2011/09/06(火) - 06:07
「魔の山」アングリルを登った土井雪広(スキル・シマノ)は、100km離れたカスティーリャ・イ・レオン州のレオンにあるホテルに夜遅く到着。2回目の休息日をゆったりと過ごした。いよいよブエルタ・ア・エスパーニャは3週目に突入。“ユキ(チーム内の愛称)”は、完走以上の活躍を狙っている。
2回目の休息日の過ごし方は?
「今日は午前中に1時間ぐらい軽く乗って筋肉をほぐした。チームメイトの中にはもっと乗る選手もいるけど、休息日はなるべくバイクを見たくない(笑)あと、ホテルのレストランが出すパスタは伸びていてまるでソフト麺。美味しくないので、今日はサトウのご飯2つと、食べるラー油を瓶の半分ぐらい食べた。のんびり過ごしています」
昨日巻き込まれた落車について
「1級山岳に向けて60km/hオーバーで巡航している時に、前方で落車が発生。ブレーキングが間に合わず、ボーネンらの上を転がった。左手で着地したけど、減速した状態での落車だったのでダメージはほとんどない。落車の後『バイク交換、バイク交換』と無線で伝え、メカニックがホイールを持って駆けつけたので、前輪だけ交換して再スタートした。衝撃の影響か、今は少しだけ腕が筋肉痛」
落車後はすぐに集団に復帰できた?
「集団復帰を目指してマルツァーノ(ランプレ)らと一緒にカーペーサー。70km/hを超えるスピードで追ったのに、集団もスピードが上がっていたのでなかなか追いつかなかった。1級山岳の登り始めまで3kmを残して集団に復帰。でも登りまでに前に上がれず、そのまま集団後方で登りに入った。しばらく粘ったけど、1級山岳でメイン集団から遅れ、集団がバラバラになった状態でアングリルに向かった」
悪名高きアングリルについて
「今まで経験した登りの中で、間違いなく一番厳しかった、ダントツで。富士山のあざみラインの比じゃない。勾配がきついし、道も狭くて、しかも路面も悪くて滑りやすい。そして寒かった。特に中盤の平坦区間を過ぎたあたり(ラスト7km)からがギャグのように酷かった。もっと余裕をもって道を作ればいいのに、九十九折りが急斜面に沿って細かくクネクネと伸びている。クルマが通るために作った道とは思えない。コーナーのイン側は確実に27%以上あったと思う。観客は熱くてところどころ観客が邪魔で走りにくかったけど、逆に背中を押してくれる人も。あまりにも押す勢いが良すぎて落車しそうだった(笑)」
そんな一番厳しいアングリルを走った後のダメージは?
「急勾配だったけど、それに合わせたギア比を用意していたし、特別なダメージは受けていない。チームメンバーは全員コンパクトドライブで、自分を含めて登れる4名はスペアバイクにもコンパクトを装着した。エネルギーの消耗が思いのほか激しくて、しっかり補給を摂っていたのに、頂上ではおなかがすいた状態だった」
この2週間で最も辛かったステージは?
「1回目の休息日明け、モンクティエが勝った第11ステージ。休息日で休めていたはずなのに、その日だけズドーンと体調が落ちた。不調のときは朝食が美味しくなくて、しかも寝付きが悪い。でも不調だったのはその日だけで、翌日には回復していた。やっぱり3週間の長い闘いの中では何かが起きる。落車もせず、体調を崩さないなんて奇跡に近い」
予想していたよりも疲れていない?
「今日走った感じでは普通に走れている。すでに開幕から2週間が経過したけど、この頃にはもっと疲れきっていると想像していた。確かに疲れているものの、脚は回っている」
残りのステージの闘い方について
「明日の第16ステージは平坦なので気が楽。でも風が吹けば辛いステージになるかもしれない。すでに20名ほどがリタイアしているので、だいぶ集団が小さくなっている。この20名の差は大きい。風が吹いて集団の後方で苦しむなら、逃げた方が楽な場合もある。チームの戦略はまだ決まっていなくて、チームメイトはみんな疲れていると口では言っているけど、実際のところは分からない。明日はフィーラースがスプリントするにしても、チームとして集団をコントロールすることはないと思う」
やはり狙いは第18ステージ?
