2011/09/18(日) - 07:45
降り続ける雨の中開催されたツアー・オブ・チャイナ、第7ステージ。この日も勝者はボリス・シュピレフスキ(ロシア、タブリーズ・ペトロケミカル)。4連勝目を挙げた。愛三工業レーシングチームは西谷泰治が10位でフィニッシュしている。
第7ステージは雨のサーキットレースに
成都温江で開催された第7ステージは17.6kmの周回コースを6周回するサーキットレースだった。ホテルから会場まで、当初は40分で到着するという話だったが、じっさいの所要時間は1時間40分ほど。選手や関係者はレーススタートのわずか30分前に会場に到着した。
好天が続いていたが、この日は朝からの本降り。選手は慌ただしく雨用の装備を身につけ、サインに並んだ。
「予定どおり11時スタートするよ!」誰に聞いても、同じ答えが返ってきていたが、スタートの号砲が響いたのは、11時07分。少しだけ遅れて雨の第7ステージがスタートした。
序盤からアタックがかかるが、なかなか決まらない。3周回目にして伊藤雅和(愛三工業レーシングチーム)や山岳賞ジャージを着るロシェ・ディオン(オーストラリア、チャンピオンシステム)ら5人の逃げが集団から1分の差を奪う。しかし、1分10秒よりタイム差は開くことなく、圧倒的な力で集団をコントロールするタブリーズ・ペトロケミカルチームらの加速により、5周回目に集団に吸収される。
シュピレフスキが4勝目をマーク
そして、今日もゴールに勢いよく飛び込んできたのは、ブルーのポイント賞ジャージを着るボリス・シュピレフスキ(ロシア、タブリーズ・ペトロケミカル)。ピントを迷うことなく合わせられるほど余裕のゴール。4連勝目をアピールするべく4本指を雨空にかざした。
「暑いレースより、このくらいの気候のほうがいいね。今日も完璧なチームワークで、最後のスプリントまで脚を溜めることができた。チームに感謝しているよ」とレースを振り返ったシュピレフスキ。集団でゴールするかぎりリーダージャージをキープできるジャイアント・ケンダに代わって、レースをコントロールする実質的なリーダーチームはタブリーズ・ペトロケミカルであり、レースの主役はシュピレフスキであった。
残り2ステージに集中する愛三工業レーシングチーム
愛三チームは西谷泰治の10位が最高位。最終カーブを抜けた時点でチームのラインは乱れ、盛一大が1人で西谷を牽引し、残り300mで西谷が加速。しかし、他選手と接触したこともあり最前列でのゴールスプリントに加われなかった。ここ数日、今大会無敵のスプリンター、シュピレフスキに圧倒されてしまっているが、残されたステージは2つ。きっと悔しさを晴らすレースをしてくれるだろう。
明日第8ステージは1級山岳のクイーンステージ
明日、第8ステージはクイーンステージと呼ばれる、1級山岳と2級山岳が含まれるコース。移動日を挟み開催される最終ステージは天津でのクリテリウムのため、総合順位は明日の山岳ステージで決定されるだろう。
現在トップのムラディヤン・ハルムラトフ(ウズベキスタン、ジャイアント・ケンダ)が獲得しているタイム差は3分19秒。134.1km、スプリントポイントを2つ越えた先に、2級山岳、高低差約700mの1級山岳が控え、そこからゴールまで約40kmはダウンヒルとなる。山頂ゴールではないため、山岳である程度絞られたグループによるゴールスプリントになると思われる。
「山岳も得意」と話す総合リーダー、ハルムラトフを山岳で大きく引き離すことはできるのか? また僅差に付ける山岳賞争いも明日が山場だ。愛三工業レーシングチームで総合上位につけているのは鈴木謙一。彼の走りにも注目したい。いよいよレースはクライマックスを迎える。
ツアー・オブ・チャイナ2011 第7ステージ結果
1位 ボリス・シュピレフスキ(ロシア、タブリーズ・ペトロケミカル) 2h17'15"
2位 セバスシャン・フォルケ(ドイツ、ニュートリション)
3位 アーロン・カンプス(オーストラリア、Vオーストラリア)
4位 グリシア・ヤノルシュケ(ドイツ、ニュートリション)
5位 ロジャース・リコ(ニュージーランド、ジャイアント・ケンダ)
6位 イワン・コヴァレフ(ロシア、ロシアナショナル)
