2011/02/11(金) - 11:04
2011年2月10日、ツアー・オブ・カタール(UCI2.1)第4ステージが開催され、集団スプリントでライバルたちを蹴散らしたマーク・レンショー(オーストラリア、HTC・ハイロード)が優勝。レンショーはハインリッヒ・ハウッスラー(オーストラリア、ガーミン・サーヴェロ)から総合リーダーの座を奪った。
第4ステージのスタート地点は、選手たちが宿泊しているリッツカールトンホテルの目と鼻の先にあるウェストベイラグーン。蛇行しながら北上し、再び南に下ってドーハ郊外のアル・カライティヤにゴールする153.5kmだ。
この日もスタート直後からアタックが連発する。8km地点でガティス・スムクリス(ラトビア、HTC・ハイロード)、シャビエル・フロレンシオ(スペイン、ジェオックス・TMC)やジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、ファルネーゼヴィーニ・ネーリ)を含む11名が逃げグループを形成。しかしリードは1分以上に広がらず。
フロレンシオが36km地点のスプリントポイントを先頭通過。しばらくして逃げグループは吸収され、ここから更にアタックが掛かる。
45km地点でヘルト・ステーグマン(ベルギー、クイックステップ)やダニーロ・ホンド(ドイツ、ランプレ・ISD)、ワウテル・ウェイラント(ベルギー、クイックステップ)、マークス・ブルグハート(ドイツ、BMCレーシングチーム)ら20名が飛び出し、68km地点で最大2分のリードを得た。
FDJやチームスカイが牽引するメイン集団は人数を減らしながら徐々にタイム差を詰め、ゴールまで35kmを残して先頭グループのリードは40秒に。
結局ステーグマンらのグループはラスト20kmで吸収。30名ほどに絞られていたメイン集団の中にファビアン・カンチェラーラ(スイス、レオパード・トレック)やマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、HTC・ハイロード)の姿は無かった。
ラスト13km地点でマーティン・チャリンギ(オランダ、ラボバンク)が単独エスケープを試みたが、メイン集団はこの動きを許さない。ラスト3kmを切るとブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ)がアタックし、ラース・ボーム(オランダ、ラボバンク)が合流。しかしスプリンターチームが逃げを全て飲み込んだ。
トレインを組んだレオパード・トレックが集団先頭でラスト1km。スチュアート・オグレディ(オーストラリア)、ダヴィデ・ヴィガノ(イタリア)、ワウテル・ウェイラント(ベルギー)の順でダニエーレ・ベンナーティ(イタリア)を解き放つ。
しかしラスト200mで早めに仕掛けたトム・ボーネン(ベルギー、クイックステップ)が先頭に。進路を遮られたリーダージャージのハウッスラーが集団内に埋もれる中、レンショーとベンナーティがボーネンと競り合う。最後まで伸びのあるスプリントを見せたレンショーが先着した。
エーススプリンターの勝利に欠かせない発射台として、“世界最高峰”の名声を得ているレンショー。久々の自身の勝利に喜びを隠せない。「自信を与えてくれたチームに感謝している。いつもは世界最速スプリンター(マーク・カヴェンディッシュ)のために走っているから、自分にチャンスが回ってくるのは稀。貴重なチャンスをものにできて良かった。この勝利は自分のやる気に繋がるよ。(オフシーズンに)結婚してから、ずっとトレーニングに打ち込んで来た。理解を示してサポートしてくれた妻にこの勝利を捧げたい。」
ステージ優勝によってボーナスタイムを獲得したレンショーは総合首位に浮上。ハウッスラーが6秒遅れ、ベンナーティが15秒遅れで追う展開で、いよいよ最終ステージを迎える。ボーナスタイムによる総合逆転は大いに有り得る。
レンショーは自身の総合優勝に向けて慎重な姿勢を崩さない。「明日はナーバスな闘いになるはず。ボーナスタイムが合計16秒設定されているので、戦略的にレースを運ぶ必要がある。このカタールには強力な3チームが出場している。ライバルチームの動きに警戒しながら、ミスなく走り切りたい。」
