2011/05/15(日) - 02:43
ジロ2011第8ステージは、残り1.5kmの登りで飛び出したオスカル・ガット(イタリア、ファルネーゼヴィーニ・ネーリソットリ)が最後まで逃げ切って勝利。コンタドールが単独で追走し、総合のライバルに対してリードを奪った。
大方の予想に反して総合順位が動かなかった昨第7ステージ山頂ゴールから一夜、数少ないスプリンターのためのステージと目されたのがこの日の第8ステージ。イタリア南端を目指すサプリ〜トロペア間の217kmは逃げが決まってからは平坦ステージらしいゆったりとした展開に。
この日逃げを決めたのはレオナルド・ジョルダーニ(イタリア、ファルネーゼヴィーニ・ネーリソットリ)、ミルコ・セルヴァッジ(イタリア、ヴァカンソレイユ・DCM)の2人。元U23世界チャンピオンと若いクラシックレーサーのコンビは10分を超える差を稼ぎ出す。
メイン集団のコントロールに加わるのは、マリアローザのピーター・ウェーニング(オランダ)を擁するラボバンク勢と、クイックステップ。タイム差を計算しながらレースを進めていく。
少しずつタイム差が縮まっていく中、残り30kmでこの日最大の登りに入る。海岸線の美しい町ヴァレンティア・マリーナを縫うようにして進む登り坂でも大きな動きは生じない。淡々とメイン集団は逃げる2人との差を削り取っていく。
残り20kmを切ると、各チームが集団の主導権を握ろうと前へと出てくる。クイックステップに加えて、アンドローニ・ジョカトーリ、カチューシャ、サクソバンクがペースを上げると、残り11kmで2人との差を37秒に縮める。
このハイスピードで展開する集団の中で落車が発生。ここに巻き込まれたのはこの日のステージ優勝を狙うステファノ・ガルゼッリ(イタリア、アックア・エ・サポーネ)。アシスト選手が下がって集団復帰を助けようとするが、ガルゼッリはひとりチームカーの隊列を使って復帰を果たす。
残り7.5kmで逃げていた2人は集団に吸収。お互い力を使い切った2人はにこやかに手を振っての吸収となった。残り5kmからは、タイトなコーナーを抜けるたびに集団は細く伸びていく。ガルゼッリは結局ここで集団の前方に上がることができずこの日の勝利を逃すことに。残り4kmを切って統一的な動きを見せたのはチームスカイ。
そしてこの日の山場、平均勾配7.8%の650m続く登りに突入。レースは実に残り2km。この登りでは様々な選手がペースを上げるが、キレ味のよいアタックを残り1.5kmで見せたオスカル・ガット(イタリア、ファルネーゼヴィーニ・ネーリソットリ)がひとり飛び出すことに成功した。
一気に集団に対して差を付けていくガットを追って、残り1.2kmで集団から飛び出したのは総合優勝候補のアルベルト・コンタドール(スペイン、サクソバンク)。唐突なコンタドールのアタックに意表をつかれた他の総合狙いの選手は反応できず。
迫り来るコンタドールを力強い走りで追いつかせなかったガットがゴールラインで両手を上げた。最後追い込んだコンタドールは同タイムの2位、ボーナスタイム12秒を獲得。総合争いに好材料をプラスした。
5秒遅れの集団スプリントはマリア・ロッソを着るアレッサンドロ・ペタッキ(イタリア、ランプレ・ISD)が先着。3位に入り、ポイント勝リーダーの座をさらに強固なものにする。ウェーニングもこの集団でゴールしたため、総合順位はコンタドールが5位へ上がった他は大きな変動はない。
最後の登りでペタッキの後ろにつけていたフミこと別府史之(日本、レディオシャック)は、ガットとコンタドールの抜け出しこそ追えなかったものの、集団内21位でこの日を終えている。
悲しみに満ちた最初の1週間を終えた選手は、いよいよ激しさを増す第2週目に差しかかっていく。翌第9ステージはヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、リクイガス)の故郷メッシーナをスタートし、噴火のニュース新しいエトナ火山の山頂ゴールが設定されている。ジロ2011の本当の闘いはここから始まる。
ジロ・デ・イタリア2011第8ステージ結果
1位 オスカル・ガット(イタリア、ファルネーゼヴィーニ・ネーリソットリ) 4h59'45"