「最終日のマドリードステージは1ステージにカウントしていないので、実質的に残り5ステージ。そのうち活躍のチャンスがあるのは、もう第18ステージと第19ステージしかない。みんな応援してくれているし、もう一回ぐらい何かしたい。マドリードはもうすぐ。最後まで楽しんで行きます」
text&photo:Kei Tsuji in Leon, Spain
2回目の休息日の過ごし方は?
「今日は午前中に1時間ぐらい軽く乗って筋肉をほぐした。チームメイトの中にはもっと乗る選手もいるけど、休息日はなるべくバイクを見たくない(笑)あと、ホテルのレストランが出すパスタは伸びていてまるでソフト麺。美味しくないので、今日はサトウのご飯2つと、食べるラー油を瓶の半分ぐらい食べた。のんびり過ごしています」
昨日巻き込まれた落車について
「1級山岳に向けて60km/hオーバーで巡航している時に、前方で落車が発生。ブレーキングが間に合わず、ボーネンらの上を転がった。左手で着地したけど、減速した状態での落車だったのでダメージはほとんどない。落車の後『バイク交換、バイク交換』と無線で伝え、メカニックがホイールを持って駆けつけたので、前輪だけ交換して再スタートした。衝撃の影響か、今は少しだけ腕が筋肉痛」
落車後はすぐに集団に復帰できた?
「集団復帰を目指してマルツァーノ(ランプレ)らと一緒にカーペーサー。70km/hを超えるスピードで追ったのに、集団もスピードが上がっていたのでなかなか追いつかなかった。1級山岳の登り始めまで3kmを残して集団に復帰。でも登りまでに前に上がれず、そのまま集団後方で登りに入った。しばらく粘ったけど、1級山岳でメイン集団から遅れ、集団がバラバラになった状態でアングリルに向かった」
悪名高きアングリルについて
「今まで経験した登りの中で、間違いなく一番厳しかった、ダントツで。富士山のあざみラインの比じゃない。勾配がきついし、道も狭くて、しかも路面も悪くて滑りやすい。そして寒かった。特に中盤の平坦区間を過ぎたあたり(ラスト7km)からがギャグのように酷かった。もっと余裕をもって道を作ればいいのに、九十九折りが急斜面に沿って細かくクネクネと伸びている。クルマが通るために作った道とは思えない。コーナーのイン側は確実に27%以上あったと思う。観客は熱くてところどころ観客が邪魔で走りにくかったけど、逆に背中を押してくれる人も。あまりにも押す勢いが良すぎて落車しそうだった(笑)」
そんな一番厳しいアングリルを走った後のダメージは?
「急勾配だったけど、それに合わせたギア比を用意していたし、特別なダメージは受けていない。チームメンバーは全員コンパクトドライブで、自分を含めて登れる4名はスペアバイクにもコンパクトを装着した。エネルギーの消耗が思いのほか激しくて、しっかり補給を摂っていたのに、頂上ではおなかがすいた状態だった」
この2週間で最も辛かったステージは?
「1回目の休息日明け、モンクティエが勝った第11ステージ。休息日で休めていたはずなのに、その日だけズドーンと体調が落ちた。不調のときは朝食が美味しくなくて、しかも寝付きが悪い。でも不調だったのはその日だけで、翌日には回復していた。やっぱり3週間の長い闘いの中では何かが起きる。落車もせず、体調を崩さないなんて奇跡に近い」
予想していたよりも疲れていない?
「今日走った感じでは普通に走れている。すでに開幕から2週間が経過したけど、この頃にはもっと疲れきっていると想像していた。確かに疲れているものの、脚は回っている」
残りのステージの闘い方について
「明日の第16ステージは平坦なので気が楽。でも風が吹けば辛いステージになるかもしれない。すでに20名ほどがリタイアしているので、だいぶ集団が小さくなっている。この20名の差は大きい。風が吹いて集団の後方で苦しむなら、逃げた方が楽な場合もある。チームの戦略はまだ決まっていなくて、チームメイトはみんな疲れていると口では言っているけど、実際のところは分からない。明日はフィーラースがスプリントするにしても、チームとして集団をコントロールすることはないと思う」
やはり狙いは第18ステージ?
「最終日のマドリードステージは1ステージにカウントしていないので、実質的に残り5ステージ。そのうち活躍のチャンスがあるのは、もう第18ステージと第19ステージしかない。みんな応援してくれているし、もう一回ぐらい何かしたい。マドリードはもうすぐ。最後まで楽しんで行きます」
text&photo:Kei Tsuji in Leon, Spain
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