7位 ジョナサン・キャントウェル(オーストラリア、Vオーストラリア)
8位 ペーター・エルディン(スイス、アトラスパーソナル・ジャクロー)
9位 ミッシェルパスカル・ジュール(フランス、ラポム・マルセイユ)
10位 西谷泰治(愛三工業レーシングチーム)
46位 鈴木謙一(愛三工業レーシングチーム)
97位 伊藤雅和(愛三工業レーシングチーム)
104位 盛一大(愛三工業レーシングチーム)
110位 綾部勇成(愛三工業レーシングチーム)+41"
112位 中島康晴(愛三工業レーシングチーム)+1'11"
個人総合成績(イエロージャージ)
1位 ムラディヤン・ハルムラトフ(ウズベキスタン、ジャイアント・ケンダ)21h28'34"
2位 イワン・コヴァレフ(ロシア、ロシアナショナル)+3'19"
3位 アレクサンドル・セロフ(ロシア、ロシアナショナル)+3'22"
4位 ジャン・スンジェ(韓国、韓国ナショナル)+3'23"
5位 パブロ・ルシュガ(スペイン、アンダルシア・カハグラナダ)+3'31"
6位 マテイ・ムジェルリ(スロベニア、プルティニナ)+3'33"
7位 クリスター・レイク(ノルウェー、ジョーカー・メリダ)
8位 ベルナールド・スルズベガー(オーストラリア、Vオーストラリア)+3'34"
9位 ピルミン・ラング(スイス、アトラスパーソナル・ジャクロー)+3'35"
10位 ディルク・ミューラー(ドイツ、ニュトリキシオン)
38位 鈴木謙一(愛三工業レーシングチーム)+3'49"
50位 西谷泰治(愛三工業レーシングチーム)+7'54"
85位 伊藤雅和(愛三工業レーシングチーム)+8'15"
88位 綾部勇成(愛三工業レーシングチーム)+8'41"
92位 中島康晴(愛三工業レーシングチーム)+9'11"
96位 盛一大(愛三工業レーシングチーム)+10'39"
ポイント賞(ブルージャージ)
ボリス・シュピレフスキ(ロシア、タブリーズ・ペトロケミカル)
山岳賞(ポルカドットジャージ)
ロシェ・ディオン(オーストラリア、チャンピオンシステム)
チーム総合成績
ジョーカー・メリダ
photo&text:Sonoko.Tanaka
第7ステージは雨のサーキットレースに
成都温江で開催された第7ステージは17.6kmの周回コースを6周回するサーキットレースだった。ホテルから会場まで、当初は40分で到着するという話だったが、じっさいの所要時間は1時間40分ほど。選手や関係者はレーススタートのわずか30分前に会場に到着した。
好天が続いていたが、この日は朝からの本降り。選手は慌ただしく雨用の装備を身につけ、サインに並んだ。
「予定どおり11時スタートするよ!」誰に聞いても、同じ答えが返ってきていたが、スタートの号砲が響いたのは、11時07分。少しだけ遅れて雨の第7ステージがスタートした。
序盤からアタックがかかるが、なかなか決まらない。3周回目にして伊藤雅和(愛三工業レーシングチーム)や山岳賞ジャージを着るロシェ・ディオン(オーストラリア、チャンピオンシステム)ら5人の逃げが集団から1分の差を奪う。しかし、1分10秒よりタイム差は開くことなく、圧倒的な力で集団をコントロールするタブリーズ・ペトロケミカルチームらの加速により、5周回目に集団に吸収される。
シュピレフスキが4勝目をマーク
そして、今日もゴールに勢いよく飛び込んできたのは、ブルーのポイント賞ジャージを着るボリス・シュピレフスキ(ロシア、タブリーズ・ペトロケミカル)。ピントを迷うことなく合わせられるほど余裕のゴール。4連勝目をアピールするべく4本指を雨空にかざした。
「暑いレースより、このくらいの気候のほうがいいね。今日も完璧なチームワークで、最後のスプリントまで脚を溜めることができた。チームに感謝しているよ」とレースを振り返ったシュピレフスキ。集団でゴールするかぎりリーダージャージをキープできるジャイアント・ケンダに代わって、レースをコントロールする実質的なリーダーチームはタブリーズ・ペトロケミカルであり、レースの主役はシュピレフスキであった。
残り2ステージに集中する愛三工業レーシングチーム