2位 アルベルト・コンタドール(スペイン、サクソバンク)
3位 アレッサンドロ・ペタッキ(イタリア、ランプレ・ISD) +5"
4位 アレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、BMCレーシング)
5位 ロベルト・フェラーリ(イタリア、アンドローニ・ジョカトーリ)
6位 ダヴィデ・アッポローニオ(イタリア、チームスカイ)
7位 フランシスコホセ・ベントソ(スペイン、モビスター)
8位 リナルド・ノチェンティーニ(イタリア、アージェードゥーゼル)
9位 クリストフ・ルメヴェル(フランス、フランセーズデジュー)
10位 クラース・ロデウィック(ベルギー、オメガファーマ・ロット)
21位 別府史之(日本、レディオシャック)
個人総合成績
1位 ピーター・ウェーニング(オランダ、ラボバンク) 28h09'49"
2位 カンスタンティン・シウトソウ(ベラルーシ、HTC・ハイロード) +2"
3位 マルコ・ピノッティ(イタリア、HTC・ハイロード)
4位 クリストフ・ルメヴェル(フランス、ガーミン・サーヴェロ) +5"
5位 アルベルト・コンタドール(スペイン、サクソバンク) +13"
6位 ミケーレ・スカルポーニ(イタリア、ランプレ・ISD) +14"
7位 パブロ・ラストラス(スペイン、モビスター) +22"
8位 ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、リクイガス) +24"
9位 ステフェン・クルイスウィック(オランダ、ラボバンク) +28"
10位 ホセ・セルパ(コロンビア、アンドローニ・ジョカトーリ) +33"
68位 別府史之(日本、レディオシャック) +16'04"
ポイント賞 マリアロッサ・パッシオーネ
アレッサンドロ・ペタッキ(イタリア、ランプレ・ISD)
山岳賞 マリアヴェルデ
バルト・デクレルク(ベルギー、オメガファーマ・ロット)
新人賞 マリアビアンカ
ステフェン・クルイスウィック(オランダ、ラボバンク)
チーム総合成績
モビスター
text:Yufta Omata
photo:Kei Tsuji,Riccardo Scanferla
大方の予想に反して総合順位が動かなかった昨第7ステージ山頂ゴールから一夜、数少ないスプリンターのためのステージと目されたのがこの日の第8ステージ。イタリア南端を目指すサプリ〜トロペア間の217kmは逃げが決まってからは平坦ステージらしいゆったりとした展開に。
この日逃げを決めたのはレオナルド・ジョルダーニ(イタリア、ファルネーゼヴィーニ・ネーリソットリ)、ミルコ・セルヴァッジ(イタリア、ヴァカンソレイユ・DCM)の2人。元U23世界チャンピオンと若いクラシックレーサーのコンビは10分を超える差を稼ぎ出す。
メイン集団のコントロールに加わるのは、マリアローザのピーター・ウェーニング(オランダ)を擁するラボバンク勢と、クイックステップ。タイム差を計算しながらレースを進めていく。
少しずつタイム差が縮まっていく中、残り30kmでこの日最大の登りに入る。海岸線の美しい町ヴァレンティア・マリーナを縫うようにして進む登り坂でも大きな動きは生じない。淡々とメイン集団は逃げる2人との差を削り取っていく。
残り20kmを切ると、各チームが集団の主導権を握ろうと前へと出てくる。クイックステップに加えて、アンドローニ・ジョカトーリ、カチューシャ、サクソバンクがペースを上げると、残り11kmで2人との差を37秒に縮める。
このハイスピードで展開する集団の中で落車が発生。ここに巻き込まれたのはこの日のステージ優勝を狙うステファノ・ガルゼッリ(イタリア、アックア・エ・サポーネ)。アシスト選手が下がって集団復帰を助けようとするが、ガルゼッリはひとりチームカーの隊列を使って復帰を果たす。
残り7.5kmで逃げていた2人は集団に吸収。お互い力を使い切った2人はにこやかに手を振っての吸収となった。残り5kmからは、タイトなコーナーを抜けるたびに集団は細く伸びていく。ガルゼッリは結局ここで集団の前方に上がることができずこの日の勝利を逃すことに。残り4kmを切って統一的な動きを見せたのはチームスカイ。
