スプリントを爆発させ、余裕でジロ2勝目を挙げたマン島超特急カヴェンディッシュ。ミラノ~サンレモとコースも一部重複し、プリマヴェッラでの最高の勝利を思い起こさせる。

質問攻めにふてくされた様子のマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームコロンビア)質問攻めにふてくされた様子のマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームコロンビア) photo:Kei Tsuji

マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームコロンビア)


トゥルキーノ峠を先頭集団で越えて下りに入ることが大事だということは分かっていた。チームは凄い仕事をしてくれたよ。彼らは僕を信じてくれた。おかげで下り始めからいいポジションで下れたんだ。僕がやる仕事といったら、最後のスプリントだけだった。

バッチリな位置でフィニッシュの匂いを嗅ぐのはたまらないね。正直言ってそんなにがむしゃらに行く必要は無かった。僕には浮いてるみたいにラクラクだったね。

日曜に勝っていたからもうすでにハッピーだった。でもひとつよりふたつのほうがいい。今日は一日中ミラノ~サンレモのことを考えていたよ。

2位のタイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・スリップストリーム)


フラストレーションだ。マークは完全に僕をやっつけてくれた。手立てが無かったね。彼は最速の男だよ。チームメイトは僕が山を越えるのを手伝って、そして最後は全力を振り絞ってくれていた。最後の1kmでアタックするのは難しいよ。最後まで頑張っただけど...。金曜のフィレンツェ(第13ステージ)ではもう一度トライするよ。

それにしても今日は過酷な一日だった。信じられないほど暑く、一日中全開だったんだ...。

走りながら治療を受けるリーヴァイ・ライプハイマー(アメリカ、アスタナ)走りながら治療を受けるリーヴァイ・ライプハイマー(アメリカ、アスタナ) photo:CorVos

リーヴァイ・ライプハイマー(アメリカ、アスタナ)



ちょっとしたミスを犯してしまっただけなんだ。ディルーカが横にきたとき、グリップを失ってしまったんだ。立て直せなかった。コースはトリッキーで、もし小さなミスを犯せば全て終わってしまう。

ディルーカは強いよ。ともかく彼はレースに勝つ走りをしているよ。本当に強い。


第12ステージのチンクェテッレでの個人タイムトライアルへのコメント


翌日、このジロでもっとも重要と言われていたステージが待ち構える。第12ステージのチンクェテッレでの個人タイムトライアルは、60km以上の距離と、リアス式海岸のコースのテクニカルなアップダウンが待っているという、常識はずれの過酷なタイムトライアルになることは間違いない。



マリアローザのダニーロ・ディルーカ(イタリア、LPRブレークス)には翌日の個人TTに関する質問が飛ぶマリアローザのダニーロ・ディルーカ(イタリア、LPRブレークス)には翌日の個人TTに関する質問が飛ぶ photo:Kei Tsuji

ダニーロ・ディルーカ(イタリア、LPRブレークス)


初めから言っているように、明日(第12ステージ)はこのジロを決定付ける一日になる。
ロジャースとメンショフとは数秒差を争うだろう。もし僕がメンショフに対して40秒を失うぐらいに抑えられれば凄いね。僕はノーマルバイクに短いエクステンションバー(DHハンドル)を使うだろうね。

マリアローザを着て走ることがもっとパワーをくれる。マリアローザを守るために全てをかけて戦う。誰かが僕はライバルたちに対して2分を失うだろうと言ったけど、見ているがいいよ。ハードな闘いになることは間違いないよ。

(明日マリアローザを維持できればジロの優勝は75%確実になると思うか?と聞かれて)

そうなるかもしれないね。でもその後にまだ4つの難しいステージがある。危機に陥る日があるかもしれない。それは誰にでも起こることだ。僕がジロに勝てるだろうと言えるのは、ブロックハウス(第17ステージ)かヴェスヴィオ(第19ステージ)の後に、だろうね。

モチベーションにあふれた表情を見せるランス・アームストロング(アメリカ、アスタナ)モチベーションにあふれた表情を見せるランス・アームストロング(アメリカ、アスタナ) photo:CorVos

ヨハン・ブリュイネール監督(アスタナ)



ランスはレースを厳しくするように動くよ。私は彼がタイムトライアルに向けて調子を上げていると思う。なにしろ60kmもあるタイムトライアルだから確かなことは何も分からないが、彼は調子を良くしている。60km以上の距離でランスはどうなるかは分からない。でも彼には明日にかけるモチベーションがある。

マイケル・ロジャース(オーストラリア、チームコロンビア)



フル装備のタイムトライアルバイクで走るのは無理。やりすぎだね。たぶん僕はノーマルバイクにクリップオンバーをつけて走るだろう。
とてもタフだ。たぶん重要なタイム差がつくだろうね。最初の登りは悪くない。2つめの登りはもっと厳しい。皆が登りのことばかりを言うけれど、ダウンヒルも同じぐらい重要だ。本当に残酷なコースだと思う。

text:綾野 真、辻 啓
photo:辻 啓,CorVos


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