愛三チームは西谷泰治の10位が最高位。最終カーブを抜けた時点でチームのラインは乱れ、盛一大が1人で西谷を牽引し、残り300mで西谷が加速。しかし、他選手と接触したこともあり最前列でのゴールスプリントに加われなかった。ここ数日、今大会無敵のスプリンター、シュピレフスキに圧倒されてしまっているが、残されたステージは2つ。きっと悔しさを晴らすレースをしてくれるだろう。
明日第8ステージは1級山岳のクイーンステージ
明日、第8ステージはクイーンステージと呼ばれる、1級山岳と2級山岳が含まれるコース。移動日を挟み開催される最終ステージは天津でのクリテリウムのため、総合順位は明日の山岳ステージで決定されるだろう。
現在トップのムラディヤン・ハルムラトフ(ウズベキスタン、ジャイアント・ケンダ)が獲得しているタイム差は3分19秒。134.1km、スプリントポイントを2つ越えた先に、2級山岳、高低差約700mの1級山岳が控え、そこからゴールまで約40kmはダウンヒルとなる。山頂ゴールではないため、山岳である程度絞られたグループによるゴールスプリントになると思われる。
「山岳も得意」と話す総合リーダー、ハルムラトフを山岳で大きく引き離すことはできるのか? また僅差に付ける山岳賞争いも明日が山場だ。愛三工業レーシングチームで総合上位につけているのは鈴木謙一。彼の走りにも注目したい。いよいよレースはクライマックスを迎える。
ツアー・オブ・チャイナ2011 第7ステージ結果
1位 ボリス・シュピレフスキ(ロシア、タブリーズ・ペトロケミカル) 2h17'15"
2位 セバスシャン・フォルケ(ドイツ、ニュートリション)
3位 アーロン・カンプス(オーストラリア、Vオーストラリア)
4位 グリシア・ヤノルシュケ(ドイツ、ニュートリション)
5位 ロジャース・リコ(ニュージーランド、ジャイアント・ケンダ)
6位 イワン・コヴァレフ(ロシア、ロシアナショナル)
7位 ジョナサン・キャントウェル(オーストラリア、Vオーストラリア)
8位 ペーター・エルディン(スイス、アトラスパーソナル・ジャクロー)
9位 ミッシェルパスカル・ジュール(フランス、ラポム・マルセイユ)
10位 西谷泰治(愛三工業レーシングチーム)
46位 鈴木謙一(愛三工業レーシングチーム)
97位 伊藤雅和(愛三工業レーシングチーム)
104位 盛一大(愛三工業レーシングチーム)
110位 綾部勇成(愛三工業レーシングチーム)+41"
112位 中島康晴(愛三工業レーシングチーム)+1'11"
個人総合成績(イエロージャージ)
1位 ムラディヤン・ハルムラトフ(ウズベキスタン、ジャイアント・ケンダ)21h28'34"
2位 イワン・コヴァレフ(ロシア、ロシアナショナル)+3'19"
3位 アレクサンドル・セロフ(ロシア、ロシアナショナル)+3'22"
4位 ジャン・スンジェ(韓国、韓国ナショナル)+3'23"
5位 パブロ・ルシュガ(スペイン、アンダルシア・カハグラナダ)+3'31"
6位 マテイ・ムジェルリ(スロベニア、プルティニナ)+3'33"
7位 クリスター・レイク(ノルウェー、ジョーカー・メリダ)
8位 ベルナールド・スルズベガー(オーストラリア、Vオーストラリア)+3'34"
9位 ピルミン・ラング(スイス、アトラスパーソナル・ジャクロー)+3'35"
10位 ディルク・ミューラー(ドイツ、ニュトリキシオン)
38位 鈴木謙一(愛三工業レーシングチーム)+3'49"
50位 西谷泰治(愛三工業レーシングチーム)+7'54"
85位 伊藤雅和(愛三工業レーシングチーム)+8'15"
88位 綾部勇成(愛三工業レーシングチーム)+8'41"
92位 中島康晴(愛三工業レーシングチーム)+9'11"
96位 盛一大(愛三工業レーシングチーム)+10'39"
ポイント賞(ブルージャージ)
ボリス・シュピレフスキ(ロシア、タブリーズ・ペトロケミカル)
山岳賞(ポルカドットジャージ)
ロシェ・ディオン(オーストラリア、チャンピオンシステム)
チーム総合成績
ジョーカー・メリダ
photo&text:Sonoko.Tanaka
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