レース展開はレース公式サイト、選手コメントはHTC・ハイロード公式サイトより。
ツアー・オブ・カタール2011第4ステージ結果
1位 マーク・レンショー(オーストラリア、HTC・ハイロード) 3h12'36"
2位 ダニエーレ・ベンナーティ(イタリア、レオパード・トレック)
3位 トム・ボーネン(ベルギー、クイックステップ)
4位 ハインリッヒ・ハウッスラー(オーストラリア、ガーミン・サーヴェロ)
5位 デニス・ガリムジャノフ(ロシア、カチューシャ)
6位 ロジェ・クルーゲ(ドイツ、スキル・シマノ)
7位 フアンアントニオ・フレチャ(スペイン、チームスカイ)
8位 トーマス・ヴァイクス(リトアニア、アスタナ)
9位 ロジャー・ハモンド(イギリス、ガーミン・サーヴェロ)
10位 フレフ・ファンアフェルマート(ベルギー、オメガファーマ・ロット)
個人総合成績
1位 マーク・レンショー(オーストラリア、HTC・ハイロード) 12h47'00"
2位 ハインリッヒ・ハウッスラー(オーストラリア、ガーミン・サーヴェロ) +06"
3位 ダニエーレ・ベンナーティ(イタリア、レオパード・トレック) +15"
4位 フアンアントニオ・フレチャ(スペイン、チームスカイ) +24"
5位 ロジャー・ハモンド(イギリス、ガーミン・サーヴェロ) +36"
6位 ジェレミー・ハント(イギリス、チームスカイ) +37"
7位 ガブリエル・ラッシュ(ノルウェー、ガーミン・サーヴェロ) +40"
8位 ベルンハルト・アイゼル(オーストリア、HTC・ハイロード) +1'03"
9位 マークス・ブルグハート(ドイツ、BMCレーシングチーム) +1'31"
10位 ヘルト・ステーグマン(ベルギー、クイックステップ) +1'33"
ポイント賞
ハインリッヒ・ハウッスラー(オーストラリア、ガーミン・サーヴェロ)
新人賞
ニコラス・マース(ベルギー、クイックステップ)
チーム総合成績
ガーミン・サーヴェロ
text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos, A.S.O.
第4ステージのスタート地点は、選手たちが宿泊しているリッツカールトンホテルの目と鼻の先にあるウェストベイラグーン。蛇行しながら北上し、再び南に下ってドーハ郊外のアル・カライティヤにゴールする153.5kmだ。
この日もスタート直後からアタックが連発する。8km地点でガティス・スムクリス(ラトビア、HTC・ハイロード)、シャビエル・フロレンシオ(スペイン、ジェオックス・TMC)やジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、ファルネーゼヴィーニ・ネーリ)を含む11名が逃げグループを形成。しかしリードは1分以上に広がらず。
フロレンシオが36km地点のスプリントポイントを先頭通過。しばらくして逃げグループは吸収され、ここから更にアタックが掛かる。
45km地点でヘルト・ステーグマン(ベルギー、クイックステップ)やダニーロ・ホンド(ドイツ、ランプレ・ISD)、ワウテル・ウェイラント(ベルギー、クイックステップ)、マークス・ブルグハート(ドイツ、BMCレーシングチーム)ら20名が飛び出し、68km地点で最大2分のリードを得た。
FDJやチームスカイが牽引するメイン集団は人数を減らしながら徐々にタイム差を詰め、ゴールまで35kmを残して先頭グループのリードは40秒に。
結局ステーグマンらのグループはラスト20kmで吸収。30名ほどに絞られていたメイン集団の中にファビアン・カンチェラーラ(スイス、レオパード・トレック)やマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、HTC・ハイロード)の姿は無かった。
ラスト13km地点でマーティン・チャリンギ(オランダ、ラボバンク)が単独エスケープを試みたが、メイン集団はこの動きを許さない。ラスト3kmを切るとブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ)がアタックし、ラース・ボーム(オランダ、ラボバンク)が合流。しかしスプリンターチームが逃げを全て飲み込んだ。
