2011/06/13(月) - 15:39
超級山岳を含むツール・ド・スイス第2ステージは、ゴールの山頂に向けてアタックが頻発。マウリシオ・ソレール(コロンビア、モビスター)が有力選手を置き去りにして区間優勝。同時にリーダーの座についた。
6月12日、ツール・ド・スイス第2ステージがアイローロ〜クラン・モンタナ間の149kmで行われた。コースは序盤に今大会の最大標高地点である超級山岳ヌフェネン峠(標高2478m)を越え、下り基調でしばらく走った後、残り23kmを登ってゴールするレイアウト。山頂ゴールに総合争いの激化が予想された。
レースはヌフェネン峠の頂上付近でようやく選手が動き出す。超級の山頂を先頭通過したのはスプリンターのマッティ・ブレシェル(デンマーク、ラボバンク)。しかし下りでホセイバン・グティエレス(スペイン、モビスター)、ロイド・モンドリー(フランス、アージェードゥーゼル)の2人が飛び出し、ブレシェルをかわして先頭に立つ。
この2人は集団に対して最大5分の差をつけるが、レオパード・トレックやレディオシャックがコントロールする集団は距離がすすむごとにリードを削り、クラン・モンタナの登り口でその差は3分になる。
リーダージャージのファビアン・カンチェラーラ(スイス、レオパード・トレック)はシュレク兄弟をしっかりクラン・モンタナまでエスコート。登りに入ってからは総合10位につけるリーナス・ゲルデマン(ドイツ、レオパード・トレック)がフランク・シュレク(ルクセンブルク、レオパード・トレック)のために前を引く。チームエースはあくまでもフランクだ。
そのフランクはゴールまで12kmを残して自らアタックし、レースの口火を切る。飛び出していたマティアス・フランク(スイス、BMCレーシング)とダニーロ・ディルーカ(イタリア、カチューシャ)、ステフェン・クルイシュウィック(オランダ、ラボバンク)の3人が残り2.6kmで吸収されると、選ばれし選手の争いが激化。
15人ほどに絞られた先頭集団からアタックを見せたのはフランク・シュレック。これに応じるように07ツールの山岳王マウリシオ・ソレール(コロンビア、モビスター)がカウンターを仕掛ける。これにはシュレク、ディルーカ、ダミアーノ・クネゴ(イタリア、ランプレISD)だけが追いすがる。
続いてクネゴがアタック。しかしこれは成功せず、さらにここから残り650mでソレールが再度カウンターアタックをかけると、他の選手はお見合い状態に。ゴールまで全開で独走を決めたソレールが07年以来となる勝利を飾った。12秒遅れの2位争いはクネゴがシュレクを制した。
優勝したソレールは昨日の個人TTで28秒遅れの18位に入っており、その好調さを裏付ける山岳勝利でリーダージャージも獲得した。ソレールは長身のクライマーで、2007年のツール・ド・フランスでは山岳賞を獲得している。翌年のツールで落車してからは相次ぐ故障に悩まされ、勝ち星に見放されていた。
山岳で調子の良さを見せた兄フランクとは対照的に、この日調整の遅れを露呈してしまったのはアンディ・シュレク。1分39秒遅れの16位に入り、総合ではすでに2分39秒遅れ。来るツールを不安視する声も上がり始めている。
翌第3ステージは第3ステージは1級山岳グリンゼル峠と超級山岳グロッセシャイデックを越えて標高1034mのグリンデルヴァルトにゴールする108km。まだ先の長いツール・ド・スイス、総合の行方はこれからだ。
ツール・ド・スイス2011第2ステージ結果
1位 マウリシオ・ソレール(コロンビア、モビスター) 4h23'20"
2位 ダミアーノ・クネゴ(イタリア、ランプレ・ISD) +12"
3位 フランク・シュレク(ルクセンブルク、レオパード・トレック)
4位 ダニーロ・ディルーカ(イタリア、カチューシャ) +16"
5位 バウク・モレマ(オランダ、ラボバンク) +18"
6位 リーヴァイ・ライプハイマー(アメリカ、レディオシャック) +34"
7位 ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、HTC・ハイロード) +36"
8位 マティアス・フランク(スイス、BMCレーシング) +39"
9位 エロス・カペッキ(イタリア、リクイガス・キャノンデール) +47"
10位 ローレンス・テンダム(オランダ、ラボバンク)
総合成績
1位 マウリシオ・ソレール(コロンビア、モビスター) 4h33'19"
2位 ダミアーノ・クネゴ(イタリア、ランプレ・ISD) +16"
3位 バウク・モレマ(オランダ、ラボバンク) +22"
4位 ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、HTC・ハイロード) +27"
5位 フランク・シュレク(ルクセンブルク、レオパード・トレック) +31"
6位 リーヴァイ・ライプハイマー(アメリカ、レディオシャック) +38"
7位 ダニーロ・ディルーカ(イタリア、カチューシャ) +39"
8位 マティアス・フランク(スイス、BMCレーシング) +52"
9位 クリス・フルーム(イギリス、チームスカイ) +1'02"
10位 エロス・カペッキ(イタリア、リクイガス・キャノンデール) +1'05"
山岳賞
マッティ・ブレシェル(デンマーク、ラボバンク)
スプリント賞
ロイド・モンドリー(フランス、アージェードゥーゼル)
チーム総合成績