そしてこの日の山場、平均勾配7.8%の650m続く登りに突入。レースは実に残り2km。この登りでは様々な選手がペースを上げるが、キレ味のよいアタックを残り1.5kmで見せたオスカル・ガット(イタリア、ファルネーゼヴィーニ・ネーリソットリ)がひとり飛び出すことに成功した。
一気に集団に対して差を付けていくガットを追って、残り1.2kmで集団から飛び出したのは総合優勝候補のアルベルト・コンタドール(スペイン、サクソバンク)。唐突なコンタドールのアタックに意表をつかれた他の総合狙いの選手は反応できず。
迫り来るコンタドールを力強い走りで追いつかせなかったガットがゴールラインで両手を上げた。最後追い込んだコンタドールは同タイムの2位、ボーナスタイム12秒を獲得。総合争いに好材料をプラスした。
5秒遅れの集団スプリントはマリア・ロッソを着るアレッサンドロ・ペタッキ(イタリア、ランプレ・ISD)が先着。3位に入り、ポイント勝リーダーの座をさらに強固なものにする。ウェーニングもこの集団でゴールしたため、総合順位はコンタドールが5位へ上がった他は大きな変動はない。
最後の登りでペタッキの後ろにつけていたフミこと別府史之(日本、レディオシャック)は、ガットとコンタドールの抜け出しこそ追えなかったものの、集団内21位でこの日を終えている。
悲しみに満ちた最初の1週間を終えた選手は、いよいよ激しさを増す第2週目に差しかかっていく。翌第9ステージはヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、リクイガス)の故郷メッシーナをスタートし、噴火のニュース新しいエトナ火山の山頂ゴールが設定されている。ジロ2011の本当の闘いはここから始まる。
ジロ・デ・イタリア2011第8ステージ結果
1位 オスカル・ガット(イタリア、ファルネーゼヴィーニ・ネーリソットリ) 4h59'45"
2位 アルベルト・コンタドール(スペイン、サクソバンク)
3位 アレッサンドロ・ペタッキ(イタリア、ランプレ・ISD) +5"
4位 アレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、BMCレーシング)
5位 ロベルト・フェラーリ(イタリア、アンドローニ・ジョカトーリ)
6位 ダヴィデ・アッポローニオ(イタリア、チームスカイ)
7位 フランシスコホセ・ベントソ(スペイン、モビスター)
8位 リナルド・ノチェンティーニ(イタリア、アージェードゥーゼル)
9位 クリストフ・ルメヴェル(フランス、フランセーズデジュー)
10位 クラース・ロデウィック(ベルギー、オメガファーマ・ロット)
21位 別府史之(日本、レディオシャック)
個人総合成績
1位 ピーター・ウェーニング(オランダ、ラボバンク) 28h09'49"
2位 カンスタンティン・シウトソウ(ベラルーシ、HTC・ハイロード) +2"
3位 マルコ・ピノッティ(イタリア、HTC・ハイロード)
4位 クリストフ・ルメヴェル(フランス、ガーミン・サーヴェロ) +5"
5位 アルベルト・コンタドール(スペイン、サクソバンク) +13"
6位 ミケーレ・スカルポーニ(イタリア、ランプレ・ISD) +14"
7位 パブロ・ラストラス(スペイン、モビスター) +22"
8位 ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、リクイガス) +24"
9位 ステフェン・クルイスウィック(オランダ、ラボバンク) +28"
10位 ホセ・セルパ(コロンビア、アンドローニ・ジョカトーリ) +33"
68位 別府史之(日本、レディオシャック) +16'04"
ポイント賞 マリアロッサ・パッシオーネ
アレッサンドロ・ペタッキ(イタリア、ランプレ・ISD)
山岳賞 マリアヴェルデ
バルト・デクレルク(ベルギー、オメガファーマ・ロット)
新人賞 マリアビアンカ
ステフェン・クルイスウィック(オランダ、ラボバンク)
チーム総合成績
モビスター
text:Yufta Omata
photo:Kei Tsuji,Riccardo Scanferla
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