール。周回遅れを逃れたのが実に4名だけという圧倒的な走りで勝利した。
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3名に抜かれ、5位まで順位を下げてゴールした辻は「泥区間も強引にパワーで乗り越えるなど、メンタルの弱さと経験の少なさが露呈される結果となってしまった。泥と草が絡むコンディションでのバイク交換のタイミングや、微妙なバイクの変化を知る事ができたので、全日本前にいい経験をすることができた」と話す。
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雨が残る午前中に行なわれたCL1は、2位争いを繰り広げる宮内佐季子(CLUB viento)と福本千佳(クラブシルベスト/同志社大学)を振り切った豊岡英子(パナソニックレディース)が快勝。
全日本でも直接的なライバルとなる2人を3分引き離した豊岡は「他の選手よりもシクロクロスバイクに乗り始めるのが遅かったので、今年はなかなかオフロード走行に慣れなかった。ビワコマイアミランドの後あたりからようやくバイクに馴染んできて、今は踏めている。全日本ではミスなく走ることが一番重要です」と自信を高める。
CM1には、昨年全日本選手権マスターを制した三船雅彦が出場し、注目を集めたが、中盤にペースを崩して失速。先頭は大河内二郎(シルクロード)とビンセント・フラナガン(八ヶ岳CYCLOCROSS CLUB)の一騎打ちとなり、大河内が熾烈なデッドヒートを制している。
レースの模様はフォトギャラリーにて!
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関西シクロクロス2011-2012第4戦結果
C1(9周回)
1位 竹之内悠(Team Eurasia-Fondriest bikes) 1h07'35"
2位 畑中勇介(シマノレーシング) +5'20"
3位 松井正史(シマノドリンキング) +6'07"
4位 伊澤優大(岩井紹介レーシング) +6'50"
5位 辻善光(TeamZenko/宇都宮ブリッツェン) +7'43"
6位 久保伸次(岩井商会レーシング) -1Lap
7位 稲益拓也(DARK BLUE BIKERS) -1Lap
8位 船岡洋(tacurino.net) -1Lap
9位 松村孝一(八ヶ岳CYCLOCROSS CLUB) -1Lap
10位 中川隆司(つうばいつう) -1Lap
CL1(5周回)
1位 豊岡英子(パナソニックレディース) 46'44"
2位 宮内佐季子(CLUB viento) +3'01"
3位 福本千佳(クラブシルベスト/同志社大学) +3'48"
4位 上田順子(TEAM884獣遊/シルベスト) +8'07"
5位 埜真賢美(Teamクルース) +10'09"
CM1(5周回)
1位 大河内二郎(シルクロード) 42'04"
2位 ビンセント・フラナガン(八ヶ岳CYCLOCROSS CLUB) +11"
3位 丸畑明彦(PCサイクルクラブ松本) +42"
4位 吉中和彦(ユーロワークス) +1'33"
5位 中野政彦(team speed) +1'35"
C2(5周回)
1位 木村吉秀(瀬田工業高校自転車競技部) 43'28"
2位 池山豊繁(CRC/HUNTER) +49"
3位 一色寛之(CIERVO奈良)
4位 細渓拓男(Salata bianca kobe) +55"
5位 小森誠司(岩井商会レーシング) +1'20"
text&photo:Kei Tsuji
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