ラボバンク
text:Yufta Omata
photo:Cor Vos
6月12日、ツール・ド・スイス第2ステージがアイローロ〜クラン・モンタナ間の149kmで行われた。コースは序盤に今大会の最大標高地点である超級山岳ヌフェネン峠(標高2478m)を越え、下り基調でしばらく走った後、残り23kmを登ってゴールするレイアウト。山頂ゴールに総合争いの激化が予想された。
レースはヌフェネン峠の頂上付近でようやく選手が動き出す。超級の山頂を先頭通過したのはスプリンターのマッティ・ブレシェル(デンマーク、ラボバンク)。しかし下りでホセイバン・グティエレス(スペイン、モビスター)、ロイド・モンドリー(フランス、アージェードゥーゼル)の2人が飛び出し、ブレシェルをかわして先頭に立つ。
この2人は集団に対して最大5分の差をつけるが、レオパード・トレックやレディオシャックがコントロールする集団は距離がすすむごとにリードを削り、クラン・モンタナの登り口でその差は3分になる。
リーダージャージのファビアン・カンチェラーラ(スイス、レオパード・トレック)はシュレク兄弟をしっかりクラン・モンタナまでエスコート。登りに入ってからは総合10位につけるリーナス・ゲルデマン(ドイツ、レオパード・トレック)がフランク・シュレク(ルクセンブルク、レオパード・トレック)のために前を引く。チームエースはあくまでもフランクだ。
そのフランクはゴールまで12kmを残して自らアタックし、レースの口火を切る。飛び出していたマティアス・フランク(スイス、BMCレーシング)とダニーロ・ディルーカ(イタリア、カチューシャ)、ステフェン・クルイシュウィック(オランダ、ラボバンク)の3人が残り2.6kmで吸収されると、選ばれし選手の争いが激化。
15人ほどに絞られた先頭集団からアタックを見せたのはフランク・シュレック。これに応じるように07ツールの山岳王マウリシオ・ソレール(コロンビア、モビスター)がカウンターを仕掛ける。これにはシュレク、ディルーカ、ダミアーノ・クネゴ(イタリア、ランプレISD)だけが追いすがる。
続いてクネゴがアタック。しかしこれは成功せず、さらにここから残り650mでソレールが再度カウンターアタックをかけると、他の選手はお見合い状態に。ゴールまで全開で独走を決めたソレールが07年以来となる勝利を飾った。12秒遅れの2位争いはクネゴがシュレクを制した。
優勝したソレールは昨日の個人TTで28秒遅れの18位に入っており、その好調さを裏付ける山岳勝利でリーダージャージも獲得した。ソレールは長身のクライマーで、2007年のツール・ド・フランスでは山岳賞を獲得している。翌年のツールで落車してからは相次ぐ故障に悩まされ、勝ち星に見放されていた。
山岳で調子の良さを見せた兄フランクとは対照的に、この日調整の遅れを露呈してしまったのはアンディ・シュレク。1分39秒遅れの16位に入り、総合ではすでに2分39秒遅れ。来るツールを不安視する声も上がり始めている。
翌第3ステージは第3ステージは1級山岳グリンゼル峠と超級山岳グロッセシャイデックを越えて標高1034mのグリンデルヴァルトにゴールする108km。まだ先の長いツール・ド・スイス、総合の行方はこれからだ。
ツール・ド・スイス2011第2ステージ結果
1位 マウリシオ・ソレール(コロンビア、モビスター) 4h23'20"
2位 ダミアーノ・クネゴ(イタリア、ランプレ・ISD) +12"
3位 フランク・シュレク(ルクセンブルク、レオパード・トレック)
4位 ダニーロ・ディルーカ(イタリア、カチューシャ) +16"
5位 バウク・モレマ(オランダ、ラボバンク) +18"
6位 リーヴァイ・ライプハイマー(アメリカ、レディオシャック) +34"
7位 ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、HTC・ハイロード) +36"
8位 マティアス・フランク(スイス、BMCレーシング) +39"
9位 エロス・カペッキ(イタリア、リクイガス・キャノンデール) +47"
10位 ローレンス・テンダム(オランダ、ラボバンク)
総合成績
1位 マウリシオ・ソレール(コロンビア、モビスター) 4h33'19"
2位 ダミアーノ・クネゴ(イタリア、ランプレ・ISD) +16"
3位 バウク・モレマ(オランダ、ラボバンク) +22"
4位 ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、HTC・ハイロード) +27"
5位 フランク・シュレク(ルクセンブルク、レオパード・トレック) +31"
6位 リーヴァイ・ライプハイマー(アメリカ、レディオシャック) +38"
7位 ダニーロ・ディルーカ(イタリア、カチューシャ) +39"
8位 マティアス・フランク(スイス、BMCレーシング) +52"
9位 クリス・フルーム(イギリス、チームスカイ) +1'02"
10位 エロス・カペッキ(イタリア、リクイガス・キャノンデール) +1'05"
山岳賞
マッティ・ブレシェル(デンマーク、ラボバンク)
スプリント賞
ロイド・モンドリー(フランス、アージェードゥーゼル)
チーム総合成績
ラボバンク
text:Yufta Omata
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