5月10日、キャトルジュール・ド・ダンケルク2009の最終ステージとなる第6ステージが行われ、アンドレ・グライペル(ドイツ、チームコロンビア)が復活のスプリント勝利を挙げた。総合はルイ・ダコスタ(ポルトガル、ケスデパーニュ)が守り切った。序盤から好走を見せた新城幸也(日本、Bboxブイグテレコム)は総合9位の好成績でフィニッシュしている。

「ダンケルク4日間」の名称に違う最終第6ステージ。スタート前、リーダージャージを着るルイ・ダコスタ(ポルトガル、ケスデパーニュ)とダヴィ・ルレイ(フランス、アグリチュベル)の差は9秒。大きな差のつきにくいコースとは言え、中間ポイントなどを含めれば逆転の可能性のある差だ。

晴天下の最終ステージのスタートを切ったのは116名の選手たち。総合9位の好位置につける新城幸也(日本、Bboxブイグテレコム)もこの中に含まれる。この日はスタート直後のアタックが決まり、ロメン・ヴィラ(フランス、コフィディス)、ウィリアム・ボネ(フランス、Bboxブイグテレコム)、セドリック・ピノー(フランス、アージェードゥーゼル)、アダム・ハンセン(オーストラリア、チームコロンビア)、アーノード・ファンフロエン(オランダ、ヴァカンソレイユ)の5名が逃げグループを形成する。

ポイント賞ジャージを着るアンドレ・グライペル(ドイツ、チームコロンビア)がスプリント勝利を挙げるポイント賞ジャージを着るアンドレ・グライペル(ドイツ、チームコロンビア)がスプリント勝利を挙げる photo:www.4joursdedunkerque.org

しかし総合優勝のかかったケスデパーニュとステージ勝利を狙いたいフランセーズデジューが集団を完璧にコントロール。25km地点の3分20秒差からはその差は詰まる一方で、逃げる5人は完全に集団の支配下に。残り15kmでこの5人が吸収されると、カウンターで第3ステージ覇者セバスティアン・デュレ(フランス、ブルターニュ・シュレ)を含む6人が抜け出すも、決定的な差はつかずに勝負は集団スプリントにもつれこんだ。

ここまで集団スプリントで勝利を逃してきたアンドレ・グライペル(ドイツ、チームコロンビア)が、最終ステージでユルゲン・ローランツ(ベルギー、サイレンス・ロット)、セバスティアン・シャヴァネル(フランス、フランセーズデジュー)らを下して勝利を挙げた。グライペルの勝利は1月のツアー・ダウンアンダー第1ステージ以来4ヶ月ぶり。その第3ステージで落車脱臼し長らく戦線を離れていたグライペルにとって、復活を告げる久々の勝利だ。

総合優勝を遂げたルイ・ダコスタ(ポルトガル、ケスデパーニュ)総合優勝を遂げたルイ・ダコスタ(ポルトガル、ケスデパーニュ) photo:www.4joursdedunkerque.org

総合優勝はダコスタが守り切った。ダコスタはポルトガル期待の若手オールラウンダーで、07年には若手の登竜門ジロ・デッレ・レジオニで総合優勝、昨年はツール・ド・ラヴニールで2位になっている。若干22才で、チームの期待も大きい注目選手だ。

この日14位に入った新城幸也は総合9位でフィニッシュ。スプリンターとルーラーのためのステージレースと呼ばれる今大会は、新城の脚質向きだったとはいえ、1週間のオークラス(HC)のレースでトップ10に入ったことは賞賛に値する。新城は4月下旬のアムステルゴールドレースにも見られたように、着実にトップレベルのレースに順応し結果を残している。新城の次戦はカタルーニャ一周(5月18日〜24日)。ジロと併催とはいえ、プロツアーでダンケルクよりも一段高いレベルのレースとなるが、新城のますますのアグレッシブな走りを期待したい。


キャトル・ジュール・ド・ダンケルク2009第6ステージ結果
1位 アンドレ・グライペル(ドイツ、チームコロンビア)3h47'02"
2位 ユルゲン・ローランツ(ベルギー、サイレンス・ロット)
3位 セバスティアン・シャヴァネル(フランス、フランセーズデジュー)
4位 アレクサンドル・ブレン(フランス、コフィディス)
5位 バーデン・クック(オーストラリア、ヴァカンソレイユ)
6位 ケニーロバート・ファンヒュンメル(オランダ、スキル・シマノ)
7位 ロメン・フェイユ(フランス、アグリチュベル)
8位 クラース・ロドヴィック(ベルギー、トップスポーツ・フラーンデレン)
9位 ロイド・モンドリ(フランス、アージェードゥゼル)
10位 アントニ・ラヴァール(フランス、アグリチュベル)
14位 新城幸也(日本、Bboxブイグテレコム)

個人総合成績
1位 ルイ・ダコスタ(ポルトガル、ケスデパーニュ)23h36'57"
2位 ダヴィ・ルレイ(フランス、アグリチュベル)+09"
3位 シリル・ルモワンヌ(フランス、スキル・シマノ)+18"
4位 アンドレ・グライペル(ドイツ、チームコロンビア)+22"
5位 ユルゲン・ローランツ(ベルギー、サイレンス・ロット)+24"
6位 ピエリック・フェドリゴ(フランス、Bboxブイグテレコム)+30"
7位 ルイス・ロドリゲス(スペイン、ケスデパーニュ)+34"
8位 ステファヌ・オジェ(フランス、コフィディス)+35"
9位 新城幸也(日本、Bboxブイグテレコム)+38"
10位 マチュー・ラダニュ(フランス、フランセーズデジュー)

ポイント賞

アンドレ・グライペル(ドイツ、チームコロンビア)

山岳賞

サミュエル・ドュムラン(フランス、コフィディス)

新人賞

ルイ・ダコスタ(ポルトガル、ケスデパーニュ)

チーム総合成績

ケスデパーニュ

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