トレインを組んだレオパード・トレックが集団先頭でラスト1km。スチュアート・オグレディ(オーストラリア)、ダヴィデ・ヴィガノ(イタリア)、ワウテル・ウェイラント(ベルギー)の順でダニエーレ・ベンナーティ(イタリア)を解き放つ。
しかしラスト200mで早めに仕掛けたトム・ボーネン(ベルギー、クイックステップ)が先頭に。進路を遮られたリーダージャージのハウッスラーが集団内に埋もれる中、レンショーとベンナーティがボーネンと競り合う。最後まで伸びのあるスプリントを見せたレンショーが先着した。
エーススプリンターの勝利に欠かせない発射台として、“世界最高峰”の名声を得ているレンショー。久々の自身の勝利に喜びを隠せない。「自信を与えてくれたチームに感謝している。いつもは世界最速スプリンター(マーク・カヴェンディッシュ)のために走っているから、自分にチャンスが回ってくるのは稀。貴重なチャンスをものにできて良かった。この勝利は自分のやる気に繋がるよ。(オフシーズンに)結婚してから、ずっとトレーニングに打ち込んで来た。理解を示してサポートしてくれた妻にこの勝利を捧げたい。」
ステージ優勝によってボーナスタイムを獲得したレンショーは総合首位に浮上。ハウッスラーが6秒遅れ、ベンナーティが15秒遅れで追う展開で、いよいよ最終ステージを迎える。ボーナスタイムによる総合逆転は大いに有り得る。
レンショーは自身の総合優勝に向けて慎重な姿勢を崩さない。「明日はナーバスな闘いになるはず。ボーナスタイムが合計16秒設定されているので、戦略的にレースを運ぶ必要がある。このカタールには強力な3チームが出場している。ライバルチームの動きに警戒しながら、ミスなく走り切りたい。」
レース展開はレース公式サイト、選手コメントはHTC・ハイロード公式サイトより。
ツアー・オブ・カタール2011第4ステージ結果
1位 マーク・レンショー(オーストラリア、HTC・ハイロード) 3h12'36"
2位 ダニエーレ・ベンナーティ(イタリア、レオパード・トレック)
3位 トム・ボーネン(ベルギー、クイックステップ)
4位 ハインリッヒ・ハウッスラー(オーストラリア、ガーミン・サーヴェロ)
5位 デニス・ガリムジャノフ(ロシア、カチューシャ)
6位 ロジェ・クルーゲ(ドイツ、スキル・シマノ)
7位 フアンアントニオ・フレチャ(スペイン、チームスカイ)
8位 トーマス・ヴァイクス(リトアニア、アスタナ)
9位 ロジャー・ハモンド(イギリス、ガーミン・サーヴェロ)
10位 フレフ・ファンアフェルマート(ベルギー、オメガファーマ・ロット)
個人総合成績
1位 マーク・レンショー(オーストラリア、HTC・ハイロード) 12h47'00"
2位 ハインリッヒ・ハウッスラー(オーストラリア、ガーミン・サーヴェロ) +06"
3位 ダニエーレ・ベンナーティ(イタリア、レオパード・トレック) +15"
4位 フアンアントニオ・フレチャ(スペイン、チームスカイ) +24"
5位 ロジャー・ハモンド(イギリス、ガーミン・サーヴェロ) +36"
6位 ジェレミー・ハント(イギリス、チームスカイ) +37"
7位 ガブリエル・ラッシュ(ノルウェー、ガーミン・サーヴェロ) +40"
8位 ベルンハルト・アイゼル(オーストリア、HTC・ハイロード) +1'03"
9位 マークス・ブルグハート(ドイツ、BMCレーシングチーム) +1'31"
10位 ヘルト・ステーグマン(ベルギー、クイックステップ) +1'33"
ポイント賞
ハインリッヒ・ハウッスラー(オーストラリア、ガーミン・サーヴェロ)
新人賞
ニコラス・マース(ベルギー、クイックステップ)
チーム総合成績
ガーミン・サーヴェロ
text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos, A.S.O.
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